【原ゆみこのマドリッド】それでも代表戦は続く…

2015.10.12 13:30 Mon
▽「寒そうだし、いっそ消化試合なんてやらないで解散すればいいのに」そんな風に私が勝手なことを思っていたのは日曜日、前夜キエフにスペイン代表が到着した時、現地の気温がマイナス2度だったとTVのニュースで聞いた時のことでした。いやあ、いくら彼らの2016年ユーロ出場が決まったからって、これはグループ予選。月曜に対戦するウクライナがスロバキアと、フランスでの大会に直接行ける2位と11月にプレーオフをしないといけない3位の座を現在、同じ勝ち点で争っているという都合もあって、勝手に抜ける訳にはいかないんですけどね。金曜の相手はすでに敗退の決まっていたルクセンブルクだったにも関わらず、前半から負傷者が発生したため、こちらも気の休まる暇がなかったから。

▽ちなみにその試合、まずはどんなものだったか、お伝えしておくことにすると、ワインと美食の街ログローニョに惹かれ、久々に代表追っかけをした私は昼間、郊外のボデガ(ワイナリー)を見に行ったり、casco antiguo(カスコ・アンティグオ/旧市街)で盛り上がっている地元のファンを横目に、郷土名物のタパス(小皿料理)の食べ歩きをしていたんですが、スタジアムに着いて最初のイベントからして、シルバ(マンチェスター・シティ)のケガだったんですよ。ええ、開始5分には敵の乱暴なタックルを受け、足首を捻挫。全治3週間となって、一足早くアルゼンチン代表で左太ももに肉離れを起こし、1カ月の戦線離脱となってしまったアグエロと共に、CLグループリーグ3節のセビージャ戦には出られないことに。

▽急遽、マタ(マンチェスター・ユナイテッド)がピッチに入った後も点が入らないまま、ゲームは進んで今度は30分。久々の代表復帰で張り切っていたモラタ(ユベントス)がエリア内のプレーで敵の下敷きになって倒れ、こちらもパコ・アルカセル(バレンシア)と交代することになったから、本当に間が悪いったらありゃしません。
▽え、それでもスペインの試合運びに支障はなかったんだろうって? まあ、その通りで41分にはファンフラン(アトレティコ)が折り返したパスをペドロ(チェルシー)がシュート、GKジュベールが弾いたところをカソルラ(アーセナル)が再度撃ち込んで先制点が入ります。1-0で始まった後半は無責任なラジオの実況アナがコトあるごとに、「腓骨を骨折したらしい」に始まって、「骨折ではないが、ヒビが入っている」と病院に運ばれたモラタの状態について、悲観的な伝聞を披露。おかげでポグバもフランス代表合宿で足首を捻挫して離脱したと聞いたし、CL同グループのセビージャにはラッキーなのだろうかと私が考えていた頃の21分、ピッチではセスク(チェルシー)のスルーパスにアルカセルが反応します。GKの脇を抜くシュートを決め、スペインに2点目をもたらしてくれたから、ここでもう勝利は安泰だったかと。

▽でもそこはまだまだ新参者のアルカセル、本人も後で「Quiero volver a La Roja y no bajare los brazos/キエロ・ボルベル・ア・ラ・ロハ・イ・ノー・バハレ・ロス・ブラソス(ラ・ロハ/代表の愛称に戻りたいし、諦めたりはしない)」と言っていた通り、降って沸いたチャンスに、今季クラブでまだレギュラーを取れていない弱みを格下相手の試合で粉飾してやれと思ったんですかね。35分にはジョルディ・アルバ(バルサ)がGKが掴み損ねたボールをゴール左脇から上げると、丁度いいところにいた彼が自身2点目のゴールをゲット。代表戦9試合で6得点とすることに。そして40分には、ようやく3人目のケガ人発生はないことを確信したデル・ボスケ監督が後半30分過ぎに投入したノリート(セルタ)がカソルラに、こちらも自身2点目をアシストと、4-0というスコアなら、スタンドが1階分しかないラス・ガウナス(2部Bのログローニョのホーム)を満員にしたファンも満足できたんじゃないでしょうか。
※このニュースは一部省略してご紹介させていただいております。全文が気になる方は[コラム]でご覧ください。
【マドリッド通信員】
原ゆみこ
南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。

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