【原ゆみこのマドリッド】全滅するところだった…

2015.09.29 10:44 Tue
▽「意外と注目度が低いのかも」。そんな風に私が首を捻っていたのは月曜日、TVもスポーツ紙もバルサの話となると、メッシの長期戦線離脱のことしか出てこないのに気づいた時のことでした。いやあ、確かに土曜のレアル・マドリー戦前、すでにラジオから、ラス・パルマス戦の序盤にケガをして交代した彼が病院に直行したという情報は入っていたんですけどね。実際、家に帰って試合のサマリーを見た時、私が何より驚いたのは不在のメッシに代わってPKを担当、成功率の余り高くない先輩に倣うかのごとく、見事に失敗していたネイマールが頭を丸めていたことだったから。

▽それこそ、その当日、脱税容疑により、ブラジルの国税庁から4800万ユーロ(訳65億円)相当の資産を彼が差し押さえられたというニュースがあったばかりだったため、襟元を正すという気持ちの表れでもあったのかと勘ぐったりもしたんですが、先週、マドリーのイスコが丸刈りにした際に何度もその映像を見せられたのとは対照的に関連情報がまったくなし。それでちょっと調べてみたところ、一応、キックオフ前には気づいてもらえたよう(http://www.marca.com/2015/09/26/futbol/equipos/barcelona/1443278489.html)ですが、その程度の些事、El mejor jugador del mundo/エル・メホール・フガドール・デル・ムンド(世界一の選手)が左ヒザ横のじん帯を断裂して復帰までに7、8週間が必要。11月21日のクラシコ(伝統の一戦、マドリーvsバルサのこと)までに間に合うかどうかという重大事の前にはすっかりかすんでしまった?

▽まあ、そんなことはともかく、結局、ネイマールにしろ、イスコにしろ、イメチェンがピッチ上での開運に繋がらなかったのは確かなようで、ええ、もちろんここからは、メッシがいなくても、ネイマールがPKを外しても、ルイス・スアレスが2発を決め、ラス・パルマスに2-1と勝ったバルサではなく、サンティアゴ・ベルナベウでマラガと戦ったマドリーの話ですよ。とりあえず、その日はセビージャと並んで今季まだ白星がなく、最下位というチームが相手だったため、マドリーorクリスチアーノ・ロナウドのgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)を期待していた向きも多かったとは思うんですが…いやあ、こんな日もあるんですねえ。
▽ベニテス監督も「El fútbol tiene estas cosas/エル・フトボル・ティエネ・エスタス・コーサス(サッカーにはそういうこともある)」と言っていましたが、序盤からガンガン攻め続けたマドリーは14回のロナウドを筆頭にシュート数が計31回、うち9回は枠内に飛んだものの、8回はGKカメニが完璧にセーブ。そんな中、とりわけマラガが「defender cerca del área no es, a priori, un objetivo/デフェンデール・セルカ・デル・アレア・ノー・エス、ア・プリオリ、ウン・オブヘティボ(自陣エリア近くで守るのは、前提として、ウチの作戦ではなかった)が、押し込まれてしまった」(ガルシア監督)状態になっていた後半30分、ベンゼマのシュートから弾かれてきたボールをイスコが蹴り直したところ、カメニはうっかり逃してしまったんですけどね。CBウェリグトンがゴールライン上で際どくクリアして、マラガはピンチを脱することに。(続く)

※このニュースは一部省略してご紹介させていただいております。全文が気になる方は[コラム]でご覧ください。
【マドリッド通信員】
原ゆみこ
南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。

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