西岡明彦MC「僕は黒子」『Foot! MONDAY』は「勝った負けただけではない情報を」《Foot!×超WSコラボ企画》
2016.11.21 21:00 Mon
▽今週の月曜から金曜にわたってお届けするFoot!×超WSコラボ企画。初日となる本日は、『Foot! MONDAY』のMCを務める西岡明彦氏にインタビュー。アナウンサーを志したキッカケや実況の仕事におけるこだわり、『Foot! MONDAY』の魅力などをうかがった。(※インタビューは11月7日に実施)
「大学の就職活動のときにスポーツにかかわる仕事をしたかったんです。漠然としていたんで、スポーツメーカーとか新聞記者かなと考えていました。テレビ局は最初、そんなに(志望する意思が)なかったんです。というのも、テレビ局でスポーツにかかわるセクションがよく分からなくて、新聞記者であれば、番記者のように、なんとなく選手と一緒にやっているのもテレビで感じることができますけどね」
「もしかしたらアナウンサーというポストがスポーツに関われるかもしれないということは大学3年のときに調べて、アナウンサーは報道の人とスポーツの人とで部署に分かれるので、テレビ局に入っても異動はそんなにないんです。普通にテレビ局入ると、いろんな部署がありますが、アナウンサーはアナウンサーでいる限り異動しないんです。ということを考慮すると、テレビ局にディレクターでいっても、何年かすれば異動する中で、良いかもなと思ったんです」
「何にも分からなかったので結果的には良かった。入念に調べたりするタイプではないので、思い付きで、もしかしたらスポーツにかかわれる仕事があるかもと思ったんです。そこから友達と入社試験を受けてという感じですね」
――そこから広島ホームテレビに入社され、サッカーが主業になりました
「もともと東京のテレビ局の最終試験に落ちて、どうしてもアナウンサーというわけでもなかったので、やはり狭き門だし難しいかなと思っていたんです。他に就職しようと思っていたんです。落ちたのはテレビ朝日だったんですが、そこの(当時の)アナウンス部長さんから連絡があって、就職試験の時期から遅れていたんですが、「広島で欠員があるから行くか?」と言われたんです。スポーツでやれる局を探しているということを伝えたら、広島ホームテレビはスポーツアナウンサーを探していたんですよね。広島に6年いて、カープも担当しましたけどサンフレッチェの方が好きになったんで、サッカーによりかかわりたいと感じるようになりましたね」
「技術的なことで言えばキリがありませんが、視聴者の方が違和感なく、ということですね」
――西岡さんは解説者を生かすのが特長だとも感じます
「他の実況の方がどうかというのは分かりませんが、結局、今は有り難いことにアナウンサーが誰かということを気にしてくださるような時代です。でも、昔はそんなことはあまりなかったと思うんです。僕らは黒子なので。試合がメインで、その次が解説だと思うんですけど、今は誰が実況を担当するかということも話題にしてくださる」
「それは有り難いんですけど、例えば、『今のプレー良いですね』というのを僕が言うのと、元日本代表選手が言うのとでは、やはり重みが違います。極力、僕は解説の方に話してもらいたい。黒子になること。『こんなに試合見ているから、僕の方が詳しいよ』みたいにやるのは、好きではないです」
「解説でコンビを組む方にたくさん話もしていただくことや、いろんなことを引き出す方が、やりがいを感じます。僕はあまり自分で前に出るタイプではないと感じているので、そこはこだわりというか、解説の方を立てることや状況に応じて多くのことを話してもらうこと(を大事にしている)」
「それから、例えば、ボールを追わずに、ケガの情報などを入れたりするのは試合中にも必要ですが、肝心のゴール前でそのようなことを言っていると、視聴者の方も冷めちゃいます。そのバランスというのは、その競技をどれだけ理解しているかとか、今その話をして良いのかどうか」
「ボールが止まるスポーツと止まらないスポーツの違いもあると思うのですが、例えば野球とかアメリカンフットボールは止まりますよね。野球ではキャッチャーがピッチャーにボールを戻すときは、極端な話、何しても良いんですよ。サッカーは、そういう時間がないんですよね。タッチラインを割ったときは(少しありますが)、そこで何を言えばいいのか。そこは、その競技の知識のレベルが求められるし、今何の話をしていいのかということをずっと考えなければならない。それに加え、解説者の方の話も引き出す必要があります。もちろん他の実況の方も考えてやられていると思いますが、そのあたりはこだわりとも言えますかね」
「1番は見ている方が気持ちよく、その会場に行っているかぐらいに入り込めるような雰囲気をモニター越しでもつくれるかどうか。気持ちが入っているのに、『そこでその話じゃないでしょ』みたいな感覚になると冷めちゃいますから。そうならないようにというのが1番です」
――アーセナルファンとして知られています。サポーターになられたキッカケを教えてください
「僕は別にサポーターではないですよ(笑)。アーセナルは、広島ホームテレビを退社してロンドンに行ったときに1番学んだチームというか、通ったチームなんです。ヴェンゲルさんは、僕の出身地の名古屋(グランパス)にいましたし。Jリーグの監督がアーセナルに行ってというところなど色んなことがあり、その縁で見に行っていました」
「それが(同じロンドンの)チェルシーだったかもしれないし、スパーズだったかもしれない。家から近かったのと、行きやすかったのと、知っているヴェンゲル監督が名古屋から行ったというのが1番です。だから、『絶対に勝ってほしい』というファンとかサポーターとはまた少し違うという感じはします。好きな人は毎試合、結果も内容もそうですけど、一喜一憂しますよね。ゴール裏に行きたいというような感覚とは違うと思います」
――お忙しいと思いますが、お休みのときはどのように過ごされていますか
「サラリーマンとは違って休みがあるようでない、というか、これだけ世の中に映像も溢れていて、『先週のこのチームのこと知りません』というのが許されなくなってきているので、それこそ週末にプレミアリーグを実況する場合は、両チームの前の試合を見ることが必要なんですよね。2試合実況するなら4試合です。リラックスをどこまでしているかと言われれば…(笑)。シーズン中は常に宿題に追われている感じです」
「唯一、月曜日のFoot!収録が終わって、明日(火曜日)の午前中ぐらいはゆっくり…というところです。でも、これを仕事にできている幸せは有り難いというか、世の中の有料放送がこれだけ普及して、視聴してくださる方がいることで僕らは成り立っているので」
「サラリーマンではないので、テレビ局を辞めてイングランドに行って帰ってきて、仕事をしたいけどその環境がない、声がかからないという仕事がないときの辛さも経験しているので。仕事がなくて待っている状況に比べれば、仕事に追われている今の方がよほど充実していますよ。試合がたくさんあって辛いとかはまったく思いません。それだけ見てくださる方がいる、世の中がそのような時代で全然、なんとも思いません」
――最後に『Foot! MONDAY』の魅力を教えてください
「5日間のFoot!の中では1番、映像も使ってプレミアリーグとブンデスリーガを振り返る。土日でみなさん、時間ある限り試合を見てくださると思うんですが、もちろん見きれない試合もたくさんあると思います。その試合がどうだったのかという普通のハイライトとは違って、『前後にあったことを含めて試合があって、この試合ではこのようなことが起こりました』ということも含めて、深く掘り下げていきたい。勝った、負けただけではない情報もできる限り入れたいですね。見ておけばチームの現状が分かるようなコメントをするように工夫しています」
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――アナウンサーを志したキッカケとその経緯を教えてください「大学の就職活動のときにスポーツにかかわる仕事をしたかったんです。漠然としていたんで、スポーツメーカーとか新聞記者かなと考えていました。テレビ局は最初、そんなに(志望する意思が)なかったんです。というのも、テレビ局でスポーツにかかわるセクションがよく分からなくて、新聞記者であれば、番記者のように、なんとなく選手と一緒にやっているのもテレビで感じることができますけどね」
「何にも分からなかったので結果的には良かった。入念に調べたりするタイプではないので、思い付きで、もしかしたらスポーツにかかわれる仕事があるかもと思ったんです。そこから友達と入社試験を受けてという感じですね」
――そこから広島ホームテレビに入社され、サッカーが主業になりました
「もともと東京のテレビ局の最終試験に落ちて、どうしてもアナウンサーというわけでもなかったので、やはり狭き門だし難しいかなと思っていたんです。他に就職しようと思っていたんです。落ちたのはテレビ朝日だったんですが、そこの(当時の)アナウンス部長さんから連絡があって、就職試験の時期から遅れていたんですが、「広島で欠員があるから行くか?」と言われたんです。スポーツでやれる局を探しているということを伝えたら、広島ホームテレビはスポーツアナウンサーを探していたんですよね。広島に6年いて、カープも担当しましたけどサンフレッチェの方が好きになったんで、サッカーによりかかわりたいと感じるようになりましたね」
――サッカー中継において大事にしていることやこだわりを教えてください
「技術的なことで言えばキリがありませんが、視聴者の方が違和感なく、ということですね」
――西岡さんは解説者を生かすのが特長だとも感じます
「他の実況の方がどうかというのは分かりませんが、結局、今は有り難いことにアナウンサーが誰かということを気にしてくださるような時代です。でも、昔はそんなことはあまりなかったと思うんです。僕らは黒子なので。試合がメインで、その次が解説だと思うんですけど、今は誰が実況を担当するかということも話題にしてくださる」
「それは有り難いんですけど、例えば、『今のプレー良いですね』というのを僕が言うのと、元日本代表選手が言うのとでは、やはり重みが違います。極力、僕は解説の方に話してもらいたい。黒子になること。『こんなに試合見ているから、僕の方が詳しいよ』みたいにやるのは、好きではないです」
「解説でコンビを組む方にたくさん話もしていただくことや、いろんなことを引き出す方が、やりがいを感じます。僕はあまり自分で前に出るタイプではないと感じているので、そこはこだわりというか、解説の方を立てることや状況に応じて多くのことを話してもらうこと(を大事にしている)」
「それから、例えば、ボールを追わずに、ケガの情報などを入れたりするのは試合中にも必要ですが、肝心のゴール前でそのようなことを言っていると、視聴者の方も冷めちゃいます。そのバランスというのは、その競技をどれだけ理解しているかとか、今その話をして良いのかどうか」
「ボールが止まるスポーツと止まらないスポーツの違いもあると思うのですが、例えば野球とかアメリカンフットボールは止まりますよね。野球ではキャッチャーがピッチャーにボールを戻すときは、極端な話、何しても良いんですよ。サッカーは、そういう時間がないんですよね。タッチラインを割ったときは(少しありますが)、そこで何を言えばいいのか。そこは、その競技の知識のレベルが求められるし、今何の話をしていいのかということをずっと考えなければならない。それに加え、解説者の方の話も引き出す必要があります。もちろん他の実況の方も考えてやられていると思いますが、そのあたりはこだわりとも言えますかね」
「1番は見ている方が気持ちよく、その会場に行っているかぐらいに入り込めるような雰囲気をモニター越しでもつくれるかどうか。気持ちが入っているのに、『そこでその話じゃないでしょ』みたいな感覚になると冷めちゃいますから。そうならないようにというのが1番です」
――アーセナルファンとして知られています。サポーターになられたキッカケを教えてください
「僕は別にサポーターではないですよ(笑)。アーセナルは、広島ホームテレビを退社してロンドンに行ったときに1番学んだチームというか、通ったチームなんです。ヴェンゲルさんは、僕の出身地の名古屋(グランパス)にいましたし。Jリーグの監督がアーセナルに行ってというところなど色んなことがあり、その縁で見に行っていました」
「それが(同じロンドンの)チェルシーだったかもしれないし、スパーズだったかもしれない。家から近かったのと、行きやすかったのと、知っているヴェンゲル監督が名古屋から行ったというのが1番です。だから、『絶対に勝ってほしい』というファンとかサポーターとはまた少し違うという感じはします。好きな人は毎試合、結果も内容もそうですけど、一喜一憂しますよね。ゴール裏に行きたいというような感覚とは違うと思います」
――お忙しいと思いますが、お休みのときはどのように過ごされていますか
「サラリーマンとは違って休みがあるようでない、というか、これだけ世の中に映像も溢れていて、『先週のこのチームのこと知りません』というのが許されなくなってきているので、それこそ週末にプレミアリーグを実況する場合は、両チームの前の試合を見ることが必要なんですよね。2試合実況するなら4試合です。リラックスをどこまでしているかと言われれば…(笑)。シーズン中は常に宿題に追われている感じです」
「唯一、月曜日のFoot!収録が終わって、明日(火曜日)の午前中ぐらいはゆっくり…というところです。でも、これを仕事にできている幸せは有り難いというか、世の中の有料放送がこれだけ普及して、視聴してくださる方がいることで僕らは成り立っているので」
「サラリーマンではないので、テレビ局を辞めてイングランドに行って帰ってきて、仕事をしたいけどその環境がない、声がかからないという仕事がないときの辛さも経験しているので。仕事がなくて待っている状況に比べれば、仕事に追われている今の方がよほど充実していますよ。試合がたくさんあって辛いとかはまったく思いません。それだけ見てくださる方がいる、世の中がそのような時代で全然、なんとも思いません」
――最後に『Foot! MONDAY』の魅力を教えてください
「5日間のFoot!の中では1番、映像も使ってプレミアリーグとブンデスリーガを振り返る。土日でみなさん、時間ある限り試合を見てくださると思うんですが、もちろん見きれない試合もたくさんあると思います。その試合がどうだったのかという普通のハイライトとは違って、『前後にあったことを含めて試合があって、この試合ではこのようなことが起こりました』ということも含めて、深く掘り下げていきたい。勝った、負けただけではない情報もできる限り入れたいですね。見ておけばチームの現状が分かるようなコメントをするように工夫しています」
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