プレビュー:イタリア&スペインで同国対決《EL決勝T2回戦1stレグ》
2015.03.12 12:00 Thu
▽ELベスト8進出を懸けた決勝トーナメント2回戦1stレグが12日に開催される。先月行われた決勝トーナメント1回戦ではセビージャやインテル、ローマ、ヴォルフスブルクといった強豪チームが危なげなく勝ち上がりを見せた一方、優勝筆頭のリバプールやトッテナムがそれぞれベシクタシュとフィオレンティーナに敗れる波乱が起きた。そのほかでは、近年ヨーロッパの舞台で低迷が続くイタリア勢が決勝トーナメント進出を決めた5チーム全てが1回戦を突破し、久々のヨーロッパでのタイトル獲得に向けて好位置に付けている。1回戦に続き実力者同士が対峙するこのラウンド16では果たしてどんな好勝負が演じられるのか。
◆1stレグ◆
▽3/12(木)
《26:00》
ゼニト vs トリノ
《27:00》
ヴォルフスブルク vs インテル
ドニプロ vs アヤックス
クラブ・ブルージュ vs ベシクタシュ
《29:05》
フィオレンティーナ vs ローマ
エバートン vs ディナモ・キエフ
ビジャレアル vs セビージャ
ナポリ vs ディナモ・モスクワ
◆ヴィオラとローマが激突
▽決勝トーナメント1回戦の最注目カードとなったトッテナムとのビッグマッチを2戦合計3-1で制したフィオレンティーナは、2回戦でも優勝候補の一角である同じイタリア勢のローマとのビッグマッチを戦うことになった。
▽チェルシーからの新戦力であるFWサラーと復調の気配漂うFWゴメスの活躍などで、優勝候補トッテナムを破ったフィオレンティーナは、続くコッパ・イタリア準決勝1sstレグでもセリエA3連覇中の王者ユベントスを敵地で破る見事なパフォーマンスを見せた。だが、サラーと共に攻撃を牽引するゴメスが左足首のじん帯を痛め、ローマとの2試合を欠場することが濃厚となった。加えて、直近のラツィオ戦では0-4の大敗を喫し、公式戦の無敗が13試合でストップ。やや難しい流れの中でホームでの1stレグに臨むことになる。
▽一方、苦しみながらもフェイエノールトに勝利しラウンド16進出を決めたローマだが、リーグ戦では現在4連続ドロー中と勝ち切れない試合が目立つ。とりわけ、得点不足は顕著で、ここ最近の試合では2点目を獲ることに苦労している。今回の1stレグではエースのFWトッティを負傷で欠くため、FWリャイッチやFWジェルビーニョなど、攻撃陣の奮起がなければ、難しい試合になるかもしれない。
▽昨季EL王者のセビージャは、FWビトロの活躍などでボルシアMGを2戦合計4-2で破り、ベスト16進出を決めた。そして、2回戦では昨季のベティスとのセビージャ・ダービー、バレンシアとの決勝戦に続き、今季はビジャレアルとのスペイン勢対決に臨むことになった。リーグ戦でも5位に付けるなど好調を継続しているセビージャだが、直近の公式戦5試合で9失点を喫するなど、守備面での低調さが目立つ。トーナメントではひとつのミスが勝敗を分けるだけに、守備面の改善が急務だ。
▽対するビジャレアルは、日本人MF南野を擁するザルツブルクを2戦合計5-2で退けた。知将マルセリーノ監督が舵を取るイエローサブマリンは、リーグ戦でもセビージャと勝ち点1差の6位に付けるなど、安定した戦いを続けている。とりわけ、組織的な守備とFWビエット、MFチェリシェフらの推進力を生かしたカウンターのキレ味は見事だ。また、積極的にターンオーバーを採用するマルセリーノ監督は、相手に合わせて最適なメンバーを選び出すことにも長けており、セビージャ戦の先発メンバーにも注目したいところだ。
◆最多5クラブが進んだイタリア勢がベスト8を目指す
▽優勝候補のローマや、インテルやナポリ、フィオレンティーナといった強豪クラブに加えて古豪のトリノもベスト16進出を決めたイタリア勢。この結果、決勝トーナメント1回戦に参戦したイタリア勢5クラブ全てが16強入りを果たす大会記録を達成した。一方で、このベスト16ではローマとフィオレンティーナの同国対決が実現している。
▽伝統クラブ同士の対戦となったセルティックとのベスト32を2戦合計4-3で制したインテルは、今季のブンデスリーガで2位につける好調のヴォルフスブルクと対峙する。2月に約2年半ぶりのリーグ3連勝を達成したチームは、続くフィオレンティーナとナポリとのビッグマッチ2連戦で1敗1分け。ナポリ戦は2点差を追いついてドローに持ち込む粘り強さを見せたが、守備の脆さは相変わらずだ。ヴォルフスブルクには2015年に入って公式戦10試合で13得点とゴールを量産するFWドストに加え、MFデ・ブライネやMFシュールレといった質の高いアタッカーを擁しているため、GKハンダノビッチに助けられることが多い守備陣がどこまで相手の素早い攻撃に対応できるかが鍵となりそうだ。
▽一方、ベスト32でトラブゾンシュポルを2戦合計5-0と一蹴したナポリは、ロシアの雄ディナモ・モスクワと対戦する。ベニテス監督が得意のターンオーバーを使いながらチームマネジメントを実施しているものの、直近の公式戦3試合で未勝利中(1敗2分)。とりわけ、直近のインテル戦では勝利に値する試合内容であったが、2点差を追いつかれて痛恨のドローとなった。それでも、その試合で好パフォーマンスを見せたMFハムシクの復調は好材料。フランス代表の司令塔、MFヴァルブエナを軸とするディナモ・モスクワとは極寒のロシアで2ndレグを戦うため、ホーム開催の1stレグでは是が非でも先勝しておきたいところだ。
▽イタリアのチームとして初めてサン・マメスで勝利を掴み、2戦合計5-4でビルバオを撃破したトリノは、ナポリと同じくロシア勢のゼニトと激突する。イタリア勢の中でも特に躍進ぶりが目立つトリノだが、直近のウディネーゼ戦に敗れてリーグ戦の無敗が12試合でストップした。1stレグでは寒さという地の利を有するゼニトのホームで苦戦することが予想されるが、アウェイゴールを奪ってアドバンテージを持ち帰りたいところ。FWクアリアレッラといったFW陣の活躍はもちろん、チームのホットラインとなりつつあるMFファーネルートのセットプレーからDFグリクのヘディングという形でゴールを陥れたい。
◆プレミア勢最後の砦エバートン
▽優勝候補の筆頭と言われたリバプール、トッテナムが予想外の敗退となったプレミア勢で唯一勝ち残ったエバートンは、ウクライナのディナモ・キエフと対戦する。リーグ戦では14位と低迷するエバートンだが、ELの舞台ではエースのFWルカクを中心に攻撃陣の活躍が際立っている。対戦相手のディナモ・キエフは、攻撃陣にタレントを擁しているが、守備陣の能力は決して高くないだけに積極的に攻めて勝ち切りたいところだ。
▽PK戦の末、優勝候補のリバプールを破ったベシクタシュは、デンマークのオールボーを下したベルギーのクラブ・ブルージュと対戦する。2ndレグを得意のホームで戦うベシクタシュとしてはリスクマネジメントを最優先とした堅守速攻スタイルで敵地での1stレグに臨みたいところだ。
▽また、オランダ屈指の名門、アヤックスはCL敗退組のオリンピアコスを破ったウクライナのドニプロと対戦する。アヤックスの真骨頂であるポゼッションスタイルが、ドニプロの堅守速攻を打ち破れるかが、試合の鍵となるはずだ。
◆1stレグ◆
▽3/12(木)
《26:00》
ゼニト vs トリノ
《27:00》
ヴォルフスブルク vs インテル
ドニプロ vs アヤックス
クラブ・ブルージュ vs ベシクタシュ
《29:05》
フィオレンティーナ vs ローマ
エバートン vs ディナモ・キエフ
ビジャレアル vs セビージャ
ナポリ vs ディナモ・モスクワ
◆ヴィオラとローマが激突
Getty Images
▽決勝トーナメント1回戦の最注目カードとなったトッテナムとのビッグマッチを2戦合計3-1で制したフィオレンティーナは、2回戦でも優勝候補の一角である同じイタリア勢のローマとのビッグマッチを戦うことになった。
▽一方、苦しみながらもフェイエノールトに勝利しラウンド16進出を決めたローマだが、リーグ戦では現在4連続ドロー中と勝ち切れない試合が目立つ。とりわけ、得点不足は顕著で、ここ最近の試合では2点目を獲ることに苦労している。今回の1stレグではエースのFWトッティを負傷で欠くため、FWリャイッチやFWジェルビーニョなど、攻撃陣の奮起がなければ、難しい試合になるかもしれない。
◆連覇狙うセビージャがビジャレアルとの同国対決
Getty Images
▽昨季EL王者のセビージャは、FWビトロの活躍などでボルシアMGを2戦合計4-2で破り、ベスト16進出を決めた。そして、2回戦では昨季のベティスとのセビージャ・ダービー、バレンシアとの決勝戦に続き、今季はビジャレアルとのスペイン勢対決に臨むことになった。リーグ戦でも5位に付けるなど好調を継続しているセビージャだが、直近の公式戦5試合で9失点を喫するなど、守備面での低調さが目立つ。トーナメントではひとつのミスが勝敗を分けるだけに、守備面の改善が急務だ。
▽対するビジャレアルは、日本人MF南野を擁するザルツブルクを2戦合計5-2で退けた。知将マルセリーノ監督が舵を取るイエローサブマリンは、リーグ戦でもセビージャと勝ち点1差の6位に付けるなど、安定した戦いを続けている。とりわけ、組織的な守備とFWビエット、MFチェリシェフらの推進力を生かしたカウンターのキレ味は見事だ。また、積極的にターンオーバーを採用するマルセリーノ監督は、相手に合わせて最適なメンバーを選び出すことにも長けており、セビージャ戦の先発メンバーにも注目したいところだ。
◆最多5クラブが進んだイタリア勢がベスト8を目指す
Getty Images
▽優勝候補のローマや、インテルやナポリ、フィオレンティーナといった強豪クラブに加えて古豪のトリノもベスト16進出を決めたイタリア勢。この結果、決勝トーナメント1回戦に参戦したイタリア勢5クラブ全てが16強入りを果たす大会記録を達成した。一方で、このベスト16ではローマとフィオレンティーナの同国対決が実現している。
▽伝統クラブ同士の対戦となったセルティックとのベスト32を2戦合計4-3で制したインテルは、今季のブンデスリーガで2位につける好調のヴォルフスブルクと対峙する。2月に約2年半ぶりのリーグ3連勝を達成したチームは、続くフィオレンティーナとナポリとのビッグマッチ2連戦で1敗1分け。ナポリ戦は2点差を追いついてドローに持ち込む粘り強さを見せたが、守備の脆さは相変わらずだ。ヴォルフスブルクには2015年に入って公式戦10試合で13得点とゴールを量産するFWドストに加え、MFデ・ブライネやMFシュールレといった質の高いアタッカーを擁しているため、GKハンダノビッチに助けられることが多い守備陣がどこまで相手の素早い攻撃に対応できるかが鍵となりそうだ。
▽一方、ベスト32でトラブゾンシュポルを2戦合計5-0と一蹴したナポリは、ロシアの雄ディナモ・モスクワと対戦する。ベニテス監督が得意のターンオーバーを使いながらチームマネジメントを実施しているものの、直近の公式戦3試合で未勝利中(1敗2分)。とりわけ、直近のインテル戦では勝利に値する試合内容であったが、2点差を追いつかれて痛恨のドローとなった。それでも、その試合で好パフォーマンスを見せたMFハムシクの復調は好材料。フランス代表の司令塔、MFヴァルブエナを軸とするディナモ・モスクワとは極寒のロシアで2ndレグを戦うため、ホーム開催の1stレグでは是が非でも先勝しておきたいところだ。
▽イタリアのチームとして初めてサン・マメスで勝利を掴み、2戦合計5-4でビルバオを撃破したトリノは、ナポリと同じくロシア勢のゼニトと激突する。イタリア勢の中でも特に躍進ぶりが目立つトリノだが、直近のウディネーゼ戦に敗れてリーグ戦の無敗が12試合でストップした。1stレグでは寒さという地の利を有するゼニトのホームで苦戦することが予想されるが、アウェイゴールを奪ってアドバンテージを持ち帰りたいところ。FWクアリアレッラといったFW陣の活躍はもちろん、チームのホットラインとなりつつあるMFファーネルートのセットプレーからDFグリクのヘディングという形でゴールを陥れたい。
◆プレミア勢最後の砦エバートン
Getty Images
▽優勝候補の筆頭と言われたリバプール、トッテナムが予想外の敗退となったプレミア勢で唯一勝ち残ったエバートンは、ウクライナのディナモ・キエフと対戦する。リーグ戦では14位と低迷するエバートンだが、ELの舞台ではエースのFWルカクを中心に攻撃陣の活躍が際立っている。対戦相手のディナモ・キエフは、攻撃陣にタレントを擁しているが、守備陣の能力は決して高くないだけに積極的に攻めて勝ち切りたいところだ。
▽PK戦の末、優勝候補のリバプールを破ったベシクタシュは、デンマークのオールボーを下したベルギーのクラブ・ブルージュと対戦する。2ndレグを得意のホームで戦うベシクタシュとしてはリスクマネジメントを最優先とした堅守速攻スタイルで敵地での1stレグに臨みたいところだ。
▽また、オランダ屈指の名門、アヤックスはCL敗退組のオリンピアコスを破ったウクライナのドニプロと対戦する。アヤックスの真骨頂であるポゼッションスタイルが、ドニプロの堅守速攻を打ち破れるかが、試合の鍵となるはずだ。
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