【原ゆみこのマドリッド】意外と簡単だった…

2016.01.05 02:00 Tue
▽「今年はいい年になるのかしら」そんな風に私がニンマリしていたのは月曜日、2016年最初の週末のリーガ戦後の順位表が目に入った時のことでした。いやあ、弟分チームのヘタフェだけは新年早々、月曜試合を当てがわれ、スポルティングとの対戦が夜に残っていたんですけどね。注目どころはやっぱり表の上の方で、それまでバルサと並んでcolider(コリデル/首位タイ)と呼ばれることだけでもこそばゆい気がしていたというのに、とうとうアトレティコが2013-14シーズン末にリーガチャンピオンになって以来の単独首位に輝いていたから。

▽まあ、といってもクラブ・ワールドカップのせいで2月に先送りとなったスポルティング戦が済めば、今のところ勝ち点差が2しかないため、一時のヌカ喜びにならないという保証はなし。鬼のいぬ間のマラガ戦でおめおめと負けてしまったのを改めて悔むことになるかもしれないんですけどね。とはいえ、今回はお隣さんが利用できなかったチャンスをしっかり掴んだ辺り、もしかしてアトレティコもちょっとずつ進歩してきている? ただし、その勝利を挙げたレバンテ戦も順風満帆とは言い難く、またもやファンは忍耐力の限りを試される機会となったんですが…。

▽そう、前節のラージョ戦に続いて、彼らは終盤までまったく点が取れなかったんですよ。ただ違ったのは年明け早々2日の土曜、ビセンテ・カルデロンに駆けつけたサポーターの前でチャンスは作っていて、前半にはサビッチ、後半にもコケとビエットのシュートがゴール枠を叩くという惜しいシーンはあったんですが、相変わらず詰めが甘いのは変わりなし。幸い、相手が守り倒すという戦術で乗り込んで来ていたため、大してピンチもなかったものの、この日も決定打を挙げるには、シメオネ監督がコレアからビエット、コケからカラスコ、そしてジャクソン・マルティネスをトマスへと、3人の交代枠を使い尽くすまで待たされることに。
▽ちなみに今回、救世主となったのはカンテラーノ(アトレティコB出身の選手)のトマスで、いえ、彼はラージョ戦でも途中出場して残り3分、コレアの起死回生の先制点をアシストする活躍を見せていたんですけどね。またしても勢いにまかせて中盤を上がると、ガビとのワンツーでそのままエリア内に侵入。敵DF数人をかわして撃ったシュートがGKマリーニョの手を弾いてゴールになってくれたから、どんなに場内が沸いたことか。ええ、これにはパルコ(貴賓席)で観戦していたクラネビテル(リーベル・プレートから移籍)とアウグスト(同セルタ)もボランチのポジション争いが一筋縄ではいかないことを思い知った?

▽ちなみにこのトマス、まだ22歳のガーナ出身のMFで、2011年にリクルートされてアトレティコのフベニルBに加入。アトレティコBの中盤をオリベル・トーレスと担った後、マジョルカ(2部)やアルメリア(当時は1部)にレンタルに出て修行を積み、いよいよ今季からトップチーム昇格となったんですが、11月まではほとんどの試合をスタンドで観戦することに。それでも努力を怠らず、チアゴの腓骨骨折により、ベンチ入りできるようになったところ、まさか、こんな重要な局面で活躍してくれるとは! ええ、この1点でチームは勝利、おかげで早い時間帯でエスパニョールとスコアレスドローを演じていたバルサを抜いて首位に躍り出ることができたのですから、何とも有難いじゃないですか。
※このニュースは一部省略してご紹介させていただいております。全文が気になる方は[コラム]でご覧ください。
【マドリッド通信員】
原ゆみこ
南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している

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