【2022-23プレミアリーグ総括】超WS選出の最優秀選手は記録尽くめの怪物FW

2023.06.12 18:00 Mon
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◆熾烈タイトルレース制したシティが5クラブ目の3連覇
チェルシー、リバプール、トッテナムらの不振、ニューカッスル、ブライトンの台頭と例年に比べて勢力図が大きく変わった今シーズンのプレミアリーグだったが、大躍進アーセナルとの熾烈なタイトルレースを貫禄勝ちしたマンチェスター・シティが、史上5クラブ目となる1部リーグ3連覇を成し遂げた。
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昨季、最終節までもつれ込んだリバプールとの優勝争いを劇的な形で制したシティは、開幕前に準主力クラスの選手を国内のライバルに売却。代わってFWアグエロの退団以降、不在だったワールドクラスのストライカーとしてドルトムントからFWハーランドを獲得。さらに、レンタルバックのFWアルバレスを含めDFアカンジ、MFフィリップスらをピンポイント補強。
開幕ロケットスタートを披露した絶好調のアーセナルに長らくリーグテーブル最上位を譲っていたが、慌てることなく上位を維持してカタール・ワールドカップ(W杯)の中断期間に入った。後半戦は序盤こそW杯帰りの主力のコンディション不良も影響して取りこぼしもあったが、失速してきた首位チームとの敵地での初戦に勝利。その後、2度目の直接対決を含め、2月下旬から5月半ばまでの圧巻の12連勝を記録し、優勝の重圧に屈したライバルを蹴落として逆転での3連覇を達成した。従来の“偽SB”に加え、DFストーンズの“偽CB”起用など戦術の発明家が新機軸を打ち出し、ハーランドら新戦力の早期適応やDFリコ・ルイスらアカデミーの逸材の台頭と、更なるスケールアップを果たしての戴冠となった。

2位のアーセナルはリバプールやチェルシー、マンチェスター・ユナイテッドに代わって、その王者をシーズン通して苦しめた。開幕前にFWガブリエウ・ジェズス、DFジンチェンコと勝者のメンタリティを持つ2選手を王者から獲得。さらに、レンタルバックのDFサリバが開幕からディフェンスラインの主力に定着し、その新戦力とアルテタ体制4季目で大きな成長を遂げた現有戦力が開幕5連勝のロケットスタートを演出。以降も安定したパフォーマンスを継続し、中断期間、新年と節目のタイミングで首位を維持。19シーズンぶりの悲願達成への機運が高まった。

しかし、後半戦はDFサリバやDF冨安健洋らディフェンスラインに離脱者が重なって失点がかさむ中、指揮官を含め優勝争いの経験が少ない若きスカッドは2度の急失速を経験。そして、最終盤は今季初の連敗を喫し、自らの手で王者に優勝をプレゼントする形となった。それでも、シーズンを通して披露してきた魅力的なアタッキングフットボール、若手タレントの成長を鑑みれば、今季の悔しい経験が来季以降の悲願達成に必ずや繋がるはずだ。
その2強から大きく離されたものの、来シーズンのチャンピオンズリーグ(CL)出場権を確保したのは、3位のマンチェスター・ユナイテッドと4位のニューカッスル。

スールシャール、ラングニック体制の混乱に見舞われた昨季から捲土重来を期した赤い悪魔は、アヤックスからテン・ハグ新監督を招へい。さらに、FWアントニーやMFカゼミロ、MFエリクセン、DFリサンドロ・マルティネスら実力者数名を補強。開幕2連敗スタートに、ダービーでの3-6の大敗とシーズン前半戦は新体制の移行期間による不安定さを見せたが、中断明け後は完全覚醒のFWラッシュフォードがけん引する攻撃に加え、チーム全体の戦い方が整理されて安定したパフォーマンスを披露。ライバルたちの自滅に救われた感もあったが、EFLカップでの久々のタイトル獲得を含め名門復活への第一歩となるまずまずのシーズンとなった。

ニューカッスルはレスター・シティ以来のビッグ6崩しに成功し、約20年ぶりのトップ4フィニッシュを成し遂げた。2021年のサウジアラビア系投資グループの買収から堅実な補強と、エディ・ハウ監督の卓越した手腕によって着実に力を付けたマグパイズは、ハイインテンシティと堅守を軸とした躍動感のあるスタイルで、4位に相応しいパフォーマンスをシーズン通じて披露し続けた。来季はCLと二足の草鞋を履く中で、そのスタイルを維持するための補強がカギを握る。

CL出場権争いに敗れる形となったその他のトップハーフのチームでは、低迷と躍進が混在する形に。

失意を味わったのは5位のリバプールと8位のトッテナム。開幕前はシティの対抗馬最右翼と目されたクロップのチームだが、近年稀に見る負傷者の多さに加え、鳴り物での加入となったFWヌニェスの微妙なパフォーマンス、中盤やバックラインを中心に主力のパフォーマンス低下によって低迷。シーズン最終盤はエースFWサラーの復活にFWガクポらの覚醒、DFアレクサンダー=アーノルドの“偽SB”起用などで盛り返したが、逆転でのトップ4フィニッシュは叶わず。来季に向けては中盤を中心に大幅なスカッド刷新を図る。

一方、開幕からトップ4争いに絡んでいたものの、低調なパフォーマンスが懸念材料となっていたトッテナムは、コンテ監督、ステッリーニ暫定監督を解任し、最後はメイソン暫定監督の下でヨーロッパ圏外でシーズンを終える屈辱のシーズンに。FWケインやDFロメロが孤軍奮闘の活躍を見せたが、昨季得点王のFWソン・フンミンの不振にFWリシャルリソンら新戦力が期待外れの結果に終わった。セルティック前指揮官のポステコグルー新監督を招へいし、巻き返しを図る来季に向けては退団濃厚とされるFWケインの慰留を最優先事項としつつ、大きなチームスタイル変更が見込まれる中でリバプール同様の大幅なスカッド刷新が見込まれる。

その2チームと異なりポジティブな形でシーズンを終えたのは、クラブ史上初のヨーロッパリーグ(EL)出場権を獲得した6位のブライトンと、一時の残留争いからヨーロッパ・カンファレンスリーグ(ECL)出場権を獲得するV字回復を果たした7位のアストン・ビラ。前者はポッター前監督やエースFWトロサールをシーズン途中に引き抜かれながらの快挙、後者はエメリ新監督招へいが大きなターニングポイントとなった。

ボトムハーフでは14位のウェストハム、16位のノッティンガム・フォレストを除く8クラブが複数回含め監督交代に踏み切る形に。その中で百戦錬磨のホジソン監督を招へいしたクリスタル・パレス、ロペテギ監督を招へいしたウォルバーハンプトンが見事な巻き返しを見せた一方、それ以外のクラブは思ったほどの効果を発揮できず。

そういった中、長らくプレミアリーグに留まり続けていたレスター・シティ、サウサンプトンとリーズ・ユナイテッドが降格の憂き目に。一方、昇格組では10位フィニッシュを果たしたフルアムを含め、ボーンマス、フォレストの全3クラブが残留する、珍しいシーズンとなった。

【最優秀選手&監督】
★最優秀選手
◆FWアーリング・ハーランド(マンチェスター・シティ)
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若きレコードブレイカーがプレミアを席捲。3連覇を果たしたシティでは、司令塔のMFデ・ブライネやDFストーンズ、MFギュンドアンらの活躍も光ったが、加入1年目で強烈なインパクトを残したノルウェー代表FWのMVP選出に異論はないはずだ。

ドルトムントでブンデスリーガ、CLの舞台でストライカーとしてのポテンシャルを遺憾なく発揮した22歳は、メガクラブの関心を集めた中で父がかつて在籍したシティを新天地に選択。これまで在籍したチームとは大きく異なるスタイルのチームにおいて、リーグへの適応含めて懸念はあったものの、開幕戦での2ゴールデビューで見事に払しょく。前半戦では3度のハットトリックを含む7試合連続ゴールを記録するなど得点王争いで独走。

後半戦ではハットトリックこそ1度にとどまったものの、驚異的なペースでゴールを重ね、アグエロが持つ1シーズンのクラブ記録(26ゴール)を早々に更新。さらに、サラーが持っていた38試合制でのシーズン最多ゴール記録(32ゴール)、アラン・シアラー、アンディ・コールが持っていた42試合制でのシーズン最多ゴール記録(34ゴール)も続けて更新。最終的に35試合36ゴール8アシストという驚異のスタッツを叩き出してプレミア挑戦1年目を終えた。

シーズン途中にはボールタッチやプレー関与の少なさを批判する声も挙がったが、シーズン終盤にはポストワークやプレー判断の部分で著しい成長を見せており、来季のさらなる飛躍が期待されるところだ。

★最優秀監督
◆エディ・ハウ(ニューカッスル)
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新生マグパイズを欧州最高峰の舞台に導く。3連覇を達成したグアルディオラ監督を始め、アーセナルのアルテタ監督、ブライトンのデ・ゼルビ監督、アストン・ビラのエメリ監督の手腕は卓越したものだったが、やはり就任2年目でニューカッスルをトップ4フィニッシュさせたイングランド人指揮官を最優秀監督に推したい。

2021年11月に最下位に低迷したチームを引き継いで11位での残留に導いた45歳指揮官。就任2年目となった今シーズンはGKポープやDFボトマン、FWイサクらを補強したものの、大型補強には至らず。前評判は決して高くなかった。実際、開幕5試合は1勝3分け1敗と微妙なスタートとなったが、リーグ屈指の堅守を武器に“負けない”チームとして着実に勝ち点を重ねると、中断期間を挟んで6連勝。シーズン終盤には多士済々な攻撃陣が完璧に噛み合い、増え始めた失点を補って余りある爆発力で5連勝も達成した。

ボーンマス時代はボールポゼッションを重視し、魅力的ではあるものの出入りが激しいフットボールの印象が強かったが、ニューカッスルでは守備の組織構築を優先し、相手に合わせる“大人な戦い方”も辞さず。指揮官としての引き出しを増やしている。また、インサイドハーフにコンバートしたMFジョエリントンや右ウイングで切磋琢磨したMFアルミロン、MFマーフィーを覚醒させるなど、以前から評価される育成力においても確かな手腕を示した。

【期待以上】
★チーム
◆アストン・ビラ
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ニューカッスルやブライトン、フルアムといったクラブの躍進も光ったが、ジェラード前監督の下で残留争いに巻き込まれかけていた中で驚異のV字回復を見せたアストン・ビラをより評価した。

ジェラード体制2年目で積極補強を敢行したものの、指導力や采配力に疑問符が付いた指揮官が実力のあるタレントを生かし切れず。徐々に順位を落としていたビラだが、そのイングランド人指揮官を更迭し、昨年11月にビジャレアルからエメリ監督を招へい。すると、緻密な戦術と相手の分析に優れるスペイン人指揮官の下でチームは大きく変貌を遂げた。

[4-4-2]の布陣でハイライン&ハイプレスと、守備時には時に6バックで守るメリハリが利いた戦い方でタフなチームに生まれ変わると、2月下旬以降は5連勝を含む10戦無敗を記録。攻撃ではエースFWワトキンスが15ゴールを記録し、新指揮官の下で重用されたMFブエンディアや一皮むけたMFラムジーも多くのゴールに関与した。上位陣相手にも堂々としたパフォーマンスを披露しており、来シーズンはすでに獲得が決まったMFティーレマンスに加えて、実力者を補強できれば、更なる躍進も期待できる。

★選手
◆MF三笘薫(ブライトン)
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プレミアリーグのDFに脅威を与え続け、“ミトマ”の名前をプレミアファンに知らしめる。新加入選手や若手を中心に候補を選出すると、DFサリバやDFアカンジ、DFボトマン、MFラヴィア、MFパリーニャなどの活躍も光ったが、やはり無名の存在から一気にリーグ屈指のアタッカーとして認知された日本代表MFは外せない。

ユニオン・サン=ジロワーズから新加入の三笘は、初挑戦となったプレミアリーグで日本人選手のシーズン最多ゴール記録を更新するなど、33試合7ゴール6アシストという見事な数字を残した。ポッター前監督の下で戦ったシーズン序盤は新たなチーム、新たなリーグへの適応やFWトロサールらライバルの存在もあり、途中出場がメインに。その後、デ・ゼルビ新監督の下で[4-2-3-1]の左ウイングに固定されると、中断前のウォルバーハンプトン戦で待望の初ゴールを記録した。

そして、充実感と失望感の両方を味わったカタールW杯を経て臨んだ後半戦では戦術面のアジャストや連携向上によって完全覚醒。持ち味の緩急自在のドリブル、質の高いオフ・ザ・ボールの動きで対峙するDFを翻弄する場面が増えると共に、ゴールとアシストという目に見える結果を残し続けた。超過密日程となった終盤戦はDFワン=ビサカやDFトリッピアーといった一線級のサイドバックに抑え込まれ、決定力の部分でも課題を残す形となったが、MFカイセドやMFマク・アリスターと共に躍進ブライトンの象徴となった。残留が既定路線となる来季はより相手の警戒が強まる中、それを凌駕するスケールアップに期待したい。

【期待外れ】
★チーム
◆チェルシー
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素人オーナーの下で超大型補強も迷走のシーズンに。ロシアによるウクライナへの軍事侵攻の影響によって、長らく続いたアブラモビッチ前体制が突如終焉を迎えたチェルシー。代わってトッド・ベーリー氏率いるアメリカ系投資グループを新オーナーに据え、昨夏と今冬合わせた補強費は驚愕の6億ポンド以上となった。

しかし、金をかければチームが強くなるわけではないということを体現したブルーズは、シーズン序盤のトゥヘル監督解任を皮切りに迷走。その後、ブライトンからポッターを引き抜き、短期間は盛り返したものの、そこから深刻な得点力不足と勝負弱さを露呈。早くもリーグ中位が定位置になると、今冬にはプレミア史上最高額でMFエンソ・フェルナンデスら期待の若手を獲得したが、人員整理に失敗。トップチーム登録選手が30名をゆうに超える歪なスカッドは日々のトレーニングもままならず、最適な組み合わせ、布陣を見いだせずにいたイングランド人指揮官は求心力も失って更迭。

クラブレジェンドのランパードを暫定指揮官に据えてシーズン残りを戦ったが、前エバートン指揮官の無策に負傷者が重なった結果、最後まで浮上のきっかけを作れぬまま、クラブワーストの16敗を喫して屈辱の12位フィニッシュとなった。ポチェッティーノの招へいが決定した来季は人員整理を最優先に、まずは闘える集団を作り上げたい。

★選手
◆FWリシャルリソン(トッテナム)
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鳴り物入りでの加入もわずか1ゴールに終わる。DFマグワイアやMFコウチーニョ、MFフィリップス、MFマウント、FWヌニェス、FWオーバメヤン、FWムドリクと今季期待を裏切った選手はほかにもいる。だが、6000万ポンドの高額な移籍金でスパーズの3つ目の矢として大きな期待が懸かった中で期待を裏切ったブラジル代表FWを選出した。

エバートン時代は在籍4シーズンの内、3シーズンで二桁ゴールを記録するなど安定感と負傷の少なさが評価されていたリシャルリソン。ただ、メンバーを固定するきらいがあり、新加入選手の起用に慎重すぎるコンテ監督の下で序盤戦はバックアッパーに甘んじる。その後、CLグループステージ初戦のマルセイユ戦での加入後初ゴールを含む2ゴールで一気に出場機会増の兆しが見えたが、ここでチャンスを生かし切れずに負傷離脱を余儀なくされた。

カタールW杯での活躍を引っ提げて巻き返しを期して臨んだ後半戦も負傷でいきなり戦列を離れると、復帰後も一度狂った歯車は最後まで元には戻らず。第34節の宿敵リバプール戦でようやく初ゴールを挙げたが、スパーズ加入1年目は27試合1ゴール4アシストの低調な成績に終わった。

ただ、決して調子が良かったわけではなかったFWソン・フンミン、MFクルゼフスキの重用や、定まらぬ起用法の犠牲になった部分は大きく、得点を奪う以外での献身的な守備や起点作りといった部分は正しく評価すべきだ。ポステコグルー新監督の下で臨む来季はエースFWケインの去就が不透明なだけに、今季の鬱憤を晴らす大爆発を期待したい。

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2024シーズンの明治安田J1リーグが23日からいよいよ開幕する。今季からは20チーム制となり、降格も3つに増枠しての争いに。ここでは新シーズンの幕開けに先駆け、J1リーグ全チームをピックアップし、横浜F・マリノスを紹介していく。 【直近3シーズンの成績】 2023シーズン:2位(19勝7分け8敗) 2022シーズン:優勝(20勝8分け6敗) 2021シーズン:2位(24勝7分け7敗) 【昨季チーム得点王】 アンデルソン・ロペス 22ゴール 【今季ノルマ】 優勝 【編集部イチオシ】 FW植中朝日 昨季J1:9試合3ゴール <span class="paragraph-subtitle">◆夏場以降の失速が響いた昨季</span> 2022シーズンのJ1王者・横浜FM。昨季連覇を目指した彼らは順調に歩みを進めるも、ケガ人も続出し始めた夏場以降に失速し、最後はヴィッセル神戸が初優勝…シーズン終了後にはケヴィン・マスカット監督が退任、最後にACLこそグループステージ突破も、悔しさの残る1年となった。 <span class="paragraph-subtitle">◆あのキューウェルが日本で指揮官に</span> 新監督は現役時代にリバプールで欧州制覇を成し遂げ、2006年ドイツW杯のオーストラリア代表メンバーでもあるハリー・キューウェル氏。引退後はイングランドで指導者キャリアを開始し、昨年までセルティックでコーチを務めていた45歳…アンジェ・ポステコグルーの下で経験を積み、“師”がかつて率いた横浜FMの王座奪還を託された。 <span class="paragraph-subtitle">◆主力が軒並み残留</span> そのキューウェル新監督は、昨季の主力が概ね残留していることを頼もしく思うだろう。西村拓真や角田涼太朗が退団も、得点王アンデルソン・ロペス、エウベル、ヤン・マテウスという前線ブラジル人トリオの全員キープに成功し、また中盤・最終ラインに目を向けても顔ぶれは大きく変わらず。また、昨季は吉尾海夏、山根陸、植中朝日といった脇を固める“役者”たちの成長・突き上げが明るい兆しだった。強いて挙げれば1番手GK一森純がガンバ大阪へ復帰も、FC町田ゼルビアのJ2優勝に守護神として貢献したGKポープ・ウィリアムの獲得に成功している。 <span class="paragraph-subtitle">◆派手な補強はせずとも</span> 新戦力に目を向ければ、経験豊富な34歳・山村和也を獲得できたことは大きい。昨季は最終ラインを中心にケガ人続出…センターバックとボランチを遜色なくこなせるベテランはバックアッパーとしてスタンバイするだろう。3年ぶり復帰の32歳・天野純はもちろん主力級の働きが期待できるし、途中投入なら“違い”を生み出す存在にもなれる。したがって、王座奪還へカギを握るは、やはり「キューウェル新監督の采配」といったところか。ワクワクドキドキのシーズンがもうすぐ始まる。 <span class="paragraph-subtitle">◆2024年冬移籍情報</span> 【IN】 GKポープ・ウィリアム(29)→FC町田ゼルビア/完全移籍 GK寺門陸(21)→レノファ山口FC/期限付き移籍より復帰 DF加藤蓮(24)→東京ヴェルディ/完全移籍 DF渡邊泰基(24)→アルビレックス新潟/完全移籍 DF吉田真那斗(22)→鹿屋体育大学/新加入 MF山村和也(34)→川崎フロンターレ/完全移籍 MF天野純(32)→全北現代モータース(韓国)/期限付き移籍より復帰 MF植田啓太(21)→栃木SC/期限付き移籍より復帰 【OUT】 GK一森純(32)→ガンバ大阪/期限付き移籍終了 GKオビ・パウエル・オビンナ(26)→ヴィッセル神戸/完全移籍 DF角田涼太朗(24)→カーディフ・シティ(イングランド)/完全移籍 DF平井駿助(21)→レイラック滋賀FC/完全移籍 MF木村卓斗(23)→ヴァンフォーレ甲府/期限付き移籍 MF南拓都(21)→レイラック滋賀FC/完全移籍 FW西村拓真(27)→セルヴェット(スイス)/期限付き移籍 FW杉本健勇(31)→ジュビロ磐田/期限付き移籍終了 FW津久井匠海(21)→アスルクラロ沼津/完全移籍 2024.02.16 18:15 Fri

プレーでも結果でも感動を、J1復帰3年目は「強く超える」飛躍のシーズンに【J1開幕直前ガイド|京都サンガF.C.】

2024シーズンの明治安田J1リーグが23日からいよいよ開幕する。今季からは20チーム制となり、降格も3つに増枠しての争いに。ここでは新シーズンの幕開けに先駆け、J1リーグ全チームをピックアップし、京都サンガF.C.を紹介していく。 【直近3シーズンの成績】 2023シーズン:13位(12勝4分け18敗) 2022シーズン:16位(8勝14分け12敗) 2021シーズン:J2・2位(24勝6分け12敗) 【昨季チーム得点王】 パトリック、豊川雄太 10ゴール 【今季ノルマ】 中位 【編集部イチオシ】 FW原大智 昨季J1:13試合出場/7ゴール <span class="paragraph-subtitle">◆2年目のJ1で改善</span> 曺貴裁監督が率いて3年目、J1に昇格して2年目のシーズンとなった2023シーズンは順位を上げて13位でフィニッシュ。継続路線でハードワークを続けて前進していくスタイルを継続した。一定の成果を得たシーズンだったと言えるが、ゴールに向かっていくワクワクさせるフットボールは見せられたとは言い難い。主導権を握り続ける戦いを目指したいところだ。 <span class="paragraph-subtitle">◆目標は高く設定、ハードな1年に</span> チームとしての目標は勝ち点60。2023シーズンに照らし合わせるとトップ3を争える成績。通常のシーズンでも5位以内に入ることができる数字を目標に掲げた。 それ以上の注目は得点を「60」に設定したこと。2023年は40得点、2022年は30得点と10得点は増えたが、今まで以上にゴールへの意欲を高める必要がある。感動、ワクワクを与えるサッカーを目指す中で、得点力向上は重要。昨季のチーム得点王のパトリックが去ったことは大きいが、新戦力のマルコ・トゥーリオ、昨季途中加入の原大智に懸かる期待は大きくなる。 失点は「45」と2023年と同じ数字を保ちたいという目標だが、守備陣には鈴木義宜を補強して浦和レッズへ移籍した井上黎生人の代役を確保。さらに湘南ベルマーレ時代の教え子である鈴木冬一をスイスから戻し、サイドにも厚みを持たせることにも成功した。中盤にもハードなプレーが得意で対人プレーが得意な塚川孝輝もFC東京から獲得。退団選手もいる中で、チームに必要な人材を揃えたと言える。 <span class="paragraph-subtitle">◆軸を定められるか</span> 京都として気になるのは、チームの軸になっている選手が少ないこと。2023シーズンから残る選手で先発出場を20試合以上達成したのは4名だけ。良く言えば実力が拮抗していると言えるが、悪く取れば固定できるほどのハイパフォーマンスを出し続けた選手がいなかったとも言える。自動降格が3チームになる今季は早くチームを波に乗せることが重要になる。目標に掲げた勝ち点60を達成するためにも任せられる軸になる選手が多く出ることは必要になるだろう。 【IN】 GKク・ソンユン(29)←北海道コンサドーレ札幌/期限付き移籍→完全移籍 GKファンティーニ燦(25)←福島ユナイテッドFC/完全移籍 DF飯田陸斗(18)←京都サンガF.C.U-18/昇格 DF喜多壱成(18)←京都サンガ.C.U-18/昇格 DF松田佳大(23)←水戸ホーリーホック/完全移籍 DF鈴木義宜(31)←清水エスパルス/完全移籍 DF鈴木冬一(23)←ローザンヌ・スポルト(スイス)/完全移籍 DF宮本優太(24)←浦和レッズ/期限付き移籍 MF安齋悠人(18)←尚志高校/新加入 MF塚川孝輝(29)←FC東京/期限付き移籍 FWマルコ・トゥーリオ(25)←セントラルコースト・マリナーズ(オーストラリア)/完全移籍 【OUT】 GK若原智哉(24)→V・ファーレン長崎/期限付き移籍 GKマイケル・ウッド(25)→未定 DF井上黎生人(26)→浦和レッズ/完全移籍 DF植田悠太(19)→大宮アルディージャ/期限付き移籍 DFイヨハ理ヘンリー(25)→サンフレッチェ広島/期限付き移籍満了 DF飯田貴敬(29)→ヴァンフォーレ甲府/期限付き移籍 MF三沢直人(28)→ヴァンフォーレ甲府/完全移籍 MF荒木大吾(29)→FC岐阜/完全移籍 MF山田楓喜(22)→東京ヴェルディ/期限付き移籍 FWパトリック(36)→名古屋グランパス/完全移籍 FW木下康介(29)→柏レイソル/完全移籍 FW木村勇大(22)→東京ヴェルディ/期限付き移籍 FW田中和樹(24)→ジェフユナイテッド千葉/期限付き移籍→完全移籍 FWイスマイラ(25)→栃木SC/期限付き移籍→完全移籍 2024.02.15 18:45 Thu

井原正巳監督がシーズン初めから指揮、天皇杯決勝の戦いを足がかりに【J1開幕直前ガイド|柏レイソル】

2024シーズンの明治安田J1リーグが23日からいよいよ開幕する。今季からは20チーム制となり、降格も3つに増枠しての争いに。ここでは新シーズンの幕開けに先駆け、J1リーグ全チームをピックアップし、柏レイソルを紹介していく。 【直近3シーズンの成績】 2023シーズン:17位(6勝15分け13敗) 2022シーズン:7位(13勝8分け13敗) 2021シーズン:15位(12勝5分け21敗) 【昨季チーム得点王】 細谷真大 14ゴール 【今季ノルマ】 残留 【編集部イチオシ】 FW細谷真大 昨季J1:34試合出場/14ゴール <span class="paragraph-subtitle">◆ギリギリの残留</span> 昨季は天皇杯で11年ぶりの決勝進出とタイトルにもう一歩のところまで迫ったが、リーグ戦はというと、前年の7位から大きく落としての17位に。ネルシーニョ監督の後任として井原正巳監督が指揮するようになってからも課題が少なかったわけではなかったが、最下位のみが降格というレギュレーションにも希望を見いだしつつ、犬飼智也の夏加入や守備整備で勝ち点を着実に積み上げ、残留を決めた。 <span class="paragraph-subtitle">◆補強は…</span> J1優勝の過去を持つチームであるのを考えると、到底満足できるものではなく、この冬のチーム整備から力を入れていきたいところだったが、補強はレンタルバックとJ2からのステップアップが中心に。昨年もJ1クラブでプレーした新戦力は木下康介に限られており、ほかの新顔では野田裕喜や白井永地、島村拓弥といった個人昇格者が占める。 <span class="paragraph-subtitle">◆細谷真大の残留は朗報だが</span> 一方、主力からの退団者では椎橋慧也、仙頭啓矢、山田康太がそれぞれ新たなチャレンジを選択。武者修行先の徳島ヴォルティスで昨季13ゴールとブレイクの森海渡は横浜FCによもやの完全移籍を決断した。昨季14ゴールのエース、細谷真大に冬の海外移籍がなさそうな情勢というのは朗報だが、チーム力は現時点でIN&OUTの動向からしてダウン感が強い。 <span class="paragraph-subtitle">◆若手の成長度合いでチーム力が変化も</span> ほかでは守備の立て直しにひと役を買った犬飼の完全移籍移行も良い知らせではあったが、現時点ではJ1経験の乏しい選手がどこまで戦力として独り立ちしていけるかどうかといったところ。修行でひと回り大きくなって戻った鵜木郁哉をはじめ、ポテンシャルを秘めた若手も多く、そこから何選手が台頭を遂げるかでチーム力も変わってくる。 <span class="paragraph-subtitle">◆シーズンを通じて天皇杯決勝の戦いを</span> 攻守にわたって多くの課題を持ち越しての今季だが、天皇杯決勝では川崎フロンターレを相手に前線からのプレッシングと組織としての守りで相手のパスワークに制限をかけ、PK戦にもつれる死闘。川崎Fを大いに苦しめたあのスタイルは可能性を感じさせ、今季の初めから打ち出していければ楽しみだ。井原監督も続投。17位に沈んだ昨季からの巻き返しを期す。 <span class="paragraph-subtitle">◆2024年冬移籍情報</span> 【IN】 DF野田裕喜(26)←モンテディオ山形/完全移籍 DF関根大輝(21)←拓殖大学/新加入 DF犬飼智也(30)←浦和レッズ/完全移籍移行 MF島村拓弥(24)←ロアッソ熊本/完全移籍 MF白井永地(28)←徳島ヴォルティス/完全移籍 MF熊坂光希(22)←東京国際大学/新加入 MF鵜木郁哉(22)←水戸ホーリーホック/期限付きより復帰 FW木下康介(29)←京都サンガF.C./完全移籍 FW升掛友護(20)←愛媛FC/期限付きより復帰 【OUT】 DFブエノ(28)→未定 DF岩下航(24)→期限付き移籍 DF田中隼人(20)→V・ファーレン長崎/期限付き移籍 DF大嶽拓馬(21)→EDO ALL UNITED/完全移籍 DFエメルソン・サントス(28)→インテルナシオナウ(ブラジル)/完全移籍 MF三原雅俊(35)→未定 MF椎橋慧也(26)→名古屋グランパス/完全移籍 MF山田康太(24)→ガンバ大阪/完全移籍 MF仙頭啓矢(29)→FC町田ゼルビア/完全移籍 MF落合陸(24)→水戸ホーリーホック/期限付き移籍 MF加藤匠人(24)→福島ユナイテッドFC/期限付き移籍 FWドウグラス(36)→未定 FWアンジェロッティ(25)→FC今治/完全移籍 FW森海渡(23)→横浜FC/完全移籍 2024.02.15 18:15 Thu

攻撃陣は多士済々、2年目のクラモフスキー体制は真価を発揮できるか【J1開幕直前ガイド|FC東京】

2024シーズンの明治安田J1リーグが23日からいよいよ開幕する。今季からは20チーム制となり、降格も3つに増枠しての争いに。ここでは新シーズンの幕開けに先駆け、J1リーグ全チームをピックアップし、FC東京を紹介していく。 【直近3シーズンの成績】 2023シーズン:11位(12勝7分け15敗) 2022シーズン:6位(14勝7分け13敗) 2021シーズン:9位(15勝8分け15敗) 【昨季チーム得点王】 ディエゴ・オリヴェイラ 15ゴール 【今季ノルマ】 上位 【編集部イチオシ】 MF松木玖生 昨季J1:22試合出場/1ゴール <span class="paragraph-subtitle">◆不完全燃焼に終わった昨シーズン</span> アルベル監督の下で2年目を迎えた2023シーズン。タイトル争いを目標としながら開幕から成績が安定せず、6月にリーグ戦3連敗を喫して12位にまで沈み、アルベル監督解任の決断を下した。後任にピーター・クラモフスキー監督が就任してからも劇的な改善はなく、パフォーマンスも低調に。最終的にはリーグ11位、3シーズン無冠の結果に終わり、誰にとっても不満の残る1年となった。 <span class="paragraph-subtitle">◆即戦力を補強し攻撃陣は多士済々</span> 思うような結果を残せなかった昨シーズンからの巻き返しを目指し、即戦力の補強に成功した。主だったところでは北海道コンサドーレ札幌から小柏剛、アルビレックス新潟から高宇洋、鹿島アントラーズから荒木遼太郎を獲得。さらに、ウニオン・ベルリンからは遠藤渓太が加わり、アタッカーの選択肢が豊富になったことは頼もしい。一方で、守備陣についてはユースからの昇格や大卒の加入など、最小限にとどまった。 <span class="paragraph-subtitle">◆クラモフスキー監督にとって勝負の年に</span> 即戦力の補強に成功し、渡邊凌磨こそ去ったもののディエゴ・オリヴェイラ、松木玖生、小泉慶ら多くの主力は残留。上位を争える戦力は十分揃っているだけに、就任2シーズン目を迎えるクラモフスキー監督の手腕が問われることになるだろう。昨シーズンは途中就任の難しさもあり、最後まで説得力のあるサッカーは見せられず。前クラブのモンテディオ山形でも2シーズン目に成績を上げJ1参入プレーオフにチームを導いているだけに、指揮官がどのような采配を振るうかは注目だ。 <span class="paragraph-subtitle">◆新時代に向けた第一歩を踏み出せるか</span> ここ最近はタイトル争いに絡めず、もどかしい想いを抱くファンも少なくない。そんな中で、クラブは創設25周年を契機にエンブレムを一新。ここから新しい歴史を築いていく決意を新たにした。今シーズンは東京ヴェルディやFC町田ゼルビアの昇格により、にわかに首都が熱気を帯びているが、そんな中で長年J1を戦ってきた矜持を示し、ファンを熱狂させるサッカーが見せられるか、クラブの真価が問われる。 <span class="paragraph-subtitle">◆2024年冬移籍情報</span> 【IN】 GK小林将天(18)←FC東京U-18/昇格 GK波多野豪(25)←V・ファーレン長崎/期限付き移籍より復帰 DF岡哲平(22)←明治大学/新加入 DFペク・インファン(18)←チョナンジェイル高校(韓国)/新加入 DF東廉太(19)←SC相模原/期限付き移籍より復帰 MF高宇洋(25)←アルビレックス新潟/完全移籍 MF安斎颯馬(21)←早稲田大学/新加入 MF荒木遼太郎(22)←鹿島アントラーズ/期限付き移籍 MF遠藤渓太(26)←ウニオン・ベルリン(ドイツ)/期限付き移籍 MF安田虎士朗(20)←栃木SC/期限付き移籍より復帰 MF品田愛斗(24)←ヴァンフォーレ甲府/期限付き移籍より復帰 MF原川力(30)←セレッソ大阪/完全移籍移行 FW小柏剛(25)←北海道コンサドーレ札幌/完全移籍 FW野澤零温(20)←松本山雅FC/期限付き移籍より復帰 【OUT】 GKヤクブ・スウォビィク(32)→コンヤスポル(トルコ)/完全移籍 DF木村誠二(22)→サガン鳥栖/期限付き移籍 DFペク・インファン(18)→ツエーゲン金沢/期限付き移籍 DF大森理生(21)→いわきFC/期限付き移籍 DF蓮川壮大(25)→清水エスパルス/期限付き移籍 DF岡庭愁人(24)→ジェフユナイテッド千葉/期限付き移籍 MF渡邊凌磨(27)→浦和レッズ/完全移籍 MF青木拓矢(34)→未定/契約満了 MF塚川孝輝(29)→京都サンガF.C./期限付き移籍 MFアルトゥール・シルバ(28)→大宮アルディージャ/完全移籍 MF西堂久俊(22)→鹿児島ユナイテッドFC/期限付き移籍 MF梶浦勇輝(20)→ツエーゲン金沢/育成型期限付き移籍延長 MF内田宅哉(25)→名古屋グランパス/完全移籍移行 FWアダイウトン(33)→ヴァンフォーレ甲府/完全移籍 FW熊田直紀(19)→ヘンク(ベルギー)/期限付き移籍 FWペロッチ(26)→シャペコエンセ(ブラジル)/期限付き移籍満了 2024.02.14 19:00 Wed
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