【原ゆみこのマドリッド】代表の仕事納めというのに…

2015.11.18 10:47 Wed
▽「ホテルから一歩も出られないなんて気の毒に」そんな風に私が同情していたのは月曜日。親善試合のためにブリュッセルに着いたスペイン代表が空港の滑走路からバスでホテルに直行。前日練習と試合に行く以外、外出禁止になったと聞いた時のことでした。いやあ、調べてみたところ、宿泊先のシュタインベルガー・ビルチャーズは豪華極まりない5ツ星ホテル。街の中心部に近く、有名な小便小僧の像までもトラムで10分というのが売り。…別にスィーツに執着のある選手たちがそれ程、多いとは思いませんけどね。スペインで手に入るものとは雲泥の差があるだけに、お土産のチョコレートも探しに出られないなんて可哀想だと思ったから。

▽え、それは先週金曜に起きたパリでの多発テロのせいなのかって? その通りで、一時は試合を中止した方が良いのではという意見もあったんですけどね。やはりそこはテロには決して屈せずということでしょうか。あの悲劇の夜、スタッド・デ・フランスでのドイツ戦を終えた後、多数の犠牲者が出た中心部にある“バルトラン”でのコンサートに参加していた妹が何とか無事に逃げ出すことができたことがわかり、胸を撫で下ろしたというグリーズマンですら、ウェンブリーでのイングランド戦を投げたりはしていませんからね。

▽今年最後のこの機会を逃したら、来年3月までユーロ本大会用のテストをできないせいもあるのか、スペインもベルギーも予定通り、試合を開催することを決定。ただ、やはり警備の方は数倍厳しくなるらしく、会場のキング・ボードワンに観客はリュックだけでなく、カバンも持ち込めないと言われていたため、果たして一体、どうなることやらと思っていたら…。
▽ちなみに今回の代表戦ウイークをおさらいすると、金曜日のイングランドとの試合は、代表ウイーク明けにクラシコ(伝統の一戦、レアル・マドリーvsバルサ戦のこと)があることをデル・ボスケ監督も考慮したんでしょうね。先発にはピケ、バルトラ、ジョルディ・アルバ、イニエスタ、ブスケツとバルサから出向しているメンバーが全員入ったんですが、前線にはパコ・アルカサル(バレンシア)とジエゴ・コスタ(チェルシー)を並べる4-4-2という、スペインにしては珍しい陣形でスタート。いやあ、近頃メッシがずっとケガでご無沙汰していながら、ネイマールとルイス・スアレスで上手く回っているルイス・エンリケ監督のチームにあやかろうという意図があったかどうかはわかりませんが、正直なところ、これはまったく似て非なるものになってしまったかと。

▽その日のジエゴ・コスタはこれまでの試合より、ずっとチームのプレーに参加していたんですけどね。どうやらアルカセルとは相性があまり良くないのか、2人が連係する姿は序盤から、ほとんど見られず。そうこうするうち、25分にはチアゴ・アルカンタラ(バイエルン)が以前、2度も靭帯断裂をやっている右ヒザに痛みを覚えて交代を要請。急遽、カソルラ(アーセナル)が入ったものの、おかげでチームのリズムが崩れてしまったか、大したアクションもないまま前半は終わってしまいます。
※このニュースは一部省略してご紹介させていただいております。全文が気になる方は[コラム]でご覧ください。
【マドリッド通信員】
原ゆみこ
南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している

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