広島、アル・アハリの壁を崩せず クラブW杯準々決勝敗退で5位決定戦へ《クラブ・ワールドカップ》

2012.12.09 21:53 Sun
FIFAクラブ・ワールドカップ(W杯)準々決勝の広島対アル・アハリ(エジプト)が9日行われ、アル・アハリが2-1の勝利で準決勝へ駒を進めた。

広島はオセアニア王者オークランド・シティを下した初戦と同じスタメンの11人で試合をスタート。気温は4度、ちらほらと雪の舞う中キックオフを迎えた。

序盤から小気味良くパスをつないでいたアハリが最初に仕掛けたのは前半3分。ロングボール1本で抜け出したFWゲドのシュートはGK西川周作を破ったが、わずかにゴール左へと転がっていった。

だが、このプレーで広島に大きなアクシデントが発生。ゲドのひざの直撃を顔面に受けた西川が負傷交代を余儀なくされる。広島は今季リーグ戦で全試合フル出場の守護神を失い、カップ戦で3試合に出場したのみのルーキー増田卓也が代役を務めることになった。

約5分の中断を経て試合が再開されたが、広島は落ち着きを取り戻せないまま先制点を許してしまう。15分、右サイドでディフェンスラインの裏に抜け出したDFファティがゴールライン際まで持ち込み、ぎりぎりまで増田を引き付けるとマイナスのボールを中央へ折り返す。待ち構えたFWハムディが落ち着いてシュートを流し込んだ。

21分にようやく中央の崩しからファーストシュートを放った広島だが、狙い通りの形をつくり出すことはなかなかできなかった。右サイドでMFミキッチが裏を取る場面は何度かあったが、抜け出した後のプレーに精彩を欠きチャンスにはつながらない。

そんな中、29分にはアル・アハリにも不測の事態が発生。キャプテンのMFガリが接触プレーで左脚を負傷して続行不可能となり、交代選手がウォームアップを行う間一時的に10人での戦いを強いられる。

一人多い状況で、広島はCKを獲得。一旦クリアされたボールをミキッチが頭で右サイドへ送ると、フリーで待ち受けた佐藤寿人がGKの足に当てながらも蹴り込んで同点ゴールを奪った。

ようやくウォームアップを終えたベテランFWアブトレイカをガリに代えて投入したアハリだが、広島の勢いは止まらない。

34分には左サイドMF清水航平からのシュートをGKエクラミがセーブ。37分にはミキッチが決定的な形で抜け出したが、フリーになりすぎたためか一瞬タイミングの送れたクロスにMF高萩洋次郎は合わせきれず、無人のゴールを目の前にしながらボールをエクラミに渡してしまった。

広島は先制されて以降はさほど危ない場面をつくられることもなく、優勢な流れのまま1-1で前半を折り返した。

後半に入り再びボールを持つ時間が増えたアハリに対し、両サイドからのクロスに危なげなく対処していた広島だが、57分に一瞬の隙を突かれてしまう。

右からのクロスを中央で受けたMFアブトレイカがDF千葉和彦と競り合いつつうまく体を入れ替えて裏に抜け、増田との一対一から確実に勝ち越しゴールを奪った。

前半と同じく失点後から徐々に調子を上げていく広島だが、決定的な形を生み出しながらもあと一歩ゴールを割ることができない。

その最たるものは81分、中央で高萩からの絶妙なスルーパスを受けた佐藤が完全にフリーとなって抜け出し、GKと一対一に。最高の形だったが佐藤のシュートはわずかにゴールの右へそれてしまった。

チャンスの数では完全に相手を上回っていた広島だが、最後まで1点を奪えず。アディショナルタイムのミキッチのクロスにも佐藤はわずかに届かず、そのままタイムアップを迎えた。

敗れた広島は12日の5位決定戦で韓国の蔚山現代と対戦。アル・アハリは準決勝で南米王者コリンチャンスと対戦する。


提供:goal.com

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