パーマーが後半AT2発で殊勲のハットトリック! 壮絶打ち合い制したチェルシーが対ユナイテッド13戦ぶりの勝利【プレミアリーグ】

2024.04.05 06:30 Fri
Getty Images
プレミアリーグ第31節、チェルシーvsマンチェスター・ユナイテッドが4日にスタンフォード・ブリッジで行われ、ホームのチェルシーが4-3で勝利した。
PR
11位のチェルシー(勝ち点40)は前節、ホームで降格圏に沈む19位のバーンリーと対戦。前半に退場者を出した相手に2度追いつかれる失態を演じ、2-2のドローで試合を終えた。12戦未勝利と苦手とする難敵相手にバウンスバックを図ったビッグマッチではそのバーンリー戦と全く同じスタメンで臨んだ。
一方、6位のユナイテッド(勝ち点48)は前節、ブレントフォードと敵地で対戦。低調なパフォーマンスに終始した中、痛恨の1-1のドローに終わって厳しい状況でチェルシー、リバプールとのタフな対ビッグ6連戦に臨むことになった。テン・ハグ監督はこの一戦に向けて先発3人を変更。負傷のリンデロフに代わってマグワイア、マクトミネイとラッシュフォードに代えてカゼミロ、アントニーを起用した。

シーズン終盤に入っても苦境が続く青と赤の名門対決。互いにアグレッシブな入りを見せると、開始早々にスコアが動く。

4分、中盤でのボール奪取からエンソ・フェルナンデスの右足アウトにかけたスルーパスに反応したグストが右サイド深くに抜け出してマイナスのクロスを供給。これがDFヴァランに当たってコースが変わりボックス中央に流れると、良いポジションを取っていたギャラガーが右足ダイレクトシュートをゴール右隅に流し込んだ。
いきなり動いた試合は以降も落ち着くことなく比較的オープンな展開が続いていく。ボール保持、シュートの数など互角の攻防が繰り広げられるが、切り替え、プレー精度で上回るホームチームが畳みかける2点目を奪い切る。

19分、アンダーラップでムドリクからボックス左でパスを受けたククレジャがアントニーと交錯。このプレーでPKを獲得すると、キッカーのパーマーがゴール右隅へ冷静に蹴り込んでリーグ3試合連続ゴールとした。

2点リードで余裕が出てきたホームチームは、よりリスクを冒して前に出るアウェイチームの反撃を受け止めながらパーマー、ジャクソンを起点としたカウンターを発動。ムドリクが幾度か良い形でフィニッシュに絡んでいく。

一方、ここまで低調とは言えないものの、敵地で難しい展開を強いられたユナイテッド。だが、これが12戦無敗の相性の良さなのか、ボトムハーフに沈む相手のひ弱さなのか、前半半ば過ぎからの反撃で一気に試合を振り出しに戻す。

まずは34分、右サイドのスペースに抜け出しかけたアントニーの大きくなったトラップはカイセドに奪われるが、内側のバディアシルへの軽率な横パスがずれたところをガルナチョがカット。そのままボックス内に持ち込むと、体勢を崩しながらも左足で右隅に流し込む。

続く39分にはチェルシーのCKの流れからGKオナナのスローからカウンターをスタート。右から左サイドに展開すると、ガルナチョのタメからボックス左角のダロトが入れた正確なクロスをファーに走り込んだブルーノ・フェルナンデスがヘディングで左隅に流し込んだ。

これで2-2のイーブンに戻った試合はハーフタイムにかけて拮抗した攻防に。前半アディショナルタイムにはパーマーのスルーパスに抜け出したギャラガーに決定機が訪れるが、ボックス右で放った右足シュートは惜しくも右ポストを叩いた。

45分間の中でも主導権が入れ替わる形となった激しい前半を経て試合は2-2で後半に突入。ユナイテッドは前半から筋肉系の問題を訴えていたヴァランを下げてエバンスをハーフタイム明けに投入した。

立ち上がりは2点差を追いついたアウェイチームがペースを掴むと、切り替えの勝負で上回って厚みのある攻撃を仕掛けていく。ただ、チェルシーも徐々に押し返していくと、エンソ・フェルナンデス、パーマーの際どいミドルシュートでGKオナナに2本のファインセーブを強いる。

後半序盤の攻防を経てユナイテッドにアクシデントが発生。後半頭から投入したエバンスが負傷によってプレー続行不可能となり、66分にホイルンドと共にベンチへ下げてカンブワラ、ラッシュフォードが同時投入された。

相次ぐセンターバックの負傷に嫌な流れが漂うアウェイチームだったが、この交代直後に逆転ゴールを奪う。

67分、ハーフウェイライン付近でバディアシルのボールコントロールのミスを突いてカウンターを発動。ラッシュフォードのスルーパスで右サイドのスペースに抜け出したアントニーが早いタイミングで左足アウトにかけた絶妙なクロスを供給すると、ボックス左に走り込んだガルナチョがGKペトロビッチに寄せられる寸前でバウンドしたボールをヘディングで押し込んだ。

再びミス絡みの形で失点を喫してついに逆転を許したチェルシーはベンチが慌ただしく動く。失点直後にカイセドとムドリクを下げてチュクエメカ、スターリングを、75分にはディザジとグストに代えてチャロバー、ギルクリストをピッチに送り込んだ。

後半終盤にかけて試合は膠着状態に。ボールを握って押し込むチェルシーだが、ブロックの前でボールを動かすにとどまってフィニッシュの数が増えていかない。一方、逃げ切りを図るユナイテッドは85分に殊勲のガルナチョを下げて古巣初対戦のマウントを投入。試合展開もあってホームサポーターはブーイングでの歓迎を見せた。

8分が加えられた後半アディショナルタイムもユナイテッドが冷静にゲームを進めていたが、チェルシーが最後の最後に劇的過ぎる逆転劇を演じて見せた。

まずは土壇場の97分、ボックス内で仕掛けたマドゥエケがバランスを崩したDFダロトに後ろから倒される形でPKを獲得。これをキッカーのパーマーが再び右隅に突き刺して100分に追いつく。

これで引き分けでの決着かに思われたが、勝ち点3へ執念を見せたホームチームは攻勢を継続すると、直後の101分には右CKのショートコーナーからボックス手前右でボールを受けたパーマーが豪快に左足を振り抜くと、ゴール前のマクトミネイにディフレクトしてコースが変わったシュートがゴール右隅に突き刺さった。

そして、試合はこのままタイムアップを迎え、パーマーの土壇場のハットトリックで壮絶なシーソーゲームを制したチェルシーが、苦手ユナイテッドにリーグ13戦ぶりの劇的勝利を収めた。

PR
関連ニュース

プレミア初挑戦で14ゴール、終盤に本領発揮のジャクソンをポチェッティーノ監督は称賛「ドログバとの比較で驚くような批判を受けたが…」

チェルシーのマウリシオ・ポチェッティーノ監督が、好調なセネガル代表FWニコラス・ジャクソンを称えた。イギリス『デイリー・メール』が伝えている。 ジャクソンは昨夏の移籍市場でビジャレアルからチェルシーに完全移籍。プレミアリーグ初挑戦、シーズン中のアフリカネーションズカップ開催による離脱などがありながら、公式戦42試合17ゴール6アシストと上々の成績を残している。 決定力不足がたびたび批判の的になってきたジャクソンだが、直近3試合で4ゴールを記録中。すでにプレミアリーグでの得点数を「14」にまで伸ばしており、開幕前に目標としていた15ゴールまでPKなしであと1点まで迫る状況だ。 常にジャクソンを擁護してきたポチェッティーノ監督は、最初からクラブとして選手を信頼していたと強調。ジャクソンの現在の姿を喜びつつ、安易な批判をすることの危険性についても触れている。 「彼はいくつか大きなチャンスを逃してきており、多少の批判を受けるのは当然だったかもしれない。だが、我々は異なる判断をしており、改善の可能性と能力を確認しようとしていた。そして、ニコ(ジャクソン)は素晴らしいストライカーになる可能性を秘めている。あとは忍耐と時間の問題だろう」 「彼はディディエ・ドログバと比較されたことで、最初から驚くくらいの批判を受けた。もちろん、今の我々は結果を出したい、タイトルを獲得したい。そしてカラバオカップ決勝ではそこに迫り、リバプール戦は勝つべきだった」 「だが、安易に判断したり、極端な意見を言ったりするのは注意してほしい。ニコは、自信を持って一生懸命働くことで、そうした意見を変えてきている。今は、我々が当初から見ていたのと同じような見方を人々がし始めていることが嬉しい」 「チャンスを逃した一部の選手に対して、人々が腹を立てるのは簡単かもしれない。そして、ファンがこれは正しい意見だからと言って選手を殺すのは簡単だ。それでもニコのケースのように、その選手が支持されるべき選手なら、我々は支えていく」 2024.05.15 16:55 Wed

鼠蹊部手術でコパ・アメリカに照準のエンソ・フェルナンデス…パリ五輪も?「ぜひ行きたい」

チェルシーのアルゼンチン代表MFエンソ・フェルナンデスがケガについて語った。 鼠蹊部の負傷で4月後半から離脱、シーズンアウトのエンソ。コパ・アメリカ2024へ出場するために手術を選んだなか、アルゼンチン『DSPORTS』のインタビューで痛みに悩まされてきたこれまでを振り返った。 「だいたい8カ月くらい、痛みで注射を打ちながらプレーしてきた。手術を受ける決断が最善だったと信じたい。チームに害を与えていたからね…。そんな自分はもう嫌だった」 「大丈夫だよ。今はリラックスしてる。日に日に良くなっていて、コパ・アメリカが待ち遠しい。すでに身体を動かしているし、回復も至って順調さ。コパ・アメリカは初めての大会だから、とっても楽しみだ」 今夏は6月中旬〜7月中旬に欧州でユーロ2024、南米でコパ・アメリカ2024が開催される一方、7月末からパリ五輪も。U-23アルゼンチン代表も順当にパリ行きを決めており、2001年生まれで23歳のエンソも出場可能。 「チェルシー次第だし、まだ話してもない。でも僕が五輪へ行く可能性はあるらしい。ぜひ行きたい。マスチェラーノについて行きたい」 『DSPORTS』によると、U-23アルゼンチン代表のハビエル・マスチェラーノ監督が、“ボランチの後輩”でもあるエンソを高く評価し、本大会招集を検討中。水面下でチェルシー側に打診する可能性が高いとみられている。 2024.05.15 13:30 Wed

フリンポンは今夏レバークーゼン退団へ…ユーロ開幕前の早期去就決着か

レバークーゼンのオランダ代表DFジェレミー・フリンポン(23)は、ブンデスリーガ初優勝を置き土産に今夏ステップアップを果たすことになりそうだ。 2021年1月にセルティックから加入し、シャビ・アロンソ監督の下では右サイドのスペシャリストとして圧倒的な存在感を示すフリンポン。今シーズンはウイングバックを主戦場にサイドバック、2シャドーの一角でプレーし、公式戦44試合14ゴール12アシストを記録。開幕から公式戦50試合無敗を継続し、ブンデスリーガ初優勝にヨーロッパリーグ、DFBポカールで決勝進出を果たしたチームの原動力として活躍している。 クラブとしては当然のことながら右の翼の慰留に全力を注いでおり、選手自身は今夏の去就に関して固く口を閉ざしている状況だが、ドイツ『ビルト』は今夏の移籍が既定路線であると報じている。 レバークーゼンと2028年まで契約を残すフリンポンだが、現時点で4000万ユーロ(約67億7000万円)の契約解除条項が設定されているという。 その契約解除条項の詳しい失効の時期は不明だが、今夏の早い時期と見られており、マンチェスター・シティ、アーセナル、マンチェスター・ユナイテッド、レアル・マドリー、バイエルンといった獲得を狙うビッグクラブは、ユーロ2024開幕前の早い段階で獲得に動く見込みだという。 2024.05.15 09:01 Wed

獲得模索のビッグクラブ多数…人気銘柄シェシュコの代理人がオールド・トラッフォードを訪問

RBライプツィヒからの移籍が浮上しているスロベニア代表FWベンヤミン・シェシュコ(20)。代理人の姿がイングランドで確認された。イギリス『90min』が伝えている。 シェシュコは今季オーストリア1部のザルツブルクから、姉妹クラブのライプツィヒへ加入。若きスロベニア代表エースは初の欧州5大リーグで公式戦ここまで17得点…リーグ戦は6試合連発中だ。 常に移籍の噂が絶えない20歳ストライカー。 ライプツィヒ加入内定から昨夏合流までの1年間も、マンチェスター・ユナイテッドやバイエルンなどが、“内定”を覆そうとビッグオファーを画策。いざライプツィヒ加入後もビッグクラブの熱視線を浴び続け、今日に至る。 現時点でもミランやユナイテッド、アーセナル、チェルシー、パリ・サンジェルマン(PSG)などがシェシュコ獲得を模索。そんななか、代理人も忙しくしているようだ。 代理人のエルビス・バサノビッチ氏は12日、イングランドにてプレミアリーグ第37節のユナイテッドvsアーセナルをオールド・トラッフォードで観戦。氏は先月4日もチェルシーvsユナイテッドをスタンフォード・ブリッジで観戦していたことが明らかになっている。 ただ、今回のオールド・トラッフォード訪問をユナイテッドもしくはアーセナルへの移籍と紐付けるには確たる情報がないとのことだ。 契約に分割払いも可能な5000万ユーロ(約84億3000万円)のリリース条項があるシェシュコ本人の意向はというと、今夏の新たな冒険にいたって前向き。 ナイジェリア代表FWビクター・オシムヘン(ナポリ)やスウェーデン代表FWヴィクトル・ギョケレシュ(スポルティングCP)よりは安価、とされるシェシュコだが、果たして。 2024.05.14 13:00 Tue

EL出場へ3連勝も「まだ大きな試合が2つある」 ポチェッティーノ監督は気抜かず

チェルシーのマウリシオ・ポチェッティーノ監督がコメントした。 この最終盤の猛追で来季のヨーロッパリーグ(EL)出場争いに割って入る7位チェルシーは11日の第37節では17位ノッティンガム・フォレストのホームに残り込み、3-2で勝利。一時は逆転されたが、80分からの2分間でラヒーム・スターリングとニコラス・ジャクソンがネットを揺らして、ひっくり返した。 これで3連勝の4戦無敗としたチェルシーは6位ニューカッスル・ユナイテッドと勝ち点で並ぶ大きな勝利に。ポチェッティーノ監督はイギリス『BBC』の番組『Match of the Day』で結果に満足したものの、内容の不出来も口にした。 「難しい試合だった。素晴らしいシーズンを送るチームとの対戦はいつだってタフだ。彼らからすれば、今日は確実に試合をスタートさせ、来季もプレミアリーグを戦うことだろうから、パーティーのようなものだった」 「試合をコントロールしながら入ったが、許すべきではない形で失点した。後半もタフだったが、大きな勝利だったと思う。勝ち点3が一番だが、パフォーマンスはトッテナムやウェストハムのときを完全に再現したわけじゃない」 「シェフィールド・ユナイテッドやバーンリーと対戦したときもだが、我々はこういう類のチームに苦しみがちだ。今日はベンチから出場した選手たちが大きなインパクトを与えてくれたと思う」 また、欧州カップ戦出場に「そうなると良いが、まだ大きな試合が2つある」とし、長期離脱から復帰したリース・ジェームズについても「不運だね。あと2試合しかないからだ。だが、クオリティと経験をもたらしてくれるはず」と話した。 <span class="paragraph-title">【ハイライト動画】ノッティンガム・フォレストvsチェルシー</span> <span data-other-div="movie"></span> <script>var video_id ="YuTts9l90CM";var video_start = 0;</script><div style="text-align:center;"><div id="player"></div></div><script src="https://web.ultra-soccer.jp/js/youtube_autoplay.js"></script> 2024.05.12 11:55 Sun
NEWS RANKING
Daily
Weekly
Monthly