昨季王者・神戸相手に公式戦連敗ストップ狙う東京V…宮原和也は前半の戦い方の改善求める

2024.05.25 20:00 Sat
神戸戦で守備のカギを握る宮原和也(中央)
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神戸戦で守備のカギを握る宮原和也(中央)
東京ヴェルディのDF宮原和也が、公式戦連敗ストップを目指すヴィッセル神戸戦への意気込みを語った。

東京Vは前節、FC町田ゼルビアとの“東京クラシック”で0-5の大敗。今シーズン最多失点に加え、約1年ぶりとなる複数得点差の敗戦によってリーグ12戦ぶりの黒星を喫した。
また、ミッドウィーク開催となった直近のJリーグYBCルヴァンカップのサンフレッチェ広島戦では先発10人を入れ替えて臨んだホームゲームで、ほぼ主力を起用してきた相手に後半の2ゴールで盛り返したものの、最終的に2-3のスコアで敗戦。公式戦連敗となった。

攻守に圧倒されたリーグ前節の内容を含め、ここからの巻き返しに向けてリバウンドメンタリティが試される12位の昇格組は、26日にノエビアスタジアム神戸で行われる明治安田J1リーグ第16節でリーグ2位の神戸と対戦する。

昨シーズンのJ2ベストイレブンに選出され、不動の右サイドバックとして16年ぶりのJ1昇格の立役者の一人となった宮原。
自身2年ぶりのJ1の舞台では経験不足のチームにおいて開幕からチームを牽引する働きが期待されたが、プレシーズンとFC東京との東京ダービーで負った2度のケガの影響もあって現状では本来のパフォーマンス発揮には至らず。

町田戦ではオウンゴールとPK献上と昨季はほぼ見られなかった失点に絡むプレーもあった。

そういったなか、宮原は「ケガしている部分に関しては良くはなってきています。あとはコンディションを自分のベストに戻していくだけ」と自身の状態に言及。さらに、「(町田戦では)自分のミスもあったので、そこはしっかり取り返していきたいですし、チームの勝利に向けてやっていくだけです」と、ここからの巻き返しを誓う。

現スカッドでJ1での戦いを誰よりも理解し、戦術眼にも優れる右サイドバックは現状のチームの課題についても言及。とりわけ、直近数試合で問題となっている前半の入り方の改善を強く求める。

「やっぱり自分たちのちょっとしたミスだったり、自分たちの隙を相手は突いてくる。そういうところでしっかりと点を取ってくるレベルの高いチームが多いです。そういう部分をできるだけ作らないこと。本当に自分たちの戦い方や、前半の戦い方は本当に大事になってくるので、そこをもっと心がけてやる必要があります」

その前半の入り方と共に大きな伸びしろを残すビルドアップやボール保持の部分については「ロングボールもうまく使いながらですけど、自分たちでボールを持てる時はしっかりと持つことはできると思うので、そこでの判断とかは、正直やっていてもまだまだだなと感じています。そこは自分たちでしっかり判断しながらやっていかなければいけないと考えています」と、城福浩監督が常々指摘するプレーの“判断”、“選択”の重要性を改めて指摘した。

直近の公式戦連敗もリーグ2位に位置する昨季J1王者との重要なアウェイゲームに向けては、FW大迫勇也、FW武藤嘉紀を筆頭に圧倒的な個の能力を有する前線へのロングボールへの対応をキーポイントに。その上でチームの明確な課題を克服し、しぶとく勝ち点3を掴みたい考えだ。

「大迫選手を目がけたロングボールの使い方がうまいなと思いますし、そこに対して厳しくいくとか、そういう局面の判断とかが大事になってくると思います」

「(サイドバックとしては)ロングボールを使ってそらしたりされるところで、そらしてくる時にカバーが入ってしまうので、先に触られることもあると思いますが、そこに対して、しっかりと冷静な判断をすることが大事なのかなと思います」

「まずは早い時間とか、前半に失点しないというところが絶対に大事になってきますし、自分たちにもチャンスはあると思っています。そこで前半で試合を決められてしまうような展開には絶対にしてはいけない。そこは本当に辛抱強くというか、相手の圧力とかは絶対にあると思いますけど、チーム全員やっていかないといけないです」

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仕切り直しの名古屋戦に勝利…10位で折り返しの東京V・城福監督「チームの進化を見せられた」

東京ヴェルディが、前半戦ラストマッチで仕切り直しの勝利を収めた。 東京Vは22日、味の素スタジアムで行われた明治安田J1リーグ第19節で名古屋グランパスと対戦し、1-0の勝利を収めた。 前節、サンフレッチェ広島に1-4の敗戦を喫し、0-5で敗れたFC町田ゼルビア戦に続く完敗となった緑の名門。今週のチーム立ち上げに際して指揮官、選手の双方からJ1トップレベルで戦う上で、自分たちの基準をもう一段階上のレベルに引き上げる必要があるとの声も挙がっていた。 その惨敗からのリバウンドメンタリティと共に、今後に向けたチームとしての改善、進化にも注目が集まった一戦では、試合終盤の20分近くで防戦一方の展開を強いられるなど課題を残したが、前後半の入りの局面での集中、セットプレーの守備、セカンドボール、ボールホルダーへの寄せの速さといった部分でポジティブな意識の変化が見受けられた。 [3-4-2-1]のミラーゲームの形でスタートした中、前半は全体的に反応速度の遅さ、攻撃時の可変が機能せずに攻守にギアが上がらない名古屋に対して、メリハリの利いた守備、切り替えの速さで優位に進めた。とりわけ、守備では全体をコンパクトに保ちながら中盤のMF綱島悠斗を起点にセカンドボール、イーブンな競り合いをことごとく制して主導権を握り、相手に攻撃の糸口さえ与えず。 一方、攻撃ではFW木村勇大らの背後へのランニング、相手のボランチ脇を使いながら両ウイングバックの攻撃参加を軸に幾つか良い形での崩しを見せたが、ポケットの攻略やアタッキングサードでの精度、連携を欠いて決定機を作るまでには至らなかった。 それでも、相手が立ち位置の修正や全体の強度を上げて臨んだ後半序盤の守勢を耐え抜くと、52分にはダレン・イングランド主審の素晴らしいアドバンテージの判断も利いた、木村、MF翁長聖の2人で完結させた鮮やかなロングカウンターから先制点を奪取。 その後はFWパトリック、FW榊原杏太らの投入でパワープレー気味に前への圧力を強めた相手に押し込まれ、再三のシュートを浴びる苦しい展開を強いられたが、守護神マテウスの再三のビッグセーブ、DF谷口栄斗の魂のシュートブロックなどで虎の子の1点を守り抜き、直近2試合で7失点を喫していた中、ヴィッセル神戸戦以来3試合ぶりとなるクリーンシートを達成した。 同試合後の公式会見で城福浩監督は、「我々が立ち返るところをしっかりと共有して臨めた」と、広島戦の敗戦から改めてベーシックなところに目を向けて改善を図った一戦での勝利という結果に満足感を示した。 「前節、アウェイで完敗となり、我々としたらもう一度自分たちの目指すものをしっかりと確認する作業が必要でした。その部分を映像やトレーニングを通して、みんなで意思統一しました。名古屋対策というよりも、我々が立ち返るところをしっかりと共有して今日の試合に臨めたことが、特に前半はプラスに働いたかなと思います」 「前半は非常に緊張感のある入りをしたということと、前半は相手にほとんどペナルティエリアの中に入らせなかったので、我々のハイラインと前線からのプレス、相手陣でサッカーをするというところを具現化できて終えられたので、選手としても少し手応えがあったと思います」 「前半のような戦いの中で、できれば得点を取りたかったですが、名古屋という大きなクラブを相手に臆することなく、我々のサッカーを表現するということはできました。そこで最終的に勝ち点3を取れたことは自信になると思います」 「後半は中盤を省略して、名古屋さんがロングボールでセカンドを拾ってというところに徹してきたので、ここに対してのゲームの進め方は、学ばなくてはいけない。本当にボランチがあそこに1人でもいれば、足を振る時間も与えないで済みます。おそらくその瞬間の何秒かで6バックとか7バックみたいになってしまったところは修正しなければいけない」 ただ、ひと振りの時間を与えたとしても、ディフェンス陣が2人、3人でボールに食らいついてシュートブロックをするシーンがいくつかあったのと、マテウスもよく反応してくれたというのもあって、あれが魂があったから守り切れたというのは、ちょっとおこがましいですけれども、ボールへの集中力、反応というところは前節の広島戦で、僕らは差を見せつけられたので、反応力というのが前節よりは上がったという意味では、このチームの進化を見せられたと思います。 一方で、「勝って反省できるということは非常によかった」としながらも、「後半は中盤を省略して、名古屋さんがロングボールでセカンドを拾ってというところに徹してきたので、ここに対してのゲームの進め方は、学ばなくてはいけない。本当にボランチがあそこに1人でもいれば、足を振る時間も与えないで済みます。おそらくその瞬間の何秒かで6バックとか7バックみたいになってしまったところは修正しなければいけない」と、決して盤石とは言えなかったチームの課題にもしっかりと目を向けた。 それでも、「ただ、ひと振りの時間を与えたとしても、ディフェンス陣が2人、3人でボールに食らいついてシュートブロックをするシーンがいくつかあったのと、マテウスもよく反応してくれたというのもあって、あれが魂があったから守り切れたというのは、ちょっとおこがましいですけれども、ボールへの集中力、反応というところは前節の広島戦で、僕らは差を見せつけられたので、反応力というのが前節よりは上がったという意味で、このチームの進化を見せられた」と、広島戦の大敗を良い教訓としたチームの姿勢を評価した。 また、押し込まれた後半終盤に再三のビッグセーブでチームを救ったマテウスは、「これ以上ボール(シュート)が来ないでくれと思っていた(笑)」とジョークを交えながらも、前後半の入り、守備時のセットプレー改善もあって勝ち取った3ポイントへの手応えを口に。 「今日は入りから、特に前半は自分たちのペースで試合を運べた。後半の入りも含め、前節と同じ感じにはならずにしっかり修正して入れた。ここ3、4試合ではセットプレーからの失点が多かったので、しっかりそこは修正をかけながら、今日は自分たちに合っているやり方というのを見つけながらできたのかなと思います」 約3週間ぶりに戦列に復帰し、古巣相手に3バックの右、ボランチ、左ウイングバックと3つのポジションで完封勝利に貢献したDF宮原和也。 「まだまだ100%に近い状態ではない」、「後半最後は危ないシーンがたくさんあり、そこで決められていてもおかしくなかった。個人の能力を上げるだけではなく、チームとして組織的にどうやって守るのかをやっていかなければ、勝ち点は拾っていけない」とこの試合における個人、チームの反省を語ったが、「前回は広島に大差で、内容でも負けてしまった。そこで連敗しなかったというのは本当に大きい」と、チームの粘り強さを評価。 第9節の川崎フロンターレ戦でのJ1デビュー以降、リーグ戦10試合連続でスタメン出場を続けていた中、この試合では途中出場でクローザー役を担う形となったDF千田海人は、宮原同様に個人、チームの課題を口にしながらも広島戦からの意識の変化をポジティブに捉えている。 「広島戦以降、自分たちがセカンドボールの反応スピードだったり、そういうところで広島さんに比べて劣っているというか、広島さんの方がレベルが上だということを認識して、自分たちがひとつ学んだところがあった」 「試合前もその反応スピードのところは、城福さんからみんなに伝えられていて、みんなが頭に入れていたと思うので、シュートブロックの反応スピードとかも速かったですし、今日はセカンドボールのところも前半は綱島とかが速く行けていたと思いますし、広島戦で学んだところが今日の試合で出たと思います」 この仕切り直しの勝利によって、前半戦を6勝9分け4敗の10位で終えることになった東京V。昇格プレーオフを制した“20番目”のチームであり、クラブの予算規模を考えれば、大健闘と言っていい戦績だ。 とりわけ、チームの最大の目標であるJ1残留に向けて良いペースで勝ち点を積み上げられている状況だが、百戦錬磨の指揮官は「今が何位、今の勝ち点がいくつかということも、意味がないと思う」、「ここから先1試合1試合の戦いになっていき、その先に、世の中に驚きを示すようなサッカー、成果へと繋がっていく」と、現状の立ち位置を意識することなく、後半戦もベクトルを自分たちに向け、“成長”をテーマにしっかりと戦っていく構えだ。 ブラジル人守護神も「全員が献身的に仕事していたところが、今の結果に繋がっている」とチームが正しい歩みを見せていることを実感しながら、「一番危険なのは、自分たちがこれでオーケーだと思ってしまうこと。そこは後半戦に向けて危ない兆候になると思うので、しっかり全員で気を引き締めてやりたい」と、改めて後半戦への意気込みを語った。 前半戦終了時点で首位と12ポイント差、降格圏と12ポイント差の中位に位置する緑の名門。中3日で臨む後半戦初戦のジュビロ磐田との昇格組対決第2ラウンドを皮切りに、序盤戦では横浜F・マリノス、セレッソ大阪、町田と前半戦で敗戦を喫した相手との対戦が続く中、“J1残留”、さらなるサプライズ提供に向けて力強いスタートを飾ることはできるか…。 2024.06.23 08:38 Sun

鮮やかカウンターから翁長聖が絶妙ループ弾! 終盤の名古屋の猛攻耐えた東京Vが2戦ぶり白星【明治安田J1第19節】

明治安田J1リーグ第19節の東京ヴェルディvs名古屋グランパスが22日に味の素スタジアムで行われ、ホームの東京Vが1-0で勝利した。 前節、サンフレッチェ広島に1-4の大敗を喫してリーグ連勝がストップした11位の東京V。その敗戦からのバウンスバックを図った前半戦ラストマッチでは先発4人を変更。サスペンションの見木友哉や千田海人に代わって負傷明けの綱島悠斗、宮原和也が起用された。 一方、9位の名古屋は前節、湘南ベルマーレと1-1のドロー。天皇杯のJAPANサッカーカレッジ戦での屈辱の敗戦を払拭できず。リーグ4戦ぶりの白星を目指したアウェイゲームでは先発1人を変更。吉田温紀に代わって三國ケネディエブスが復帰した。 [3-4-2-1]のミラーゲームの形となったJ1では久々のオリジナル10対決。試合は開始早々にホームチームが決定機を作り出す。2分、右CKの流れからボックス左でこぼれに反応した齋藤功佑が左足でシュート。DFにディフレクトして浮き球の形でクロスバーを叩くと、これに染野唯月が詰めたがゴール右で放ったシュートはサイドネットに。 開始早々の先制点には至らずも、中盤の綱島を起点にセカンドボール、イーブンな競り合いをことごとく制して主導権を握った東京V。前線の背後へのランニングや左サイドの松橋優安の大外での仕掛けから幾つか良い場面も作るが、なかなかフィニッシュの数が増えていかない。 前半半ば以降は互いに構えて守る場面が多く試合は膠着状態に。引き続き優位に進めるホームチームはダイレクトプレーや3人目の動き出しで攻撃にアクセントを加えたが、アタッキングサードでの精度、連携を欠く。41分にはボックス右付近で得たFKの場面でキッカーの翁長聖が意表を突いてニア下を直接狙うが、ここはGKランゲラックのセーブに遭う。そして、前半はこのままゴールレスで終了した。 互いに選手交代なしで臨んだ後半。勢いを持って入った名古屋が開始早々に決定機。46分、相手陣内右サイド深くでタメを作った中山克広のマイナスパスを受けた森島司の浮き球のクロスをボックス左の山岸祐也が丁寧に頭でゴール前へ折り返す。これに反応した稲垣祥がボレーシュートを放つが、DFの身体を張ったブロックに阻まれた。 課題の後半の入りを辛くも凌いだ東京Vは鮮やかなロングカウンターからゴールをこじ開ける。52分、自陣ボックス手前で相手を背負ってボールを収めた木村勇大が右サイドの翁長とのパス交換で一気に背後へ飛び出す。DF山中亮輔に後ろから引き倒されたが、ダレン・イングランド主審がアドバンテージを取る。このこぼれに反応した翁長がそのままボックス内までドリブルで運び、最後はGKラングニックの前目のポジションを見極めて絶妙なループシュートを流し込んだ。 木村と翁長の2人で完結した見事なカウンターアタックでリードを手にした城福浩監督のチームは、足を痛めた松橋を下げて約1カ月ぶりの戦列復帰となった山田楓喜を右のウイングバックに投入。これで翁長が左ウイングバックに移った。 試合の均衡が破れたことで、後半はよりオープンな展開に。前半はほとんど効果的にフィニッシュまで持ち込めなかった名古屋も前向きなチャレンジから稲垣や山岸がシュートを放っていく。さらに、70分には三國、永井謙佑に代えて吉田温紀、パトリックを同時投入した。 これに対してカウンターやセットプレーからチャンスは作れているものの、徐々に相手の圧力を受け始めたホームチームは75分に2枚替え。山見大登、齋藤を下げて千田海人、稲見哲行をピッチに送り込み、宮原をボランチに上げるなど守備的な布陣に変化した。 一連の交代でよりパワーを出した名古屋は攻勢を強めていくと、76分にはペナルティアーク付近で山岸の足元への落としに反応した稲垣がダイレクトシュートを放つが、これは惜しくも右ポストに阻まれた。 1点差のまま試合は後半最終盤に突入。攻めるアウェイチーム、守るホームチームという構図が明確となった中、名古屋は吉田、パトリック、榊原杏太とボックス付近で3本の決定的なシュートを浴びせかけたが、GKマテウスやDF谷口栄斗の見事な好守に阻まれた。 そして、試合はこのままタイムアップを迎え、ホームで接戦をモノにした東京Vが広島戦の大敗を払しょくする1-0の勝利を収めた。一方、終盤の猛攻実らずに完封負けの名古屋はリーグ4戦未勝利となった。 東京ヴェルディ 1-0 名古屋グランパス 【東京V】 翁長聖(後7) <span class="paragraph-title">【動画】翁長聖が芸術ループ</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="twitter-tweet"><p lang="ja" dir="ltr">/<br>まさにアート<br>\<br><br>翁長聖の芸術的ループシュート<br>東京Vがカウンターから先制<br><br>明治安田J1リーグ第19節<br>東京V×名古屋<br><a href="https://twitter.com/hashtag/DAZN?src=hash&amp;ref_src=twsrc%5Etfw">#DAZN</a> ライブ配信<a href="https://twitter.com/hashtag/%E6%9D%B1%E4%BA%ACV%E5%90%8D%E5%8F%A4%E5%B1%8B?src=hash&amp;ref_src=twsrc%5Etfw">#東京V名古屋</a> <a href="https://t.co/flwinkEpFg">pic.twitter.com/flwinkEpFg</a></p>&mdash; DAZN Japan (@DAZN_JPN) <a href="https://twitter.com/DAZN_JPN/status/1804459355938439499?ref_src=twsrc%5Etfw">June 22, 2024</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> 2024.06.22 20:02 Sat

名古屋戦に臨む東京Vの城福浩監督、「優先順位の共有と予測」の課題に言及…練習復帰の山田楓喜の状態も説明

東京ヴェルディの城福浩監督が、22日に味の素スタジアムで行われる明治安田J1第19節の名古屋グランパス戦に向けた会見を行った。 16年ぶりのJ1の舞台で、トップカテゴリーの経験に乏しい最年少スカッドを率いる城福監督。同じく昇格組で首位に立つFC町田ゼルビア、前節のサンフレッチェ広島相手に大敗を喫したものの、クラブ予算やスカッドの質を鑑みれば、健闘と言える11位でシーズン折り返し地点を迎えている。 J1残留を最大の目標のひとつに掲げながらも、より高みを目指す野心的な指揮官は、1-4で敗れた広島戦からのバウンスバックと共に、後半戦へ弾みを付けるべく、前半戦ラストマッチで9位の名古屋撃破を目指す。 「多くの差を感じた」と完敗を認めた古巣対戦から1週間を経て臨む、今回の一戦に向けて城福監督は「何に差があったか、掴みづらいぐらいの点差だった」という部分で、「我々が整理できること。今のスカッドでやれることという意味で、すごく極めてベーシックなところに着目した」と、選手たちに要点を絞った上で課題を伝えたという。 「完敗と言っていい広島戦を受けて、我々が何を整理してしっかり伝えるかというところでは、基本的なところというか、ベーシックなところに目を向けて、例えば立ち位置であるとか、ポジションのタスクであるとかそういうことではなく、ボールの状況で何を優先すべきかというところが、そこに差があったというふうに思っています」 その差の部分では広島戦後に“局面での力の出し方”、“ランニングの質”といった部分の差に言及する選手が多かったが、指揮官は「優先順位の共有と予測」という、より根本的な部分で違いがあったと説明している。 「(出力の出し方やランニングの質の違いを)選手は感じたと思います。それを抽象的ではなくて具体的にランニングの質とは何なのか、スプリント回数が多いとか、少ないというのはどういうことなのかと。ランニングの質とか出力の出し方ということは、いつ走るかです。そこは予測であったり、パスの優先順位が明確ということ。ボールホルダーがフリーであれば、足元でもらうよりも裏。そこの差は(映像で)見せました」 「我々のチームはボールホルダーがフリーなのに、足元でもらおうとしている。そこは僕自身の反省ですけど、[3-4-3]だから、このポジションにはこういうタスクがあるというのは、それは大まかな話であって、サッカーというのはどこのポジションがここにいなければいけないというわけではない」 「そうすると、ボールホルダーがヘッドアップできる状況というのは、いつ起こるかわからない。でも、それが起こった瞬間の反応とか、出し手と受け手の優先順位の選び方のところでは大きな差がありました。それは彼らから見ると、出力の差に見えると思います。ただ単に出力というのは、優先順位の共有と予測。もちろん、素走りのスピードというのも、広島はそれが特徴的なので、スピードとパワーという部分で多少の差はあったとしても、もっと大きな差というのは状況における優先順位の共有と予測でした」 また、一時改善傾向が見受けられたものの、ここ最近改めて課題として浮き彫りとなるセットプレーからの失点という部分では、ストーンの数を増やすなど現状の選手がより得意な形へのマイナーチェンジといった試行錯誤を口にしつつも、「マークを高いレベルでつけるようにならないといけない」と選手個々の改善を強く求めた。 「何がこのチーム、このメンバーにとって一番いいのかというのは、スタッフと話しながらやっています。ただ、それ以前に根本的なところでマークをつくのが苦手だという選手が多くなったら、どんなやり方をしても同じ」 「マークというのは相手がじっとしてくれれば誰でもつけますが、相手は駆け引きをして動きがあって、3度ぐらいフェイクがあって、しかもグループでブロックもしてくる。さらに、J1ではデザインしたところにボールが来るので、まず根本的なマークをつくというところのレベルを上げる。出ている選手全員が高いレベルでマークをつけるようになるということがすごく大事なことです」 そういった課題克服に取り組みつつ臨む名古屋戦では、MF米本拓司、MF稲垣祥、MF森島司、DF野上結貴と古巣対戦となった前節同様にこれまでの監督キャリアで指導し、愛弟子とも言える選手たちと対峙する。 「逆の言い方をすれば、向こうの選手も僕の志向をわかっている」と各選手の長所も短所も知り抜くアドバンテージはないとしながらも、「ただ特長を出させたら、非常に手ごわい選手たちなので、彼らの特長を出させないために、チームとしても取り組まなければいけない」と、やはり教え子への警戒を口にしている。 これまで何度も対戦してきた長谷川健太監督が率いる名古屋というチームについては「ボールを刈り取れる選手がいて、カウンターでスピードを出せば、追いつけないぐらいの速い選手がいて、フィードから一発でロングフィードで裏を取ってそこからチャンスを作るような展開も、彼らの中のパターンのひとつ」と分析。 ただ、「もちろん相手のこともリスペクトはしますけど、我々がやるべきことというのは非常にベーシックなところ。広島戦で出た上位陣との差を縮めるというところにフォーカスしたいと思います。ベースのところは広島戦のあの完敗があったからこそ、こういうふうに改善できたねというチームになって、そこはしっかり表現したいと思います」と、引き続き自分たちへベクトルを向けている。 なお、負傷者に関してはキャプテンのMF森田晃樹ら引き続き数名を欠くことになるが、DF宮原和也、MF綱島悠斗、FW白井亮丞に加え、心身のリフレッシュを終えたMF山田楓喜が全体練習に復帰。少しずつ離脱者が戻ってきている。 5月22日のルヴァンカップ広島戦以来の公式戦復帰も期待される山田楓に関しては「身体自体に不具合があるわけではないので、そこは心身ともにリフレッシュして今週戻ってきました。動き的には全く問題ない」と説明。 名古屋戦での起用の可能性については「ゲーム体力や強度というところでいきなり100%でというところはちょっとやってみないとわからない」としながらも、「彼が18人の中に入って勝ち点3を取るためのハードワークができる状態であれば、彼もその候補の中に入ってくるので、そこは最後の最後までしっかり見極めたい」と、チーム内の競争を大前提に状態次第でメンバー入りもあることを示唆した。 2024.06.21 18:00 Fri

「多くの差を感じた」、古巣相手の完敗認める東京Vの城福浩監督…「その差を受け入れ、這い上がっていく」

東京ヴェルディの城福浩監督が、完敗に終わった古巣対戦を振り返った。 東京Vは15日、エディオンピースウイング広島で行われた明治安田J1第18節のサンフレッチェ広島に1-4で敗戦した。 リーグ連勝で勢いにのる11位のチームは、勝ち点2差で5位の広島相手に今季初の3連勝での上位進出を目指した。しかし、前後半の立ち上がりに与えたセットプレーからFW加藤陸次樹、FWピエロス・ソティリウにゴールを奪われて苦しい展開を強いられると、62分にソティリウ、82分には古巣対戦のFWドウグラス・ヴィエイラに連続ゴールを許した。 その後、後半アディショナルタイムにFW木村勇大の公式戦3試合連続ゴールで一矢を報いたが、先月のルヴァンカップの敗戦(2-3●)に続く広島相手の黒星となった。 古巣対戦が期待されたDF宮原和也、キャプテンのMF森田晃樹ら主力数名を欠く厳しい台所事情に加え、ほぼ主力を起用した天皇杯から中2日のアウェイゲームというエクスキューズはあったが、試合後の会見で城福監督は、「今現在の実力通りの差かなと思います」と、真摯に1-4の敗戦を受け入れた。 「今現在の実力通りの差かなと思います。もちろん5点目が入ってもおかしくない状況というのはあったと認識していますし、我々が前にかかっていたなかで、相手のカウンターの精度が高いなというのも認識していますけど、今現在でベストなメンバーを組めた状態での差は受け入れざるを得ない」 「一番を上げるのが難しいぐらい多くの差を感じました。一対一の力の出しどころ、もちろん絶対的なパワーとスピードも多少の差はあると思いますけど、いつ相手に寄せるのか、いつボールハンティングをして、それをした瞬間に、もう攻撃のスイッチを入れるという判断の速さも含めて、ここは我々がまだまだだなと思いますし、じゃあ失わなければいいじゃないかというアプローチと、我々もそういうやり方でカウンターをできるチームにならなければいけない」 「フィジカル的なところと、バトルのなかでというか、スピードが上がったなかでの精度、スキルの精度というのは、多少我々も差があることを覚悟して入った」と戦前から広島の強度、クオリティを警戒していた中、「それをチームとしてどう防いでいきながら、多少オープンになったときに、我々が我々らしくプレーできるかというところが勝負どころだった」と、試合後に改めてゲームプランを語った指揮官。 ただ、「開始の最初のフリーキックでやられ、後半も最初のコーナーキックでやられてしまっては、自分たちが個の力の差を埋めるにはなかなか難しい状況になった」と、やはり前後半の入りで喫したセットプレーからの失点がチームにとって重い足かせとなったと悔やんだ。 それでも、J1最年少スカッドを率いる上で事あるごとにシーズンを通しての成長をテーマに掲げてきた百戦錬磨の指揮官は「何も諦めず、ひとつずつ解決して前に進んでいくだけ」、「この悔しさというか、J1のトップレベルとの差というのを、我々はしっかりと受け入れて、這い上がっていく。それが我々らしさだと思うので、しっかり次に向けて今日の反省を活かしたい」と、0-5で大敗したFC町田ゼルビア戦に続く、上位相手の厳しい敗戦からのバウンスバックを誓った。 2018年から2021年途中まで指揮した古巣と初めて広島の地での対戦を終えた城福監督。試合前の会見では「いい試合をして勝ち点を持ち帰ること」と共に、試合後に改めて古巣のファン・サポーターに挨拶をしたいと、自身にとって「特別」なクラブへの思いも語っていた。 そして、その言葉通り、試合後には敗戦の悔しさを噛み殺しながら、ゴール裏を中心に古巣のファン・サポーターに一礼し、温かな拍手を浴びていた。 その古巣対戦への思いについて改めて会見で問われた指揮官は、「この場で個人的なことを言うのはあまり相応しくない。しかも大敗した後なので…」と一度は発言を躊躇ったものの、試合後の自身の行動についてこう説明した。 「広島を離れる瞬間から、一緒に戦ってきた選手、スタッフ、フロントスタッフ、ファン・サポーターにとにかく感謝のアクションをしたい。その思いが新幹線を待つホームでずっと思っていました。もちろん今日は勝ってそれができれば一番よかったです。ただ、自分の中でそれは絶対にやらなければいけないことだと思っていました。それがひょっとしたら指導者としてここに立つということが、執念という言葉が正しいのかわかりませんけど、指導者として一歩自分が進まなければいけないと思いました。今日は彼らに感謝の意を込めた一礼しかできないです。それは、ずっと離れる瞬間からそれをやりたいと思っていました」 2024.06.16 00:34 Sun

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【J1注目プレビュー|第20節:磐田vs東京V】差がついた昇格組の前半戦…磐田は巻き返しを、東京Vは更なる上位へ

【明治安田J1リーグ第20節】 2024年6月26日(水) 19:00キックオフ ジュビロ磐田(16位/20pt) vs 東京ヴェルディ(10位/27pt) [ヤマハスタジアム(磐田)] <span class="paragraph-subtitle">◆苦しんだ前半戦、巻き返しの一歩に【ジュビロ磐田】</span> J1復帰1年目、前半戦は5勝5分け9敗の勝ち点20で16位と苦しんでいる。降格圏との勝ち点差は「5」と安心はできない状況。苦しい戦いも続いている中で、後半戦はしっかりと切り替えていきたいところだ。 その後半戦初戦は、昨シーズンはJ2で共に戦った東京Vとの対戦に。町田は首位、東京Vは10位と下から眺めている状況だ。 アウェイでの対戦は試合終了間際の失点で敗れる悔しさを味わった中、リベンジを果たしたいところ。ただ、直近3試合は勝利がなく、追いつかれてのドローと課題が出ている。 チームにとっての朗報は得点源のジャーメイン良が復帰したこと。前回の東京V戦で負傷したエースが、東京V相手に復活ゴールを決めれば、勝利もそう遠くはないだろう。 ★予想スタメン[4-4-2] GK:川島永嗣 DF:植村洋斗、鈴木海音、森岡陸、松原后 MF:松本昌也、レオ・ゴメス、上原力也、金子翔太 FW:マテウス・ペイショット、ジャーメイン良 監督:横内昭展 <span class="paragraph-subtitle">◆悪くない前半戦、後半戦はより効率良く勝ち点を【東京ヴェルディ】</span> 16年ぶりのJ1での戦いは、前半を終えて10位とちょうど真ん中。トップハーフで終えられたことはプラス材料と言えるだろう。 途中11戦無敗としぶとさを見せ、引き分けこそ加算だが、若いチームがJ1でも戦えることを示し続けてきた。加えて連敗もなく、無得点試合もわずか4試合。まずまずと言える前半戦だったはずだ。 ただ、チームとしては更なる上を目指して戦うこととなる。残り19試合、上に行くのか、下に落ちるのか。まずは第一歩をしっかりと踏み出したいところだ。 相手はJ2で何度も戦った磐田。ホームでは劇的な勝ち方をしたが、相手は数的不利だった。しっかりと11vs11で戦っても勝利を収められるかがポイントとなる。 ★予想スタメン[3-4-2-1] GK:マテウス DF:宮原和也、林尚輝、谷口栄斗 MF:翁長聖、齋藤功佑、見木友哉、松橋優安 FW:山見大登、木村勇大、染野唯月 監督:城福浩 2024.06.26 16:20 Wed

後半戦白星発進狙う東京Vは磐田との昇格組対決…林尚輝は強力2トップ警戒、見木友哉は攻撃のカギ語る

東京ヴェルディは26日、ヤマハスタジアムで行われる明治安田J1リーグ第20節でジュビロ磐田と対戦する。 前節、名古屋グランパスとのホームゲームを1-0で制し、前々節のサンフレッチェ広島戦での1-4の大敗を払拭すると共に、前半戦ラストマッチを白星で締めくくった東京V。これにより、16年ぶりにJ1へ復帰した名門は有力な降格候補との下馬評を覆し、6勝9分け4敗の10位というトップハーフでのシーズン折り返しとなった。 その名古屋戦から中3日で臨む後半戦初戦では、ホームでの前回対戦で3-2と競り勝った同じ昇格組で16位に位置する磐田相手にシーズンダブルと共に白星スタートを狙う。 ここまでディフェンスラインの主軸を担うDF林尚輝は、「広島戦で大量失点した後に、ゼロで抑えられたという部分で結果という形で見たときにはよかった」、と3試合ぶりのクリーンシートを記録した名古屋戦をポジティブに振り返りつつ、磐田戦、今後の戦いに向けた課題にも目を向ける。 「(セカンドボールの対応の改善について)城福さんからも『セカンドボールは真ん中の選手だけではなく全体で拾うもの』という共通意識の下でやったという部分で全体の意識が高まったところあります。自分たちディフェンス陣もできるだけ味方にヘディングで繋げられるように意識しました。その意識の差というのは、広島戦に比べて少し高まったと感じています」 「(後半の押し込まれた展開は)ひとつの反省点というか、ボランチと自分たちの立ち位置というところで、少しボランチを引かせすぎているという部分もあった。どうやって(バイタルエリアの)スペースを埋めさせるか、ボランチをいかに真ん中にさせられるかというのは今後の課題。今は攻められているのを受けて撥ね返している感じですけど、攻めさせない、いかに(全体を)下げさせないとか、もう少し1人ずつ高いポジションを取らせるとか、そういった工夫というのは必要になってくる」 磐田との前回対戦ではFWジャーメイン良との接触プレーによる脳震とうで後半途中交代となったが、改めてそのエースストライカー、FWマテウス・ペイショットという強力な2トップと対峙する一戦に向けては、「いざ対峙してみると、想像以上に強いと感じた」と名古屋戦でフィジカル強化の必要性を実感させられたFWパトリックとの対戦を踏まえ、より集中した対応が重要になると語る。 「ペイショット選手やジャーメイン選手も高さがあって強さがあってという選手なので、審判にもよりますけど、いかにロングボールが入ってくる前に自分たちはいい準備ができるか。それは相手との駆け引きのところもそうですし、ポジショニングのところもありますが、先に身体を当てておくとか、身長が自分の方が小さいぶん、必要になるのかなと思います」 また、昨季J2でのヤマハスタジアム、IAIスタジアム日本平と静岡のサッカー専用スタジアムでいずれもゴールを記録し、相性の良さを感じる26歳DFは、「去年もカウンターからランニングしていってという形で取れましたし、恵まれるシーンが多い」、「コーナーキックも今年はまだ、個人として決めてないですし、いいボールを蹴ってくれると思っているので、そこに自分たちがしっかり合わせて得点できるような機会を見せたい」と、J1初ゴールへの意欲も示した。 一方、名古屋戦を累積警告で欠場したMF見木友哉は、ボランチあるいは2シャドーの一角でのスタメン起用が見込まれる中で、攻撃のキーマンとなる1人だ。 前回対戦でもプレーした今季の磐田に対しては「技術が高い選手が多くてパス回しが巧い印象はありますけど、今年に関して言えば、ペイショット選手やジャーメイン選手も調子がよくて、去年は[4-2-3-1]気味だったのが、[4-4-2]気味で、その2トップにシンプルに当ててという攻撃も去年に比べればあって、そこの破壊力という部分は去年よりもあるという印象」と、改めて強力な2トップへの警戒を口にする。 一方で、前回対戦でチームとして3ゴールを挙げた手応えもあり、「そんなに守備がいいチームだとは個人的に思っていない」と、攻撃面では十分に付け入る隙があるとみている。とりわけ、1カ月半前とは異なる布陣で戦う中でポジションのずれを効果的に活かしたい考えだ。 「(木村)勇大のところで簡単に一対一で勝つことができれば、すぐチャンスに繋がると思いますし、そうではなくても相手が4バックの中で、自分たちがポジション的には最初の元の位置でもいいポジション取りができているので、そこをどう活かせるかというのはカギになる。間に立ちながら、うまく前にプレーすることができれば、相手の4バックに対して5レーンを使うことができるので、より前に運べてそういうチャンスを多く作りたいなと思っています」 前半戦においてデュエル勝利総数でリーグ2位、出場試合における走行距離においても常に上位に位置する緑の10番は、「J1で上の方になるとは個人的に思っていなかったですが、そこはもちろん自信にしていい」と初のJ1の舞台での自信を深めつつ、「リーグ戦で2桁というのはシーズン前から目標にしていますし、結果という部分を個人的にフォーカスしながらやっていきたい」と、より高いレベルでの貢献を目指す。 前回対戦はAFC U-23アジアカップ帰り直後でコンディション面を考慮され、スタンド観戦となったMF山田楓喜は、心身のリフレッシュを目的として約3週間の休養を経て前節の名古屋戦で復帰。頭部への打撲の影響もあってイン&アウトの形となったが、幸いなことにコンディション面で問題はなく、傑出したキック精度と攻撃センスを併せ持つレフティーはこの磐田戦で攻撃面におけるオプションとなるはずだ。 「楽しめたというのが一番大きい」、「(サポーターから)『おかえり』というような声が一番多かったので、ちょっとぐっとくる瞬間もありましたし、そういう待ってくれている人がたくさんいる中で、自分も幸せだなと思いながらプレーできました」と復帰戦を振り返った山田。 「フルで戻っていない感じ」とコンディション面では万全でないことを認めながらも、「逆に、力が抜けていい感じにプレーできるという感覚も出てきている」と元来のポジティブシンキングが戻ってきた印象だ。自身の不在時に[3-4-2-1]への布陣変更も図られたが、「今までも3バックでウイングバックをやったり、シャドーもやっていたりしていたので、特にそんな難しいと思う瞬間はない」と戦術面の適応も問題ないとしている。 復帰2戦目での本領発揮が期待される26日の一戦に向けては、「先制点を取るのと取らないので、だいぶ違う。しかもそれが早い時間帯に取れると、その後の試合運びもだいぶ楽になってくると思います。そこは気持ち的にも、相手の勢いという部分でもだいぶ落ちていくと思うので、誰もがわかっていると思いますけど、先に点を取るところは一番大事」と、酷暑と過密日程という部分で、チームとして先制点がカギになると語っている。 2024.06.25 19:00 Tue

10位で前半戦終えた東京Vの城福監督が後半戦へ決意「“やれている感”出したくない」、「満足しないチームだと示し続けたい」

東京ヴェルディの城福浩監督が、26日にヤマハスタジアムで行われる明治安田J1リーグ第20節のジュビロ磐田戦に向けて会見を行った。 前節、名古屋グランパスとのホームゲームを1-0で制し、前々節のサンフレッチェ広島戦での1-4の大敗を払拭すると共に、前半戦ラストマッチを白星で締めくくった東京V。これにより、16年ぶりにJ1へ復帰した名門は有力な降格候補との下馬評を覆し、6勝9分け4敗の10位というトップハーフでのシーズン折り返しとなった。 名古屋戦は決定機の数こそ少なかったものの、前半は攻守に安定したパフォーマンスを披露し、後半立ち上がりにFW木村勇大とMF翁長聖の2人で完結させた見事なロングカウンターから先制点を奪取。以降は途中投入のFWパトリックを活かした名古屋のパワープレー気味の攻撃を前に防戦一方の戦いを強いられたが、守護神マテウスの再三のビッグセーブもあって逃げ切っての完封勝利となった。 城福監督は課題の入りを含め、常日頃から求める相手陣内で多くの時間プレーすることができた前半のパフォーマンスについて「まだ45分しかできない」と反省を口にしながらも、ポジショニング、ボールホルダーに対する周囲の選択肢の与え方といった広島戦からの選手たちの意識の変化への手応えを口にした。 「相手の守備の仕方を分析した中、もっとボールに来るかなと思ったら、我々のポジショニングも悪くなかったので、おそらくプレッシャーに来られなかったと思います。行きたくても来られない時間が続いたので、だったらゴールを守るというふうに判断した。その判断を早くさせたボールの回し方はできたと思います」 「それがなぜできたかというのは、やっぱり広島戦で出たベーシックな課題があった。ボールホルダーの状況によって優先順位を変える。これは実はロングフィードを使っているシーンは少ないですけど、ボールを引き出している選手がものすごく多くなっている。ヴェルディが中盤ですごく繋いでいるように見えたのは、目に見えないところの前線で引き出している選手がいて、ボールホルダーはそれを使ってもいいし、空いたスペースを使ってもいい。それがボールを持っている選手がプレーを決められる。これがサッカーなので、広島の前半の戦いをみんなが意識した上で出し手と受け手がベーシックなところをやったのが、前半だったかなと思います」 一方、明確な課題として残った後半終盤の戦い方に関しては、前半にできていた「ベーシックな部分」の徹底ができなかったところに加えて「クリアの質」に問題があったと主張している。 「大きな要因のひとつはクリアの質にある。一番相手が二次攻撃をしやすいようなボールを何本も我々自身が供給してしまったということ。あの状況であれば、木村勇大が前に張る感じになると思いますが、彼が前で待っていて、彼が収められたときにはいいカウンターになるみたいな状況で、あそこしかポイントがないと、相手もそこを抑えにくるわけで、そこで取られて二次攻撃を受けるというのが、後半の途中ぐらいから散見された」 「繋げないのであれば、クリアの質をもう2ランクくらい上げていかなければいけない。もっと言えば、クリアできないのであれば、相手の足に当てればマイボールのスローインになる。そういうクレバーさというのも、後半の押された時間帯はちょっと立て続けに相手ボールにしてしまったのかなと思います」 さらに、後半アディショナルタイムに訪れたFW染野唯月を起点としたカウンターからの翁長の決定機を引き合いに出し、“全員攻撃・全員守備”というチームが志向するスタイルの追求を求めた。 「ダメ押しの2点目を取れればよかったと思いますが、あのシーンに象徴されるのは、木村勇大も自分たちのペナ近くまで戻っていた。そこから全員が湧いて出ていくというような状況、そこまで押し込まれる形を多く作りたくないですけど、それをもいとわないような全員攻撃・全員守備の状況をもっと作り出していくことが、後半の悪い時間帯というのをもっと少なくする術になるのかなと思います」 「攻める人、守る人というような分担制をこのチームはやっていないですし、そのつもりはないにしても、多少立ち位置的にそういう立ち位置とか、気持ちが緩んだわけではないですけど、自分がやらなくてもという気持ちが少しでも何人か働いたら、ああいうふうに押し込まれるというところは、しっかり次に活かしたいです」 結果と共にポジティブな形で反省もできた、その名古屋戦から中3日で臨む後半戦初戦では、ホームでの前回対戦で3-2と競り勝った同じ昇格組で16位に位置する磐田相手にシーズンダブルと共に白星スタートを狙う。 約1カ月半前から[3-4-2-1]に布陣を変更した東京Vに対して、磐田はFWジャーメイン良が1-1のドローに終わった前節のセレッソ大阪戦で復帰したこともあり、多少チーム内の序列の変化はあったものの、大枠という部分では前回対戦時と大きな変化はない。 城福監督も「2トップから逆算した一番いやなサッカーをしてくる」と、前回対戦で1ゴールずつを決められたジャーメイン、FWマテウス・ペイショットという明確なストロングポイントをいかに封じるかが勝敗のカギになると考えている。 「やっぱりジャーメインが戻ってきて、迫力が違います。ジュビロはボールを元々大事にしてくるサッカーだったという認識はしていますけど、特にJ1になってマテウス・ペイショットが入り、ジャーメインがあれほど成長して、彼らから逆算したサッカーもしてくる」 「リーグの中でも、2位か3位ぐらいにクロスが多いはずです。そこに飛び込んで来る迫力がありますし、合わせられる身体能力とか技術もあるので、繋ぐジュビロというイメージを今は持ってないです。むしろ2トップから逆算した一番いやなサッカーをしてくるジュビロだという印象があるので、中盤をルーズにしたらもちろん技術がある選手がいるので繋がれますけど、あの2トップはセンターバックだけの問題ではなくて、クロスを上げるところのプレッシャーを含めて全員でケアしなければいけないなと思います」 昇格プレーオフを制してのJ1昇格、クラブとしての予算規模の部分で、開幕前の段階では自チームを「20番目」という表現で表していた城福監督。 その中での現在のトップハーフという立ち位置はサプライズと言っていいが、後半戦スタートを前に「20番目のはずの我々がこれぐらいやれているじゃないかというのは、口が裂けても言いたくないし、“(J1で)やれている感”を彼らとともに共有するということはしない」と、強い口調でクラブ全体を引き締めると共に、「満足しないチームだということを示し続けるチームにしたい」と後半戦に向けた意気込みを示した。 「まだもっとやれるはずで、もっと貪欲に勝ち点を取れるチームになっていきたいし、もっといい内容で90分戦い抜きたいし、もっといろんな選手が出てきてほしいと。これを言い続けて、最後のところで、そのまま厳しい言葉を言い続ける監督だったなと思われるのか、彼ら(選手)とともに1年間の手応えを感じ合えるシーズンになるのか、これはわからないですけど、今これぐらいの順位でこれぐらいの内容という言い方が、対等に戦えている感覚を含めて、“やれている感”というのは一切出したくないです」 「まだまだです。もっと彼らはやれるし、もっと勝ち点も伸ばせるチームに。その向上心、野心、反骨心というもの。それはこの前選手にも言いましたけど、いろんな判断ミスがあっても、最後ボールから顔を背けるチームだけにはなるなと。それがこのチームの強みであって、判断ミスというのは他のチームにあるかもしれないと、でもこのチームは顔を背けないようなチームにならないと」 「だからこそ広島戦での1失点目があったわけで、それと同じように満足しない、びっくりするぐらいこのチームは満足しないチームで、向上心があって、どんな状況でもひたむきにやり続ける。だからこそ、この前の広島戦はひょっとしたら、0-4が0-5にならずに、1-4で終わったのかもしれない。とにかく外から見たら、簡単じゃないぞと、このチームを叩きのめすのは簡単じゃないんだということを示し続けるチームになりたいし、満足しないチームだということを示し続けるチームにしたいので、今の勝ち点と順位というのは本当に何とも思ってないです」 2024.06.25 18:00 Tue

東京VがFC東京との“東京ダービー”での違反行為を報告…1名が無期限入場禁止処分に…サポーター団体とは無関係の人物が違反

東京ヴェルディは24日、試合中の違反行為に関して処分を報告した。 事件が起きたのは4月13日に味の素スタジアムで行われた明治安田J1リーグ第8節のFC東京戦で発生。“東京ダービー”では観客1名が、差別的・侮辱的な内容・表現を想起させる掲出物の持ち込みおよび掲出を行ったという。 これは東京ヴェルディ試合運営管理規程に違反する行為であり、6月24日以降に行われる東京ヴェルディが出場する全ての試合に対して無期限入場禁止の処分が下されることとなった。 事件発生から2カ月以上経っての処分に関して東京Vは経緯を説明。サポーター団体のメンバーではない人物が起こしたことにより、ヒアリングの対象が広がったため、違反行為者の特定と事実確認に時間を要したとのことだ。 「当該事案発生後、Jリーグをはじめとする関係各所と連携するとともに、違反行為が記録された中継映像や写真等の確認、東京ヴェルディのサポーター団体へのヒアリング調査を重ねて行ってきました」 「その調査過程において、今回の事案はサポーター団体のメンバーによるものではない可能性が高まったことで、さらなる周囲への聞き取りやヒアリング対象者を拡大させていく必要が生じ、違反行為者の特定とその事実確認までに多くの時間を要しました。ご報告が遅くなりましたことをお詫び申し上げます」 「差別的・侮辱的な内容・表現は決して看過することのできない行為であり、東京ヴェルディとしましては、今後このような行為が発生しないよう、観戦ルール・マナーに沿ったスタジアム運営を徹底し、安心・安全・快適なスタジアムづくりを目指し、スタジアムコンセプトに掲げる『みんながたのしいスタジアム』を実現できるよう、より一層再発防止に努めてまいります。今後の対応といたしましては、横断幕等スタジアム内の掲出物に関する事前申請制などの実施を検討いたします」 「スタジアムに来場される皆様におかれましては、今一度観戦ルール・マナーの遵守にご理解とご協力をお願いいたします」 この試合では、味の素スタジアムの最寄駅である飛田給駅付近では無許可の張り紙による迷惑行為もあり問題に。2023年は天皇杯で対戦したが、その際も違反行為があり問題となっていた。 2024.06.24 17:40 Mon

「ファインプレーすぎ」「見てるところが違う」プレミアからやってきた主審がJリーグで神ジャッジ! 完全なファウルも、アドバンテージで決勝ゴールに「日本人にもこういう主審増えてほしい」

Jリーグの試合で見られた世界基準のジャッジが話題となっている。 日本サッカー協会(JFA)は審判交流プログラムとして世界各国の審判員を期間限定で招へいしており、Jリーグなどの試合を担当してもらっている。 様々な国のトップリーグや世界大会でジャッジしている主審や副審らが日本のサッカーをジャッジする中、話題のジャッジが誕生した。 そのジャッジが出たのは、22日に行われた明治安田J1リーグ第19節の東京ヴェルディvs名古屋グランパスの一戦だ。 この試合を担当したのは、ダレン・イングランド主審。2020年からプレミアリーグで笛を吹いている主審で、2023-24シーズンはプレミアリーグで12試合を担当。チャンピオンシップ(イングランド2部)で10試合を担当していた。 Jリーグでも15日に行われたセレッソ大阪vs浦和レッズで初めて笛を吹いた中、この試合が2試合目となった。 イングランド主審が注目を集めたのは52分のシーン。0-0で迎えた中、名古屋が東京Vのゴール付近でスローイン。すると、クロスをクリアした東京Vがカウンターを発動させる。 右サイドでパスを受けた翁長聖が木村勇大にパス。木村はドリブルを仕掛けてハーフウェイラインを越えると、山中亮輔に後ろから掴まれて引き倒される。完全にファウルであり、副審はフラッグを掲げていたが、後方から走っていた翁長がこぼれ球を拾いドリブルスタート。イングランド主審は笛をすぐに吹かずに、アドバンテージをとった。 倒した山中もファウルを覚悟したため翁長の動きについていけず。翁長の前には広大なスペースが、ディフェンダーも間に合わず、翁長はそのままボックス内に侵入。GKランゲラックが前に出たところで、見事な浮き球ループシュートを決め、東京Vが先制した。 諦めなかった翁長のプレー、そして見事にループシュートを決めた技術もさることながら、このシーンでは明らかなファウルであったものの周りの状況を見てすぐに笛を吹かずにアドバンテージをとったイングランド主審の判断に称賛の声が集まった。 「主審ナイスジャッジすぎる」、「ナイス判断」、「プレミアの主審は見てるところ違う」、「ファインプレーすぎ」、「完璧な仕事してる」、「神アドバンテージ」、「よく流したと思う」、「日本人にもこういう主審増えてほしい」と称賛のコメントが集まった。 このゴールは決勝点となり、東京Vが勝利を収めている。 <span class="paragraph-title">【動画】主審の判断が絶賛浴びる!!Jリーグを担当したプレミア主審のアドバンテージが決勝点に</span> <span data-other-div="movie"></span> <script>var video_id ="A_VVJgu16gE";var video_start = 190;</script><div style="text-align:center;"><div id="player"></div></div><script src="https://web.ultra-soccer.jp/js/youtube_autoplay.js"></script> 2024.06.23 23:05 Sun

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広島vs新潟は見応え十分な90分間も1-1ドロー決着…互いにハイレベルな攻撃で魅せ合う【明治安田J1第20節】

26日、明治安田J1リーグ第20節のサンフレッチェ広島vsアルビレックス新潟がエディオンピースウイング広島で行われ、1-1のドロー決着となった。 リーグ最多35得点の5位広島と、15位ながらも3戦無敗の新潟。 開始5分で広島は決定機逸。新潟守備陣が深い位置で不用意な横パスを出し、回収した大橋祐紀がGK阿部航斗と1対1も、右足シュートは今季J1初出場・阿部のスーパーセーブに遭う。 阿部は直後のCKも、佐々木翔の強烈なヘディングシュートにファインセーブ。新潟守備陣も立ち上がりのミスにめげず、低い位置からの丁寧なビルドアップを続けていく。 こういった流れを引き寄せるプレー、メンタリティが功を奏したか、11分に新潟が先制。丁寧な崩しで広島を翻弄し、最後は小見洋太のクロスに谷口海斗がボレーを叩き込んだ。 広島も焦らず、落ち着いて反撃。 27分、ボックス右付近で巧みに“ポケット”をとった松本泰志が起点となり、古巣対戦の新井直人が鋭いクロスを上げる。ピエロス・ソティリウがヘディングシュートを叩き込んだ。 広島は続けて30分、セットプレーのこぼれをボックス外で回収した満田誠が、ワントラップから強烈な右足ミドル。ドライブ回転がかかったほぼ完璧な一撃はGK阿部に阻まれる。 40分には、連続攻撃からボックス内でパスを受けた松本。相手DFを外して放った左足シュートはやはりGK阿部に足でセーブされる。 見応え十分な一戦は1-1で後半へ。 ハーフタイムを挟むと、この日左ウイングバックで先発する広島満田のクロスが直接クロスバーを叩くシーンなどが訪れるが、互いに攻め合うなかで次の1点が奪えない。 迎えた90+5分、広島は途中出場の中島洋太朗が、ボックス手前から決定的な右足シュートを放つも、わずかにゴール左へ外れる。直後に試合終了を告げるホイッスル。 両軍とも持ち味を存分に見せつけ、選手交代でテコ入れを図るも、1-1のドロー決着だ。 サンフレッチェ広島 1-1 アルビレックス新潟 【広島】 ピエロス・ソティリウ(前27) 【新潟】 谷口海斗(前11) 2024.06.26 21:30 Wed
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ザヘディ&ウェリントン! 福岡が頼れるストライカーの2発で横浜FMを撃破【明治安田J1第20節】

26日、明治安田J1リーグ第20節のアビスパ福岡vs横浜F・マリノスがベスト電器スタジアムで行われ、福岡が2-1と勝利した。 J1屈指の堅守を誇る4戦無敗・8位福岡と、2連勝で息を吹き返しつつある12位横浜FM。 横浜FMは16分、左サイドでの攻撃から右へ展開し、井上健太がドリブルでバイタルエリアへ侵入。マイナス気味の低いクロスに福岡は松岡大起が対応すると、クリアはゴール方向へ。あわやオウンゴールという場面だった。 福岡は19分、横浜FMのバックパスを敵陣でシャハブ・ザヘディが回収。すかさず放ったロングシュートで右CKを獲得すると、キッカーはレフティー紺野和也。内巻きのクロスにザヘディがヘディングシュートを叩き込んだ。 追いかける横浜FMは前半ラストの45+2分、セットプレーの二次攻撃から決定機。アンデルソン・ロペスがゴール前からフリーでシュート。福岡はGK村上昌謙がゴールを空けていたが、DFのブロックに遭ってしまう。 福岡は良い守備から決定機。55分、敵陣深くでボールを奪い、紺野が内巻きのアーリークロスを上げる。ファーから走ったザヘディが右足ワンタッチで合わせたシュートはクロスバーに阻まれた。追加点のチャンスを逃す。 それでも70分、ハーフスペースでボールを受けた紺野が前を向き、右サイドへ展開。ピンポイントクロスにザヘディとの交代で入った36歳ウェリントンがヘディングシュートを流し込んだ。待望の追加点だ。 試合も終盤の83分、横浜FMがようやく1点を返す。途中出場の塩貝健人がボックス右からクロスを上げ、同じく途中出場の宮市亮が中央へ折り返す。最後はやはり途中出場の天野純が左足で押し込みネットを揺らした。 それでも福岡が逃げ切り成功。頼れるストライカーの2発で横浜FMを撃破した。 アビスパ福岡 2-1 横浜F・マリノス 【福岡】 シャハブ・ザヘディ(前20) ウェリントン(後25) 【横浜FM】 天野純(後38) 2024.06.26 21:28 Wed
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3位神戸vs首位町田はゴールレスドロー決着、堅い展開で勝ち点1を分け合う【明治安田J1第20節】

26日、明治安田J1リーグ第20節のヴィッセル神戸vsFC町田ゼルビアがノエビアスタジアム神戸で行われ、0-0のドロー決着だ。 互いにセットプレーからの得点も多いソリッドなチームどうし、3位神戸と首位町田。 戦前の予想通り、非常に“堅い”ゲーム展開が続いていき、決定機と呼べるシーンはどちらも作れず。ホーム神戸は頼みの大迫勇也をベンチにスタンバイさせている。 神戸は35分、自陣での守備から、武藤嘉紀が相手のコンタクトをもろともせずドリブルで前進。パスを受けた佐々木大樹がさらに運び、ボックス手前でFKを獲得する。 絶好の位置でキッカーはレフティー初瀬亮。しかし、狙いすました一撃は町田の壁に跳ね返され、先制ならず。 後半開始直後には、自陣での鋭い守備からカウンターを発動。運んだジェアン・パトリッキがボックス手前から右足を振り抜くが、惜しくもクロスバーの上へ外れる。 64分、神戸はついにベンチスタートの大迫を投入。膠着した展開が長引くなか、1点をもぎ取りにいく。 大迫にボールを集め、エース自らシュートを放つシーンも作るが、町田の日本代表GK谷晃生を脅かすには至らず。時計の針が進んでいく。 結局、神戸と町田、互いにビッグチャンスと呼べるシーンはなく、0-0のゴールレスドロー決着に。勝ち点1を分け合った。 ヴィッセル神戸 0-0 FC町田ゼルビア 2024.06.26 21:24 Wed
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磐田が東京Vに3発快勝で後半戦白星スタート! 古川陽介が圧巻ソロゴールでダメ押し【明治安田J1第20節】

明治安田J1リーグ第20節のジュビロ磐田vs東京ヴェルディが26日にヤマハスタジアムで行われ、ホームの磐田が3-0で勝利した。 前節、セレッソ大阪と1-1で引き分けた磐田は前半戦を16位でフィニッシュ。中3日で迎えたホームでの後半戦初戦は前回対戦で競り負けた昇格組相手に勝利を狙った。前節からは先発3人を変更。リカルド・グラッサ、松本昌也、平川怜に代えて森岡陸、ブルーノ・ジョゼ、金子翔太を起用した。 一方、名古屋グランパスに1-0で競り勝って前半戦を10位で終えた東京V。連勝とともに後半戦白星スタートを狙った城福浩監督率いるチームは先発2人を変更。谷口栄斗、山見大登に代えて千田海人、見木友哉を起用した。 立ち上がりは互いに長いボールを使いながら様子見の入りとなる。だが、徐々に切り替えとセカンドへの反応で優位に立ったホームチームが攻勢を強める。 金子の背後への抜け出しからファーストチャンスを作ると、直後の9分にはブルーノ・ジョゼがボックス内で松橋優安のファウルを誘ってPKを獲得する。だが、離脱明け後最初のゴールが期待されたキッカーのジャーメイン良が右を狙って蹴ったシュートはGKマテウスの見事なセーブに阻まれた。 ジャーメインの前回対戦に続くPK失敗によって均衡が保たれる形となった試合はここから一進一退に。 互いに素早いトランジション、細かい中盤での繋ぎから空いたサイドへの大きな展開も使いながら攻め手を窺う。その流れから東京Vは染野唯月、磐田はマテウス・ペイショットにゴール前で決定機が訪れるが、シュートを枠に飛ばせない。 前半終盤にかけてはデュエルの部分で押し返し、システムの噛み合わせのミスマッチを効果的に活かしたアウェイチームの時間が続いたが、齋藤功佑や綱島悠斗の際どいミドルシュートはゴールに繋がらず。また、微妙な判定によって両軍フラストレーションを露わにする場面も目立つ中で前半終了を迎えた。 ゴールレスで折り返した試合は後半も同じメンバーでスタート。開始直後の47分には前線で競り勝った木村勇大がボックス左に持ち込んで右足を振るが、ここはGK川島永嗣の好守に遭う。 このピンチを凌いだ磐田は後半最初のチャンスをゴールに結びつける。51分、ディフェンスラインからの縦パスを右のライン間に顔を出した上原力也が絶妙なワンタッチで右サイドのスペースを狙ったブルーノ・ジョゼに繋ぐと正確なクロスは味方に合わずも、DF林尚輝に当たってコースが変わってゴールネットに吸い込まれた。 後半の入りで先制しで勢いに乗るホームチームは畳みかける攻めを見せると、61分には上原の正確な左CKをゴール前のペイショットが頭で合わせて右隅に流し込み、貴重な追加点を挙げた。 一方、厳しい連続失点となった東京Vは失点前から準備していた3枚替えを敢行。谷口、山見に加えて、特別指定の新井悠太を投入。さらに、切り札の山田楓喜もピッチに送り込んで前がかる。 連戦の影響によってよりオープンとなった後半終盤はゴール前の攻防が多くなる。2トップにボールが収まる磐田は再三のカウンターから3点目に迫るが、ジャーメインの決定機は前半同様にGKマテウスに阻まれる。 対するアウェイチームは木村を起点にいくつかチャンスを作るが、最後のところで粘るホームチームの守備攻略に手を焼く。 その後、冷静に時計を進めた磐田は守備的なカードにJリーグデビューのウェベルトンを投入し、試合をクローズにかかる。すると、後半アディショナルタイムにはカウンターから左サイドで5人の守備者を翻弄した古川陽介が圧巻のソロゴールを叩き込んでトドメの3点目も奪って見せた。 そして、前回対戦で敗れた東京Vに会心のリベンジを決めた磐田が4試合ぶりの勝利で後半戦を白星でスタートした。 ジュビロ磐田 3-0 東京ヴェルディ 【磐田】 オウンゴール(後6) マテウス・ペイショット(後16) 古川陽介(後45+5) 2024.06.26 21:23 Wed
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C大阪が序盤のOG守り切る! ホームで鳥栖を下し6戦無敗【明治安田J1第20節】

26日、明治安田J1リーグ第20節のセレッソ大阪vsサガン鳥栖がヨドコウ桜スタジアムで行われ、ホームのセレッソ大阪が1-0で勝利した。 前節のジュビロ磐田戦を引き分けに持ち込み、リーグ戦5試合負けなしの7位C大阪。2試合ぶりの白星が欲しい今節は、磐田戦からスタメンを入れ替えず臨んでいる。 対する17位鳥栖は、前節の京都サンガF.C.戦で連敗を「3」でストップ。京都戦からは2人変更し、菊地泰智と手塚康平が先発復帰した。 立ち上がりから攻勢のC大阪。4分には押し込むなか、レオ・セアラのシュートが右ポストに直撃した。 すると8分、ホームチームが先制点を奪う。右サイド抜け出したルーカス・フェルナンデスがクロスを上げると、クリアを試みた手塚のヘディングがそのままゴールに吸い込まれた。 ビハインドとなった鳥栖は少しずつ前に出ていく。26分には左サイドで縦に仕掛けた横山歩夢がクロスを入れるも、長沼洋一のヘディングシュートはミートしきれず。 33分、今度は手塚の右クロスがファーまで流れて横山に届くも、シュートは枠の左。ハーフタイムにかけても同点弾を狙ったが、追いつけないまま前半を終えた。 後半に入ると開始早々から横山が際どいシュートを放つ。C大阪も立て続けのCKから追加点に迫るが、GK朴一圭の好セーブもありゴールは割れない。 鳥栖は59分、一気に2枚替え。堀米勇輝を福田晃斗を入れて流れを引き戻しにかかる。 それでも68分にはC大阪に決定機。オフサイドだったものの、ボックス内で味方からの落としを受けた上門知樹のシュートが左ポストに直撃した。 その後は一進一退の攻防が続く。82分には途中出場の柴山昌也がカウンターからGKとの一対一を迎えるも、DFの戻りも気になった決めきれない。 ジャスティン・ハブナーを入れて守りを固めたC大阪は、6分の後半アディショナルタイムも凌いで1-0の勝利。2試合ぶりの勝利を手にし、6試合負けなしとした。 セレッソ大阪 1-0 サガン鳥栖 【C大阪】 OG(前8) 2024.06.26 21:16 Wed

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仕切り直しの名古屋戦に勝利…10位で折り返しの東京V・城福監督「チームの進化を見せられた」

東京ヴェルディが、前半戦ラストマッチで仕切り直しの勝利を収めた。 東京Vは22日、味の素スタジアムで行われた明治安田J1リーグ第19節で名古屋グランパスと対戦し、1-0の勝利を収めた。 前節、サンフレッチェ広島に1-4の敗戦を喫し、0-5で敗れたFC町田ゼルビア戦に続く完敗となった緑の名門。今週のチーム立ち上げに際して指揮官、選手の双方からJ1トップレベルで戦う上で、自分たちの基準をもう一段階上のレベルに引き上げる必要があるとの声も挙がっていた。 その惨敗からのリバウンドメンタリティと共に、今後に向けたチームとしての改善、進化にも注目が集まった一戦では、試合終盤の20分近くで防戦一方の展開を強いられるなど課題を残したが、前後半の入りの局面での集中、セットプレーの守備、セカンドボール、ボールホルダーへの寄せの速さといった部分でポジティブな意識の変化が見受けられた。 [3-4-2-1]のミラーゲームの形でスタートした中、前半は全体的に反応速度の遅さ、攻撃時の可変が機能せずに攻守にギアが上がらない名古屋に対して、メリハリの利いた守備、切り替えの速さで優位に進めた。とりわけ、守備では全体をコンパクトに保ちながら中盤のMF綱島悠斗を起点にセカンドボール、イーブンな競り合いをことごとく制して主導権を握り、相手に攻撃の糸口さえ与えず。 一方、攻撃ではFW木村勇大らの背後へのランニング、相手のボランチ脇を使いながら両ウイングバックの攻撃参加を軸に幾つか良い形での崩しを見せたが、ポケットの攻略やアタッキングサードでの精度、連携を欠いて決定機を作るまでには至らなかった。 それでも、相手が立ち位置の修正や全体の強度を上げて臨んだ後半序盤の守勢を耐え抜くと、52分にはダレン・イングランド主審の素晴らしいアドバンテージの判断も利いた、木村、MF翁長聖の2人で完結させた鮮やかなロングカウンターから先制点を奪取。 その後はFWパトリック、FW榊原杏太らの投入でパワープレー気味に前への圧力を強めた相手に押し込まれ、再三のシュートを浴びる苦しい展開を強いられたが、守護神マテウスの再三のビッグセーブ、DF谷口栄斗の魂のシュートブロックなどで虎の子の1点を守り抜き、直近2試合で7失点を喫していた中、ヴィッセル神戸戦以来3試合ぶりとなるクリーンシートを達成した。 同試合後の公式会見で城福浩監督は、「我々が立ち返るところをしっかりと共有して臨めた」と、広島戦の敗戦から改めてベーシックなところに目を向けて改善を図った一戦での勝利という結果に満足感を示した。 「前節、アウェイで完敗となり、我々としたらもう一度自分たちの目指すものをしっかりと確認する作業が必要でした。その部分を映像やトレーニングを通して、みんなで意思統一しました。名古屋対策というよりも、我々が立ち返るところをしっかりと共有して今日の試合に臨めたことが、特に前半はプラスに働いたかなと思います」 「前半は非常に緊張感のある入りをしたということと、前半は相手にほとんどペナルティエリアの中に入らせなかったので、我々のハイラインと前線からのプレス、相手陣でサッカーをするというところを具現化できて終えられたので、選手としても少し手応えがあったと思います」 「前半のような戦いの中で、できれば得点を取りたかったですが、名古屋という大きなクラブを相手に臆することなく、我々のサッカーを表現するということはできました。そこで最終的に勝ち点3を取れたことは自信になると思います」 「後半は中盤を省略して、名古屋さんがロングボールでセカンドを拾ってというところに徹してきたので、ここに対してのゲームの進め方は、学ばなくてはいけない。本当にボランチがあそこに1人でもいれば、足を振る時間も与えないで済みます。おそらくその瞬間の何秒かで6バックとか7バックみたいになってしまったところは修正しなければいけない」 ただ、ひと振りの時間を与えたとしても、ディフェンス陣が2人、3人でボールに食らいついてシュートブロックをするシーンがいくつかあったのと、マテウスもよく反応してくれたというのもあって、あれが魂があったから守り切れたというのは、ちょっとおこがましいですけれども、ボールへの集中力、反応というところは前節の広島戦で、僕らは差を見せつけられたので、反応力というのが前節よりは上がったという意味では、このチームの進化を見せられたと思います。 一方で、「勝って反省できるということは非常によかった」としながらも、「後半は中盤を省略して、名古屋さんがロングボールでセカンドを拾ってというところに徹してきたので、ここに対してのゲームの進め方は、学ばなくてはいけない。本当にボランチがあそこに1人でもいれば、足を振る時間も与えないで済みます。おそらくその瞬間の何秒かで6バックとか7バックみたいになってしまったところは修正しなければいけない」と、決して盤石とは言えなかったチームの課題にもしっかりと目を向けた。 それでも、「ただ、ひと振りの時間を与えたとしても、ディフェンス陣が2人、3人でボールに食らいついてシュートブロックをするシーンがいくつかあったのと、マテウスもよく反応してくれたというのもあって、あれが魂があったから守り切れたというのは、ちょっとおこがましいですけれども、ボールへの集中力、反応というところは前節の広島戦で、僕らは差を見せつけられたので、反応力というのが前節よりは上がったという意味で、このチームの進化を見せられた」と、広島戦の大敗を良い教訓としたチームの姿勢を評価した。 また、押し込まれた後半終盤に再三のビッグセーブでチームを救ったマテウスは、「これ以上ボール(シュート)が来ないでくれと思っていた(笑)」とジョークを交えながらも、前後半の入り、守備時のセットプレー改善もあって勝ち取った3ポイントへの手応えを口に。 「今日は入りから、特に前半は自分たちのペースで試合を運べた。後半の入りも含め、前節と同じ感じにはならずにしっかり修正して入れた。ここ3、4試合ではセットプレーからの失点が多かったので、しっかりそこは修正をかけながら、今日は自分たちに合っているやり方というのを見つけながらできたのかなと思います」 約3週間ぶりに戦列に復帰し、古巣相手に3バックの右、ボランチ、左ウイングバックと3つのポジションで完封勝利に貢献したDF宮原和也。 「まだまだ100%に近い状態ではない」、「後半最後は危ないシーンがたくさんあり、そこで決められていてもおかしくなかった。個人の能力を上げるだけではなく、チームとして組織的にどうやって守るのかをやっていかなければ、勝ち点は拾っていけない」とこの試合における個人、チームの反省を語ったが、「前回は広島に大差で、内容でも負けてしまった。そこで連敗しなかったというのは本当に大きい」と、チームの粘り強さを評価。 第9節の川崎フロンターレ戦でのJ1デビュー以降、リーグ戦10試合連続でスタメン出場を続けていた中、この試合では途中出場でクローザー役を担う形となったDF千田海人は、宮原同様に個人、チームの課題を口にしながらも広島戦からの意識の変化をポジティブに捉えている。 「広島戦以降、自分たちがセカンドボールの反応スピードだったり、そういうところで広島さんに比べて劣っているというか、広島さんの方がレベルが上だということを認識して、自分たちがひとつ学んだところがあった」 「試合前もその反応スピードのところは、城福さんからみんなに伝えられていて、みんなが頭に入れていたと思うので、シュートブロックの反応スピードとかも速かったですし、今日はセカンドボールのところも前半は綱島とかが速く行けていたと思いますし、広島戦で学んだところが今日の試合で出たと思います」 この仕切り直しの勝利によって、前半戦を6勝9分け4敗の10位で終えることになった東京V。昇格プレーオフを制した“20番目”のチームであり、クラブの予算規模を考えれば、大健闘と言っていい戦績だ。 とりわけ、チームの最大の目標であるJ1残留に向けて良いペースで勝ち点を積み上げられている状況だが、百戦錬磨の指揮官は「今が何位、今の勝ち点がいくつかということも、意味がないと思う」、「ここから先1試合1試合の戦いになっていき、その先に、世の中に驚きを示すようなサッカー、成果へと繋がっていく」と、現状の立ち位置を意識することなく、後半戦もベクトルを自分たちに向け、“成長”をテーマにしっかりと戦っていく構えだ。 ブラジル人守護神も「全員が献身的に仕事していたところが、今の結果に繋がっている」とチームが正しい歩みを見せていることを実感しながら、「一番危険なのは、自分たちがこれでオーケーだと思ってしまうこと。そこは後半戦に向けて危ない兆候になると思うので、しっかり全員で気を引き締めてやりたい」と、改めて後半戦への意気込みを語った。 前半戦終了時点で首位と12ポイント差、降格圏と12ポイント差の中位に位置する緑の名門。中3日で臨む後半戦初戦のジュビロ磐田との昇格組対決第2ラウンドを皮切りに、序盤戦では横浜F・マリノス、セレッソ大阪、町田と前半戦で敗戦を喫した相手との対戦が続く中、“J1残留”、さらなるサプライズ提供に向けて力強いスタートを飾ることはできるか…。 2024.06.23 08:38 Sun
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鮮やかカウンターから翁長聖が絶妙ループ弾! 終盤の名古屋の猛攻耐えた東京Vが2戦ぶり白星【明治安田J1第19節】

明治安田J1リーグ第19節の東京ヴェルディvs名古屋グランパスが22日に味の素スタジアムで行われ、ホームの東京Vが1-0で勝利した。 前節、サンフレッチェ広島に1-4の大敗を喫してリーグ連勝がストップした11位の東京V。その敗戦からのバウンスバックを図った前半戦ラストマッチでは先発4人を変更。サスペンションの見木友哉や千田海人に代わって負傷明けの綱島悠斗、宮原和也が起用された。 一方、9位の名古屋は前節、湘南ベルマーレと1-1のドロー。天皇杯のJAPANサッカーカレッジ戦での屈辱の敗戦を払拭できず。リーグ4戦ぶりの白星を目指したアウェイゲームでは先発1人を変更。吉田温紀に代わって三國ケネディエブスが復帰した。 [3-4-2-1]のミラーゲームの形となったJ1では久々のオリジナル10対決。試合は開始早々にホームチームが決定機を作り出す。2分、右CKの流れからボックス左でこぼれに反応した齋藤功佑が左足でシュート。DFにディフレクトして浮き球の形でクロスバーを叩くと、これに染野唯月が詰めたがゴール右で放ったシュートはサイドネットに。 開始早々の先制点には至らずも、中盤の綱島を起点にセカンドボール、イーブンな競り合いをことごとく制して主導権を握った東京V。前線の背後へのランニングや左サイドの松橋優安の大外での仕掛けから幾つか良い場面も作るが、なかなかフィニッシュの数が増えていかない。 前半半ば以降は互いに構えて守る場面が多く試合は膠着状態に。引き続き優位に進めるホームチームはダイレクトプレーや3人目の動き出しで攻撃にアクセントを加えたが、アタッキングサードでの精度、連携を欠く。41分にはボックス右付近で得たFKの場面でキッカーの翁長聖が意表を突いてニア下を直接狙うが、ここはGKランゲラックのセーブに遭う。そして、前半はこのままゴールレスで終了した。 互いに選手交代なしで臨んだ後半。勢いを持って入った名古屋が開始早々に決定機。46分、相手陣内右サイド深くでタメを作った中山克広のマイナスパスを受けた森島司の浮き球のクロスをボックス左の山岸祐也が丁寧に頭でゴール前へ折り返す。これに反応した稲垣祥がボレーシュートを放つが、DFの身体を張ったブロックに阻まれた。 課題の後半の入りを辛くも凌いだ東京Vは鮮やかなロングカウンターからゴールをこじ開ける。52分、自陣ボックス手前で相手を背負ってボールを収めた木村勇大が右サイドの翁長とのパス交換で一気に背後へ飛び出す。DF山中亮輔に後ろから引き倒されたが、ダレン・イングランド主審がアドバンテージを取る。このこぼれに反応した翁長がそのままボックス内までドリブルで運び、最後はGKラングニックの前目のポジションを見極めて絶妙なループシュートを流し込んだ。 木村と翁長の2人で完結した見事なカウンターアタックでリードを手にした城福浩監督のチームは、足を痛めた松橋を下げて約1カ月ぶりの戦列復帰となった山田楓喜を右のウイングバックに投入。これで翁長が左ウイングバックに移った。 試合の均衡が破れたことで、後半はよりオープンな展開に。前半はほとんど効果的にフィニッシュまで持ち込めなかった名古屋も前向きなチャレンジから稲垣や山岸がシュートを放っていく。さらに、70分には三國、永井謙佑に代えて吉田温紀、パトリックを同時投入した。 これに対してカウンターやセットプレーからチャンスは作れているものの、徐々に相手の圧力を受け始めたホームチームは75分に2枚替え。山見大登、齋藤を下げて千田海人、稲見哲行をピッチに送り込み、宮原をボランチに上げるなど守備的な布陣に変化した。 一連の交代でよりパワーを出した名古屋は攻勢を強めていくと、76分にはペナルティアーク付近で山岸の足元への落としに反応した稲垣がダイレクトシュートを放つが、これは惜しくも右ポストに阻まれた。 1点差のまま試合は後半最終盤に突入。攻めるアウェイチーム、守るホームチームという構図が明確となった中、名古屋は吉田、パトリック、榊原杏太とボックス付近で3本の決定的なシュートを浴びせかけたが、GKマテウスやDF谷口栄斗の見事な好守に阻まれた。 そして、試合はこのままタイムアップを迎え、ホームで接戦をモノにした東京Vが広島戦の大敗を払しょくする1-0の勝利を収めた。一方、終盤の猛攻実らずに完封負けの名古屋はリーグ4戦未勝利となった。 東京ヴェルディ 1-0 名古屋グランパス 【東京V】 翁長聖(後7) <span class="paragraph-title">【動画】翁長聖が芸術ループ</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="twitter-tweet"><p lang="ja" dir="ltr">/<br>まさにアート<br>\<br><br>翁長聖の芸術的ループシュート<br>東京Vがカウンターから先制<br><br>明治安田J1リーグ第19節<br>東京V×名古屋<br><a href="https://twitter.com/hashtag/DAZN?src=hash&amp;ref_src=twsrc%5Etfw">#DAZN</a> ライブ配信<a href="https://twitter.com/hashtag/%E6%9D%B1%E4%BA%ACV%E5%90%8D%E5%8F%A4%E5%B1%8B?src=hash&amp;ref_src=twsrc%5Etfw">#東京V名古屋</a> <a href="https://t.co/flwinkEpFg">pic.twitter.com/flwinkEpFg</a></p>&mdash; DAZN Japan (@DAZN_JPN) <a href="https://twitter.com/DAZN_JPN/status/1804459355938439499?ref_src=twsrc%5Etfw">June 22, 2024</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> 2024.06.22 20:02 Sat
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名古屋戦に臨む東京Vの城福浩監督、「優先順位の共有と予測」の課題に言及…練習復帰の山田楓喜の状態も説明

東京ヴェルディの城福浩監督が、22日に味の素スタジアムで行われる明治安田J1第19節の名古屋グランパス戦に向けた会見を行った。 16年ぶりのJ1の舞台で、トップカテゴリーの経験に乏しい最年少スカッドを率いる城福監督。同じく昇格組で首位に立つFC町田ゼルビア、前節のサンフレッチェ広島相手に大敗を喫したものの、クラブ予算やスカッドの質を鑑みれば、健闘と言える11位でシーズン折り返し地点を迎えている。 J1残留を最大の目標のひとつに掲げながらも、より高みを目指す野心的な指揮官は、1-4で敗れた広島戦からのバウンスバックと共に、後半戦へ弾みを付けるべく、前半戦ラストマッチで9位の名古屋撃破を目指す。 「多くの差を感じた」と完敗を認めた古巣対戦から1週間を経て臨む、今回の一戦に向けて城福監督は「何に差があったか、掴みづらいぐらいの点差だった」という部分で、「我々が整理できること。今のスカッドでやれることという意味で、すごく極めてベーシックなところに着目した」と、選手たちに要点を絞った上で課題を伝えたという。 「完敗と言っていい広島戦を受けて、我々が何を整理してしっかり伝えるかというところでは、基本的なところというか、ベーシックなところに目を向けて、例えば立ち位置であるとか、ポジションのタスクであるとかそういうことではなく、ボールの状況で何を優先すべきかというところが、そこに差があったというふうに思っています」 その差の部分では広島戦後に“局面での力の出し方”、“ランニングの質”といった部分の差に言及する選手が多かったが、指揮官は「優先順位の共有と予測」という、より根本的な部分で違いがあったと説明している。 「(出力の出し方やランニングの質の違いを)選手は感じたと思います。それを抽象的ではなくて具体的にランニングの質とは何なのか、スプリント回数が多いとか、少ないというのはどういうことなのかと。ランニングの質とか出力の出し方ということは、いつ走るかです。そこは予測であったり、パスの優先順位が明確ということ。ボールホルダーがフリーであれば、足元でもらうよりも裏。そこの差は(映像で)見せました」 「我々のチームはボールホルダーがフリーなのに、足元でもらおうとしている。そこは僕自身の反省ですけど、[3-4-3]だから、このポジションにはこういうタスクがあるというのは、それは大まかな話であって、サッカーというのはどこのポジションがここにいなければいけないというわけではない」 「そうすると、ボールホルダーがヘッドアップできる状況というのは、いつ起こるかわからない。でも、それが起こった瞬間の反応とか、出し手と受け手の優先順位の選び方のところでは大きな差がありました。それは彼らから見ると、出力の差に見えると思います。ただ単に出力というのは、優先順位の共有と予測。もちろん、素走りのスピードというのも、広島はそれが特徴的なので、スピードとパワーという部分で多少の差はあったとしても、もっと大きな差というのは状況における優先順位の共有と予測でした」 また、一時改善傾向が見受けられたものの、ここ最近改めて課題として浮き彫りとなるセットプレーからの失点という部分では、ストーンの数を増やすなど現状の選手がより得意な形へのマイナーチェンジといった試行錯誤を口にしつつも、「マークを高いレベルでつけるようにならないといけない」と選手個々の改善を強く求めた。 「何がこのチーム、このメンバーにとって一番いいのかというのは、スタッフと話しながらやっています。ただ、それ以前に根本的なところでマークをつくのが苦手だという選手が多くなったら、どんなやり方をしても同じ」 「マークというのは相手がじっとしてくれれば誰でもつけますが、相手は駆け引きをして動きがあって、3度ぐらいフェイクがあって、しかもグループでブロックもしてくる。さらに、J1ではデザインしたところにボールが来るので、まず根本的なマークをつくというところのレベルを上げる。出ている選手全員が高いレベルでマークをつけるようになるということがすごく大事なことです」 そういった課題克服に取り組みつつ臨む名古屋戦では、MF米本拓司、MF稲垣祥、MF森島司、DF野上結貴と古巣対戦となった前節同様にこれまでの監督キャリアで指導し、愛弟子とも言える選手たちと対峙する。 「逆の言い方をすれば、向こうの選手も僕の志向をわかっている」と各選手の長所も短所も知り抜くアドバンテージはないとしながらも、「ただ特長を出させたら、非常に手ごわい選手たちなので、彼らの特長を出させないために、チームとしても取り組まなければいけない」と、やはり教え子への警戒を口にしている。 これまで何度も対戦してきた長谷川健太監督が率いる名古屋というチームについては「ボールを刈り取れる選手がいて、カウンターでスピードを出せば、追いつけないぐらいの速い選手がいて、フィードから一発でロングフィードで裏を取ってそこからチャンスを作るような展開も、彼らの中のパターンのひとつ」と分析。 ただ、「もちろん相手のこともリスペクトはしますけど、我々がやるべきことというのは非常にベーシックなところ。広島戦で出た上位陣との差を縮めるというところにフォーカスしたいと思います。ベースのところは広島戦のあの完敗があったからこそ、こういうふうに改善できたねというチームになって、そこはしっかり表現したいと思います」と、引き続き自分たちへベクトルを向けている。 なお、負傷者に関してはキャプテンのMF森田晃樹ら引き続き数名を欠くことになるが、DF宮原和也、MF綱島悠斗、FW白井亮丞に加え、心身のリフレッシュを終えたMF山田楓喜が全体練習に復帰。少しずつ離脱者が戻ってきている。 5月22日のルヴァンカップ広島戦以来の公式戦復帰も期待される山田楓に関しては「身体自体に不具合があるわけではないので、そこは心身ともにリフレッシュして今週戻ってきました。動き的には全く問題ない」と説明。 名古屋戦での起用の可能性については「ゲーム体力や強度というところでいきなり100%でというところはちょっとやってみないとわからない」としながらも、「彼が18人の中に入って勝ち点3を取るためのハードワークができる状態であれば、彼もその候補の中に入ってくるので、そこは最後の最後までしっかり見極めたい」と、チーム内の競争を大前提に状態次第でメンバー入りもあることを示唆した。 2024.06.21 18:00 Fri
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「多くの差を感じた」、古巣相手の完敗認める東京Vの城福浩監督…「その差を受け入れ、這い上がっていく」

東京ヴェルディの城福浩監督が、完敗に終わった古巣対戦を振り返った。 東京Vは15日、エディオンピースウイング広島で行われた明治安田J1第18節のサンフレッチェ広島に1-4で敗戦した。 リーグ連勝で勢いにのる11位のチームは、勝ち点2差で5位の広島相手に今季初の3連勝での上位進出を目指した。しかし、前後半の立ち上がりに与えたセットプレーからFW加藤陸次樹、FWピエロス・ソティリウにゴールを奪われて苦しい展開を強いられると、62分にソティリウ、82分には古巣対戦のFWドウグラス・ヴィエイラに連続ゴールを許した。 その後、後半アディショナルタイムにFW木村勇大の公式戦3試合連続ゴールで一矢を報いたが、先月のルヴァンカップの敗戦(2-3●)に続く広島相手の黒星となった。 古巣対戦が期待されたDF宮原和也、キャプテンのMF森田晃樹ら主力数名を欠く厳しい台所事情に加え、ほぼ主力を起用した天皇杯から中2日のアウェイゲームというエクスキューズはあったが、試合後の会見で城福監督は、「今現在の実力通りの差かなと思います」と、真摯に1-4の敗戦を受け入れた。 「今現在の実力通りの差かなと思います。もちろん5点目が入ってもおかしくない状況というのはあったと認識していますし、我々が前にかかっていたなかで、相手のカウンターの精度が高いなというのも認識していますけど、今現在でベストなメンバーを組めた状態での差は受け入れざるを得ない」 「一番を上げるのが難しいぐらい多くの差を感じました。一対一の力の出しどころ、もちろん絶対的なパワーとスピードも多少の差はあると思いますけど、いつ相手に寄せるのか、いつボールハンティングをして、それをした瞬間に、もう攻撃のスイッチを入れるという判断の速さも含めて、ここは我々がまだまだだなと思いますし、じゃあ失わなければいいじゃないかというアプローチと、我々もそういうやり方でカウンターをできるチームにならなければいけない」 「フィジカル的なところと、バトルのなかでというか、スピードが上がったなかでの精度、スキルの精度というのは、多少我々も差があることを覚悟して入った」と戦前から広島の強度、クオリティを警戒していた中、「それをチームとしてどう防いでいきながら、多少オープンになったときに、我々が我々らしくプレーできるかというところが勝負どころだった」と、試合後に改めてゲームプランを語った指揮官。 ただ、「開始の最初のフリーキックでやられ、後半も最初のコーナーキックでやられてしまっては、自分たちが個の力の差を埋めるにはなかなか難しい状況になった」と、やはり前後半の入りで喫したセットプレーからの失点がチームにとって重い足かせとなったと悔やんだ。 それでも、J1最年少スカッドを率いる上で事あるごとにシーズンを通しての成長をテーマに掲げてきた百戦錬磨の指揮官は「何も諦めず、ひとつずつ解決して前に進んでいくだけ」、「この悔しさというか、J1のトップレベルとの差というのを、我々はしっかりと受け入れて、這い上がっていく。それが我々らしさだと思うので、しっかり次に向けて今日の反省を活かしたい」と、0-5で大敗したFC町田ゼルビア戦に続く、上位相手の厳しい敗戦からのバウンスバックを誓った。 2018年から2021年途中まで指揮した古巣と初めて広島の地での対戦を終えた城福監督。試合前の会見では「いい試合をして勝ち点を持ち帰ること」と共に、試合後に改めて古巣のファン・サポーターに挨拶をしたいと、自身にとって「特別」なクラブへの思いも語っていた。 そして、その言葉通り、試合後には敗戦の悔しさを噛み殺しながら、ゴール裏を中心に古巣のファン・サポーターに一礼し、温かな拍手を浴びていた。 その古巣対戦への思いについて改めて会見で問われた指揮官は、「この場で個人的なことを言うのはあまり相応しくない。しかも大敗した後なので…」と一度は発言を躊躇ったものの、試合後の自身の行動についてこう説明した。 「広島を離れる瞬間から、一緒に戦ってきた選手、スタッフ、フロントスタッフ、ファン・サポーターにとにかく感謝のアクションをしたい。その思いが新幹線を待つホームでずっと思っていました。もちろん今日は勝ってそれができれば一番よかったです。ただ、自分の中でそれは絶対にやらなければいけないことだと思っていました。それがひょっとしたら指導者としてここに立つということが、執念という言葉が正しいのかわかりませんけど、指導者として一歩自分が進まなければいけないと思いました。今日は彼らに感謝の意を込めた一礼しかできないです。それは、ずっと離れる瞬間からそれをやりたいと思っていました」 2024.06.16 00:34 Sun
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【J1注目プレビュー|第17節:東京Vvs札幌】3バックを機能させたい東京V、監督続投で腹を括った札幌は何を見せる

【明治安田J1リーグ第17節】 2024年6月2日(日) 13:05キックオフ 東京ヴェルディ(12位/21pt) vs 北海道コンサドーレ札幌(19位/11pt) [味の素スタジアム] <span class="paragraph-subtitle">◆3バックをどう機能させるか 【東京ヴェルディ】</span> 前節はアウェイでのヴィッセル神戸戦でオウンゴールながらも勝利を収めた東京V。FC町田ゼルビア相手に大敗を喫した中で、しっかりとバウンスバックを見せた。 ミッドウィークには久保建英擁するレアル・ソシエダと対戦した中、相手を受けてしまう前半から一変、後半は前からのプレスを激しくかけていくことに。相手の素晴らしいゴールの前に2失点はしたが、一定の手応えはあったはずだ。 そんな中で迎える札幌戦。3バックの相手に立ち向かうが、札幌はビルドアップ時に4バックに変わるため、しっかりと前からのプレスでハメていきたいところだ。 実戦ではまだまだ精度は高められていないシステムだが、しっかりと準備はしている。この戦い方を武器にできれば、チームとしても大きなポジティブな材料になるだろう。 ★予想スタメン[3-3-2-2] GK:マテウス DF:宮原和也、千田海人、林尚輝 MF:翁長聖、森田晃樹、稲見哲行 MF: 綱島悠斗、見木友哉 FW:染野唯月、木村勇大 監督:城福浩 <span class="paragraph-subtitle">◆腹を括って何を見せる【北海道コンサドーレ札幌】</span> 前節はホームに鹿島アントラーズを迎えて0-3の完敗。なかなか光明が見出せない札幌だったが、クラブはミハイロ・ペトロヴィッチ監督と共に戦い抜くことを表明した。 7年目を迎えた今シーズンは、かつてない苦しみを味わっている。それもそのはず、毎年のように主軸を担った選手が引き抜かれ、チームを支える選手たちには大きな変化がない状況。補強も最低限という状況では、育たなければ苦しむのは明らかだ。 マンツーマンディフェンスを武器に相手を押し込めていた昨季までに比べ、局面での強度の弱さ、デュエルの勝率の低さなど、個々のクオリティで勝てない状況がある。 メンタル面も非常に難しい状況だろう。ただ、そこで落としてしまっては、絶対に結果はついてこない。これまでの札幌のように、しっかりと強いメンタルを持って、アグレッシブさを取り戻せるか。ミシャ監督と続けていくと決めたならば、そのスタイルを見せてもらいたいものだ。 ★予想スタメン[3-4-2-1] GK:菅野孝憲 DF:髙尾瑠、岡村大八、中村桐耶 MF:近藤友喜、荒野拓馬、馬場晴也、 菅大輝 MF:駒井善成、スパチョーク FW:キム・ゴンヒ 監督:ミハイロ・ペトロヴィッチ 2024.06.02 10:40 Sun

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「ファインプレーすぎ」「見てるところが違う」プレミアからやってきた主審がJリーグで神ジャッジ! 完全なファウルも、アドバンテージで決勝ゴールに「日本人にもこういう主審増えてほしい」

Jリーグの試合で見られた世界基準のジャッジが話題となっている。 日本サッカー協会(JFA)は審判交流プログラムとして世界各国の審判員を期間限定で招へいしており、Jリーグなどの試合を担当してもらっている。 様々な国のトップリーグや世界大会でジャッジしている主審や副審らが日本のサッカーをジャッジする中、話題のジャッジが誕生した。 そのジャッジが出たのは、22日に行われた明治安田J1リーグ第19節の東京ヴェルディvs名古屋グランパスの一戦だ。 この試合を担当したのは、ダレン・イングランド主審。2020年からプレミアリーグで笛を吹いている主審で、2023-24シーズンはプレミアリーグで12試合を担当。チャンピオンシップ(イングランド2部)で10試合を担当していた。 Jリーグでも15日に行われたセレッソ大阪vs浦和レッズで初めて笛を吹いた中、この試合が2試合目となった。 イングランド主審が注目を集めたのは52分のシーン。0-0で迎えた中、名古屋が東京Vのゴール付近でスローイン。すると、クロスをクリアした東京Vがカウンターを発動させる。 右サイドでパスを受けた翁長聖が木村勇大にパス。木村はドリブルを仕掛けてハーフウェイラインを越えると、山中亮輔に後ろから掴まれて引き倒される。完全にファウルであり、副審はフラッグを掲げていたが、後方から走っていた翁長がこぼれ球を拾いドリブルスタート。イングランド主審は笛をすぐに吹かずに、アドバンテージをとった。 倒した山中もファウルを覚悟したため翁長の動きについていけず。翁長の前には広大なスペースが、ディフェンダーも間に合わず、翁長はそのままボックス内に侵入。GKランゲラックが前に出たところで、見事な浮き球ループシュートを決め、東京Vが先制した。 諦めなかった翁長のプレー、そして見事にループシュートを決めた技術もさることながら、このシーンでは明らかなファウルであったものの周りの状況を見てすぐに笛を吹かずにアドバンテージをとったイングランド主審の判断に称賛の声が集まった。 「主審ナイスジャッジすぎる」、「ナイス判断」、「プレミアの主審は見てるところ違う」、「ファインプレーすぎ」、「完璧な仕事してる」、「神アドバンテージ」、「よく流したと思う」、「日本人にもこういう主審増えてほしい」と称賛のコメントが集まった。 このゴールは決勝点となり、東京Vが勝利を収めている。 <span class="paragraph-title">【動画】主審の判断が絶賛浴びる!!Jリーグを担当したプレミア主審のアドバンテージが決勝点に</span> <span data-other-div="movie"></span> <script>var video_id ="A_VVJgu16gE";var video_start = 190;</script><div style="text-align:center;"><div id="player"></div></div><script src="https://web.ultra-soccer.jp/js/youtube_autoplay.js"></script> 2024.06.23 23:05 Sun
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「洗練されている」「世界に誇れるぞ」16年ぶりのJ1を戦う東京Vの新ユニフォームが発表! ファンもデザイン性の高さに歓喜「今年はいつも以上にカッコ良い」

東京ヴェルディは14日、2024シーズンのユニフォームを発表した。 2023シーズンは明治安田生命J2リーグを戦っていた東京V。城福浩監督の下でレギュラーシーズンを3位で終えると、J1昇格プレーオフではジェフユナイテッド千葉、清水エスパルスに勝利し、16年ぶりのJ1昇格を掴んだ。 そのJ1で戦うユニフォーム。「Athleta(アスレタ)」がサプライヤーを務める中、1stユニフォームのデザインのコンセプトは「V PROGRESS」。ヴェルディの誇りと勝利への執念を連続するVで表現した “V PROGRESS” グラフィック。着用する選手やサポーター自身から見ると前向きの矢印になり、どんな時でも一丸となって挑戦し、前に進み続けるスピリットを表現した。 中央の矢印は正面から見ると下向きだが、着用してみた場合には前向きな矢印に変化するというものになっている。 首の中央にはV形状のリブでヴェルディのアイデンティティを表現。背中上部と枠はグリーンの濃淡が映える無地の切替えでオーセンティックなスタイルを演出。袖口は太いゴールドのリブでアクセントを効かせたデザインとなっている。なお、FP1stはクラブカラーのグリーン、GK1stはブラックとなる。 2ndユニフォームは「VICTORY FUSION」がコンセプト。ブランドカラーのシャインホワイトを採用し、東京の多様性を幅の異なるシルバーグレーラインで表現。その結集によって生まれる勝利を“V”のゴールドでデザインした。 なお、背番号とネームにはヴェルディのアイデンティティを高めるブランドフォントが復活。統一カラーで一体感のあるマーキングデザインとなっている。 ファンは「Vがたくさんある」、「今年はいつも以上にカッコ良い」、「細部までこだわられている」、「今シーズンも最高にカッコ良い」、「洗練されている」、「スタイリッシュだなぁ」、「このデザインめっちゃ好き」、「カッコ良すぎる」、「世界に誇れるぞ」とコメントしている。 <span class="paragraph-title">【写真】東京Vが16年ぶりにJ1で戦うユニフォームが発表!</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="twitter-tweet"><p lang="ja" dir="ltr">//<br>(@TokyoVerdySTAFF) <a href="https://twitter.com/TokyoVerdySTAFF/status/1746430497834799428?ref_src=twsrc%5Etfw">January 14, 2024</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> 2024.01.14 21:40 Sun
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三浦知良が横浜FCの一員として古巣・東京VとのTMに出場! 「決めたかったね」と悔やむ見せ場もつくる

ポルトガル2部のオリヴェイレンセでプレーしていたFW三浦知良(57)が、保有元の横浜FCの選手として古巣の東京ヴェルディとのトレーニングマッチに出場した。 三浦は、23日にヴェルディグラウンドで行われた東京Vvs横浜FCのトレーニングマッチ(45×2)で2本目のスタートから出場。ボールタッチの回数は限られたが、18分にはショートカウンターの形からボックス付近で右足のループシュートを狙ったが、この際どいシュートはわずかに枠の左に外れた。そして、しっかりと見せ場を作り出したストライカーは26分にピッチを退いた。 なお、トレーニングマッチは1本目にFW山田剛綺のPKによるゴールで東京Vが1-0、2本目はFW古川真人のPKによるゴールで東京Vが先制も、横浜FCが練習生のゴールとオウンゴールによって1-2。2-2のスコアで終了している。 今年2月に57歳の誕生日を迎えた三浦。2023年1月に横浜FCから期限付き移籍でオリヴェイレンセにレンタル移籍。2023-24シーズンはレンタル移籍期間を延長する形で、引き続きポルトガル2部のチームでプレー。 ポルトガル2年目の今シーズンは、ベンチ入りする機会は多かったものの、出番は限られることに。チームは残留争いをしていたこともあり、わずか5試合、37分間のプレーに終わっていた。 5月19日に行われた最終節のレイションス戦には、今季最長となる31分間出場。しかし、ゴールを奪えないままシーズンが終了。同月21日に帰国していた。 三浦は「5月19日の最終戦で30分ぐらい出た以来のプレーでした。(帰国後は)大阪のJ-GREEN(堺)でもしっかりとトレーニングしていたので、思ったよりできたかな。この暑さと湿気でポルトガルの気候と違うので、汗の出方も全然違うし、そういう意味で疲労もこっちの方がありますね」と、約1カ月ぶりとなる実戦を振り返った。 決定機の場面については「決めたかったね。もうちょっとだった…」と晴れやかな表情ながらも悔しさを滲ませた。ただ、前日に行われた横浜FCvsロアッソ熊本をスタジアムで観戦していた中、「(5-0の大勝は)インスピレーションになりますね。ああやって横浜FCの選手が頑張っていて、今は一緒にトレーニングさせてもらっている仲間が頑張ってくれている」と、久々にフリエの一員としてプレーできたことへの喜びを語った。 サプライズの形でのトレーニングマッチ出場の経緯については、「僕から出させてほしいと伝えました」と、クラブとの話し合いの末に実現したものだったと説明。シーズン途中の状況でプレー機会を与えてくれた配慮に感謝を示した。 「練習は参加していたので、もしチームが迷惑でなければという形で。リハビリ組とこれから試合に出る準備をしているメンバー外の何人かは向こうでケガ上がりの選手は残っていて、その練習に参加するか、練習試合のどちらかと言われていた。僕には向こう(練習)しか選択肢がなかったけど、コーチとかチームと話しました」 「(練習試合で使う)人数の関係もあるし、シーズン途中でもあるので、もし10分でも5分でも出られるようなら試合に出たいと話して、出させてもらいました。当初は15分の予定でしたが25分に。(監督の)四方田さんからは『大丈夫ですか?』と言われながら、『大丈夫です』と返しておきました」 また、横浜FCでJ2時代に対戦経験はあるものの、久々に訪れたヴェルディグラウンドでのプレーを通じて、Jリーグ黎明期の懐かしいエピソードにも触れた。 自身が在籍していた時代にはクラブハウス横のプリメーラと呼ばれるグラウンドをメインに使用してきたが、今回のトレーニングマッチはよみうりランドに近く、現在トップチームがメインに使用するレセルバで行われた。 そのレセルバは、1993年のJリーグ初年度に優勝したことで得た1億円のボーナスを元手に完成させたものであったことを明かした。 「(ヴェルディグラウンドは)久しぶりでね、僕らはこっち(プリメーラ)がメインだったんだけど、上(レセルバ)は当時なかったでしょ」 「Jリーグ元年に優勝して今だから言っていいと思うけど、ナベツネさん(当時の読売新聞社長の渡邉恒雄)と当時の日テレの会長の氏家(齋一郎)さんに呼ばれて、ボーナスの1億円を(チーム)全員で分けろと言われたんですよ。今のヴェルディとは全然違う話だけど(笑) それで当時の森下(源基)社長に相談したら、選手で分けても各自でなくなっちゃうものだから。じゃあ、その1億であの上にグラウンド作ってもらおうと言って、作ったのがあのグラウンドなんですよ。だから、今日はその当時を思い出しながらやってました」 「僕もたまにあそこでやってましたけど、今日は久しぶりに上でやって思い出しながら、さっきも誰かにその話をしました。だから大事に使ってほしいですね」 さらに、昨シーズンのJ1昇格プレーオフを制して16年ぶりのJ1復帰を果たし、今シーズンは前半戦終了時点で10位と健闘を見せる、東京Vにも言及。過去には古巣の状況を心配する気持ちも強かったが、ピッチ内外でポジティブな変化を感じているという。 「横浜FC時代のちょっと前に来たときは、クラブとして少し大丈夫かなと思ったときもありましたが、今日来てみるとだいぶ華やかさも戻ってきたと感じました。そういう意味でサポーターの方もたくさん来てくれていますし、クラブの雰囲気も明るくなってきたと。一時は死にそうになっていましたから(笑)」 「ヴェルディは今いい状態になってきている。勝ち切れるようになってきて、順位も真ん中ぐらい。上がって1年目で力を発揮するのはなかなか難しいですけど、若い選手が躍動して育ってきている。新しいヴェルディができあがってきているのかなという雰囲気を感じました」 最後に、オリヴェイレンセ退団が決定し、JFLのアトレチコ鈴鹿クラブ(前・鈴鹿ポイントゲッターズ)への加入が決定的と報じられる中、今後の去就について三浦は「僕の口からはまだ言えないですし、もう少し待ってください。もうみんなわかっていると思いますが、“スズ”ぐらいにしておいてください(笑)」と、近日中の新天地発表を匂わせた。 2024.06.23 21:01 Sun
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仕切り直しの名古屋戦に勝利…10位で折り返しの東京V・城福監督「チームの進化を見せられた」

東京ヴェルディが、前半戦ラストマッチで仕切り直しの勝利を収めた。 東京Vは22日、味の素スタジアムで行われた明治安田J1リーグ第19節で名古屋グランパスと対戦し、1-0の勝利を収めた。 前節、サンフレッチェ広島に1-4の敗戦を喫し、0-5で敗れたFC町田ゼルビア戦に続く完敗となった緑の名門。今週のチーム立ち上げに際して指揮官、選手の双方からJ1トップレベルで戦う上で、自分たちの基準をもう一段階上のレベルに引き上げる必要があるとの声も挙がっていた。 その惨敗からのリバウンドメンタリティと共に、今後に向けたチームとしての改善、進化にも注目が集まった一戦では、試合終盤の20分近くで防戦一方の展開を強いられるなど課題を残したが、前後半の入りの局面での集中、セットプレーの守備、セカンドボール、ボールホルダーへの寄せの速さといった部分でポジティブな意識の変化が見受けられた。 [3-4-2-1]のミラーゲームの形でスタートした中、前半は全体的に反応速度の遅さ、攻撃時の可変が機能せずに攻守にギアが上がらない名古屋に対して、メリハリの利いた守備、切り替えの速さで優位に進めた。とりわけ、守備では全体をコンパクトに保ちながら中盤のMF綱島悠斗を起点にセカンドボール、イーブンな競り合いをことごとく制して主導権を握り、相手に攻撃の糸口さえ与えず。 一方、攻撃ではFW木村勇大らの背後へのランニング、相手のボランチ脇を使いながら両ウイングバックの攻撃参加を軸に幾つか良い形での崩しを見せたが、ポケットの攻略やアタッキングサードでの精度、連携を欠いて決定機を作るまでには至らなかった。 それでも、相手が立ち位置の修正や全体の強度を上げて臨んだ後半序盤の守勢を耐え抜くと、52分にはダレン・イングランド主審の素晴らしいアドバンテージの判断も利いた、木村、MF翁長聖の2人で完結させた鮮やかなロングカウンターから先制点を奪取。 その後はFWパトリック、FW榊原杏太らの投入でパワープレー気味に前への圧力を強めた相手に押し込まれ、再三のシュートを浴びる苦しい展開を強いられたが、守護神マテウスの再三のビッグセーブ、DF谷口栄斗の魂のシュートブロックなどで虎の子の1点を守り抜き、直近2試合で7失点を喫していた中、ヴィッセル神戸戦以来3試合ぶりとなるクリーンシートを達成した。 同試合後の公式会見で城福浩監督は、「我々が立ち返るところをしっかりと共有して臨めた」と、広島戦の敗戦から改めてベーシックなところに目を向けて改善を図った一戦での勝利という結果に満足感を示した。 「前節、アウェイで完敗となり、我々としたらもう一度自分たちの目指すものをしっかりと確認する作業が必要でした。その部分を映像やトレーニングを通して、みんなで意思統一しました。名古屋対策というよりも、我々が立ち返るところをしっかりと共有して今日の試合に臨めたことが、特に前半はプラスに働いたかなと思います」 「前半は非常に緊張感のある入りをしたということと、前半は相手にほとんどペナルティエリアの中に入らせなかったので、我々のハイラインと前線からのプレス、相手陣でサッカーをするというところを具現化できて終えられたので、選手としても少し手応えがあったと思います」 「前半のような戦いの中で、できれば得点を取りたかったですが、名古屋という大きなクラブを相手に臆することなく、我々のサッカーを表現するということはできました。そこで最終的に勝ち点3を取れたことは自信になると思います」 「後半は中盤を省略して、名古屋さんがロングボールでセカンドを拾ってというところに徹してきたので、ここに対してのゲームの進め方は、学ばなくてはいけない。本当にボランチがあそこに1人でもいれば、足を振る時間も与えないで済みます。おそらくその瞬間の何秒かで6バックとか7バックみたいになってしまったところは修正しなければいけない」 ただ、ひと振りの時間を与えたとしても、ディフェンス陣が2人、3人でボールに食らいついてシュートブロックをするシーンがいくつかあったのと、マテウスもよく反応してくれたというのもあって、あれが魂があったから守り切れたというのは、ちょっとおこがましいですけれども、ボールへの集中力、反応というところは前節の広島戦で、僕らは差を見せつけられたので、反応力というのが前節よりは上がったという意味では、このチームの進化を見せられたと思います。 一方で、「勝って反省できるということは非常によかった」としながらも、「後半は中盤を省略して、名古屋さんがロングボールでセカンドを拾ってというところに徹してきたので、ここに対してのゲームの進め方は、学ばなくてはいけない。本当にボランチがあそこに1人でもいれば、足を振る時間も与えないで済みます。おそらくその瞬間の何秒かで6バックとか7バックみたいになってしまったところは修正しなければいけない」と、決して盤石とは言えなかったチームの課題にもしっかりと目を向けた。 それでも、「ただ、ひと振りの時間を与えたとしても、ディフェンス陣が2人、3人でボールに食らいついてシュートブロックをするシーンがいくつかあったのと、マテウスもよく反応してくれたというのもあって、あれが魂があったから守り切れたというのは、ちょっとおこがましいですけれども、ボールへの集中力、反応というところは前節の広島戦で、僕らは差を見せつけられたので、反応力というのが前節よりは上がったという意味で、このチームの進化を見せられた」と、広島戦の大敗を良い教訓としたチームの姿勢を評価した。 また、押し込まれた後半終盤に再三のビッグセーブでチームを救ったマテウスは、「これ以上ボール(シュート)が来ないでくれと思っていた(笑)」とジョークを交えながらも、前後半の入り、守備時のセットプレー改善もあって勝ち取った3ポイントへの手応えを口に。 「今日は入りから、特に前半は自分たちのペースで試合を運べた。後半の入りも含め、前節と同じ感じにはならずにしっかり修正して入れた。ここ3、4試合ではセットプレーからの失点が多かったので、しっかりそこは修正をかけながら、今日は自分たちに合っているやり方というのを見つけながらできたのかなと思います」 約3週間ぶりに戦列に復帰し、古巣相手に3バックの右、ボランチ、左ウイングバックと3つのポジションで完封勝利に貢献したDF宮原和也。 「まだまだ100%に近い状態ではない」、「後半最後は危ないシーンがたくさんあり、そこで決められていてもおかしくなかった。個人の能力を上げるだけではなく、チームとして組織的にどうやって守るのかをやっていかなければ、勝ち点は拾っていけない」とこの試合における個人、チームの反省を語ったが、「前回は広島に大差で、内容でも負けてしまった。そこで連敗しなかったというのは本当に大きい」と、チームの粘り強さを評価。 第9節の川崎フロンターレ戦でのJ1デビュー以降、リーグ戦10試合連続でスタメン出場を続けていた中、この試合では途中出場でクローザー役を担う形となったDF千田海人は、宮原同様に個人、チームの課題を口にしながらも広島戦からの意識の変化をポジティブに捉えている。 「広島戦以降、自分たちがセカンドボールの反応スピードだったり、そういうところで広島さんに比べて劣っているというか、広島さんの方がレベルが上だということを認識して、自分たちがひとつ学んだところがあった」 「試合前もその反応スピードのところは、城福さんからみんなに伝えられていて、みんなが頭に入れていたと思うので、シュートブロックの反応スピードとかも速かったですし、今日はセカンドボールのところも前半は綱島とかが速く行けていたと思いますし、広島戦で学んだところが今日の試合で出たと思います」 この仕切り直しの勝利によって、前半戦を6勝9分け4敗の10位で終えることになった東京V。昇格プレーオフを制した“20番目”のチームであり、クラブの予算規模を考えれば、大健闘と言っていい戦績だ。 とりわけ、チームの最大の目標であるJ1残留に向けて良いペースで勝ち点を積み上げられている状況だが、百戦錬磨の指揮官は「今が何位、今の勝ち点がいくつかということも、意味がないと思う」、「ここから先1試合1試合の戦いになっていき、その先に、世の中に驚きを示すようなサッカー、成果へと繋がっていく」と、現状の立ち位置を意識することなく、後半戦もベクトルを自分たちに向け、“成長”をテーマにしっかりと戦っていく構えだ。 ブラジル人守護神も「全員が献身的に仕事していたところが、今の結果に繋がっている」とチームが正しい歩みを見せていることを実感しながら、「一番危険なのは、自分たちがこれでオーケーだと思ってしまうこと。そこは後半戦に向けて危ない兆候になると思うので、しっかり全員で気を引き締めてやりたい」と、改めて後半戦への意気込みを語った。 前半戦終了時点で首位と12ポイント差、降格圏と12ポイント差の中位に位置する緑の名門。中3日で臨む後半戦初戦のジュビロ磐田との昇格組対決第2ラウンドを皮切りに、序盤戦では横浜F・マリノス、セレッソ大阪、町田と前半戦で敗戦を喫した相手との対戦が続く中、“J1残留”、さらなるサプライズ提供に向けて力強いスタートを飾ることはできるか…。 2024.06.23 08:38 Sun
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鮮やかカウンターから翁長聖が絶妙ループ弾! 終盤の名古屋の猛攻耐えた東京Vが2戦ぶり白星【明治安田J1第19節】

明治安田J1リーグ第19節の東京ヴェルディvs名古屋グランパスが22日に味の素スタジアムで行われ、ホームの東京Vが1-0で勝利した。 前節、サンフレッチェ広島に1-4の大敗を喫してリーグ連勝がストップした11位の東京V。その敗戦からのバウンスバックを図った前半戦ラストマッチでは先発4人を変更。サスペンションの見木友哉や千田海人に代わって負傷明けの綱島悠斗、宮原和也が起用された。 一方、9位の名古屋は前節、湘南ベルマーレと1-1のドロー。天皇杯のJAPANサッカーカレッジ戦での屈辱の敗戦を払拭できず。リーグ4戦ぶりの白星を目指したアウェイゲームでは先発1人を変更。吉田温紀に代わって三國ケネディエブスが復帰した。 [3-4-2-1]のミラーゲームの形となったJ1では久々のオリジナル10対決。試合は開始早々にホームチームが決定機を作り出す。2分、右CKの流れからボックス左でこぼれに反応した齋藤功佑が左足でシュート。DFにディフレクトして浮き球の形でクロスバーを叩くと、これに染野唯月が詰めたがゴール右で放ったシュートはサイドネットに。 開始早々の先制点には至らずも、中盤の綱島を起点にセカンドボール、イーブンな競り合いをことごとく制して主導権を握った東京V。前線の背後へのランニングや左サイドの松橋優安の大外での仕掛けから幾つか良い場面も作るが、なかなかフィニッシュの数が増えていかない。 前半半ば以降は互いに構えて守る場面が多く試合は膠着状態に。引き続き優位に進めるホームチームはダイレクトプレーや3人目の動き出しで攻撃にアクセントを加えたが、アタッキングサードでの精度、連携を欠く。41分にはボックス右付近で得たFKの場面でキッカーの翁長聖が意表を突いてニア下を直接狙うが、ここはGKランゲラックのセーブに遭う。そして、前半はこのままゴールレスで終了した。 互いに選手交代なしで臨んだ後半。勢いを持って入った名古屋が開始早々に決定機。46分、相手陣内右サイド深くでタメを作った中山克広のマイナスパスを受けた森島司の浮き球のクロスをボックス左の山岸祐也が丁寧に頭でゴール前へ折り返す。これに反応した稲垣祥がボレーシュートを放つが、DFの身体を張ったブロックに阻まれた。 課題の後半の入りを辛くも凌いだ東京Vは鮮やかなロングカウンターからゴールをこじ開ける。52分、自陣ボックス手前で相手を背負ってボールを収めた木村勇大が右サイドの翁長とのパス交換で一気に背後へ飛び出す。DF山中亮輔に後ろから引き倒されたが、ダレン・イングランド主審がアドバンテージを取る。このこぼれに反応した翁長がそのままボックス内までドリブルで運び、最後はGKラングニックの前目のポジションを見極めて絶妙なループシュートを流し込んだ。 木村と翁長の2人で完結した見事なカウンターアタックでリードを手にした城福浩監督のチームは、足を痛めた松橋を下げて約1カ月ぶりの戦列復帰となった山田楓喜を右のウイングバックに投入。これで翁長が左ウイングバックに移った。 試合の均衡が破れたことで、後半はよりオープンな展開に。前半はほとんど効果的にフィニッシュまで持ち込めなかった名古屋も前向きなチャレンジから稲垣や山岸がシュートを放っていく。さらに、70分には三國、永井謙佑に代えて吉田温紀、パトリックを同時投入した。 これに対してカウンターやセットプレーからチャンスは作れているものの、徐々に相手の圧力を受け始めたホームチームは75分に2枚替え。山見大登、齋藤を下げて千田海人、稲見哲行をピッチに送り込み、宮原をボランチに上げるなど守備的な布陣に変化した。 一連の交代でよりパワーを出した名古屋は攻勢を強めていくと、76分にはペナルティアーク付近で山岸の足元への落としに反応した稲垣がダイレクトシュートを放つが、これは惜しくも右ポストに阻まれた。 1点差のまま試合は後半最終盤に突入。攻めるアウェイチーム、守るホームチームという構図が明確となった中、名古屋は吉田、パトリック、榊原杏太とボックス付近で3本の決定的なシュートを浴びせかけたが、GKマテウスやDF谷口栄斗の見事な好守に阻まれた。 そして、試合はこのままタイムアップを迎え、ホームで接戦をモノにした東京Vが広島戦の大敗を払しょくする1-0の勝利を収めた。一方、終盤の猛攻実らずに完封負けの名古屋はリーグ4戦未勝利となった。 東京ヴェルディ 1-0 名古屋グランパス 【東京V】 翁長聖(後7) <span class="paragraph-title">【動画】翁長聖が芸術ループ</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="twitter-tweet"><p lang="ja" dir="ltr">/<br>まさにアート<br>\<br><br>翁長聖の芸術的ループシュート<br>東京Vがカウンターから先制<br><br>明治安田J1リーグ第19節<br>東京V×名古屋<br><a href="https://twitter.com/hashtag/DAZN?src=hash&amp;ref_src=twsrc%5Etfw">#DAZN</a> ライブ配信<a href="https://twitter.com/hashtag/%E6%9D%B1%E4%BA%ACV%E5%90%8D%E5%8F%A4%E5%B1%8B?src=hash&amp;ref_src=twsrc%5Etfw">#東京V名古屋</a> <a href="https://t.co/flwinkEpFg">pic.twitter.com/flwinkEpFg</a></p>&mdash; DAZN Japan (@DAZN_JPN) <a href="https://twitter.com/DAZN_JPN/status/1804459355938439499?ref_src=twsrc%5Etfw">June 22, 2024</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> 2024.06.22 20:02 Sat

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