【原ゆみこのマドリッド】再生スペインが見られない…

2015.09.08 13:12 Tue
▽「せっかく楽しみにしてたのに!」そんな風に私が悔しがっていたのは月曜日。お昼のニュースで11月14日のイングランドとの親善試合はサンティアゴ・ベルナベウで開催と内定していたのに、スペイン・サッカー協会がホセ・リコ・ペレス(2部Bのエルクレスのホーム)で13日に行うと発表したと聞いた時のことでした。いやあ、確かに6月のコスタリカとの親善試合でもレオン(マドリッドの北にある内陸都市)の観客からpito(ピト/ブーイング)を浴び、先週土曜日のユーロ予選スロバキア戦でもオビエド(スペイン北部)のサポーターからピーピーやられていたピケが、バルサの宿命のライバル、レアル・マドリーのホームでプレーしたら、それこそ場内はブーイングの嵐になると予測されるのはわかるんですけどね。

▽元々、そのピケが代表でのプレー中にブーイングされたのも、カンプ・ノウで行われたバルサのCL優勝祝賀行事でマイクを握り、「Gracias a Kevin, contigo empezo todo/グラシアス・ア・ケビン、コンティーゴ・エンペソ・トードー(ありがとう、ケビン。君から全てが始まった)」という発言をしたから。昨季のアトレティコとのダービー後、マドリーが0-4と大敗したにも関わらず、招待客300人のメガ・バースデーパーティを敢行したクリスティアーノ・ロナウドが、ゲストとして招いたレゲトン歌手のケビン・ロルダンと舞台で熱唱、踊りまくる姿をネットで実況中継され、世間を呆れされた事件を蒸し返したことを忘れてなかったマドリーファンが多かったせい。

▽オビエドの件だって、8月にあったUEFAスーパーカップで優勝し、ピッチでチームメートに「Vamos a dar la vuelta al campo y que se jodan los madridistas/バモス・ア・ダール・ラ・ブエルタ・アル・カンポ・イ・ケ・セ・ホダン・ロス・マドリディスタス(さあ、場内一周をしよう。マドリーの連中は悔しがればいい)」と言っているのをTVに暴露され、そのことも根に持っているファンは無きにしも非ず…。要はノリのいいスペイン人のことですからね。途中から代表の試合に退屈して、暇つぶしにブーイングに同調していた観客も決して少なくはなかったかと。
▽3万人収容のヌエボカルロス・タルティエレ(2部オビエドのホーム)に2万3000人しか観客が集まらなかったことや、グループ2位以上はユーロ大会出場権を獲得というハードルの低さによって、試合そのものに対する関心の薄さとも相まって、話題はピケ一色に。「Me parece lamentable que se pite a Pique/メ・パレセ・ラメンタブレ・ケ・セ・ピタ・ア・ピケ(ピケをブーイングするのは嘆かわしく思える)」というデル・ボスケ監督を始め、「Los pitos de la aficion a Pique perjudica a todos/ロス・ピトス・デ・ラ・アフィシオン・ア・ピケ・ペルフディカ・ア・トードス(ピケへのブーイングは全員に悪影響だ)」(イニエスタ)、「ピケはいつでも代表のために戦ってきたし、代表に忠誠を尽くしている」(ジョルディ・アルバ)とチーム関係者を始め、月曜にはスポーツ大臣や政治家たちまでが全力でその擁護に回ったんですが…。

※このニュースは一部省略してご紹介させていただいております。全文が気になる方は[コラム]でご覧ください。
【マドリッド通信員】
原ゆみこ
南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。

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