インドネシアがPK戦の末に韓国を下し4強入り! 韓国は10大会連続の五輪本大会出場を逃す…【AFC U-23アジアカップ】

2024.04.26 06:30 Fri
Getty Images
AFC U23アジアカップ準々決勝のU-23韓国代表vsU-23インドネシア代表が25日に行われ、2-2で120分が終了。その後、PK戦を11-10で制したインドネシアが準決勝進出を決めた。

3.5枠のパリ・オリンピック出場権を懸けたアジア最終予選となる今大会。上位3チームがストレートイン、4位チームがアフリカ予選4位のU-23ギニア代表との大陸間プレーオフに臨む。
U-23日本代表と同居したグループBを首位で通過した韓国と、グループAを2位で通過したインドネシアによる一戦。

試合は開始早々に韓国がネットを揺らす。7分、敵陣左サイドで獲得したFKから二次攻撃、三次攻撃を展開すると、ボックス外でボールを回収したイ・ガンヒがペナルティアーク右からミドルシュートを放つと、これがゴール左隅に突き刺さった。

このゴールで韓国の先制かと思われたが、VARの末に左FKのクリアボールをボックス外のキム・ドンジンが再びボックス内へ送った場面でオム・チソンのオフサイドを取られ、ゴールは取り消された。
VARに救われたインドネシアは15分、マルセリーノのロングシュートがイ・ガンヒに当たると、こぼれ球をボックス左手前で拾ったストライクが右足一閃。GKペク・ジョンボムは懸命に手を伸ばしたが、ボールはファーネットに突き刺さった。

その後は先制を許した韓国が押し込む展開が続くと前半終了間際の45分、右サイドを持ち上がったホン・シフのクロスをオム・チソンがダイビングヘッドで合わせると、トゥグにディフレクトしたボールがゴールに吸い込まれた。

このまま前半終了かと思われたが、インドネシアは追加タイムに勝ち越しに成功する。追加タイム3分、ジェナーのロングフィードに反応したストライクがボックス内で対応したイ・ガンヒと上手く入れ替わり、冷静にゴールネットを揺らした。

迎えた後半は一進一退の展開が続く中、韓国は60分にチャンス。ボックス右深くまで侵入したホン・シフの折り返しからカン・ソンジンがダイレクトシュートを放ったが、これはジェナーのスライディングブロックに阻まれた。

その後も攻勢を強める韓国だったが、68分に数的不利となる。自陣最終ラインでボール回すジャスティン・ハブナーの右足をイ・ヨンジュンがアフターで踏みつけてしまうと、最初はイエローカードが提示されたが、オンフィールドレビューの末にレッドカードに。

10人となったと韓国は、75分にホン・ユンサン、80分にチャン・シヨンを投入。すると84分、GKペク・ジョンボムのロングスローからカウンターを仕掛けると、ホン・ユンサンのラストパスに反応したチャン・シヨンがボックス左からゴール右隅にシュートを流し込んだ。

結局、試合は1-1のまま90分が終了。延長戦でも決着が付かずに迎えたPK戦では、両チーム5人全員が成功しサドンデスに突入。互いに6人目は失敗したが、その後は成功を重ね、決着が付いたのは12人目。

先攻の韓国はイ・ガンヒが右を狙ったシュートをGKエルナンドが見事な反応でストップ。そして、後攻のインドネシアはアルハンが冷静に右隅へシュートを決め、PK戦を制したインドネシアが、準決勝へ駒を進めた。

U-23韓国代表 2-2(PK:10-11) U-23インドネシア代表

【U-23韓国】
オウンゴール(前45)
チャン・シヨン(後39)
【U-23インドネシア】
ストライク(前15)
ストライク(前48)
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