2点差を追いついたスイスが世界王者フランスをPK戦の末に撃破、初のベスト8進出《ユーロ2020》

ユーロ2020ラウンド16、フランス代表vsスイス代表が28日にルーマニアで行われ、3-3で90分を終了。延長戦でも決着が付かず迎えたPK戦を4-5で制したスイスが初のベスト8進出を決めている。

ドイツ代表やポルトガル代表、ハンガリー代表が同居した死のグループFを首位で通過したフランスは、スイスに合わせて3バックを採用。ラングレがリベロの位置に、ラビオが左のウイングバックに入った。
一方、イタリア代表やウェールズ代表、トルコ代表が同居したグループAを3位で通過したスイスは、シャキリやジャカ、GKゾンマーらお馴染みの主力がスタメンとなった。

フランスが押し込む入りとなった中、スイスが最初のチャンスを生かして15分に先制する。左サイドからのツバーのクロスをラングレに競り勝ったセフェロビッチがヘッドで叩き込んだ。

スイス先制後は自陣に引くスイス相手にフランスが攻めあぐねる展開が続く。流れの悪いフランスは前半終盤にこれまで通りの4バックに変更するも、チャンスを生み出せずに1点ビハインドのままハーフタイムに入った。迎えた後半、ラングレに代えてコマンを投入したフランスはベンゼマとムバッペの2トップとする[4-4-2]に変更。しかし前がかる中、52分に痛恨のPKを献上する。ボックス内に進入したツバーの突破をパヴァールがスライディングタックルで止めにかかると、VARの末にファウルを取られた。

だが、キッカーのリカルド・ロドリゲスの枠の左隅を狙ったシュートはGKロリスがビッグセーブで凌ぎ、フランスは1点差を保った。

すると57分、フランスが追いつく。ムバッペのパスを受けたベンゼマが見事なトラップでボックス内に侵入し、GKとの一対一を制した。

さらに2分後、フランスが一気に逆転する。グリーズマンがムバッペとのワンツーでボックス左に進入。ループシュートはGKゾンマーにセーブされるも、ルーズボールをベンゼマがヘッドで押し込んだ。

そして75分、ポグバが3点目を挙げる。ボックス手前中央からミドルシュートを放つと、枠の右角を捉える完璧なコースに決まった。

ポグバのスーパーゴールによって2点を追う展開となったスイスは81分、ムバブの右クロスからセフェロビッチのヘディングシュートが決まって1点差に詰め寄る。

そしてフランスが逃げ切るかと思われた90分、ショートカウンターに転じたスイスはガブラノビッチが対応したキンペンベをかわしてボックス手前中央から右足を一閃。ミドルシュートが枠の左に決まって追いついた。

土壇場で追い付かれたフランスは後半追加タイム、コマンのボレーシュートが枠の右角に直撃し、試合は3-3で90分を終了。延長戦にもつれ込んだ。

その延長前半5分、フランスに勝ち越しのチャンス。コマンのクロスを受けたパヴァールがボレーで放ったシュートが枠を捉えたが、GKゾンマーの右手一本によるビッグセーブに阻まれた。

その後は膠着状態が続き、スコアは動かず3-3のままPK戦へ。そのPK戦ではスイスのキッカー5人全員が決めたのに対し、フランス5番手のキッカーを務めたムバッペがGKゾンマーに止められ、スイスが劇的勝利。

2点差を追いついたスイスがPK戦の末にワールドカップ王者フランスを退け、同国初のベスト8入りを決めている。