【日本サッカー見聞録】ライバル意識を煽るハリル流操縦術の不安材料
2015.11.06 19:30 Fri
▽11月12日と17日に敵地で行われるロシア・ワールドカップ(W杯)アジア2次予選に臨む日本代表23名が、11月5日に発表された。日本が所属するグループEは勝点12のシリアが首位で、日本は勝点10の2位につけている(シンガポールも勝点10の3位)。これは日本の消化試合が1試合少ないからで、12日のシンガポール戦と17日のカンボジア戦に連勝すれば立場は逆転する。
▽シリアは12日がレストデーで、17日にアウェイのシンガポール戦に臨むだけに、日本としてはカンボジアに大量得点で勝利するのはもちろんのこと、ホームで引き分けたシンガポールはアウェイとはいえ何としても叩いておきたいところだ。
▽さて今回のメンバー発表でハリルホジッチ監督が強調したのは、これまで通り「代表の席は確定していない」ことだが、もう1つ新たな発見があった。それはチーム内の競争を具体的に煽ることだった。ディフェンスDF陣なら丹羽、昌子、水本、塩谷らを「かなり高いレベルを見せている」と評価しながらも、レフティーの丸山を見るために「チャンスを与えたい」と招集理由を語った。
▽同じように藤春のクロスが自陣に引いて守る相手には効果的だと判断して、「米倉から席を奪った。(藤春には)スピードとクロスに期待している」と競争意識を煽っていた。そして最も特徴的だったのは、これまで代表チームでは“アンタッチャブル”な存在だった本田や香川のポジションについても具体的なライバルを指名したことだ。
▽本田のポジションについては「若い南野は有望な選手で、右サイドからの攻めに期待しているゴールゲッターだ。爆発的なスピードがあり、ペナルティエリアに入って行ける」と高評価。前回の会見でもハリルホジッチ監督は南野について期待の高さをうかがわせる発言をしていたものの、彼のポジションは左アウトサイドかトップ下というイメージが強かった。それを今回は、はっきりと本田の後継者に指名したのは驚きだった。
▽さらに宇佐美についても「最近は疲れているかもしれない。こんなに能力の高い選手はいない。しかし能力だけでは十分ではない」と注文をつけながら、「原口は常にクラブでプレーし、サイドと中央といろいろなポストでプレーできるコンプリートな選手」と評価して、宇佐美の奮起を促していた。
▽岡崎に対しても武藤嘉のハットトリックを引き合いに出し、さらに今回は金崎というライバルも加えて競争意識を煽っている。その時々でコンディションの良い“最強メンバー”を選びつつ、将来を見据えて“経験値”を積ませるのがハリルホジッチ流の代表チーム作りと言えるだろう。
▽唯一残念だったのは、吉田の後継者が今回もいなかったことだ。有望な若手センターバックとゴールキーパーの不在が、いま現在の日本にとって不安材料に変わりはないのが気掛かりだ。
【六川亨】1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた、博識ジャーナリストである。
▽シリアは12日がレストデーで、17日にアウェイのシンガポール戦に臨むだけに、日本としてはカンボジアに大量得点で勝利するのはもちろんのこと、ホームで引き分けたシンガポールはアウェイとはいえ何としても叩いておきたいところだ。
▽さて今回のメンバー発表でハリルホジッチ監督が強調したのは、これまで通り「代表の席は確定していない」ことだが、もう1つ新たな発見があった。それはチーム内の競争を具体的に煽ることだった。ディフェンスDF陣なら丹羽、昌子、水本、塩谷らを「かなり高いレベルを見せている」と評価しながらも、レフティーの丸山を見るために「チャンスを与えたい」と招集理由を語った。
▽本田のポジションについては「若い南野は有望な選手で、右サイドからの攻めに期待しているゴールゲッターだ。爆発的なスピードがあり、ペナルティエリアに入って行ける」と高評価。前回の会見でもハリルホジッチ監督は南野について期待の高さをうかがわせる発言をしていたものの、彼のポジションは左アウトサイドかトップ下というイメージが強かった。それを今回は、はっきりと本田の後継者に指名したのは驚きだった。
▽同じように「清武は香川と同じポジションで攻撃を前に進めてくれる。香川と清武で競争して欲しい」とライバル関係を煽った。これまでの代表で清武は右アウトサイドで起用されることが多かったため、本田の後継者は清武、香川の後継者は南野と思ってしまうところだが、指揮官の思惑は違うようだ。
▽さらに宇佐美についても「最近は疲れているかもしれない。こんなに能力の高い選手はいない。しかし能力だけでは十分ではない」と注文をつけながら、「原口は常にクラブでプレーし、サイドと中央といろいろなポストでプレーできるコンプリートな選手」と評価して、宇佐美の奮起を促していた。
▽岡崎に対しても武藤嘉のハットトリックを引き合いに出し、さらに今回は金崎というライバルも加えて競争意識を煽っている。その時々でコンディションの良い“最強メンバー”を選びつつ、将来を見据えて“経験値”を積ませるのがハリルホジッチ流の代表チーム作りと言えるだろう。
▽唯一残念だったのは、吉田の後継者が今回もいなかったことだ。有望な若手センターバックとゴールキーパーの不在が、いま現在の日本にとって不安材料に変わりはないのが気掛かりだ。
【六川亨】1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた、博識ジャーナリストである。
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「まだ泣くの早いって」と本田圭佑にツッコまれた日本代表サポーター、元Jリーガーの親友だった「親友が世界的にバズってて最高」
世界中でも話題となり、本田圭佑からもツッコミを受けた日本代表のサポーターが意外な人物と繋がっていたようだ。 1日、カタール・ワールドカップ(W杯)グループスE最終戦で日本はスペイン代表と対戦。劇的な逆転勝利を収め、グループ首位でベスト16入りを決めていた。 ドイツ代表戦に続いてのアップセットは世界中を驚かせた他、逆転ゴールに繋がった三笘薫の折り返しのシーンがラインを割っていたかどうかが大きな議論を呼ぶことに。国際サッカー連盟(FIFA)が公式見解を示すほどにまで発展していた。 今大会では日本人サポーターが世界中でバズることが多く、ドイツ戦前にFIFAの公式映像に映ったことで、世界中で美女サポーターだと大騒ぎになったSHONOさん、ドイツ戦で「私のボスへ。2週間の休暇を取らせてくれてありがとうございます!」と紙に書いた上、上司から返事をもらった男性サポーターなどがいた。 そんな中、スペイン戦でも1人のサポーターが注目の的に。田中碧の決勝ゴールが決まった後、すでに涙した姿が映し出された男性サポーターが大きな話題に。「ABEMA」で解説していた本田には、「まだ泣くの早いって」とツッコまれてしまったサポーターだが、実は元Jリーガーの親友だったという。 その選手とは、サガン鳥栖やベガルタ仙台、ガイナーレ鳥取、横浜FC、奈良クラブ、栃木シティFCでプレーし、今シーズンは松本山雅FCでGKコーチを務めていたシュナイダー潤之介氏だ。 シュナイダー潤之介氏は、自身のツイッターを更新。「親友が世界的にバズってて最高」とし、その男性サポーターがカメラに抜かれた写真を投稿していた。 ゴミ拾いも含め、何かと注目を集める日本代表関係者。意外な繋がりは他にもまだまだあるのかもしれない。 <span class="paragraph-title">【写真】本田圭佑に「泣くの早い」とツッコまれたサポーターの男性は世界でも話題に</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="twitter-tweet"><p lang="ja" dir="ltr">親友が世界的にバズってて最高 <a href="https://t.co/QlCar4pxMY">pic.twitter.com/QlCar4pxMY</a></p>— シュナイダー潤之介 (@j_schneider29) <a href="https://twitter.com/j_schneider29/status/1598648612720111616?ref_src=twsrc%5Etfw">December 2, 2022</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> <blockquote class="instagram-media" data-instgrm-captioned data-instgrm-permalink="https://www.instagram.com/p/Clo2ePCPNB8/?utm_source=ig_embed&utm_campaign=loading" data-instgrm-version="14" style=" background:#FFF; border:0; border-radius:3px; box-shadow:0 0 1px 0 rgba(0,0,0,0.5),0 1px 10px 0 rgba(0,0,0,0.15); margin: 1px; max-width:540px; min-width:326px; padding:0; width:99.375%; width:-webkit-calc(100% - 2px); width:calc(100% - 2px);"><div style="padding:16px;"> <a href="https://www.instagram.com/p/Clo2ePCPNB8/?utm_source=ig_embed&utm_campaign=loading" style=" background:#FFFFFF; line-height:0; padding:0 0; text-align:center; text-decoration:none; width:100%;" target="_blank"> <div style=" display: flex; flex-direction: row; align-items: center;"> <div style="background-color: #F4F4F4; border-radius: 50%; flex-grow: 0; height: 40px; margin-right: 14px; width: 40px;"></div> <div style="display: flex; flex-direction: column; flex-grow: 1; justify-content: center;"> <div style=" background-color: #F4F4F4; border-radius: 4px; flex-grow: 0; height: 14px; margin-bottom: 6px; width: 100px;"></div> <div style=" background-color: #F4F4F4; border-radius: 4px; flex-grow: 0; height: 14px; width: 60px;"></div></div></div><div style="padding: 19% 0;"></div> <div style="display:block; 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「良いチームだったと認めるしかない」インドネシアを指揮した韓国人監督、日本代表を称えるも選手たちを誇りに「16強進出は天の意志に」
インドネシア代表のシン・テヨン監督が、日本代表戦を振り返った。韓国『聯合ニュース』が伝えた。 24日、アジアカップ2023グループD最終節でインドネシアは日本と対戦した。共に勝ち点3で並んだ中での試合。勝利した方が2位でのグループステージ通過が決定し、負けた方が3位という状況だった。 試合は開始早々日本がPKを獲得し上田綺世のゴールで先制。インドネシアは押し込まれる展開となると、後半にも上田のゴールとオウンゴールで3点のビハインドに。後半アディショナルタイムには、武器の1つであるロングスローから一矢報いたが3-1で敗戦となった。 日本戦を終え、3位での通過の可能性を残したインドネシア。シン・テヨン監督は「16強進出は天の意志にかかったようだ」とコメント。25日の過ごし方については「元々試合の翌日はリカバリートレーニングをして休むため、明日は一日休みながら試合結果を見守る。その後に何をするか判断する」と語り、3位での通過ができるかどうかを見守っていくとした。 韓国代表を率いていた時には日本にも勝利しているシン・テヨン監督。インドネシア代表の監督として対戦した日本については「良いチームだったと認めるしかない」とコメント。「前線の良い選手があまりにも多く、攻守の切り替えが良かった。前線でボールを失った時にすぐにプレッシャーをかける部分とカウンターが良く、相手にするのは簡単ではなかった」と日本のトランジションの良さを称えた。 ただ、「結果については認めるが、主審については不満も多い。我々の選手たちが最善を尽くしたことには拍手を送りたい」と語り、判定には不満も。ただ、選手たちの見せたパフォーマンスは良かったとした。 「FIFAランキングが低いインドネシアを率いてアジアのメジャー大会に出場し、やりたいプレーを見せた点はかなり良い経験になったようだ。強い相手とぶつかりながら、かなり成長した姿が見られた」 グループEとグループFの3位チームの結果によってラウンド16に行けるかどうかが決まるインドネシア。あとは“天”に委ねられることとなった。 2024.01.25 21:40 Thu5