【原ゆみこのマドリッド】体力がないといけない…

▽「寒いのに朝から可哀想に」そんな風に私が同情していたのは月曜日、気温が20度以上あったというカナリア諸島から前夜帰京したばかりというのに、午前11時から寒波に襲われ、2、3度しかないマハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場でアトレティコがセッションをしている映像を見た時のことでした。いえ、帽子とネックウォーマーで目だけしか出ていないグリースマンを筆頭に、ラス・パルマス戦でスタメン出場した選手たちは軽いランニング程度で済んだようですけどね。

▽マドリッドの他のチームはこの先、週末まで試合がないのとは対照的に、彼らはこのミッドウィークにもコパ・デル・レイ準々決勝セルタ戦1stレグのため、ビゴ(スペイン北西部)まで遠征。シメオネ監督のローテーション計画に従って、先発予定のGKモヤ、ヘスス・ガメス、サビッチ、シケイラ、クラネビテル、オリベル、トマス、カラスコ、コレア、ジャクソン・マルティネスらはガンガンにしごかれていたというから、何とも気の毒じゃないですか。

▽おまけに今週は水曜午後8時半(日本時間翌午前4時半)からのその試合に続き、日曜のリーガでは調子を上げて、いよいよヨーロッパの大会出場圏に近づいてきたセビージャを迎えるとなれば、たとえ向こうも木曜にコパがあるとはいえ、相手は2部のミランデスですからね。ケガ人も長期離脱のチアゴと足首を痛めているフェルナンド・トーレスぐらいというのは朗報ではあるものの、どうにもアトレティコの選手たちに疲労が溜まってしまいそうなのがちょっと心配なんですが…。
▽まあ、未だにノリトがバルサに移籍するのか、しないのかでゴタゴタしているセルタとの対戦はまた後で考えることにして、先に先週末のリーガ戦の様子をお伝えしておくことにしましょうか。シーズン後半戦最初の試合が行われた前節のマドリッド勢は皆、日曜にプレー。正午にはラージョがメスタジャでのバレンシア戦で先陣を切り、前半15分からホサベドのゴールでリードと、立ち上がりはいい感じだったんですよ。実際、ネビル新監督の下、まだリーガで初勝利を挙げていない相手は反撃もままならず、0-1でハーフタイムに入った時には早くもスタンドはホームチームへのpito(ピト/ブーイング)に包まれていたものの、でもねえ。そのまま優勢を維持できないのがラージョの辛いところ。

▽ええ、後半10分にはGKライアンのゴールキックをゼ・カストロとティトがネグレドに奪われて、その場からロングシュートで同点にされてしまう辺り、いかにも彼ららしいんですが、それでもその日は23分にCKから、アトレティコとのコパ16強対決2ndレグでの打撲から回復し、先発していたジョレンテがラージョの2点目をゲット。ところが今度は残り2分にパコ・アルカサルに決められて、結局、2-2の引き分けに。いえ、その数分前にやはりアルカセルが入れたゴールが本当はオフサイドでない、オフサイドで取り消されていなければ、「Si llega a ganar el Valencia, me ahorco en el vestuario/シー・ジェガ・ア・ガナール・エル・バレンシア、メ・アオルコ・エン・エル・エストゥアリオ(もしバレンシアが勝っていたら、私はロッカールームで首を吊っていた)」(パコ・ヘメス監督)という恐ろしい結果になりかねなかったんですから、それでもまだ良かったのかもしれませんけどね。▽何にしろ、これでどちらのチームも9試合白星なしということになったんですが、勝ち点1を稼いだおかげでラージョは順位を1つ上げて18位に。次は土曜に、兄貴分とのコパで疲れているはずのセルタをエスタディオ・デ・ラス・バジェカスに迎えるので、その時には降格圏からの脱出も夢ではないとは思いますが、さて。この試合を累積警告で欠場したFWハビ・ゲラ、バレンシアからのレンタル移籍ということで出られなかったGKジョエルは戻ってこられるものの、担架退場しているエンバルバのケガの状態がちょっと気になるところです。

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【マドリッド通信員】
原ゆみこ
南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している