【原ゆみこのマドリッド】親善試合でも勝てば嬉しい…

2015.07.30 12:00 Thu
▽「よくまあ、言えたわねえ」そんな風に私が笑いをこらえていたのは水曜日。夜中にアメリカで行われたチェルシーvsバルサのプレシーズンマッチの後、とうとうモウリーニョ監督がベニテス監督の奥さんにまで、文句をつけたという記事を読んだ時のことでした。発端は、旦那さんがリバプールを辞めた後も現地に残って遠距離夫婦を続けている彼女、モンセラット・セアラさんが、出身地オウレンセの地方紙に答えたインタビューでのことでした。私なんかは「ラファは最初のデートでボールペンを取り出すと、サッカーをまったく知らなかった自分に4-4-2のシステムを紙ナプキンに書いて説明してくれた」とかいった、プライベートな話が面白かったんですけどね。

▽そのセアラさんが、レアル・マドリーはもとよりインテルやチェルシーと、就職先がかぶっているモウリーニョ監督に対して、「Vamos a arreglando los entuertos que deja el amigo/バモス・ア・アレグランドー・ロス・エントゥエルトス・ケ・デハ・エル・アミーゴ(友人の置いていったトラブルを解決している)」と発言。すると、モウリーニョ監督はセアラさんが言ったのが気に喰わなかったよう。曰く、「旦那の食生活の管理をしていれば、私のことなど話す必要はないはずだ」って、あまりにキツくない? まあ、確かにバケーションが終わるたび、スタッフが選手たちの体重に目を光らせている昨今ですが、この夏季休暇には30キロの大減量に成功したアトレティコのモノ・ブルゴス第2監督はともかく、痩せろと言っても説得力ないだろうなと私も思ってしまう名監督たちはデル・ボスケ、アンチェロッティ、シュスターと結構、沢山いますけどね。

▽加えて、一時は下にも置かない扱いだったクリスチーノ・ロナウドに対してもモウリーニョ監督の批判は続き、「昨季の最高選手はウチのエデン・アザール。ロナウドが良くなかったというのではないが、選手はまずチームが一番大事だということを理解しないと」って、メッシがバロンドールを獲った4年前にはマドリーが無冠だったにも関わらず、「ロナウドは4、5回、受賞すべき」と主張していたのはどこの誰だった? ポルトに移籍したカシージャスの年棒に対しても「経済的に苦境にあるポルトガルの現状に対して信じられない」とコメント。しかしこの発言は、自らがヨーロッパのエリートサッカー界でキャリアを作るキッカケを与えてくれたポルトのピント・ダ・コスタ会長に、「カシージャスにケチをつけたかったのだろうが、裏目に出たね。ウチは彼の年棒の1/3も払っていない。マドリーが出しているんだ」とやりこめられていましたけどね。
▽せっかくワシントンではマドリー時代の宿敵、バルサと2-2で引き分けながらもPK合戦で勝利することができたんですから、余計なことは言わず、ただ喜んでいればいいのにと思わざるを得ませんが…。そこは問題発言で世間を騒がせるのが大好きなモウリーニョ監督ですからねえ。とはいえ、ベニテス監督の下で静かな生活を楽しんでいるマドリーファンを刺激するのはこの先、万が一、CL決勝トーナメントで遭った時ぐらいにしてもらいたいものですが…。

※このニュースは一部省略してご紹介させていただいております。全文が気になる方は[コラム]でご覧ください。
【マドリッド通信員】
原ゆみこ
南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。

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