【日本サッカー見聞録】新たなサッカー用語デュエルの意味
2015.04.24 07:00 Fri
▽3月の日本代表戦でのこと。試合後にハリルホジッチ監督のコメントを、日本人通訳は「球際の強さ」と訳した。似たような言葉はザッケローニ監督やアギーレ監督も使っていて、「インテンシティ」と表現されたこともある。ただし、「球際の強さ」という言葉には主語がない。本来なら「競り合いでの球際の強さ」が正しい日本語ではないだろうか。
▽そんな疑問を持ったため、実際ハリルホジッチ監督がなんと言っているのか霜田技術委員長に聞いたところ、次のような答えが返ってきた。
「デュエルと言っています。英語でもイタリア語でも、フランス語、スペイン語でも同じように使っています。国によって多少ニュアンスは違ってきますが、本来の意味は同じです」
▽そこで、このデュエル(DUEL)をインターネットで検索したところ、“ニコニコ大百科”では次のように解説されていた。
『デュエル(DUEL)とは、ラテン語の「DUO」が語源になった言葉で、これは「2人」を意味する(デュオは現在のイタリア語も2人、もしくは二重奏を意味する)。そしてその2人を意味する「DUO」が変化した「DUELLUM」という単語が「デュエル」の直接の語源である。これは「2人の戦い、2人の争い、2人が喧嘩」などの意味を持つ。そして、現在英単語としてDUELと言った場合は「(主に男同士の)勝負」、「決闘」、「果たし合い」、「生死をかけた勝負」などの意味で使われている単語である』
▽詳細は日本サッカー協会(JFA)のホームページにも掲載される予定だが、大きな柱として“原点回帰”、“Japan’s Way”、“世界基準”の3つからなっている。原点回帰では、「ゴールに向かう意識」、「ボールの奪い合いの攻防で勝つ。デュエル on 1vs1」、「ペナルティエリア内の質の向上」というものだ。
▽この席上で霜田技術委員長は、「デュエルはルーズボールの競り合いだけでなく、1対1のボールの奪い合い、相手のボールを奪う、マイボールに相手が激しく来ても取られないフィジカルコンタクトの強さ」と解説していた。
▽実はこの会見の前に、日刊ゲンダイの仕事で霜田技術委員長にインタビューをした際に(5月の連休明けに掲載予定)、今後は「球際の強さ」ではなく、「デュエル」という単語を発信・浸透させることで、アンダー世代からフィジカルコンタクトの重要性を広めていきたいとも語っていた。選手・指導者だけでなく、ファンやサポーター、父母らにも「デュエル」の重要性を理解してもらい、そうした観点から選手を叱咤激励して欲しいというのが霜田技術委員長の願いでもある。
▽高い位置で相手ボールを奪い取る能力。ショートカウンターを仕掛けるためにも必要な「デュエル」は、ハリルホジッチ監督の基本となる戦術でもあるので、新たなサッカー用語として覚えておくことをお勧めする。
【六川亨】 1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた、博識ジャーナリストである。
▽そんな疑問を持ったため、実際ハリルホジッチ監督がなんと言っているのか霜田技術委員長に聞いたところ、次のような答えが返ってきた。
▽そこで、このデュエル(DUEL)をインターネットで検索したところ、“ニコニコ大百科”では次のように解説されていた。
『デュエル(DUEL)とは、ラテン語の「DUO」が語源になった言葉で、これは「2人」を意味する(デュオは現在のイタリア語も2人、もしくは二重奏を意味する)。そしてその2人を意味する「DUO」が変化した「DUELLUM」という単語が「デュエル」の直接の語源である。これは「2人の戦い、2人の争い、2人が喧嘩」などの意味を持つ。そして、現在英単語としてDUELと言った場合は「(主に男同士の)勝負」、「決闘」、「果たし合い」、「生死をかけた勝負」などの意味で使われている単語である』
▽何となく、意味は理解していただけたのではないだろうか。そして、4月23日に行われた技術委員会とJ50クラブの強化担当者による“強化担当者会議”で、3月のキャンプでハリルホジッチ監督が何を選手に要求したのか事細かに公表すると同時に、技術委員会としてもU-15以上の年代別代表(U-16、17、18、22)で強化指針を一本化するため、3つのテーマを掲げたことを報告した。
▽詳細は日本サッカー協会(JFA)のホームページにも掲載される予定だが、大きな柱として“原点回帰”、“Japan’s Way”、“世界基準”の3つからなっている。原点回帰では、「ゴールに向かう意識」、「ボールの奪い合いの攻防で勝つ。デュエル on 1vs1」、「ペナルティエリア内の質の向上」というものだ。
▽この席上で霜田技術委員長は、「デュエルはルーズボールの競り合いだけでなく、1対1のボールの奪い合い、相手のボールを奪う、マイボールに相手が激しく来ても取られないフィジカルコンタクトの強さ」と解説していた。
▽実はこの会見の前に、日刊ゲンダイの仕事で霜田技術委員長にインタビューをした際に(5月の連休明けに掲載予定)、今後は「球際の強さ」ではなく、「デュエル」という単語を発信・浸透させることで、アンダー世代からフィジカルコンタクトの重要性を広めていきたいとも語っていた。選手・指導者だけでなく、ファンやサポーター、父母らにも「デュエル」の重要性を理解してもらい、そうした観点から選手を叱咤激励して欲しいというのが霜田技術委員長の願いでもある。
▽高い位置で相手ボールを奪い取る能力。ショートカウンターを仕掛けるためにも必要な「デュエル」は、ハリルホジッチ監督の基本となる戦術でもあるので、新たなサッカー用語として覚えておくことをお勧めする。
【六川亨】 1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた、博識ジャーナリストである。
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