【原ゆみこのマドリッド】急に現実が見えてきた…

2016.01.30 12:00 Sat
▽「あまり買い被らなくてもいいんだけど」。そんな風に私がため息をついていたのは金曜日、翌日にアトレティコ戦を控えたバルサのルイス・エンリケ監督が、記者会見で「Es un rival directo/エス・ウン・リバル・ディレクト(直接ライバルだ)。勝ち点とゴールアベレージで大事な試合だね」と話したと知った時のことでした。いやあ、確かに相手は消化試合が1つ少ないものの、両チームは現在、勝ち点で並んでcolider(コリデル/首位タイ)同士。捕らぬ狸の皮算用で万が一、アトレティコが勝てば、2月半ばにクラブワールドカップで順延されたスポルティング・ヒホン戦を相手が戦うまで、堂々と順位表の一番上にいられるかもしれないだけに、できることなら、私だって「リーガの命運を左右する首位決戦」ぐらいの派手な言葉で盛り上げたいですよ。

▽それが全然、前向きになれないのはひとえに今週のコパ・デル・レイ準々決勝2ndレグのせいで、いえ、私も冷える平日の夜にヒートテックで上下を固めてビセンテ・カルデロンへ向かい、応援していたんですけどね。その日のアトレティコのプレーぶりがあまりに恐ろしく、それこそ何年か前のダメダメだったチームを思い出してしまったから、もう気分は落ち込むばかり。ええ、そのセルタ戦前には冗談半分で「triplete(トリプレテ/3冠優勝)の夢なんて、セビージャ戦で引き分けて、コパに敗退して、カンプ・ノウで3点取られたら、あっという間にオシャカになる」と言っていたファンフランなども、今ではきっと自分の言葉が最後まで本当にならないといいと心底、祈っているんじゃないかと思うんですが…。

▽いえ、愚痴っていても仕方ありません。とりあえず、水曜のセルタとのコパ2ndレグがどうだったのかをお話ししておくことにすると、その試合、リーガ前節のラージョ戦で温存したレギュラー選手をズラリと並べたベリッソ監督に対して、シメオネ監督もセビージャ戦からGKをオブラクからモヤに、CBの1人をサビッチからヒメネスに代えただけのベストメンバーで対抗。1stレグがスコアレスドローだったため、どうしても点を取って勝つ必要があった彼らは序盤からガンガン攻めていきますが、何せここ2試合、無得点が続いているチームですからね。
▽そう簡単にゴールが入る訳もなく、開始9分にはスタンドから先日、この冬の市場では契約延長を行わず、過去の未成年選手獲得の際に規則違反があったとして、2016-17シーズンの新規選手登録を禁じたFIFAの上訴委員会が処分の一時停止命令を出すことをクラブは期待、夏まで様子を見ることになったと、シメオネ監督に告げられたフェルナンド・トーレスへのカンティコ(応援歌)が沸き上がり、続いては「だからってシメオネ監督が非情だと言っている訳ではない」というフォローなのか、チョロ・コールがこだまするのを聞いているうち、早や20分が経過。すると…。

※このニュースは一部省略してご紹介させていただいております。全文が気になる方は[コラム]でご覧ください。
【マドリッド通信員】
原ゆみこ
南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。

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