「優勝の可能性が最も高いのはリバプール」『Foot! MONDAY』の西岡明彦MCが今季のプレミア覇権争いを予想《Foot!×超WSコラボ企画》
2016.11.21 19:00 Mon
▽今週の月曜から金曜にわたってお届けする『Foot!』×『超ワールドサッカー』コラボ企画。初日となる本日は、『Foot! MONDAY』のMCを務める西岡明彦氏のインタビュー。第11節を終えて上位4チームが2ポイント差にひしめくプレミアリーグの今シーズンの覇権争いを予想してもらった。(※インタビューは11月7日に実施。成績は第11節終了時点)
「攻撃のタレントが元々いるところに、サディオ・マネやワイナルドゥムあたりをピンポイントで補強できました。クロップとフロントがチームにフィットするタレントをうまく探して獲得できましたね。昨シーズンからつなぐことを重視していたんですけど、今シーズンはそれにプラス、縦に速いフットボールができています。全員で走ることができているし、ある程度、やり方も整理されました。選手たちが明確にプレーできています」
「あとはヨーロッパのカップ戦がないので、準備がしやすい点も本命に推した理由です。総合的に考慮すると、今の流れが良いというだけではなく、長いシーズンで見てもうまく回していけるのではないかと思います」
――リバプールのここまでの総得点は30得点。リーグ最多です
「そこはフィルミーノやコウチーニョの調子の良さがありますね。コンディションが落ちる時期もあると思いますが、それでもコウチーニョあたりも波が大きいタイプではないですから。フィルミーノもそうです。チームが彼らに依存し過ぎているというわけでもありません。例えばトッテナムだと、ハリー・ケイン。彼がいなくなると点が取れなくなってしまう。フィルミーノやコウチーニョが離脱すれば痛いですが、休んだとしてもやれるのではないかなと思います」
――セネガル代表のS・マネは1月のアフリカネーションズカップ参加で離脱してしまいます
「それでも、ララナを一つ前のウイングポジションで起用することも可能です。選手層が厚いかと言われればそうでもないですが、十分に回せると思いますね。安定感、そして強烈に個に頼り過ぎないところ、ヨーロッパの(大会に出場する)負担がないというところから、優勝の可能性が最も高いと思います」
――リバプール優勝へのキーマンは誰でしょう
「ヘンダーソンです。ジェラード以降のチームのキャプテンとしてのまとめ役ですよね。勝つチーム、過去を見ても大体、タイトル獲るようなチームは能力だけでなくチームをまとめる選手がいます。アーセナルがタイトルを獲れないのはその点があるだろうし、昨シーズンのレスターで言えばヴァーディーもそういうタイプ。優勝が決まる試合日に自分の自宅にみんなを呼ぶことは、なかなかないことですしね。オフをもらってみんなで旅行に行くとか、普通のプロチームではあまりないことだと思います。レスターの規模だからというとこはあるかもしれないですけど、そういうまとめ役が必要です。それをやれる性格、監督からの信頼があっても試合でベンチだったらなれないと思いますが、それは監督が信頼して使っているということと、メンタリティですね。彼がうまくやればハマると感じます」
――対抗○は現在4位のアーセナル(勝ち点24)です。2003-04シーズンから優勝が遠ざかっていますが
「中盤と最終ラインにそれなりの補強ができました。最近のシーズンではそこそこの選手、一流とはいかないまでも、というぐらいの選手でやろうとして、攻撃力で補おうという形でした。それでうまくいかずに、移籍金もある程度使ってムスタフィ、ジャカあたりを獲った。勝ちへのこだわりが見られて、やっとセンターラインが揃ってきたなという感覚です。今までは良い攻撃、中盤から後ろはうまくごまかしてという印象でしたが、それ以上に良い補強ができたところが対抗の要因ですね」
――1-1で終わったノースロンドン・ダービーの内容としては
「うまくやれば勝利もあったと思います。勝ちたい試合だったと思いますが、内容では押し込めていたし、悪くはなかった。シーズン通して波や良いときと悪いときの差があるチームではありますからね。シーズン半ばで調子を落として、昨シーズンも最後で帳尻を合わして2位になりましたし、安定感で言えばすごく良くはなくても、コンスタントにやれていけば面白い存在かなと感じます」
――3番手▲は現在3位のマンチェスター・シティ(勝ち点24)です。開幕公式戦10連勝から6試合未勝利の時期もありました。タイトルを狙うにあたっての懸念はどのあたりでしょうか
「監督のやり方も、もちろんキャンプから理解はしていたんでしょうが、その中で問題点が出てきたときにどのように対処するか、というところが最近になって感じましたね。うまくいくときといかないときの試合の出来が、まだ大きいかなと感じます。前節(1-1のミドルズブラ戦)も完全な勝ちゲームでした」
「アーセナルのドローとシティのドローは中身がちょっと違いますね。一番、戦術的に難しいこと、パスをつなぐとか相手にボールを渡さないというところに、どれだけ選手たちがシーズンを通してやることができるかですね。最初の頃はミスも出ていましたし、今後も違った形のミスも出てくるかなというところが気になります」
「結局、3年周期でペップは動いていますけど、彼自身もその期間が限界だと考えていて、自分のやり方で選手たちが不満なく付いてきてくれるギリギリだと思うので、その中で問題が出てくるところをなんとなくタレント力でカバーしているかなという印象です。今でもヤヤ・トゥーレの問題なんかもありますけど、やっぱり個の能力とペップのカリスマ性でここまでは順調にきているとも言えます。ですが、タイトルまではどうですかね」
「新監督で言えばコンテの今のやり方の方が、選手に対する浸透度と言いますか、チェルシーは元々が守備ベースのチームでした。配置が変わっただけですけど、そのメンタリティを持った選手が多いので、そちらの方がスムーズにいくかなと思いますね」
――その点で言えば、現在2位のチェルシー(勝ち点25)はヨーロッパの大会もありません。少し評価を落とした(抑えの△評価)理由は
「順調ですけど、メンバーがほとんど一緒なので、代わりが利く選手がどれだけいるかというところです。今のチェルシーは12~13人でやっています。リバプールはもう少し、コンディションも含めて戦力として考えられています。チェルシーは今のメンバー以外の選手が出てきたときに同じことができるかという点で考えれば、かなり厳しいですね」
「今の状況でテリーをいれたら、セスクをいれたらどうなるかというときに、ちょっと見えてこないし、極端に試合から外していると、選手のコンディションも落ちます。フィジカルもそうだし、メンタルもおそらく落ちているでしょうけど、結果が出ているから(文句は)言えません。今は大丈夫ですが、もう少しやり繰りした方が良いかなとは感じますね」
「僕の勝手な見方ではありますが、15~16人を信頼しているという風にして、たまには少し選手を変えてもチーム力は落ちないとは思います。でも、とことん行っていますからね。レギュラーとそれ以外のコンディションとメンタルの差が広がっているでしょうし、セスクが1月に移籍すると仮定したときに、控え組が良いプレーができなくてレギュラーに何かあったときにどうなるかが難しいと思います」
――抑え△に評価した5位のトッテナム(勝ち点21)。7戦未勝利で失点数は6と最少です
「印象は良いですよ。ハリー・ケインがケガして点は取れなくなりましたが、今がうまくいっていない時期とは思います。これから上向くとは思いますし、チャンピオンズリーグ敗退などでプレミアリーグに専念するようになれば(怖い存在)。昨シーズンはヨーロッパリーグに出ていて、今シーズンもそっちに回ればターンオーバーが考えられます。そうすると、ヨーロッパリーグの方で控え組のコンディションを上げることができますしね。結果、それが昨シーズンはうまくいったし、競争力を考えれば慣れも出ている。同じ監督で同じ経験を今シーズンもやって、昨シーズンの躓いたところを補う、どうすればうまくいくかということを踏まえれば、2シーズン同じことができるかなと思います」
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――本命◎はクロップ体制2年目で首位に立っているリバプール(勝ち点26)ということですが、その理由を教えてください「攻撃のタレントが元々いるところに、サディオ・マネやワイナルドゥムあたりをピンポイントで補強できました。クロップとフロントがチームにフィットするタレントをうまく探して獲得できましたね。昨シーズンからつなぐことを重視していたんですけど、今シーズンはそれにプラス、縦に速いフットボールができています。全員で走ることができているし、ある程度、やり方も整理されました。選手たちが明確にプレーできています」
――リバプールのここまでの総得点は30得点。リーグ最多です
「そこはフィルミーノやコウチーニョの調子の良さがありますね。コンディションが落ちる時期もあると思いますが、それでもコウチーニョあたりも波が大きいタイプではないですから。フィルミーノもそうです。チームが彼らに依存し過ぎているというわけでもありません。例えばトッテナムだと、ハリー・ケイン。彼がいなくなると点が取れなくなってしまう。フィルミーノやコウチーニョが離脱すれば痛いですが、休んだとしてもやれるのではないかなと思います」
――セネガル代表のS・マネは1月のアフリカネーションズカップ参加で離脱してしまいます
「それでも、ララナを一つ前のウイングポジションで起用することも可能です。選手層が厚いかと言われればそうでもないですが、十分に回せると思いますね。安定感、そして強烈に個に頼り過ぎないところ、ヨーロッパの(大会に出場する)負担がないというところから、優勝の可能性が最も高いと思います」
「エムレ・カンあたりも復帰してきて、これからコンディション向上が期待できます。1番心配なのは、試合に出続けていて故障したりすることですかね。シティはアグエロがケガしてダメになる可能性がありますし、アーセナルではカソルラ、エジルあたりです。その点で見れば、コウチーニョが離脱すればもちろん痛いですが、それでも何とかやっていけるのではないかと思います」
――リバプール優勝へのキーマンは誰でしょう
「ヘンダーソンです。ジェラード以降のチームのキャプテンとしてのまとめ役ですよね。勝つチーム、過去を見ても大体、タイトル獲るようなチームは能力だけでなくチームをまとめる選手がいます。アーセナルがタイトルを獲れないのはその点があるだろうし、昨シーズンのレスターで言えばヴァーディーもそういうタイプ。優勝が決まる試合日に自分の自宅にみんなを呼ぶことは、なかなかないことですしね。オフをもらってみんなで旅行に行くとか、普通のプロチームではあまりないことだと思います。レスターの規模だからというとこはあるかもしれないですけど、そういうまとめ役が必要です。それをやれる性格、監督からの信頼があっても試合でベンチだったらなれないと思いますが、それは監督が信頼して使っているということと、メンタリティですね。彼がうまくやればハマると感じます」
――対抗○は現在4位のアーセナル(勝ち点24)です。2003-04シーズンから優勝が遠ざかっていますが
「中盤と最終ラインにそれなりの補強ができました。最近のシーズンではそこそこの選手、一流とはいかないまでも、というぐらいの選手でやろうとして、攻撃力で補おうという形でした。それでうまくいかずに、移籍金もある程度使ってムスタフィ、ジャカあたりを獲った。勝ちへのこだわりが見られて、やっとセンターラインが揃ってきたなという感覚です。今までは良い攻撃、中盤から後ろはうまくごまかしてという印象でしたが、それ以上に良い補強ができたところが対抗の要因ですね」
――1-1で終わったノースロンドン・ダービーの内容としては
「うまくやれば勝利もあったと思います。勝ちたい試合だったと思いますが、内容では押し込めていたし、悪くはなかった。シーズン通して波や良いときと悪いときの差があるチームではありますからね。シーズン半ばで調子を落として、昨シーズンも最後で帳尻を合わして2位になりましたし、安定感で言えばすごく良くはなくても、コンスタントにやれていけば面白い存在かなと感じます」
――3番手▲は現在3位のマンチェスター・シティ(勝ち点24)です。開幕公式戦10連勝から6試合未勝利の時期もありました。タイトルを狙うにあたっての懸念はどのあたりでしょうか
「監督のやり方も、もちろんキャンプから理解はしていたんでしょうが、その中で問題点が出てきたときにどのように対処するか、というところが最近になって感じましたね。うまくいくときといかないときの試合の出来が、まだ大きいかなと感じます。前節(1-1のミドルズブラ戦)も完全な勝ちゲームでした」
「アーセナルのドローとシティのドローは中身がちょっと違いますね。一番、戦術的に難しいこと、パスをつなぐとか相手にボールを渡さないというところに、どれだけ選手たちがシーズンを通してやることができるかですね。最初の頃はミスも出ていましたし、今後も違った形のミスも出てくるかなというところが気になります」
「結局、3年周期でペップは動いていますけど、彼自身もその期間が限界だと考えていて、自分のやり方で選手たちが不満なく付いてきてくれるギリギリだと思うので、その中で問題が出てくるところをなんとなくタレント力でカバーしているかなという印象です。今でもヤヤ・トゥーレの問題なんかもありますけど、やっぱり個の能力とペップのカリスマ性でここまでは順調にきているとも言えます。ですが、タイトルまではどうですかね」
「新監督で言えばコンテの今のやり方の方が、選手に対する浸透度と言いますか、チェルシーは元々が守備ベースのチームでした。配置が変わっただけですけど、そのメンタリティを持った選手が多いので、そちらの方がスムーズにいくかなと思いますね」
――その点で言えば、現在2位のチェルシー(勝ち点25)はヨーロッパの大会もありません。少し評価を落とした(抑えの△評価)理由は
「順調ですけど、メンバーがほとんど一緒なので、代わりが利く選手がどれだけいるかというところです。今のチェルシーは12~13人でやっています。リバプールはもう少し、コンディションも含めて戦力として考えられています。チェルシーは今のメンバー以外の選手が出てきたときに同じことができるかという点で考えれば、かなり厳しいですね」
「今の状況でテリーをいれたら、セスクをいれたらどうなるかというときに、ちょっと見えてこないし、極端に試合から外していると、選手のコンディションも落ちます。フィジカルもそうだし、メンタルもおそらく落ちているでしょうけど、結果が出ているから(文句は)言えません。今は大丈夫ですが、もう少しやり繰りした方が良いかなとは感じますね」
「僕の勝手な見方ではありますが、15~16人を信頼しているという風にして、たまには少し選手を変えてもチーム力は落ちないとは思います。でも、とことん行っていますからね。レギュラーとそれ以外のコンディションとメンタルの差が広がっているでしょうし、セスクが1月に移籍すると仮定したときに、控え組が良いプレーができなくてレギュラーに何かあったときにどうなるかが難しいと思います」
――抑え△に評価した5位のトッテナム(勝ち点21)。7戦未勝利で失点数は6と最少です
「印象は良いですよ。ハリー・ケインがケガして点は取れなくなりましたが、今がうまくいっていない時期とは思います。これから上向くとは思いますし、チャンピオンズリーグ敗退などでプレミアリーグに専念するようになれば(怖い存在)。昨シーズンはヨーロッパリーグに出ていて、今シーズンもそっちに回ればターンオーバーが考えられます。そうすると、ヨーロッパリーグの方で控え組のコンディションを上げることができますしね。結果、それが昨シーズンはうまくいったし、競争力を考えれば慣れも出ている。同じ監督で同じ経験を今シーズンもやって、昨シーズンの躓いたところを補う、どうすればうまくいくかということを踏まえれば、2シーズン同じことができるかなと思います」
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