【日本サッカー見聞録】華がないメディア・カンファレンス

2016.02.18 20:06 Thu
▽Jリーグの開幕を告げるメディア向けの“メディア・カンファレンス”が2月18日、都内のホテルで開催された。冒頭で村井チェアマンが「2016シーズンは鹿児島を加え、全国38都道府県に53クラブで開幕を迎えます」と宣言したように、今シーズンのJ3は鹿児島初のJクラブである鹿児島ユナイテッドと、FC東京、G大阪、C大阪のU-23チームも加わり16チームのリーグ戦となる。
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▽さらにサテライトリーグも復活するため、Jリーグ関係者は早くも日程調整に頭を悩ませていた。当面、サテライトリーグは各クラブの練習グラウンドが試合会場になりそうだ。これだけクラブ数が増えれば公共のスタジアムの使用には限界がある。J3が充実することにより、行政にスタジアムの整備を粛々と訴えて行くしかないだろう。▽さて第1部ではJ1の18選手がステージに登壇し、広島や鹿島といったタイトルを取ったチームの開幕戦の対戦選手とのインタビューが行われた。FC東京は中島が出席する予定だったものの、クラブの都合により水沼に変更。そして川崎Fも予定された大久保がコンディション不良のため谷口に代わった。
▽壇上に並んだ18人の選手を見て、改めてJリーグの置かれている厳しさを痛感した。なぜかというと“華”がないのだ。参加した選手には申し訳ないが、「客を呼べる選手」、ラグビー日本代表の五郎丸のような「一度は見てみたい選手」が見当たらない。

▽日本代表は柏木(浦和)一人だけ。リオ五輪組は植田(鹿島)と鈴木(新潟)の2人。その植田もナビスコ杯決勝には出ていない。元代表が楢崎(名古屋)と渡邉(神戸)、青山(広島)の3人だった。鳥栖なら豊田か林を、広島なら今は浅野が“旬”な選手だろうし、G大阪なら宇佐美あたりを出して欲しかった。
▽カズやジーコ、リネカー、リトバルスキーが並んだ時代とは隔世の感がある。むしろ監督インタビューで第1ステージと第2ステージの覇者に加え、昇格3チームの監督が登壇した方が“華”はあった。なぜなら名波監督(磐田)と井原監督(福岡)という往年の名選手が登壇したからだ。彼らは第2部の囲み取材の場でも多くの報道陣を集め、脚光を浴びていた。

▽各クラブにはそれぞれ事情があるのだろうが、話題作りという点ではプロ野球に遥かに及ばない。53ものクラブがブースを作り、監督(J1クラブの6人)や選手が囲み取材に対応しても、約1時間という限られた時間では取材にも限界がある。

▽いっそのこと、メディア・カンファレンスは2日間に分け、初日はJ1クラブだけの一点豪華主義で話題作りに専念し、2日目はJ2とJ3で地域密着の取材を受けるという方式にしてはどうだろうか。その方がJリーグ側(電通)も様々な演出が可能になるだろう。

▽現場を預かる監督はシーズン直前の練習を優先したい気持ちはわかる。しかしプロは注目されることも仕事の内。選手も“ビッグマウス”くらいがちょうどいいと思うのだが、いかがだろうか。


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