【原ゆみこのマドリッド】1月は日程に差が出る…

2016.01.16 13:44 Sat
▽「アスレティックだったのね」そんな風に私がホッと息をついていたのは金曜日。所用帰りにコパ・デル・レイ準々決勝の抽選結果をチェックしたところ…。やっぱり歩きスマホはいけませんね。パッと見てアトレティコがバルサと当たったと思い、7つも対戦可能な相手がいる中から、わざわざ1番の強敵を引くなんて本当にクジ運の悪い人たちだと落ち込んでいたものの、いえいえ、とんでもない。駅で電車を待つ間にもう1度見たところ、AthleticをAtleticoと勘違いしていたことが発覚。昨季のコパ決勝、そして夏のスペイン・スーパーカップに続き、バルサの相手をしてくれるのがビルバオ(スペイン北部の都市)のチームとなれば、まだまだアトレティコにも先に進むチャンスがあるってことじゃないですか。

▽え、いきなり準々決勝の話をするのは気が早いって? そうですね、今週はコパの16強対決2ndレグが行われたスペインですが、アトレティコは木曜日にラージョとビセンテ・カルデロンで対戦。1stレグでは1-1と拮抗していたため、勝負の行方が気になっていたんですが…いやあ、そんな日に一体、何なんですかね。FIFAが過去の未成年EU圏外籍選手の獲得に不適切な点があったとして、レアル・マドリーとアトレティコに今年の夏と来年の冬の移籍市場での新規選手の登録を禁じる処分をお昼過ぎに通達。要は昨年、バルサが受けたのと同じ違反による処分ですが、おかげで試合中もその翌日もマスコミがその話題ばかりになってしまったとなれば、まったくもって、いい迷惑じゃないですか。

▽その件に関してはマドリーが夕方に記者会見を開き、アトレティコもオフィシャルページに規則違反はなかったとの声明を出して、両クラブとも上訴して断固戦う姿勢を表明。CAS(スポーツ仲裁裁判所)までもつれ込めば、半年は処分の実施が遅れることになりそうで。少なくともこの冬の選手獲得に影響はなく、マドリーが8人、アトレティコが11人と現在、他クラブにレンタルしている選手を連れ戻すこともできるということで、いえ、この夏にはデ・ヘア(マンチェスター・ユナイテッド)やレバンドフスキ(バイエルン)、ポグバ(ユベントス)といった大物を狙っていたお隣さんは予定が狂って大変かもしれませんけどね。
▽アトレティコにしてみれば、ミランからのレンタルが6月で終わるフェルナンド・トーレスの完全移籍や契約満了となるチアゴの延長手続きを今月中にやらないといけないぐらいで、チームには若い選手も多いことですし、1年ぐらいは新規獲得をしなくても大丈夫なようですが…。何事にも不測の事態というのはありますからね。CASに処分一時差し止めをしてもらい、2014年夏には駆け込みでルイス・スアレス、ラキティッチ、クラウディオ・ブラボ、マチューを獲得、その翌年には3冠を達成したバルサを見習えという訳ではありませんが、あと半月、クラブのフロントにはしっかりこの先の戦略を練ってもらいたいところです。
【マドリッド通信員】
原ゆみこ
南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している

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