代表もACLも渡航には2週間の隔離措置?/六川亨の日本サッカー見聞録
2020.09.11 10:30 Fri
「あらゆる可能性を探っています。10月、11月と活動したい!」
そう力説したのはJFA(日本サッカー協会)の須原専務理事だった。9月10日、JFAの定例理事会後の記者会見で、日本代表の活動について「まだ正式発表はできませんが、最終調整中で、近々に発表できる」とも話していた。
気になるのはその活動場所だ。
別の記者からは、ACLの残り試合が海外で開催される場合や、日本代表の活動が海外になった際の渡航について質問が出た。
須原専務理事の答は「現状は世の中の方々と同じです。国よって渡航できるかどうか。渡航してから2週間の隔離があるかどうか。スポーツ選手も例外は許されていません。ACLも代表も、制約を前提に考えています」とのことだった。
となると以前も報道にあったように、海外組だけで、ヨーロッパでキャンプをする可能性の方が高いだろう。すでにヨーロッパ各国ではネーションズリーグも始まっていて、ポルトガル、フランス、ベルギーが2連勝と好スタートを切った。日程さえうまく合えば試合も可能かもしれないし、そうなったら是非ともテレビで中継して欲しいところ。久保や南野のプレーは誰もが見たがっているはずだ。
一方、いまだハッキリしないのがACLの開催場所だ。東地区の日程を変更し、グループステージの残り試合から決勝までを11月15日から12月13日に開催すると10日に発表された。しかし東地区の詳細な開催場所・スタジアムはいまだアナウンスがない。
そしてこの日程では、当然のことながらJリーグも佳境を迎えているわけで、これに2週間の隔離が伴うようであれば参加を辞退するのは当然だろう。なぜJFAを始め韓国や中国、オーストラリアが大会の中止を働きかけないのか不思議でならない。それとも棄権したらペナルティーなどが生じるから、AFCが自ら断念するのを待っているのだろうか。
いずれにしても、こちらは今後の状況を静観するしかなさそうだ。
さて話は変わり、今年の殿堂掲額者が決まった。例年ならもっと早くに掲額者が決まり、9月10日に掲額式が開催されるのだが、今年は新型コロナの影響で式次第そのものが中止になった影響もあったのだろう。
すでに報道されているように、投票選考で木村和司氏、特別選考で元日本代表監督のフィリップ・トルシエ氏が選出された。
木村氏は1985年10月26日のメキシコW杯アジア最終予選、国立競技場で開催された韓国戦の直接FKが伝説となっている。しかしそのシュートも35年も前の出来事になった。彼を始め、日本サッカー界のレジェンドを紹介する際は、そのプレーも映像で流してほしいものだ(権利関係など細かいことは抜きにして)。
ちなみにこの殿堂入り、投票選考は75パーセント以上を獲得しなければならない。今年は碓井博行氏(藤枝東高、早大、日立でプレーした大型FW)、金田喜稔(天才的ドリブラー)、原博実氏(アジアの核弾頭と言われたFWで現Jリーグ副チェアマン)、木村氏に加え、水沼貴史氏(浦和南高、法大、日産、横浜Mで活躍したFW)が新たに加わった。
碓井氏、金田氏、原氏、木村氏の4氏は昨年も投票の対象だったものの、75パーセントの得票に届かなかったため、今年に持ち越しとなった。代わりに昨年は特別選考として西野朗氏、岡田武史氏、佐々木則夫氏の3氏が選出されたが、これはこれで誰も文句は言えない選考結果だろう。
この殿堂掲額、今年で17回目を迎え、2018年の加藤久氏、ラモス瑠偉氏からJリーガーが対象になった。今後は黎明期を支えたJリーガーが候補になるのだろう。どんな名前があがるのか、それはそれで楽しみである。
【文・六川亨】
1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた
そう力説したのはJFA(日本サッカー協会)の須原専務理事だった。9月10日、JFAの定例理事会後の記者会見で、日本代表の活動について「まだ正式発表はできませんが、最終調整中で、近々に発表できる」とも話していた。
別の記者からは、ACLの残り試合が海外で開催される場合や、日本代表の活動が海外になった際の渡航について質問が出た。
須原専務理事の答は「現状は世の中の方々と同じです。国よって渡航できるかどうか。渡航してから2週間の隔離があるかどうか。スポーツ選手も例外は許されていません。ACLも代表も、制約を前提に考えています」とのことだった。
国内組の日本代表候補はGK大迫(広島)と中村(柏)に、有力なのは川崎Fの田中、旗手、三笘、FC東京のDF渡辺、浦和DF橋岡あたりだろう。しかし2週間も隔離されるなら、クラブが招集を認めるとは思えない。
となると以前も報道にあったように、海外組だけで、ヨーロッパでキャンプをする可能性の方が高いだろう。すでにヨーロッパ各国ではネーションズリーグも始まっていて、ポルトガル、フランス、ベルギーが2連勝と好スタートを切った。日程さえうまく合えば試合も可能かもしれないし、そうなったら是非ともテレビで中継して欲しいところ。久保や南野のプレーは誰もが見たがっているはずだ。
一方、いまだハッキリしないのがACLの開催場所だ。東地区の日程を変更し、グループステージの残り試合から決勝までを11月15日から12月13日に開催すると10日に発表された。しかし東地区の詳細な開催場所・スタジアムはいまだアナウンスがない。
そしてこの日程では、当然のことながらJリーグも佳境を迎えているわけで、これに2週間の隔離が伴うようであれば参加を辞退するのは当然だろう。なぜJFAを始め韓国や中国、オーストラリアが大会の中止を働きかけないのか不思議でならない。それとも棄権したらペナルティーなどが生じるから、AFCが自ら断念するのを待っているのだろうか。
いずれにしても、こちらは今後の状況を静観するしかなさそうだ。
さて話は変わり、今年の殿堂掲額者が決まった。例年ならもっと早くに掲額者が決まり、9月10日に掲額式が開催されるのだが、今年は新型コロナの影響で式次第そのものが中止になった影響もあったのだろう。
すでに報道されているように、投票選考で木村和司氏、特別選考で元日本代表監督のフィリップ・トルシエ氏が選出された。
木村氏は1985年10月26日のメキシコW杯アジア最終予選、国立競技場で開催された韓国戦の直接FKが伝説となっている。しかしそのシュートも35年も前の出来事になった。彼を始め、日本サッカー界のレジェンドを紹介する際は、そのプレーも映像で流してほしいものだ(権利関係など細かいことは抜きにして)。
ちなみにこの殿堂入り、投票選考は75パーセント以上を獲得しなければならない。今年は碓井博行氏(藤枝東高、早大、日立でプレーした大型FW)、金田喜稔(天才的ドリブラー)、原博実氏(アジアの核弾頭と言われたFWで現Jリーグ副チェアマン)、木村氏に加え、水沼貴史氏(浦和南高、法大、日産、横浜Mで活躍したFW)が新たに加わった。
碓井氏、金田氏、原氏、木村氏の4氏は昨年も投票の対象だったものの、75パーセントの得票に届かなかったため、今年に持ち越しとなった。代わりに昨年は特別選考として西野朗氏、岡田武史氏、佐々木則夫氏の3氏が選出されたが、これはこれで誰も文句は言えない選考結果だろう。
この殿堂掲額、今年で17回目を迎え、2018年の加藤久氏、ラモス瑠偉氏からJリーガーが対象になった。今後は黎明期を支えたJリーガーが候補になるのだろう。どんな名前があがるのか、それはそれで楽しみである。
【文・六川亨】
1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた
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