Jリーグと専門家がガンバ大阪のクラスター発生を分析、課題は「ロッカールーム」と「移動中バスのトイレ」

2021.03.22 21:05 Mon
©超ワールドサッカー
Jリーグと日本野球機構(NPB)は22日、「第28回 新型コロナウイルス対策連絡会議」を実施した。

Jリーグはすでに開幕から約1カ月が経過しようとしており、プロ野球もオープン戦の全日程が終了し、開幕を待つ状態となった。
さらに、サッカーでは日本代表の試合が2019年11月以来となる国内で開催。対戦国や海外でプレーする選手の入国に関しては、日本政府から特別な措置を取られる許可を得ることとなった。

一方で、Jリーグではガンバ大阪でクラスターが発生。合計8名の選手とスタッフが感染する事態となり、すでに6試合が中止となっていた。

今回の対策連絡会議では、ガンバ大阪の事例についても分析結果が共有されたといい、疫学の専門家よる調査結果が共有されたようだ。
専門家チームの座長を務める賀来満夫氏(東北医科薬科大学医学部・感染症学教室特任教授)は「ガンバ大阪の今回の感染者発生については、疫学の先生、地域アドバイザーの先生が、ガンバ大阪のチームに入り、チームドクターや関係者の方々とかなり詳細に議論し、疫学調査も実施しました」とコメント。その中で、2つの問題点が指摘されたという。

賀来先生は「その内容が今日提示されましたが、1つはロッカールームです。プロ野球もJリーグもロッカールームは狭く、試合の緊張感から解けて、色々会話が弾んだりすることもあります。1つの感染の可能性はロッカールームの換気があまり良くなかったのではないか。またはマスクの着用がしっかりできていなかったかもしれない」とコメント。ついマスクなしでの会話などが行われやすい場所であると指摘。「マニュアル上はしっかりと書かれていますが、守られていなかったのではないかということがリスクとして共有されました」と、リスクがある可能性を指摘した。

またもう1つについては「あとは、移動の中で、特にバス移動でトイレを使ったりしますが、非常に狭いです。トイレのリスク、多くの方が共有することになるので、トイレに関しては十分に注意して、パーキングエリアのトイレを使うようにしてほしいという話があった」とコメント。移動中のバスでのトイレ使用が可能性の1つとしてあげられた。

また、検査についても言及され「PCR検査も課題があり、陰性確認があった後に陽性になることがあります。色々な数値があるが、まだまだ難しいところがある」と検査も100%ではないとコメント。「感染のリスクが共有できたこと、これから先、ロッカールームを含めて、もう1度見直し、移動の見直し、検査体制についても、今後継続的に議論していきましょうという話になりました」と語った。

なお、G大阪自体はしっかりと感染対策を行っていたとし、「チームドクターを含めてしっかりとやられていて、疫学の先生もしっかりと準備をしていながらも、盲点があると。新型コロナウイルスの難しさがあるという議論がされました」と語り、今回の新型コロナウイルス自体が難しい感染症であることを再確認できたと語った。

また、Jリーグの村井満チェアマンもこの件について言及。「今回のガンバ大阪の事例に関して、疫学のプロフェッショナルの皆様が、都合8名の陽性者に対する感染ルートの推測を行っていただきました」と感染ルートとして想定できるものを提示されたとコメントした。

「今回の事案の難しさは、ガンバ大阪は初発事例があった後、のべ6回に渡ってPCR検査を行っていきますが、最初の1回、2回は陰性でしたが、後半になって陽性が出てくる。もしくは無症状だけども、後発的に微熱など症状が出てくるということがある」

「そうした時系列の中で、段階的に発生することを後追いしていただいたので、解析が非常に困難を極めるということがありました」と、解析が困難を極めたことを報告した。

今後の対策についても言及し、「反省点に関しては、基本中の基本。ロッカールームでの会話、試合前にはマスクをしてロッカールームに入るわけですが、ゲームとロッカールームの転換点ではマスクが外されていたような状況もあります」とコメント。さらに、「バスの移動等でも本当であればパーキングエリアで用をたすべきなんですが、バスのトイレを利用することがリスクに晒される可能性があった。細かいことに踏み込んでご助言いただきました」とし、ちょっとしたことであっても感染リスクがあることを痛感したとコメント。「ロッカールームは施設の関係で、換気性能が低い可能性もありますが、そこでも配慮した十分な対応を求めた次第です」とし、より一層気を配る必要があると語った。
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