ザッケローニ監督｢格上との対戦は楽しみ｣

▽JFA(日本サッカー協会)は5日、今後の強化スケジュールを発表した。会見を行ったアルベルト・ザッケローニ監督のコメントは以下の通り。

「まず、今年後半のスケジュールを確認したとき、クラブチームの活動かと迷うかもしれません。今日から2013年末までの試合数を数えると、リーグ戦の半分くらいの試合数があります。このような現状には非常に満足しています」

「また、原委員長が自分の要望をよく取り入れてくれ、マッチメイクをうまくしてくれました。様々チームとの対戦を希望していて、北中米、南米、アフリカ、ヨーロッパなどからうまくチョイスしてくれています。これからは暑いカタールに行き、10月に寒いベラルーシで今年を終えることになりました。(この日程は)魅力的な日程だと思っています」

「ブラジルW杯予選の最終戦となるカタールでのイラク戦の後には、コンフェデレーションズカップに参加します。この大会では、FIFAランキング上で格上のチームと対戦できることを非常に楽しみにしています。また、7月に行なわれる東アジア選手権も楽しみにしています。時期的に海外組の参加が難しいと思われますので、国内組の戦いぶりを見て、現時点での彼らの力を確認したいと思います」

「8月に宮城で行なうウルグアイとのキリンチャレンジカップについては、説明の必要がないほどの相手となりました。彼らはW杯での優勝経験があり、スアレスやカバーニといった世界レベルの選手がいるチームですので、対戦を非常に嬉しく思っています」

「8月以降も、良いチームとの対戦が控えていると感じています。ガーナはアフリカの先頭を走っているチームです。友人であるミハイロビッチが監督を務めるセルビアに関しても、技術面とフィジカル面で優れているチームだと思っています。アウェイでの試合を要求する理由は、相手サポーターが多いアウェイの中で、日本のサッカーをどれほどまで出せるか、勇気を出してどれほど戦えるのかを見たいからです」

「そして、その中でチームを成長させたいと思います。日本で試合をやるときは、開始直後から試合の主導権を握ることができるが、アウェイで常に主導権を握れるとは限りません。これまでも、できた試合もあれば、できなかった試合もありました。私はそのような試合を経験したいと思っています」


――ザッケローニ監督はその場合、3位で敗退したチームよりも1位で通過したチームを対戦相手として念頭に置いているか。

「個人的なリクエストとしては首位のチームとやりたいと思っています。そうは言ってもなかなか難しいと思うので、原さんがやってくれるだろうと思っています(笑)。時に、戦力的に高くないチームとの対戦を要求するときもありますが、そのようなときは自分達のチームにどのようなことができるかを見たいからです。逆に強いチームと戦ったらどうなるか見たいときは強いチームとの対戦を要求します。強いチームとばかりあたってしまうと、選手の中で、なんとか結果を出そうという想いが働いてしまって、それが結果重視の戦い方になってしまいます。成長するためには、もちろんそれも必要ですが、自分たちに何ができるかというところに目を向けてなくてはいけないタイミングもありますので、2つの要素を考慮しながら対戦相手を選んでいきたいです。後半のスケジュールを見ていると非常に良いバランスが取れていると思いますし、FIFAランキング上ですが、4、5つのチームは我々より上に位置し、それ以外は自分たちより下に位置するチームです」

――東アジア杯では若手を見たいか、Jリーグで得点ランキング上位の選手か、チームに足りないポジションの選手か、どう考えているか。また今後は、その選手の中から新しく選手を入れて戦っていくのか。

「最近の招集メンバーを見てみると、大体半分が海外組で、半分が国内組という状況になっています。しかし、スケジュール的な問題やこちらの考えもあるので、海外組は参加できないとなると、これまでなかなかチャンスに恵まれなかった選手がこの大会の中心になるのではないかと思います。その選手がどれだけ成長していて、どれだけチームのやり方を理解しており、自分達の役割をこなすことができるのかという部分を見ていきたいです。また、そのような選手にプラスして、新しいメンバーを加えたいと思います。その選考基準は、継続して成長しているメンバーと考えています。私は、就任してからもそこは言い続けてきましたので、この大会ではそのような選手が実際にどれほどできるのかというのを見て、確認したいと思います。幸運にもJリーグからは優秀な若い選手が輩出してきているので、嬉しく思います」

――監督は世界を驚かす仕事をしたいと語っているが、それはW杯で何か具体的に成績を残すというのをイメージしているのか。

「私自身ヨーロッパからきたのですが、ヨーロッパ人のメンタリティというのは自分たちのサッカーに非常に自信を持っています。時にそれがおごりにつながっているのではないかとも思います。もともと文化としてサッカーが強い地域ですから、一度のポジションを築いたまま、世界は変わらないと考えているのがヨーロッパ人です。私自身はそう思っていません。物事は変わっていくと思います。ヨーロッパから見たアジアはサッカー後進国ではないかと思われているかもしれませんが、私はそうは思っていません。アジアのサッカーは成長していますし、日本の選手が世界で活躍して、成長している日本のサッカーを世界に見せながら、さらに成長していると思います。日本、韓国、イラン、ウズベキスタンなど、非常に良いチームもありますし、良い選手もいます。ただ、残念なことは、ヨーロッパがまだそのような目で見ていないことです。なので、今私たちがこの位置までいるのだと見せることが、世界を驚かすことに繋がると思います。もちろん、結果を出すことが当然いいわけですが、今言いたいことは、世界の強豪と戦ったときに、五分で勝負ができることが驚かせるという意味です」