熱戦制したI神戸が7大会ぶり7度目の優勝!後半ATに追い付き、PK戦で浦和を下す【皇后杯】

2024.01.27 16:15 Sat
I神戸がPK戦の末に戴冠。
©超ワールドサッカー
I神戸がPK戦の末に戴冠。
27日、第45回皇后杯決勝の三菱重工浦和レッズレディースvsINAC神戸レオネッサがヨドコウ桜スタジアムで行われ、1-1で90分、延長戦を終了。PK戦の結果、6-5でI神戸が勝利し、7大会ぶり7度目の優勝を手にした。

優勝した前々回大会以来となる決勝進出を果たした浦和。対して前回大会準優勝のI神戸は、7大会ぶり7度目の戴冠を目指して相まみえた。
浦和は準決勝で負傷交代した安藤梢猶本光がメンバー外となった中で、トップ下に塩越柚歩を起用。立ち上がりにはその塩越のラストパスから島田芽依が好機を迎えるが、左足のフィニッシュは枠の左へ外れる。

これによりI神戸は危機意識が高まり、守備強度が向上。一方、攻撃では中盤底の松原優菜がボールを引き出してリズムを作るが、19分には捕まってしまう。

浦和は相手陣内中央で塩越が松原からボールを奪ってショートカウンターへ転じると、右のポケットを使って清家貴子が角度のない位置から右足を強振。果敢なクロスが相手に当たって逆サイドのネットを力強く揺らし、試合を動かした。
追い掛ける展開となったI神戸だが、2トップが孤立気味で、2人を目掛けたフィードもなでしこジャパンの2人・高橋はなと石川璃音に弾き返される。対して、浦和も直後に清家のカットバックから島田が決定機を迎えたが、シュートはブロックに。前半のアディショナルタイムにはルーズボール争いの際に柴田華絵の顔を田中の肘が強打し、会場は一時騒然。キャプテンは前半終了を待たずにベンチへ退いたが、後半開始時には無事にピッチへと戻ってきた。

一方のI神戸は愛川陽菜、松原を下げて髙瀬愛実、井手ひなたを投入し、土光真代がポジションを一列上げる。右ウイングバックの守屋都弥も高い位置を取り始め、両サイドからのクロスは増加したが、明確なシュートシーンまでには至らない。

対照的に浦和は54分に右CKから石川のヘディングシュートが左ポストを叩き、64分にはこぼれ球に反応した伊藤美紀にビッグチャンスが到来。だが、I神戸もGK山下杏也加が立ちはだかり、恩返し弾を許さない。

1点が欲しいI神戸は、78分に右クロスを成宮唯が収めてシュートまで持ち込む。クリアボールも浦和守備陣に当たってあわやオウンゴールかと思われたが、左ポストに嫌われ、さらに守屋のインターセプトから田中美南の右足というシーンを作るが、焦りも見え始めたか、ここも枠の上へ外れた。

それでも、このまま試合終了かと思われた後半のアディショナルタイム5分、猛攻を仕掛けたI神戸は田中のシュートが相手のハンドを誘い、PKを獲得する。プレッシャーの掛かる場面だったが、百戦錬磨の髙瀬は落ち着いて右隅へと流し込み、土壇場で試合を振り出しに。ゲームは延長戦へともつれ込んだ。

延長戦では先にI神戸が好機を作り、守屋のグラウンダーのクロスから成宮が右足を振る。一方の浦和は島田が左足首を痛めて担架でピッチを後に。

I神戸もGK山下がCK時の接触で右ももを痛め、浦和も遠藤優が足をつって交代を余儀なくされるなど、両者が気力を振り絞っての延長後半は113分、I神戸・成宮のミドルがクロスバーを直撃。浦和も追加タイムにこぼれ球を回収した柴田が自らボックスまで持ち込んでのフィニッシュを見せる。

最終盤、I神戸は守屋のクロスに北川が完璧なタイミングで飛び込んだが、ヘディングが枠を外れたところでホイッスル。勝負の行方はPK戦に委ねられた。

I神戸の先攻で行われたPK戦は、両守護神がそれぞれ3人目のキックをストップ。7人目までもつれ込むと、I神戸は竹重杏歌理が決めたのに対し、浦和は伊藤のキックが左ポストを叩いて決着。I神戸が第38回大会同様、PK戦による決着で7度目の栄冠を手にした。

三菱重工浦和レッズレディース 1-1(PK5-6) INAC神戸レオネッサ
【浦和】
オウンゴール(19分)
【I神戸】
髙瀬愛実(90+5分)[PK]
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総じて相手FWに仕事させずも、後半ATに被弾…準優勝の浦和DF高橋はな「いい展開の中で最後は油断なのか…」

皇后杯を準優勝で終えた三菱重工浦和レッズレディースのなでしこジャパンDF高橋はなが、試合を振り返った。 27日にヨドコウ桜スタジアムで行われた第45回皇后杯決勝、INAC神戸レオネッサ戦に臨んだ浦和は、19分に先手を取った。だが、後半ラストプレーとなるPKで追い付かれると、延長戦を経てのPK戦の末に敗れ、2大会ぶりの優勝は手からすり抜けていった。 準決勝のサンフレッチェ広島レジーナ戦は前半の攻勢から一転、後半は劣勢に立たされ、延長戦では一時逆転を許す展開に。決勝も前半は優勢を保ち、後半も大きな破綻がなかった中で、最終盤に失点。自分たちで難しい状況を招いてしまったではないかと、高橋は述べる。 「広島戦も含めて、自分たちが先にいい展開のゲームを作り出した中で、最後どこか、油断なのかはわかりませんが、やられてしまっているのはまだまだ自分たちがもっと成長するために修正していかなくてはいけないところだと感じています」 ただ、流れの中においては石川璃音とともにI神戸2トップの前にことごとく立ちはだかり、田中美南と愛川陽菜、代わって入った髙瀬愛実にもほぼ仕事をさせなかった。相手のスリーバックに対するチーム全体のアプローチもはまっており、主導権を握ったゲームを展開したことには胸を張る。敗戦の悔しさは再開後のリーグ戦で晴らすしかない。 「チーム全員が皇后杯を取るために毎日頑張ってきたことには変わりないですし、実際にチームの柱の2人(安藤梢、猶本光)が抜けてしまって、今日もどうなるか正直分からなかった中で、出られる選手、メンバー入った選手が最後まで戦っていたと思います」 「いいゲームを作り出したことに関しては、自分たちを褒めていいと思います。でもやはり、こうして負けてしまった現実も受け止めなければいけないので、これをどう次に生かすかが、自分たちの鍵になる。監督がこの銀メダルを大切にするとおっしゃっていましたけど、良かったところはそのまま続けて、悔しかったことも忘れずにやっていかなければと感じました」 2024.01.27 22:50 Sat
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