1部優勝4回のイングランド老舗、管財人の管理下に…勝ち点「12」はく奪

2025.10.25 16:00 Sat
©サッカーキング
経営危機に陥るシェフィールド・ウェンズデイ(イングランド2部)が、管財人による財政管理下に置かれた。24日にクラブ公式サイトが伝えた。

シェフィールド・Wは2015年からタイ人の実業家デジポン・チャンシリ氏がオーナーを務め、1999-2000シーズン以来となるプレミアリーグ復帰に近づいた時期もあったが、2020-21シーズンには支出に関する規則を破ったことによる勝ち点剥奪もあり3部リーグへ降格。近年は財政危機が表面化しており、過去7か月のうち5回、選手・スタッフへの給与支払いが遅延している状況だ。

サポーターは観戦ボイコットなどでチャンシリ氏への抗議活動を展開。圧力が高まるなかでチャンシリ氏はクラブの売却を試みていたが合意に至らず、クラブを管財人の管理下に置くことを選択した。共同管財人となったクリス・ウィグフィールド氏はクラブ公式サイトを通じて、「共同管財人は、債権者の利益を保護し、新たな所有者を可能な限り迅速に探す間もシェフィールド・ウェンズデイが運営を継続できるよう、直ちにクラブの運営を引き継ぎました。クラブとスタジアムを一体として売却活動が可能となり、クラブサポーターにとって朗報となるでしょう」とコメントしている。
シェフィールド・ウェンズデイによると、サポーターのボイコット活動により、『ヒルズボロ・スタジアム』の平均観客動員数は前シーズン比で約35%減少(2万6000人超から1万7000人強へ)。チケット販売・売店・小売店舗のボイコットが収益減に拍車をかけており、ここ数週間で複数の試合日施設が閉鎖された。ウィグフィールド氏は「サポーターはあらゆるサッカークラブの基盤です。入場ゲートやスタジアム内で彼らが消費するお金は不可欠です」と語り、ファンに金銭面でのサポートを呼びかけている。

「私は1984年からシーズンチケット保持者であり、このサポーター層の情熱を身をもって知っています。今こそ、ファンにスタジアムに戻っていただき、チケットやグッズ、パイやビールを購入していただく必要があります。支出される1ペニーの積み重ねが、元オーナーやプロフェッショナル費用ではなく、クラブの日常運営を直接支える資金となります。これによりクラブの安定化を図り、忠実な選手やスタッフを支えながら、適切な買い手を見つけることが可能になるでしょう」と
EFL(イングリッシュフットボールリーグ)の規定に基づき、シェフィールド・Wは自動的に「12」ポイントをはく奪され、勝ち点「-6」で最下位に沈んでいる。ただ、EFLは「シェフィールド・ウェンズデイにとっては、新たな所有者下での成功した売却と将来の安定に向けた進展を図る機会ともなります。EFLは今後、管財人らと協議を行い、早期解決を実現するために必要な即時措置について話し合いを進め、シェフィールド・ウェンズデイのスタッフ、経営陣、選手、サポーター、クラブ関係者、そして地域社会全体が直面している継続的な不確実性を解消します」とも声明の中で述べた。

シェフィールド・Wは1867年9月に創設され、現存するフットボールクラブとしては世界で最も古いクラブの一つに数えられる老舗だ。20世紀初頭に4回トップリーグを制し、FAカップを3回、リーグカップも1回制したことがある。1日でも早く新たな買い手が見つかり、名門復活を果たせるのだろうか。

出典:https://www.soccer-king.jp/news/world/eng/20251025/2080122.html


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