早くも佳境がやって来た…/原ゆみこのマドリッド
2024.02.03 21:00 Sat
「これが中2日と中4日の違いだとしたら、そりゃ大きいわ」そんな風に私が納得していたのは木曜日、コリセウムでの兄弟分ダービーの後半、レアル・マドリーが鬼のようなスピードカウンターをかけまくっているのを目の当たりにした時のことでした。いやあ、実は前日の兄弟分ダービーのもう1つの片割れ、ラージョ戦が終わった後、シメオネ監督が来週のコパ・デル・レイ準決勝アスレティック戦1stレグのスケジューリングについて猛抗議。
もちろんアスレティックにはビニシウスやベリンガムはいないものの、ウィリアムス兄弟とか、いかにも足が速そうですからね。サンティアゴ・ベルナベウでまさに、そのコリセウムのピッチを疾走していた健脚のマドリー選手たちを追って、ヘトヘトになったアトレティコがとても五分の条件で挑めるとは思えないんですが、まあサッカーは陸上競技ではなし。ここはまた、シメオネ監督に何とか頭を絞ってもらって、最悪でも準決勝は2試合制というのを慰めにするしかない?
そんなことはともかく、このミッドウィークに行われた、スペイン・スーパーカップのせいで順延していたリーガ20節のダブル兄弟分ダービーがどうだったか、お伝えしていかないと。まずは火曜、メトロポリターノで定番の午後9時にアトレティコがラージョを迎えたんですが、うーん、この試合も日曜にバレンシア戦を済ませた後、彼らは中2日で挑んでいますからね。スタメンローテーションはお約束で、グリーズマン、サムエル・リノ、コケ、デ・パウルをベンチスタートにしただけでなく、新顔に厳しいシメオネ監督にしては前代未聞、1週間前にアントワープから来たばかりのフェルメーレンを先発させていたから、ビックリしたの何のって。
同時にキケ・ペレスもレイニウドのユニを引っ張っていたため、相殺でゴールを認めてもらえたんですが、アトレティコファンがリードを喜んでいられたのもそんなに長い時間ではありませんでした。ええ、43分にはフェルメーレンのカバーが遅れたのもあり、チェバリアがエリア外左から送ったパスをアルバロ・ガルシアが弾丸シュート。これがgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)となって、1-1の同点でハーフタイムに入ったとなれば、後半頭から、シメオネ監督が18才のベルギー人MFを下げ、モリーナを入れても仕方なかった?
いやあ、私もこれが彼にとって、トラウマデビューとならないことを祈るばかりですが、試合が再開してもすぐには勝ち越しゴールを挙げることができなかったアトレティコは13分にはもう、コレア、リケルメ、ジョレンテを下げ、グリーズマン、リノ、デ・パウルのバリバリレギュラーを投入。24分にもサウールをコケに代え、この辺りはもう、マドリーダービーを控えていることを考えると苦肉の策で、だってえ、まずはラージョに勝たないことには上位2チームとの差が広がるばかりか、前の時間帯にオサスナに勝っていたバルサに再び、3位の座を奪われてしまうんですよ。
ただ、モラタはバレンシア戦の打撲で欠場していたため、2試合連続先発と、あまり長くプレーするとケガをしないかと心配になるデパイはピッチに残ったんですが、実はこれが大正解。いえ、引分けへの不安がどんどん高まってきていた36分、個人技で突破したバリオスが送ったラストパスをエリア内から決めたゴールはミリ単位のオフサイドでスコアには挙がらなかったんですけどね。それに心を折られることもなく、45分には再び、グリーズマンからのボールを蹴り込み、この時はディミトリエフキが取りこぼすというヘルプもあったものの、とうとう勝ち越しゴールをゲットしてしまうって、まるで神じゃないですか!
ただ、この得点もラージョからはイチャモンがついていて、まあ確かにこのプレーの始まりにコケのパスをグリーズマンが頭でモリーナに落とした時、一緒にジャンプしたチャバリアが倒れていたんですけどね。それについてはVAR(ビデオ審判)からの注進もなく、抗議が高じて、フランシスコ監督はレッドカードで退席させられる破目に。ラージョも後半途中に入った、まさにその日の午前中、フェルネバフチェからのレンタルが決まったばかりのクレスポのラストパスにトレホが届いていれば、先に勝ち越し点をゲットできていたはずですし、そのまま、アトレティコが2-1で勝利できたのはまさに、メトロポリターノ様々と言ったところだったでしょうか。
そして翌木曜にはヘタフェがマドリーを午後9時にコリセウムに迎えたんですが、実は当日、この弟分にはショッキングなニュースが。それは月曜のグラナダ戦で途中出場し、いよいよボルハ・マジョラルとの2トップで兄貴分に挑めるファンが期待していたエネス・ウナルのボーンマス電撃移籍。いやあ、スタジアムに行く前、すでに彼はイギリスに飛んでいるという記事を読んでいたため、記者席の前にあるパルコ(貴賓席)に当人が奥さんと一緒にいきなり現れたのには私も呆気に取られたんですけどね。ホント、今季前半はヒザの靭帯断裂からのリハビリ中で、同じ場所でホームゲームを観戦している姿を何度も見ていただけに、ようやくプレーできるようになった途端、いくら強制買取オプション付きのレンタルで、夏には1500万ユーロ(約24億円)の移籍金が確約されているといったって、ちょっとこれはあんまりだったかと。
といっても同日夜、アルメリアへのレンタルが決まったチョコ・ロサーノ同様、今季の前半、ウナルもゴールでチームに貢献はしていなかったため、現在、ベリンガムと並ぶ、リーガトップの14得点を挙げているマジョラルが同じペースを維持してくれれば、実害はないはずなんですけどね。残念ながら、同じ平日開催でもスタンドが満員になったマドリー戦で、彼は古巣恩返しをすることはできず。ていうか、立ち上がりから、何度もチャンスを作られたヘタフェは前半14分、ルーカス・バスケスのクロスをホセルにヘッドで決められて、早くも先制されてしまったんですよ。
そう、マドリーダービーを控えて当然、アンチェロッティ監督もローテーションしていたんですが、せっかくボルダラス監督が5人もDFを入れたにも関わらず、ドゥアルテが簡単にマークを外されてしまってはねえ。それでも前半を何とか0-1で凌ぎ切ったヘタフェは選手3人を一気に交代した後半序盤、しばし攻勢に転じたものの、グリーンウッドのシュートがポストに当たらず、ゴールになっていればはもう、たらればの話。要は前掛かりになったところをマドリー十八番の高速カウンターに狙われ、10分にはビニシウスのパスを受けたホセルに2点目を決められてしまってはどうしようもありませんって。
実際、その後もマドリーは何度もカウンターがはまり、ビニシウスなど、2度も1対1のチャンスがあったんですが、ラッキーでした。この時はGKダビド・ソリアが止めてくれたからで、おかげでgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)を免れたんですが、ヘタフェも27分のマジョラルのシュートがGKルーニンにポストに逸らされちゃいましたからね。結局、残り3分には彼とマクシモビッチを下げ、ボルダラス監督は3日後のベティス戦に備えることに決めたため、ヘタフェは一矢も報いることなく、0-2で負けちゃいましたっけ。
まあ、それはキックオフ前には熱い抱擁を交わし、浪人時代にバルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場に見学に通った際に培ったアンチェロッティ監督との友情を示していたボルダラス監督も「Teníamos enfrente al equipo más fuerte del campeonato junto al Girona/テニアモス・エンフレンテ・アル・エキポ・マス・フエルテ・デル・カンペオナートー・フントー・アル・ジローナ(ウチはジローナと共にリーガで最も強いチームと対決した)」と認めていた通り、仕方ない結果でしたしね。その分、次の試合で挽回すればいいんですが、ちょっと気になるのは、ペレグリーニ監督のチームが1月の市場最終日に3人も戦力補強していること。
ええ、移籍したボルハ・イグレシアス(レバークーゼン)、グアルダードー(メキシコに帰国)、ルイス・エルナンデス(ボダファゴ)の代わりにチミ・アビラ(オサスナ)、フォルナレス(ウェストハム)、バカンブ(ガラタサライ)が加入したんですが、それに対して、ヘタフェは19才のジェジュ(バレンシア)、21才のイリアス・モリバ(ライプツィヒ)の2人の若いMFを獲っただけですからね。現在10位で、降格圏と勝ち点13あるため、最終節まで1部残留が決まらなかった昨季に比べれば、全然、状況は良いとはいえ、ヨーロッパの大会出場圏を目指しているベティスと争うにはちょっと、物足りなさもなきにしろあらず。
それはラージョも似た感じで、こちらは噂のあったRdT(ラウール・デ・トマス)も動かず、補強もクレスポ1人なんですが、その彼が入団当日デビューする原因となったパテ・シスが、セネガルのアフリカ・ネーションズカップ敗退で戻って来られるのは朗報かと。次のリーガ戦も中4日空いた月曜ですしね。相手のセビージャは降格圏と勝ち点1差の16位だけに、フランシスコ監督もメトロポリターノでの敵をエスタディオ・バジェカスで今度こそ、ホーム2勝目を挙げて討ってやろうと腕まくりしているはずですが、さて。
そして日曜のマドリーダービーについても両チームの状態を見ておくと、いやあ、コリセウムでの試合の前半終盤、グリーンウッドを止めたリュディガーが太ももを打撲。後半チュアメニがCBに入ったのは別に良かったんですが、まさか試合終了間際に彼がイエローカードをもらって、累積警告になってしまうとは。おかげで試合後、アンチェロッティ監督がピッチに入って主審のところまで行き、ガストンがブライムをエリア内で倒したプレーをペナルティに取ってもらえなかったこと共々、抗議して、こちらもイエローカードをゲットしていましたが、その苛立ちは十分、理解可能かと。だってえ、ミリトン、アラバが長期リハビリ中のマドリーはリュディガーが回復しない限り、本職CBがナチョしかいないんですよ。
そこに臨時のCBとして重宝されているチュアメニが出場停止となれば、それこそ、1月の移籍市場には目もくれず。この夏にはとうとうエムバペ(PSG)が来るんじゃないかとか、ハーランド(マンチェスター・シティ)は移籍金が2億ユーロより1億ユーロ(約160億円)に近く、クラブの財政許容範囲である上、FIFAのザ・ベスト賞までメッシ(インテル・マイアミ)に持っていかれたせいで、メディアへの影響が大きいマドリーに来たがっているなんて話を悠長にしている場合ではなかった?
おかげでアトレティコの好調FW陣、金曜にはもうマハダオンダ(マドリッド近郊)での練習に合流していたモラタを含め、グリーズマン、デパイらは上手くいけば、ベルナベウでカルハバルやメンディらがCBを務めるマドリーと対戦することに。今回は逆に相手が中2日というのもありますが、ええ、アトレティコもヒメネスとアスピクエタが負傷中で、バレンシアから緊急移籍したパウリスタがラージョ戦から早速、ベンチ入り。エルモーソとビッツェルもかなり、疲労が溜まっているため、ビニシウス、ロドリゴ、ベリンガム、ホセルらの多弾頭チームを止められるかどうかは不安なんですが…実際、未消化試合も終わり、ジローナを抜いて首位に立ったお隣さんに勝たないことには、本当にアトレティコの今季のリーガは終わってしまうんですよね。
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ええ、相手は金曜にリーガのマジョルカ戦をプレーしてから、水曜の試合まで、中4日あるのに対して、アトレティコは中2日しかないことを、「1日だったら理解できるが、48時間も差があるのは不公平。Lo considero una falta de respeto para nuestra afición/ロ・コンシデロ・ウナ・ファルタ・デ・レスペート・パラ・ヌエストラ・アフィシオン(ウチのファンに対するリスペクトの欠如だと思う)。ファンたちは最高の状態の選手たちを見たいのだから」と言っていたんですけどね。とはいえ、すでにビルバオから応援旅行の手配をしてしまったビジターファンもいるでしょうし、アトレティコファンだって、1週間前に水曜の試合が木曜に変わったら、予定が狂ってしまう人も多々いるかと。やはり、その辺を考慮したのか、協議委員会は準決勝1stレグを1日遅らせてほしいというアトレティコの要請を却下。日曜午後9時(日本時間翌午前5時)にリーガのマドリーダービーをプレーした後、たった中2日で、内弁慶な彼らというのもあって、2月29日のサン・マメスでの2ndレグを恐れる必要のない余裕あるスコアで、メトロポリターノで勝利するという課題に立ち向かうことになったんですが、奇しくも弟分のヘタフェも月曜に前節グラナダ戦をプレーしたばかり。マドリーは土曜のラス・パルマス戦から中4日空いているという、まったく同じ状況だったんですよ。そんなことはともかく、このミッドウィークに行われた、スペイン・スーパーカップのせいで順延していたリーガ20節のダブル兄弟分ダービーがどうだったか、お伝えしていかないと。まずは火曜、メトロポリターノで定番の午後9時にアトレティコがラージョを迎えたんですが、うーん、この試合も日曜にバレンシア戦を済ませた後、彼らは中2日で挑んでいますからね。スタメンローテーションはお約束で、グリーズマン、サムエル・リノ、コケ、デ・パウルをベンチスタートにしただけでなく、新顔に厳しいシメオネ監督にしては前代未聞、1週間前にアントワープから来たばかりのフェルメーレンを先発させていたから、ビックリしたの何のって。
まあ、さすがにコケの代わりとなるアンカーのボランチはまだ20才ながら、チームでの経験を積んでいるバリオスに任せ、フェルメーレンは右サイドの中盤にいたんですが、やっぱり一朝一夕では上手く連携が取れなかったよう。ちなみに前半はメンフィス・デパイと一緒に2トップを担ったコレアが最初のシュートをGKディミトリエフスキに弾かれた後、28分にはルジューヌがクリアしたボールがすでにゴール内にあったとして、先制点が入ったかに見えたんですが、残念ながら、オフサイドでノーゴールに。それでも36分、リケルメが放ったFKをレイニウドがヘッドで決め、いえ、ラージョサイドからは、彼がレジューヌのユニを引っ張っていたから、ファールで無効だとクレームがついたんですけどね。
同時にキケ・ペレスもレイニウドのユニを引っ張っていたため、相殺でゴールを認めてもらえたんですが、アトレティコファンがリードを喜んでいられたのもそんなに長い時間ではありませんでした。ええ、43分にはフェルメーレンのカバーが遅れたのもあり、チェバリアがエリア外左から送ったパスをアルバロ・ガルシアが弾丸シュート。これがgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)となって、1-1の同点でハーフタイムに入ったとなれば、後半頭から、シメオネ監督が18才のベルギー人MFを下げ、モリーナを入れても仕方なかった?
いやあ、私もこれが彼にとって、トラウマデビューとならないことを祈るばかりですが、試合が再開してもすぐには勝ち越しゴールを挙げることができなかったアトレティコは13分にはもう、コレア、リケルメ、ジョレンテを下げ、グリーズマン、リノ、デ・パウルのバリバリレギュラーを投入。24分にもサウールをコケに代え、この辺りはもう、マドリーダービーを控えていることを考えると苦肉の策で、だってえ、まずはラージョに勝たないことには上位2チームとの差が広がるばかりか、前の時間帯にオサスナに勝っていたバルサに再び、3位の座を奪われてしまうんですよ。
ただ、モラタはバレンシア戦の打撲で欠場していたため、2試合連続先発と、あまり長くプレーするとケガをしないかと心配になるデパイはピッチに残ったんですが、実はこれが大正解。いえ、引分けへの不安がどんどん高まってきていた36分、個人技で突破したバリオスが送ったラストパスをエリア内から決めたゴールはミリ単位のオフサイドでスコアには挙がらなかったんですけどね。それに心を折られることもなく、45分には再び、グリーズマンからのボールを蹴り込み、この時はディミトリエフキが取りこぼすというヘルプもあったものの、とうとう勝ち越しゴールをゲットしてしまうって、まるで神じゃないですか!
ただ、この得点もラージョからはイチャモンがついていて、まあ確かにこのプレーの始まりにコケのパスをグリーズマンが頭でモリーナに落とした時、一緒にジャンプしたチャバリアが倒れていたんですけどね。それについてはVAR(ビデオ審判)からの注進もなく、抗議が高じて、フランシスコ監督はレッドカードで退席させられる破目に。ラージョも後半途中に入った、まさにその日の午前中、フェルネバフチェからのレンタルが決まったばかりのクレスポのラストパスにトレホが届いていれば、先に勝ち越し点をゲットできていたはずですし、そのまま、アトレティコが2-1で勝利できたのはまさに、メトロポリターノ様々と言ったところだったでしょうか。
そして翌木曜にはヘタフェがマドリーを午後9時にコリセウムに迎えたんですが、実は当日、この弟分にはショッキングなニュースが。それは月曜のグラナダ戦で途中出場し、いよいよボルハ・マジョラルとの2トップで兄貴分に挑めるファンが期待していたエネス・ウナルのボーンマス電撃移籍。いやあ、スタジアムに行く前、すでに彼はイギリスに飛んでいるという記事を読んでいたため、記者席の前にあるパルコ(貴賓席)に当人が奥さんと一緒にいきなり現れたのには私も呆気に取られたんですけどね。ホント、今季前半はヒザの靭帯断裂からのリハビリ中で、同じ場所でホームゲームを観戦している姿を何度も見ていただけに、ようやくプレーできるようになった途端、いくら強制買取オプション付きのレンタルで、夏には1500万ユーロ(約24億円)の移籍金が確約されているといったって、ちょっとこれはあんまりだったかと。
といっても同日夜、アルメリアへのレンタルが決まったチョコ・ロサーノ同様、今季の前半、ウナルもゴールでチームに貢献はしていなかったため、現在、ベリンガムと並ぶ、リーガトップの14得点を挙げているマジョラルが同じペースを維持してくれれば、実害はないはずなんですけどね。残念ながら、同じ平日開催でもスタンドが満員になったマドリー戦で、彼は古巣恩返しをすることはできず。ていうか、立ち上がりから、何度もチャンスを作られたヘタフェは前半14分、ルーカス・バスケスのクロスをホセルにヘッドで決められて、早くも先制されてしまったんですよ。
そう、マドリーダービーを控えて当然、アンチェロッティ監督もローテーションしていたんですが、せっかくボルダラス監督が5人もDFを入れたにも関わらず、ドゥアルテが簡単にマークを外されてしまってはねえ。それでも前半を何とか0-1で凌ぎ切ったヘタフェは選手3人を一気に交代した後半序盤、しばし攻勢に転じたものの、グリーンウッドのシュートがポストに当たらず、ゴールになっていればはもう、たらればの話。要は前掛かりになったところをマドリー十八番の高速カウンターに狙われ、10分にはビニシウスのパスを受けたホセルに2点目を決められてしまってはどうしようもありませんって。
実際、その後もマドリーは何度もカウンターがはまり、ビニシウスなど、2度も1対1のチャンスがあったんですが、ラッキーでした。この時はGKダビド・ソリアが止めてくれたからで、おかげでgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)を免れたんですが、ヘタフェも27分のマジョラルのシュートがGKルーニンにポストに逸らされちゃいましたからね。結局、残り3分には彼とマクシモビッチを下げ、ボルダラス監督は3日後のベティス戦に備えることに決めたため、ヘタフェは一矢も報いることなく、0-2で負けちゃいましたっけ。
まあ、それはキックオフ前には熱い抱擁を交わし、浪人時代にバルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場に見学に通った際に培ったアンチェロッティ監督との友情を示していたボルダラス監督も「Teníamos enfrente al equipo más fuerte del campeonato junto al Girona/テニアモス・エンフレンテ・アル・エキポ・マス・フエルテ・デル・カンペオナートー・フントー・アル・ジローナ(ウチはジローナと共にリーガで最も強いチームと対決した)」と認めていた通り、仕方ない結果でしたしね。その分、次の試合で挽回すればいいんですが、ちょっと気になるのは、ペレグリーニ監督のチームが1月の市場最終日に3人も戦力補強していること。
ええ、移籍したボルハ・イグレシアス(レバークーゼン)、グアルダードー(メキシコに帰国)、ルイス・エルナンデス(ボダファゴ)の代わりにチミ・アビラ(オサスナ)、フォルナレス(ウェストハム)、バカンブ(ガラタサライ)が加入したんですが、それに対して、ヘタフェは19才のジェジュ(バレンシア)、21才のイリアス・モリバ(ライプツィヒ)の2人の若いMFを獲っただけですからね。現在10位で、降格圏と勝ち点13あるため、最終節まで1部残留が決まらなかった昨季に比べれば、全然、状況は良いとはいえ、ヨーロッパの大会出場圏を目指しているベティスと争うにはちょっと、物足りなさもなきにしろあらず。
それはラージョも似た感じで、こちらは噂のあったRdT(ラウール・デ・トマス)も動かず、補強もクレスポ1人なんですが、その彼が入団当日デビューする原因となったパテ・シスが、セネガルのアフリカ・ネーションズカップ敗退で戻って来られるのは朗報かと。次のリーガ戦も中4日空いた月曜ですしね。相手のセビージャは降格圏と勝ち点1差の16位だけに、フランシスコ監督もメトロポリターノでの敵をエスタディオ・バジェカスで今度こそ、ホーム2勝目を挙げて討ってやろうと腕まくりしているはずですが、さて。
そして日曜のマドリーダービーについても両チームの状態を見ておくと、いやあ、コリセウムでの試合の前半終盤、グリーンウッドを止めたリュディガーが太ももを打撲。後半チュアメニがCBに入ったのは別に良かったんですが、まさか試合終了間際に彼がイエローカードをもらって、累積警告になってしまうとは。おかげで試合後、アンチェロッティ監督がピッチに入って主審のところまで行き、ガストンがブライムをエリア内で倒したプレーをペナルティに取ってもらえなかったこと共々、抗議して、こちらもイエローカードをゲットしていましたが、その苛立ちは十分、理解可能かと。だってえ、ミリトン、アラバが長期リハビリ中のマドリーはリュディガーが回復しない限り、本職CBがナチョしかいないんですよ。
そこに臨時のCBとして重宝されているチュアメニが出場停止となれば、それこそ、1月の移籍市場には目もくれず。この夏にはとうとうエムバペ(PSG)が来るんじゃないかとか、ハーランド(マンチェスター・シティ)は移籍金が2億ユーロより1億ユーロ(約160億円)に近く、クラブの財政許容範囲である上、FIFAのザ・ベスト賞までメッシ(インテル・マイアミ)に持っていかれたせいで、メディアへの影響が大きいマドリーに来たがっているなんて話を悠長にしている場合ではなかった?
おかげでアトレティコの好調FW陣、金曜にはもうマハダオンダ(マドリッド近郊)での練習に合流していたモラタを含め、グリーズマン、デパイらは上手くいけば、ベルナベウでカルハバルやメンディらがCBを務めるマドリーと対戦することに。今回は逆に相手が中2日というのもありますが、ええ、アトレティコもヒメネスとアスピクエタが負傷中で、バレンシアから緊急移籍したパウリスタがラージョ戦から早速、ベンチ入り。エルモーソとビッツェルもかなり、疲労が溜まっているため、ビニシウス、ロドリゴ、ベリンガム、ホセルらの多弾頭チームを止められるかどうかは不安なんですが…実際、未消化試合も終わり、ジローナを抜いて首位に立ったお隣さんに勝たないことには、本当にアトレティコの今季のリーガは終わってしまうんですよね。
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