C大阪が札幌との敵地戦で計4発! レオ・セアラ先制弾皮切りに加藤、喜田、香川【明治安田J1第18節】

2023.06.24 16:10 Sat
©︎J.LEAGUE
24日、明治安田生命J1リーグ第18節の北海道コンサドーレ札幌vsセレッソ大阪が札幌ドームで行われ、アウェイのC大阪が1-4で勝利を収めた。

後半戦最初の試合は8位vs6位の対決となった。ホームの札幌は前節のサガン鳥栖戦を1-1のドローで終えている。18日に行われたYBCルヴァンカップのジュビロ磐田戦も2-3で敗れ、公式戦2試合勝ちなしという状況。勝てばC大阪と勝ち点「29」で並ぶこともできるだけに、そろそろ勝利を収めたいところ。今節はケガの小柏がメンバー外となり、浅野が最前線に。スパチョークが今季初スタメンとなった。
対するC大阪も、18日に行われたYBCルヴァンカップのガンバ大阪戦を落としてしまったが、前節のヴィッセル神戸戦は18歳FW北野の決勝ゴールにより、2-1で勝利。リーグ戦2連勝を目指して今回の一戦に臨んだ。今節はここまで全試合に出場していた奥埜がメンバーから外れ、加藤が約1カ月ぶりとなる先発を果たした。

試合開始直後からスコアは動く。2分、C大阪の船木が左サイド裏のスペースにロングボールを送ると、加藤がこれに抜け出す。中央へのクロスにレオ・セアラが右足で合わせ、C大阪が幸先良く先制に成功した。

対する札幌もすぐにチャンスを作る。5分、札幌が左サイド深い位置でFKを獲得。ルーカス・フェルナンデスがクロスを入れると、混戦からボックス外の金子の前にボールがこぼれる。ダイレクトでシュートを放つと、ディフレクションしながらボールはクロスバーを直撃。惜しくもゴールとはならなかった。
一進一退の攻防が続く中、C大阪が追撃する。17分、高い位置から積極的にプレスをかけ、札幌のパスミスを誘発。加藤が相手のバックパスをカットすると、振り向きざまにミドルシュートを放ち、これがネットを揺らした。加藤はこれが今季3点目。久々のスタメン起用に応える形となった。

33分、札幌のルーカス・フェルナンデスが左サイドからゴールに迫る。ドリブルでボックス内に侵入すると、スパチョークのシュートのこぼれ球が再びルーカス・フェルナンデスのもとへ。右足のシュートがGKヤン・ハンビンの脇を抜けていったが、戻った船木がカバーし、ボールはゴールラインを割らず。結果的にルーカス・フェルナンデスのオフサイドではあったが、ゴールの可能性は感じさせた。

しかし、C大阪が追い打ちをかける。38分、左サイドからのクロスが右サイドまで流れると、香川がボールをキープ。サポートに来た味方に落とすと、右足のクロスがボックス内のクルークスへ。クルークスは上手く収めることができなかったが、ボックス手前へのこぼれ球に喜田が反応し、左足を思い切りよく振り抜く。このシュートがゴール左上へと突き刺さり、喜田にとっては嬉しいプロ初得点となった。

さらに41分、C大阪が再び高い位置からのプレスでボールを奪い、カピシャーバがネットを揺らす。しかし、これはオフサイドの判定でノーゴールとなった。

このまま試合を折り返すことになるかと思われた45分、札幌が反撃の狼煙を上げる。右CKを獲得すると、浅野のクロスに対してニアで荒野が頭で合わせ、2点差に詰め寄った。

互いに交代なしで迎えた後半。リードするC大阪が札幌ゴールに襲いかかる。53分、船木の左からのクロスに加藤が頭で合わせるも、これはクロスバーに阻まれる。さらに54分、ボックス手前の左ハーフスペースあたりでFKを獲得すると、クルークスが左足で直接ゴールを狙う。壁の外から巻いたシュートは、左ポストに直撃した。

決定打を欠く札幌は58分、DFの菅に代えてFWのキム・ゴンヒを投入。より攻撃的に配置も変更した。すると61分、右サイドの金子がカットインから左足でシュートを狙ったが、これはバーの上を越えた。

67分、C大阪は1ゴール1アシストの活躍を見せた加藤を下げ、マテイ・ヨニッチをピッチに送り出す。5バック気味の布陣に変え、早くも逃げ切り体勢に入った。

ボールを持つ札幌だがやはりゴールが遠く、74分には小林を投入してテコ入れを図る。しかし76分、C大阪が一瞬の隙をつく。前線へのロングボールにレオ・セアラが抜け出すと、右サイドへ流れてグラウンダーのクロスを中央へ送る。ボックス内まで走り込んだ香川がワンタッチのループシュートを冷静にゴールへ流し込み、ダメ押しの4ゴール目を奪った。

再び3点のリードを得たC大阪がうまく時間を進めながら試合を締めにかかる。最後まで札幌に追加点を許さず、試合は1-4のまま終了。C大阪が今季最多得点でリーグ戦2連勝とした。

北海道コンサドーレ札幌 1-4 セレッソ大阪
【札幌】
荒野拓馬(前45)
【C大阪】
レオ・セアラ(前2)
加藤陸次樹(前17)
喜田陽(前38)
香川真司(後31)
関連ニュース

Jリーグがサウジアラビアリーグとパートナーシップ協定/六川亨の日本サッカーの歩み

Jリーグは5月21日に第5回の理事会会見と、23年度のクラブ経営情報の開示を行った。理事会会見で注目したいのは、Jリーグとサウジアラビアのプロフットボールリーグ(SPL)が戦略的パートナーシップ協定を5月20日から25年12月31日まで結んだことだ。 「具体的な内容はこれから詰める」ものの、「フットボール水準の向上を目的とした人材交流」、「両リーグの成長と発展を目的としたワークショップ、ビジネスカンファレンスの開催、育成などに関する情報共有等」、「交流イベント、親善試合などを通じた国際交流」などが予定されている。 ただ、これまでJリーグはタイ、ベトナム、ミャンマー、カンボジア、シンガポール、インドネシア、マレーシアのプロリーグと協定を結んでおり、各国リーグの国籍を有する選手は試合エントリー時に外国籍選手ではないものと見なしてきた。東南アジアのレベルアップを図りつつ、ビジネスチャンスの拡大ととらえていたからでもある。 しかしサウジアラビアの国籍を有する選手はこれに該当しない。そもそも高給取りのサウジアラビアの選手がJリーグに来ることは考えづらいし、Jリーグの日本人選手やブラジル人選手を引き抜くことはあっても逆はまずないからだ。 そして今回の協定の一番の目的は、中東の盟主であるサウジアラビアとの関係強化に他ならないだろう。ご存知のようにサウジアラビアは2年後のU-23アジアカップ2026と、3年後の27年アジアカップ2027の開催が決定している(いずれも初の開催となる)。 これまでUAEやカタールはアジアカップを複数回、開催してきた。サウジアラビアがこれまで開催に手を挙げなかったのは、基準を満たすスタジアムがないからだった。ところがサウジアラビアは、27年のアジアカップだけでなく、34年のW杯開催にも立候補した。日本サッカー協会も23年10月19日の理事会で、34年W杯を招致しているサウジアラビアを支持すると表明した。 34年のW杯は日本も開催に名乗りをあげる予定だった。しかし34年のW杯では8万人以上収容のメインスタジアムの他に6万人収容が2つ、4万人収容のスタジアムも複数必要という条件があり、今年7月までに政府保証(日本の場合は閣議決定)と合わせて書類を提出する必要があった。 FIFA理事も務める田嶋幸三JFA名誉会長は「もう少し準備の時間があると思っていたが、あまりにも短く間に合わないと判断。ベースとなる基本のもの(スタジアム)がないため諦めざるをえない。時間をかけて環境整備を進めたい。機会はもう1回ある。今回はサウジ支持が一番近道になる」と2050年までに再びW杯を単独で開催するという目標に期待を込めた。 こうしたJFAとの思惑とも相まって、Jリーグはサウジアラビアとの戦略的パートナーシップ協定を結んだことは想像に難くない。過去にはクラブW杯のホストカントリーを務めた。来年スタートする新たなクラブW杯はアメリカで開催されるが、4年に1回の大会とはいえサウジアラビアが開催国に名乗りをあげる可能性は高いだろう。情報の収集や、親善試合への招待でビジネス面での効果も期待できそうな協定と言える。 <hr>【文・六川亨】<br/><div id="cws_ad">1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた</div> 2024.05.22 10:30 Wed

FC東京がG大阪戦でのイベントMCの変更を謝罪…コンプライアンス違反の動画を公開し出演取り消しに

FC東京は21日、イベントの出演者にコンプライアンス違反があったことを報告した。 クラブの発表によると、5月26日(日)に行われる明治安田J1リーグ第16節のガンバ大阪戦にて、「TOKYO DANCE DAY」としてマッチイベントを開催予定だった。 当初イベントのMCが発表されたが、その中の1人がコンプライアンスに違反する動画を公開。事実確認の上、イベントの出演の取り消しとなった。なお、その動画は既に削除されている。 4月25日にMCとしての出演で合意し、5月16日に情報解禁スケジュール(5月21日10時)が決定。しかし、問題の動画は5月20日の20時に公開。当該動画の公開を認識しないまま、クラブは予定通り情報解禁。1時間後の21日に11時に複数の関係者より当該動画についての指摘が入り、事実確認を行い、同日12日に動画削除依頼と出演取り消しを通知したという。 FC東京は今回の件に関して「このたびはご来場予定の方々やイベントを楽しみにされていたみなさまに不快な思いをさせてしまい、大変申し訳ございませんでした」と謝罪している。 【経緯報告】 4月25日 当該人物のMC出演について合意 5月16日 情報解禁スケジュールの決定(5月21日10:00) 5月20日(20:00) 当該動画公開 5月21日(10:00) 「TOKYO DANCE DAY」ヘッドラインニュース追記、公式SNSでの発信 ※情報解禁時点で当該動画の公開については認識できておりませんでした 5月21日(11:00) 複数の関係者より該当の動画についての指摘あり 5月21日(12:00) 先方に事実確認し、動画削除依頼と合わせて出演取り消しを通知 2024.05.21 22:58 Tue

町田戦大敗をポジション奪取のきっかけにできるか…広島戦臨む東京Vの山田剛&古川らが強い決意

FC町田ゼルビア戦での大敗から再起を誓う東京ヴェルディ。その敗戦から中2日で臨む公式戦に向け、虎視眈々とチャンスを窺う選手たちが意気込みを語った。 東京Vは19日、リーグ戦11試合無敗で臨んだ町田との東京クラシックで0-5の敗戦。同試合後、城福浩監督、主力選手が口々に「完敗」という言葉を語るなど、昨季J1昇格を争ったライバルとの明確な実力差を認めざるを得ず、16年ぶりのJ1の舞台において、まずまず順調な歩みを見せてきた緑の名門にとっては単なる1敗以上のショックが残る一戦となった。 その一方で、「チーム内競争というのが、J1を戦っていくなかで絶対に必要なものだと改めて感じた」と指揮官は語っており、ここまで出番が限られてきた控え選手にとって町田戦の敗戦はポジション奪取に向けた重要な契機となる。 そして、22日に味の素スタジアムで行われるJリーグYBCルヴァンカップ1stラウンド3回戦のサンフレッチェ広島戦に向けて城福監督は、「僕らが求めるものをやり続けている選手に、チャンスを与えるべき」と、先発11人を入れ替えて臨んだ前ラウンドの鹿児島ユナイテッドFC戦同様に、大幅なターンオーバーの可能性を明言した。 2人でリーグ戦10ゴールを挙げるFW染野唯月(4点)、FW木村勇大(6点)を挙げるレギュラー2トップが好調を維持する中、J1ではベンチ外が続き悔しい序盤戦となっているFW山田剛綺、FW古川真人は、この広島戦で“3人目”の主力FWとして台頭が求められるところだ。 関西学院大学から加入2年目の山田剛は、「やるしかない。それだけです」と、静かに闘志を燃やす。 「求められているのは、守備と結果のところなので貪欲にやるだけです。攻撃のところで、点を取るというところに関しては、やり続けているのでそこは出せればいいかなと思います。ペナルティエリアに入ったら、どこからでもワンタッチでシュートを打てる体勢作りもそうですし、トラップして、落ち着いて決め切るというところも含め、いろんなバリエーションで決める準備はしています」 一方、国士舘大学から加入1年目の古川は、「フォワードはひとつのチャンスをつかむどうかだと思いますし、その一発で自分の人生を変えられるようにやりたい」と、ストライカーとして目に見える結果を残したいと、ポジション奪取への強い思いを口にする。 「いつも準備はしているので、もし出番が来れば、その一発に懸けたいなという強い気持ちです。惜しくても決まらなかったら意味がないと思うので、1個のチャンスをつかみ取る力というのは前回のルヴァンが終わってからもずっとやってきています」 「(J1の強豪相手に)もしチャンスがあれば、そこで自分がどういうプレーができるかとか、いろいろな物差しにはなるだろうと思いますが、その基準がどうとかではなくトーナメントなので、試合に勝つことが全て。自分としてはその1個のチャンスを決め切りたい、そういう思いしかないです」 また、いわきFCからの新加入で、鹿児島戦で新天地デビューを飾ったMF永井颯太はチーム内で激戦区の左サイドハーフのポジション争いでアピールしたい選手の一人だ。 全体練習後の“エクストラ”と呼ばれる若手を中心とする個別、ユニット練習の中で森下仁志コーチから細かな指導を受けて成長を実感しつつ、DF千田海人やMF松橋優安といった徐々に序列を上げて立ち位置を掴んだチームメイトからの刺激をプラスに、この広島戦でチャンスを掴みたいと語る。 「自分はボールを受けてから何かするというタイプの選手だったと思いますが、やっぱり受ける前からもう勝負は始まっていて、いかにポジショニングだったり動きで、相手との駆け引きでどれだけ有利に立てるかというのはすごく指導していただいて、まだまだ全然できてないですけど、自分の中で新しい感覚を受けています」 「日々エクストラの厳しい練習をしているメンバーが試合に出るのを見ると、勇気をもらえるではないですけど、自分もやれるなとかいう気持ちもあると同時に、悔しさというのも感じます。同じ練習をしていたのに、先に進んでいるという感覚があるので、それはいい意味で刺激になっていると思うので、そこはプラスに捉えたいです」 「広島さんも強度が高いと思うので、その中でいかに自分の良さもそうですけど、チームとしてやるべきことをいかにできるかというのを示せればなと思います。(持ち味のドリブルで)1枚剥がすだけで局面というのは全然変わると思うので、その部分はチャレンジしていきたい」 「普段試合に出ていないぶん、町田戦がこういう結果になったので、すごくチャンスだというのはわかっているので、自分のサッカー人生を懸けてそのチャンスをつかみにいきたいです」 アカデミー出身であり、2016年からの加入でチーム最古参、今季から最年長となるDF平智広は、負傷の影響もあって前回の鹿児島戦で出番を得られずにいた中、この広島戦での今季初出場を目指す。 自身の現状に関しては「町田戦で負けたので、多少はまた競争力が高まるとは思っていますけど、自分の立ち位置としてはまだ低いのかなと思います」と、34歳のベテランらしく冷静に立ち位置を見極めている。 それでも、「流れが悪い時に修正ができていないことが、特に前半は多いので、ピッチの中で修正するきっかけ作りができればいい」、「自分のできることは限られていますけど、失点が多いので、チーム全体として失点を減らす部分、細かいところでの失点が続いているので、その中での試合中の声かけや未然に防ぐというのをもう少しできれば失点は減らせる」と、現状のセンターバック陣に欠けている部分でのチームへの貢献を意識する。 さらに、チームリーダーの一人として「町田戦の敗戦をきっかけに、またやり直そうというミーティングもしましたし、もうひとつ厳しさを持ってトレーニングをしていこうという部分で、今日もいいトレーニングができましたし、この敗戦があったからこそ、チームが良くなったと言えるようにチーム作りしていければなと思います」と、町田戦の敗戦をターニングポイントにチームとしての再起を誓った。 2024.05.21 20:55 Tue

大敗町田戦から悲壮な思いで再起誓う東京V…城福浩監督「今変われないと、今季は変われない…」

FC町田ゼルビア戦での大敗を受け、東京ヴェルディの城福浩監督が、「昨日の試合をターニングポイントにしなければいけない」と再起を誓った。 東京Vは19日、リーグ戦11試合無敗で臨んだ町田との東京クラシックで0-5の敗戦。敵地で完敗し、12戦ぶりの黒星を喫したチームは、今シーズン最多失点に加え、昨年6月4日のベガルタ仙台戦の0-2の敗戦以来、約1年ぶりとなる複数得点差での敗戦となった。 そのため、城福監督は試合後の会見で「完敗でした」、「この歴然とした差をどう埋めていくかが、我々のやるべきこと」とコメント。真摯に昨季J1昇格を争ったライバルとの実力差を認めた。 その厳しい敗戦から一夜明け、チームは22日に控えるJリーグYBCルヴァンカップ1stラウンド3回戦のサンフレッチェ広島戦に向けて再始動。 練習後にクラブハウスで行われた会見で城福監督は、「選手は我々の鏡なので、町田の選手にできて我々にできていないというのは、我々ができてないということ」と、自身の手腕やコーチングスタッフに対する厳しい自己批判を含め、「今日変われないと、たぶん今シーズンは変われない」と強い想いと共に再スタートを切った。 「(リーグ12戦ぶりの敗戦…)負けていなかったというのは、ほぼほぼ意識してなかったです。それよりも、この前の我々と町田さんの差ですよね。そこをどう埋めていくかというのは、これが自分に課されたタスクだなと思いました。昨日の試合をターニングポイントにしなければいけないので、このチームにとってあの試合があったからこそ、それこそ今日からの取り組みが変わらないといけないと思っていましたし、その前にまずスタッフが変わらなければいけないということで、かなり話し合いました」 「我々が本当に日本一のトレーニングと胸を張れる準備をしたのか、そういうアラートさを出したのかと、スタッフにもかなり厳しく、今までの仕事ぶりを振り返ってもらって、我々が変わらないと選手も変われないので、そこのところの確認と、選手にもチームにとっての大枠は変えないけど、規律と自由というところの枠組みをもう1回確認すること。我々のスタンダードを上げること。そのためには、ウォームアップから、今日のウォームアップから変えていこうと。スタッフがそれを見せるはずだからと言って送り出しました」 「今日変われないと、たぶん今シーズンは変われないと思います。昨日の負けを経験した翌日が変わらなかったら、このクラブは何も変わらない。ある意味で、今日のチャンスを逃したくないという思いでここに来ましたし、選手は今日だけではなくて今日からまた1個上のステージでの練習をするというつもりで、スタートしてくれました」 好調時に比べてこういったショックが残る大敗後は、悔しさや憤りを示す者、普段通りに黙々と仕事をこなす者、ショックを引きずる者、ここが序列を変えるチャンスだとギラギラした様子を見せる者と、選手個々のキャラクターを確認できる重要な場でもある。 その大敗翌日の選手たちの表情、姿勢について問われた指揮官は、「選手は僕をまず見ている」とまずは自身の振る舞いについて語った。 「1人1人と向き合って話をできたわけではないですけど、まずひとつは、おそらく選手は僕をまず見ています。今日の朝の僕の表情を見ていると思うし、このチームがどうなっていくんだろうというぐらいの大敗なので、不安感を持った選手もいるだろうし、ひょっとしたら切り替えた選手もいるだろうし。ここから先、チームをどう導いていくかというのは、自分の手腕が問われるところかなと思っています」 さらに、相手のクオリティの高さ、予算規模を含めたクラブとしての歴然とした差という外的要因に目を向けることなく、“矢印を自分に向ける”、その上で「膝を突き合わせる距離が近くなるようなチーム」にしていきたいと、ここからの巻き返しに向けた自身の考えを語った。 「大事なのは、できていなかったこと、できなかったことをしっかり受け入れて、それが過ちという言い方がいいか、まずは監督である自分ですが、選手もこれを受け入れて、次に繋げていくということが大事。矢印が自分に向かないというのが一番良くないと思う」 「矢印を自分に向けるチームにしたいし、それは些細なミスでもいいし、大枠のチームのやり方の中で、自分が何ができたかという見方でもいいですけど、失点シーンで自分が何ができたかという見方でもいいですけど、矢印がしっかり自分に向くことで、それをオープンにという言い方がいいか、お互いがまずは自分に矢印を向けた上で、お互いに意見を出し合ったり、間違いを指摘し合ったり、鼓舞し合ったりとか、そういう一皮むけたチームメイトの中での付き合い方ができるといいかなと…」 「そこは途上です。今、僕はこの機を逃したくないので、若いチームだからこそ、こういう大敗というのはいろんな動揺が出るので、ある意味チャンスだと思って、ひとつ膝を突き合わせる距離が近くなるようなチームになれるように過ごさせたいなと思います」 町田戦で露呈したチームとしての徹底度の差、それができた上での“型破り”と表現すべき、主に攻撃面でのユニット、個々の個性を最大限に表現するという、非常に困難な両立の部分では、「何かをやれば、急激に変わるのであれば、もう既にやっている」と一朝一夕にクリアできる問題ではないとし、やはり日々のトレーニングの向上が重要だと主張。 「僕らは徹底すべきところを徹底したのか、させられたのかということ。ただこれには、徹底するということを極めていけば、逆からすれば判断を奪うということになる。このさじ加減が僕らは常に悩むというか、落としどころというのが、我々の手腕が問われるところ。ただ、我々が徹底してほしいところを徹底できなかったのは、それこそ自分たちのウォームアップの仕切りからスタートしていると思っています。もうそこからウォームアップの次のパス&コントロールの集中のさせ方含め、そこの甘さが徹底をさせ切れない。そこの現象に至っていると思うので、全てにおいてコーチングスタッフも選手もやはり意識を変えるところが、まずひとつです」 「あとは徹底と判断の判断のところというのは、最後は我々が普段やっている水準の高さによって、より良い判断ができると思うので、そこはスタンダードを上げるというところが大事。競争のレベルを上げることもそうですし、練習の質のレベルを上げること。練習のパス1本に対して、ひょっとしたら選手にストレスかかるぐらい、我々は指摘するかもしれないと。ただ、なぜストレスかかるかと言えば、それは習慣になっていないからです。習慣になれば、おそらく我々も指摘することもなければ、ストレスがかかることもない。ただ、習慣になるまで我々は諦めずにそれをアプローチするし、それを我々ができなければ、このクラブは変われないと思います」 「相手は優勝争いをするバジェットのクラブだから、我々はどういうレベルの争いをするクラブだからというのを、果たしてそんな思考を俺らはするのかと選手に問いかけました。俺らが何を目指すんだと、昨日の試合のリベンジをしなくてどうすんだと、その気概は今日から持ち続けないといけないなと思います」 その“ターニングポイント”となる一戦から中2日で臨む古巣とのカップ戦に向けては、「僕らが求めるものをやり続けている選手に、チャンスを与えるべき」と、先発11人を入れ替えて臨んだ前ラウンドの鹿児島ユナイテッドFC戦同様に、大幅なターンオーバーの可能性を明言。 「練習だけやっている選手と、試合をやってそこから得たものをまた次に活かしていける場がある選手との差を埋めるというのは簡単ではない」とターンオーバーの弊害を認めながらも、「練習でやり続けている選手にチャンスを与えるということが、このチームにとっては高いレベルの競争のひとつのきっかけになる」と、町田戦後にも語ったチーム競争力の向上という明確な課題についての自身の考えを改めて語った。 「非常にインテンシティの高さと、相手の隙を突いていくような、ゴールに直結するようなプレーを表現できるチーム」と高く評価する古巣に対しては、「タイトルを取りに来ている強豪に打ち勝つぐらいではないと、胸を借りるぐらいのつもりで行ったら、また大敗する。何とかこっちに勝ちを手繰り寄せるぐらいの難しい時間があるのだったら、そこを全員で耐え切る中で、終盤に勝負に持ち込むぐらいのタフなメンタルを持たないと、なかなか勝負にならない」と難しい展開を予想。 それでも、「まずここを抜ければ、ルヴァンのプレーオフのホーム&アウェイができる。我々が競争力を上げる、選手層を厚くしていくという意味では、ここは絶対抜けたい」と、クラブとして再起を図る一戦での勝利を誓った。 2024.05.21 20:00 Tue

Jリーグが「審判員の懲戒処置に明らかな誤りがあった場合」のルール決定…25日から導入

Jリーグは21日、同日の理事会にて規律委員会における「審判員の懲戒処置に明らかな誤りがあった場合」の取り扱いに関するルールが決定したと発表した。 国際サッカー連盟(FIFA)ならび、アジアサッカー連盟(AFC)規律委員会の権限において「明らかな懲戒処置の誤りを修正する」と明記されており、AFCをはじめ、海外リーグにおいても同様のルールを運用していることから、5月25日からの導入が決まったという。 Jリーグ規律委員会による懲罰の運用に関して、審判員の懲戒処置に明らかな誤りがあった場合、懲罰を科さないこととし、詳細は次のとおり。 ◆対象 懲罰を科さない場合とは、競技規則第12条第3項〔退場となる反則〕に定める違反行為のうち、以下に定める行為に該当するものとして主審が退場を命じたにもかかわらず、主審が命じた当該退場の懲戒処置に『明らかな』誤りがあった場合を指す。 (1)ハンドの反則を行い、相手チームの得点または決定的な得点の機会を阻止する(自分のペナルティーエリア内でゴールキーパーが手や腕でボールに触れた場合を除く)。 (2)フリーキックで罰せられる反則を行い、全体的にその反則を行った競技者のゴールに向かって動いている相手競技者の得点または決定的な得点の機会を阻止する(以下の「得点または決定的な得点の機会の阻止」に規定される警告の場合を除く)。 (3)著しく不正なプレーを行う。 (4)人をかむ、または人につばを吐く。 (5)乱暴な行為を行う。 (6)攻撃的な、侮辱的な、もしくは下品な発言をする、または行動をとる。 (7)ビデオオペレーションルーム(VOR)に入る。 ・その他 懲罰を科さないことを決定した場合、公式記録および反則ポイントの運用は以下とする。 (1)公式記録の訂正は行わない (2)反則ポイントは加算しない ※参考:競技規則第12条第3項〔懲戒処置〕抜粋 ・主審は、試合前の競技のフィールド点検のために競技のフィールドに入ったときから試合(PK戦(ペナルティーシュートアウト)を含む)の終了後に競技のフィールドを離れるまで、懲戒処置をとる権限をもつ。 ・試合開始のため競技のフィールドに入る前に競技者またはチーム役員が退場となる反則を行った場合、主審は、その競技者またはチーム役員を試合に参加させない権限を持つ(第3条6項を参照)。主審は、その他の不正行為について報告する。 ・競技のフィールドの内外にかかわらず警告もしくは退場となる反則を行った競技者またはチーム役員は、その反則に従って懲戒される。 ・イエローカードは警告されたことを知らせるため、レッドカードは退場が命じられたことを知らせるために用いられる。 ・競技者、交代要員、交代して退いた競技者またはチーム役員のみにレッドカードまたはイエローカードを示すことができる。 2024.05.21 17:45 Tue
NEWS RANKING
Daily
Weekly
Monthly