【原ゆみこのマドリッド】トロフィーはないよりあった方がいい…

2015.08.18 12:20 Tue
▽「これはちょっと変かも」そんな風に私が首を捻っていたのは月曜日。一時は永遠に合意に達することはないんだろうかと思わせたセルヒオ・ラモスの契約延長がまとまり、サンティアゴ・ベルナベウのパルコ(貴賓席)前ホールで行われたプレゼンで選手本人、第2子を妊娠中のピラル・ルビオさん、ご両親、お兄さんで代理人のレネさんと妹さん、そして姪っ子さんが壇上で並んでポーズするのを見た時のことでした。

▽最初はパパに抱っこされながら、ペレス会長のスピーチをおとなしく聞いていた、1歳を迎えた長男のセルヒオ・ジュニア君でしたが、ラモスが挨拶のために立ち上がり、ママに預けられたせいで機嫌を損ねたんでしょうかね。いきなり愚図りだしたところ、ピラルさんは即効、柱の陰で控えていたシッターさんに子供をパス。会場の奥へやって、その場の雰囲気を乱さない心配りには文句のつけようもないんですが、どうして記念写真でセルヒオと彼女の間に、レネさんの元カノの娘さんがしっかり収まっていないといけない?

▽うーん、せっかくのパパの晴れの日にいい思い出になるようにと、セルヒオ・ジュニア君にはレアル・マドリーのユニフォームまで着せていたんですけどね。今回の契約延長で期限は2020年までとなりました。当人は「En otro sitio podia haber ganado mas dinero/エン・オトロ・シティオ・ポディア・アベール・ガナードー・マス・ディネーロ(他のところなら、もっとお金を稼げただろう)」とは言うものの、その他諸々の要因、「Mi cabeza y mi Corazon siempre han estado aqui/ミ・カベッサ・イ・ミ・コラソン・シエンプレ・アン・エスタードー・アキー(自分の頭と心は常にここにいた)」ことを鑑みて、最初にクラブが提示していた年棒700万ユーロ(約9700万円)から、自身が妥協できる850万ユーロプラス150万ユーロのオプションで、元々の希望額1000万ユーロ(約14億円)となる好条件を得られたとなれば、選手側にとっても満足いく交渉の成果だったはず。
▽とはいえ、7年程前のカルデロン会長時代にはラウールと共に終身契約を結んだと言われながら、この夏には残り2年の契約を残してカシージャスがポルトに移籍することになったように、実際のところ、このクラブでは先のことはまったくわかりませんからねえ。ラモスへとキャプテンマークを引き継いだ大先輩はこの土曜日、新天地でポルトガルリーグの開幕を迎え、ビトリア・ギマラエス戦で公式戦デビュー。サポーターの熱いバックアップを受けて、3-0の無失点勝利と、幸先のいいデビューを飾りました。ラモスもこれからの5年間、せめてセルヒオ・ジュニア君がパパのマドリーでの勇姿を記憶に留めておけるようになるぐらいまでは、恙なく活躍できるといいのですが…。

▽まあ、そんなことはともかく、先週末の私は昨年に続いて、アトレティコがカランサ杯(カディス主催の夏の伝統的な親善大会)に参加するのをラッキーとばかりに、AVE(スペイン高速鉄道)に乗って、イベリア半島南西の大西洋に面したビーチリゾートへ向かうことに。彼ら以外のゲスト参加チームがベティス、グラナダと同じアンダルシア地方のチームだったため、昼間には街中でそれぞれのユニフォームを着たファンたちも目撃したものの、金曜日、最初の準決勝となった両者の戦いはやや盛り上がりの欠けるものだったかと。ええ、23分にエル・アラビのヘッドで先制したグラナダでしたが、後半にはルベン・カストロとポルティージョにゴールを浴びて逆転負け。今季は2部から1部に出戻ったベティスですが、キャプテンのホルヘ・モリーナを始め、主力のアタッカーが2年前と変わっていないというのは、ちょっと、珍しかったかと。
※このニュースは一部省略してご紹介させていただいております。全文が気になる方は[コラム]でご覧ください。
【マドリッド通信員】
原ゆみこ
南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。

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