ローマがミランに連勝で4強入り! 前半に数的不利も魂の堅守で逃げ切って2季連続連続準決勝でレバークーゼンと対峙【EL】

2024.04.19 06:19 Fri
Getty Images
ヨーロッパリーグ(EL)準々決勝2ndレグ、ローマvsミランが18日にスタディオ・オリンピコで行われ、ホームのローマが2-1で勝利した。この結果、2戦合計3-1としたローマの準決勝進出が決定した。
PR
先週にサン・シーロで行われたイタリア勢対決初戦は、マンチーニの虎の子の1点を守り抜いたアウェイのローマがウノゼロで勝利した。
近年、苦戦したミラン相手にセリエAでのラツィオ戦に続き会心のウノゼロ勝利を収めたローマ。先週末のウディネーゼ戦はエンディカの健康問題によって試合途中に中止となるアクシデントに見舞われたが、幸いなことにエンディカは大事に至らず。緊急搬送された後にはチームで病院に見舞いを行い一体感を示しつつ、この試合当日にはデ・ロッシ監督の契約延長合意も発表され、良い形で熱狂のオリンピコでのリターンレグを迎えた。1stレグからはサスペンションのクリスタンテの代役にボーヴェを起用した以外同じメンバーで臨んだ。

一方、公式戦7連勝と絶好調の状態で臨んだ1stレグでよもやの敗戦を喫したミラン。さらに、一部主力を温存して臨んだサッスオーロ戦では3-3のドローに終わってセリエAでの連勝も「5」でストップした。リーグ次節に宿敵インテルの優勝が懸かるデルビー・ディ・ミラノを控える中、逆転での4強入りを狙った一戦では1stレグから先発2人を変更。チャウとラインデルスに代えてトモリ、ムサを起用した。

荘厳なコレオグラフィーとホームサポーターによる『ローマ、ローマ、ローマ』の大合唱によって幕を開けたイタリア勢対決第2ラウンド。
ローマは前回対戦同様にエル・シャーラウィを右に配置する[4-2-3-1]でスタート。対するミランはテオ・エルナンデス、レオンの左サイド、カラブリアの偽SBと外側に張るムサの右サイドのユニットを起点に攻め手を窺っていく。
キックオフ直後はミランが押し込んだものの、前回対戦同様に収まりがいいルカクとディバラを起点にローマが得意のカウンターで押し返すと、ここ数試合で決定力が光るジャッロロッシのセンターバックがまたも決定的な仕事を果たす。

12分、意表を突く攻撃参加で相手ボックス左付近まで攻め上がったマンチーニがペナルティアーク横で浮いたペッレグリーニに横パス。ペッレグリーニの右足シュートを右ポストを叩くが、ゴール前でこぼれにいち早く反応したマンチーニが冷静に左足で流し込んだ。

2試合連続でマンチーニにゴールを決められて2点のビハインドを背負ったミランは、すぐさま反撃を開始。プリシックが徐々に存在感を示し始めて右サイドを起点に良い形を作り出す。すると、20分にはボックス右でこぼれ球に反応したロフタス=チークがピッチに叩きつける右足ボレーでゴールを狙うが、DFに触られたシュートは惜しくもクロスバーを叩いた。

このピンチを凌いだローマは直後の22分に今度は頼れるアタッカー陣が決定力を発揮する。自陣中央のペッレグリーニからの縦パスに抜け出したルカクがDFガッビアを吹き飛ばしてボックス内に侵入。カバーに入ったテオもかわして折り返したボールはガッビアのクリアに遭うが、ボックス右でこぼれに反応したディバラが得意の角度から左足のコントロールシュートをゴール左隅に突き刺した。

この連続ゴールで早くも勝負ありかに思われたが、ローマに続けてアクシデントが起こる。右足の違和感を訴えたルカクがベンチに下がってエイブラハムがスクランブル投入されると、直後の31分にはレオンの突破に対してDFチェリクが後ろからスライディングタックルを見舞うと、足裏が完全に足を捉えてしまい、レッドカードが掲示された。

依然として3点ビハインドも数的優位を手にしたミランは、ここから一気に攻勢を強めていく。その中でエル・シャーラウィがサイドバックを埋める形となった相手の右サイドをレオン、テオのコンビで執拗に突くと、35分にはそのレオンの折り返しを中央のロフタス=チークがフリーでヘディングシュート。だが、これはDFスピナッツォーラの身体を張ったブロックに遭う。

その後、前半終盤にかけてミランはベナセルを下げてヨビッチを投入し前線の枚数を増やすと、ローマもディバラを下げてジョレンテを投入。すぐさま右サイドの守備にテコ入れを図った。何とか前半のうちにゴールをこじ開けたいアウェイチームがリスクを冒して前に出たが、ローマの集中した守備を崩し切るまでには至らなかった。

迎えた後半、ミランはカラブリアとロフタス=チークを下げてラインデルス、チュクウェゼを投入。ムサを右サイドバックに移してより攻撃的な布陣で臨む。引き続き押し込んでいくと、ボックス付近でヨビッチやプリシックらが足を振っていくが、要所を締めるローマの守備に手を焼く。

序盤の守勢を撥ね返したローマは、ペッレグリーニやエル・シャーラウィ、エイブラハムといった前線の選手がうまく時間を作りながら、前がかりな相手を引っくり返して決定機も創出。いずれもエル・シャーラウィの見事なお膳立てからスピナッツォーラ、エイブラハムにあわや3点目というチャンスが舞い込むが、ここはGKメニャンの好守などに阻まれる。

後半半ばを過ぎてミランはプリシックとムサを諦めて古巣対戦のフロレンツィ、オカフォーを投入。20分以上を残して5枚の交代カードを使い切る。これに対してローマは中盤で奮闘したペッレグリーニ、ボーヴェを下げてレナト・サンチェス、アンヘリーニョの投入で守備の強度を高める。

その後、ミランは85分に左CKの流れからレオンのクロスをニアに飛び込んだガッビアが頭で合わせてようやく1点を返す。だが、失点後も慌てた様子を見せずに高い集中力を見せたローマを前にこれ以上ゴールを奪うことはできなかった。

そして、見事な決定力とチェリク退場後はチーム一丸となった魂の堅守でリードを守り切ったローマがミランに連勝し、2シーズン連続の準決勝進出を決定。その準決勝では今季未だ無敗を継続するレバークーゼンと再び対峙することになった。

PR
関連ニュース

アズムンは今季限りでローマ退団へ…セビージャらが関心

イラン代表FWサルダール・アズムン(29)は今シーズン限りでローマを去る見込みだ。 昨夏、ジョゼ・モウリーニョ前監督のリクエストもあってレバークーゼンから買い取りオプション付きのシーズンローンでジャッロロッシ入りしたアズムン。 しかし、新天地では度重なる負傷やアジアカップ参戦などの影響もあって公式戦29試合3ゴールと思うような活躍を見せられず。先発試合もわずか5試合にとどまった。 移籍市場に精通するジャーナリストのファブリツィオ・ロマーノ氏によると、ローマは1250万ユーロ(約21億3000万円)に設定された買い取りオプションの行使を見送る意向だという。また、保有元のレバークーゼンでもシャビ・アロンソ監督の構想には入っておらず、今夏新たに新天地を求める可能性が高いという。 なお、アズムンに対してはセビージャやセリエAの複数クラブから関心が寄せられているとのことだ。 2024.05.31 19:15 Fri

ローマがアンヘリーニョを完全移籍で獲得! 買取OP行使を発表

ローマは31日、RBライプツィヒからスペイン人DFアンヘリーニョ(27)を完全移籍で獲得したことを発表した。 イタリア『Il Tempo』によると、ローマは500万ユーロ(約8億5000万円)の買い取りオプション行使を決断し、ライプツィヒに3年間の分割で移籍金を支払うことになる。スペイン人DFに関して契約年数は不明も、年俸180万ユーロ(約3億円)を受け取ることになる模様だ。 マンチェスター・シティでプロキャリアをスタートしたアンヘリーニョは、複数のクラブへのレンタル、PSVへの完全移籍などを経て、2020年1月にシティからライプツィヒにレンタル移籍。その翌シーズンもレンタル期間延長で在籍していた中、最終的に完全移籍へ移行した。 ただ、ブンデスリーガの強豪チームでは思うように出場機会を得られず、直近はホッフェンハイム、ガラタサライにレンタルへ出されていた。 今冬加入したローマでは左サイドバックを主戦場に左右のウイングバックでもプレーし、公式戦20試合に出場。ダニエレ・デ・ロッシ監督からの信頼も厚かった。 2024.05.31 18:06 Fri

ローマがアンヘリーニョを完全移籍で確保…買取OPを行使した模様

ローマが、RBライプツィヒからレンタル中のスペイン人DFアンヘリーニョ(27)の買い取りオプションを行使したようだ。 イタリア『Il Tempo』によると、ローマは500万ユーロ(約8億5000万円)を3年間の分割でライプツィヒに支払うことになり、契約年数は不明も年俸180万ユーロ(約3億円)をスペイン人DFに支払うことになるという。 マンチェスター・シティでプロキャリアをスタートしたアンヘリーニョは、複数のクラブへのレンタル、PSVへの完全移籍などを経て、2020年1月にシティからライプツィヒにレンタル移籍。その翌シーズンもレンタル期間延長で在籍していた中、最終的に完全移籍へ移行した。 ただ、ブンデスリーガの強豪チームでは思うように出場機会を得られず、直近はホッフェンハイム、ガラタサライにレンタルへ出されていた。 今冬加入したローマでは左サイドバックを主戦場に左右のウイングバックでもプレーし、公式戦20試合に出場。ダニエレ・デ・ロッシ監督からの信頼も厚かった。 2024.05.30 21:30 Thu

浦和でやっとデビューしたソルバッケン、残りの契約は1カ月…スウェーデンの強豪が獲得に関心と現地報道

ついに浦和レッズでデビューを果たしたノルウェー代表FWオラ・ソルバッケン(25)だが、スウェーデンのクラブが獲得に乗り出しているという。スウェーデン『Sportbladet』が伝えた。 ソルバッケンは、ローマから2024年1月に期限付き移籍で浦和に加入。しかし、ケガの影響で全く試合に絡めず、トレーニングでも姿が見られない時期が続いた。 半年契約での期限付き移籍加入だったため、1度もプレーしないままチームを去る可能性も心配された中、5月22日のYBCルヴァンカップ3回戦のV・ファーレン長崎戦でデビュー。26日の明治安田J1第16節のFC町田ゼルビア戦では、本拠地・埼玉スタジアム2002で先発デビューも果たした。 ついにプレーする姿を見せたソルバッケンだったが、契約期間は残り1カ月。そんな中で、スウェーデンのマルメがレンタル移籍での獲得を目指しているという。 ソルバッケンは2022年12月にローマに加入。公式戦15試合で1ゴール2アシストとあまり出番をもらえないと、2023年9月からオリンピアコスへとレンタル移籍。しかし、オリンピアコスでも公式戦8試合の出場に終わり、浦和へとやってきた。 ボデ/グリムト時代には左ウイングとして攻撃を牽引していたが、このところは実力を発揮できていない状況となっている。 しかし、ローマは契約があと3年残っている状況。今夏の移籍市場での売却を望んでいるが、今の状況であれば買い手がつく可能性は低い。 マルメはその中でレンタル移籍での獲得も考えているとのこと。あと1カ月で日本を去ることになるのか、注目が集まる。 2024.05.30 11:55 Thu

ルカクは返却、ディバラ、エイブラハムは退団の可能性? ローマが今夏に攻撃陣の刷新を計画

ローマは今夏の移籍市場で攻撃陣の入れ替えを計画しているようだ。 今シーズンは開幕から低空飛行が続き、就任3シーズン目を迎えていたジョゼ・モウリーニョ監督を今年1月に解任したローマ。後任にクラブレジェンドのダニエレ・デ・ロッシ氏を迎えるとチームは復調したが、セリエAでは6位フィニッシュとなりチャンピオンズリーグ(CL)出場権を逃す結果となった。 来シーズンこそトップ4フィニッシュを目標としたいところだが、一方でCL出場権を逃したこともあって厳しい財政状態は変わらず。イタリア『スカイ・スポーツ』によると、クラブは移籍予算を増やすため、攻撃陣の入れ替えを検討しているとのことだ。 チェルシーからレンタル移籍中のベルギー代表FWロメル・ルカク(31)は、買い取りをせず返却が確実に。大ケガから復帰したイングランド代表FWタミー・エイブラハム(26)についても、他クラブからのオファーを待っている状況だという。 また、今シーズン公式戦39試合16ゴール10アシストとチームを支える働きを見せたアルゼンチン代表FWパウロ・ディバラ(30)についても、高額な給料が問題となっている模様。クラブは長期契約で給与を分割する提案をしているが、選手との交渉がうまくいかなかった場合は退団の可能性があるようだ。 このほか、シーズン後半戦からポジションを掴んだセルビア代表GKミル・スヴィラール(24)についても、オファーに耳を傾ける方針とのこと。これによって得た資金で新たなセンターフォワードを探すと伝えられるローマだが、いずれにしても忙しい夏となるのは間違いないだろう。 2024.05.30 11:40 Thu
NEWS RANKING
Daily
Weekly
Monthly