「あらゆる努力をするつもり」、グリーズマンがパリ五輪参戦を熱望

2024.02.22 07:30 Thu
グリーズマンがパリ五輪参戦を熱望
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グリーズマンがパリ五輪参戦を熱望
アトレティコ・マドリーのフランス代表FWアントワーヌ・グリーズマン(32)が、自国開催となるパリ・オリンピック参戦希望を明言した。
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以前からパリ五輪参戦へ意欲を示してきたグリーズマン。しかし、フランス代表のユーロ2024本大会行きが決定したこともあり、今夏に2つのメジャートーナメントに参加することはより困難な状況に。
とりわけ、32歳という年齢を考慮すれば、保有元のアトレティコが選手派遣に強制力がない五輪にエースを送り出すことを拒否する可能性は高いと考えられる。

それでも、3名のオーバーエイジ枠の有力候補の一人に挙がるレ・ブルーの絶対的主力は、フランス『Le Monde』で五輪参戦希望を明言している。

「パリ大会に出場するためにあらゆる努力をするつもりだ。パリでオリンピックが開催されるのは特別なことだからね」
「しかるべきタイミングで(アトレティコの)経営陣と話し、自分を送り出してくれるかどうかを確認するつもりだよ」

さらに、危惧される負傷リスクに関しては「自分の身体をよく理解している」、「僕らにはトップレベルのフィジオがいるし、心配する必要はない」と、その不安を一蹴している。

現状ではフランスサッカー連盟(FFF)がアトレティコに対して、何らかの便宜を図らない限りグリーズマンのパリ五輪参戦は難しいと思われるが、仮に同選手の参加が決定した場合、自国開催での大会初優勝の可能性は大きく高まることになる。

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overflow:hidden; padding:8px 0 7px; text-align:center; text-overflow:ellipsis; white-space:nowrap;"><a href="https://www.instagram.com/p/C6pqz9Hyibz/?utm_source=ig_embed&amp;utm_campaign=loading" style=" color:#c9c8cd; font-family:Arial,sans-serif; font-size:14px; font-style:normal; font-weight:normal; line-height:17px; text-decoration:none;" target="_blank">Ario Bimo Nandito Ariotedjo(@ditoariotedjo)がシェアした投稿</a></p></div></blockquote> <script async src="//www.instagram.com/embed.js"></script> 2024.05.08 17:10 Wed

「中村俊輔2世よりも“山田楓喜”を見て」輝く左足で日本を頂点に立たせたレフティー、“喜”を背負う山田家の長男が見据えるものは「最高の“山田楓喜”」

日本人の約9割だと言われているのが右利き。かつては左利きを矯正する動きもあったほど、日常生活における様式も右利き仕様が多い。 一方で、残りの1割に属する左利きは、スポーツ界では特に稀有な存在でありながら、偉大な記録の持ち主は左利きが多い。日本代表の歴史において、これまでも記憶に残る数々の左利きの選手がいる。かつて背番号10を背負った名波浩、中村俊輔。現在の10番を背負う堂安律も左利きだ。若くして大きな注目を集め、世界にその名を知らしめる久保建英も左利き。強烈なキャラクターで人々を今も魅了し続ける本田圭佑も左利き。攻撃のキーマンにはどの時代も“左利き”の選手がいた。 パリ五輪出場を決め、8大会連続12回目のオリンピックの舞台に立つU-23日本代表。AFC U23アジアカップで見事にチームを優勝に導いた男もまた“左利き”。東京ヴェルディの山田楓喜だ。 パリ五輪世代として、U-21日本代表時代から招集を受けていた山田。左利きながら、右サイドのアタッカーとして起用されてきたが、所属していた京都サンガF.C.ではレギュラーではなく、代表でも出番は限られていた。 その山田は心機一転、今シーズンは東京ヴェルディに移籍。すると、開幕戦の横浜F・マリノス戦では強烈なFKを直接叩き込みインパクトを残すと、ここまで3ゴール。今大会では5試合に出場すると、2ゴール1アシストと数字を残した。 山田が決めたゴールは準々決勝のU-23カタール代表戦での開始早々の強烈ミドルと、決勝のU-23ウズベキスタン代表戦での値千金のミドル。いずれもその左足から繰り出されたシュートがチームの勝利に貢献した。 「今まで自分は準備してきましたし、こういう大舞台で決めるために苦しい時も腐らずに常に準備してきたので、当然かなとも思いますし、大舞台で日本代表という大きなチームを優勝に導けたことは凄く嬉しいなと思います」 決勝の翌日に帰国した山田はそう語り、自身が重ねてきたモノが、結果になって現れただけ。「今までちゃんと準備してきたので、昂ることなく、いつも通り臨めました」と、決勝の終盤に出場しても、普段通りにプレーできたという。 自信を持っているものは強い。プロの世界では特にそれを感じることが多い。常に自身の100%を出すためには、安定したメンタルが重要であり、そのメンタルの支えになるのは、しっかりとした準備と積み上げてきたことによる自信だろう。山田にはそれが備わっている。 東京Vでの好調ぶりももちろん後押しになったはず。ただ、山田は「今までずっと変化し続けてきて、成長し続けてきているので、自分がちゃんと活躍できる場を選んだ道で結果を出せています。いつでもどのタイミングでも結果を出せる自信もありましたし、移籍して自分が輝ける場所を選んで、代表にもつながってきているので、決断というのは良かったと思います」とコメント。京都で燻っていた中で、移籍を決断した結果として、今の活躍がある。それも自信からくる決断のおかげだ。 取材の受け答えを見ていても、淡々と思っていることを語る山田。ただ、そこには確固たる自身の考えと、ブレることのない意志を感じる。それは、パリ五輪に向けての18名のメンバー争いを聞かれた山田の答えからも窺えた。 「とりあえずはこのアジアカップで代表期間が終わったので、オリンピックのことを考えず、ヴェルディの選手として戦わないといけないので、代表のことは忘れて、ヴェルディのために戦いたいなと思います」 「その先のことは何も考えず、ヴェルディのために結果を出し続けるだけです」 アジアで優勝を果たした。パリ五輪の切符も掴んだ。目標としていたものに対し、やれることをやって結果を残した。ただ、次はパリ五輪ではなく、東京V。所属クラブのためにプレーすることが、やるべきこと。その積み上げを続けているからこそ、今の山田がある。 また、強烈な左足のキックについても同様だ。「才能はある程度あったと思いますけど、プロになっている選手であれば誰でもあると思うので、努力は才能を勝らないと思います。努力というのは自分で努力していたという気持ちはないんですけど、それが良かったかなと思います。どんどん上積みしていった日々の練習というのを大事にしてきましたし、これからも必要だと思うので、それは忘れずにずっとやっていきたいです」とコメント。必要なことを積み上げたことだけが重要ということだ。 FKの精度、キック精度を持って、中村俊輔氏と比較される山田。ただ本人は全くそう思っていない。そのメンタリティも、活躍の要因と言える。 「(中村氏とは)全く別の選手ですし、素晴らしいフリーキッカーで左足の選手と比べられることは嬉しいですけど、全く別の選手で、全く違う特徴を持っているので、中村俊輔2世というよりは、山田楓喜というのを、誰かの後釜ではなく山田楓喜というものを見てもらいたいです」 誰もが似たような選手を真似しそうなものだが、「誰もないですね。自分のスタイルを貫き通してきたという感じです」と、山田は昔から誰かを手本にはしていないという。自分は“山田楓喜”。これを大事にしている。 「今年の目標としては、自分の価値を高めて名を売っていくということを移籍した時から決めていました。その途中ですし、まだまだこれからどんどん山田楓喜というものを世界に知らしめていかなければいけないと思います。まだ途中ですし、全然満足していないので、これからという感じです」 今回の大会の活躍で、間違いなく“山田楓喜”の価値は高まり、その名は今まで以上に知られることとなっただろう。その名前にも特徴が。人々に“喜”を与える存在になるべくして、体現している。 「『喜』が先祖代々長男についていて、それが自分も長男なので、『喜』を第一に考えた名前となっています」と、「楓喜」という名前の由来について語ってくれた。そして「自分が喜んでいる姿を出しながら、周りの人にも喜んでもらうという感じです」と、自身が楽しく、喜んでプレーすることで、喜びを与えていく。代表選手にとって、最も大事な要素を、名前として背負っている。 そんな山田の目標は、最高の“山田楓喜”になること。 「最終目的はないですが、自分がどれだけ成長できるか。日々成長したいなという思いがあったから、今までも成長できたと思うので、それを忘れず、変な目標とか高みを見せずに、日々成長することにフォーカスしたいです」 間違いなく注目を集めるその左足。多くの“喜び”をこれからも多くの人々に与えて行ってもらいたい。 《超ワールドサッカー編集部・菅野剛史》 <span class="paragraph-title">【動画】歓“喜”をもたらした山田楓喜の後半AT弾! 日本を優勝へ導く左足ミドル!!</span> <span data-other-div="movie"></span> <script>var video_id ="QYyvg_78ZLE";var video_start = 0;</script><div style="text-align:center;"><div id="player"></div></div><script src="https://web.ultra-soccer.jp/js/youtube_autoplay.js"></script> 2024.05.06 09:00 Mon

「本当に想像もできなかった」一歩ずつ着実にステップを上る平河悠、熾烈なポジション争いに勝ちパリ五輪へ「負けない武器を持つ」

2020年に発生した新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミック。日本でも緊急事態宣言が出されて外出ができなくなったほか、世界中でロックダウンとして街が静まりかえる現象が発生した。 あれから4年。すっかり世の中は元に戻っているが、その影響を諸に受けたのがパリ五輪世代。世代別のワールドカップを含む国際大会がなくなり、その経験値の低さは、大きな不安材料として彼らにのしかかった。 そんな中迎えたAFC U23アジアカップ。パリ・オリンピックの最終予選を兼ねた大会だったが、これもコロナの影響を受けて開催時期が変更となり、1月から4月へズレ込むことに。そして、海外組の招集が非常に困難な事態となった。 もちろん、日本だけが受けた影響ではない。難しい世代だったが、日本は見事に優勝という結果を残し、パリ・オリンピックにアジア王者として乗り込むこととなった。 そのU-23日本代表は4日に帰国。国内組の選手のみが帰ってきたが、今大会で評価を大きく上げた選手は複数いる。その中の1人がFW平河悠(FC町田ゼルビア)だろう。 佐賀東高校出身の平河は、高校時代はほとんど知られない存在。3年次のインターハイで注目されて山梨学院大学へと進学したが、東京都大学1部リーグと、大学サッカーでは3階層目のリーグでプレーしていた。 「あの時から考えたら本当に想像もできなかったことが起きていますけど、やり続ける努力とか、若さ特有の伸びだったりというのは、自分が思っているよりも上にいくんだなと思うことがありました」 「その自信を過信にすることなく、これから地に足つけて、一歩一歩あげていければ、自分の最終的な目標にも辿り着けると思います」 それまで世代別の代表経験もなかった平河だが、町田が目をつけ3年次に加入内定。特別指定選手としてJリーグデビューを果たし、2023年にはプロ1年目でチームのJ1昇格に貢献した。その2023年6月には、この世代で初の代表招集となった平河だが、今大会では全6試合に出場。両サイドで攻撃のアクセントをつける存在感を見せた。 「6試合の中で3試合先発で3試合途中出場で、全ての試合に関わらせてもらいましたけど、波なく全ての試合で自分のパフォーマンスは出せていたと思いますし、通用する部分もたくさんあった中で、数字をつけるところの重要性も感じています」 「そこが今の自分の一番の課題だと思うので、自チームに持ち帰って、すぐにJリーグ始まりますけど、そこでスタメン争いをして、チームで勝って、課題を克服できればと思います」 細かいステップと緩急をつけた仕掛けは、相手のサイドバックを翻弄。ゴールやアシストこそ記録できなかったが、間違いなく攻撃の流れを変えた存在だった。 パリ・オリンピック世代ではサイドは激戦区。今回招集できなかったメンバーでは、MF斉藤光毅(スパルタ・ロッテルダム)がおり、MF三戸舜介(スパルタ・ロッテルダム)やMF鈴木唯人(ブレンビー)らもプレーするポジション。今大会メンバーではMF佐藤恵允(ブレーメン)とポジションを争い、いずれも海外でプレーする選手たちだ。 無名の存在から、着実にステップアップを果たしている平河。今シーズンはJ1でもデビューを果たし、初ゴールも記録。そしてアジア王者にも輝く経験をした。 平河は今大会での成長を自身でも感じるとコメント。「この活動で、対戦相手ではなくチームメイトからもかなり刺激を受けましたし、試合を重ねていくごとに成長するところだったり、逆に出場機会が得られない選手もいる中で、1つの方向を向くことも難しい中でもみんなが100%の力を出して良い準備をしたことが、この結果に繋がったと思います。「23人」という言葉を大会通して監督、スタッフ、選手がよく使っていましたけど、一体感を持ってやれた結果が繋がったと思いますし、このチームメイトで受けた刺激というのも、負けていられないなという方が強く感じました」と語り、チーム一丸となりながらも、その中での競争や切磋琢磨することを肌で感じられたようだ。 その存在感は、観ている人たちも魅了。メッセージも大量に届いたと言い「一番はおめでとうとか、気をつけてとか、体を休めてねというのはたくさん来ました」と、労いのコメントや、パリ・オリンピック出場を決めた祝福のコメントが来たようだ。 ただ、ここにも実直な平河らしさが。よくある話では通知が溜まりすぎているというものがあるが「溜めるのが好きじゃないので、全部返しました」と、1つずつ対応は済ませているという。着実に目の前のことをやっていくスタンスは、ピッチ外でも変わらない。 着実に1段ずつ階段を上がっている平河。次なる階段は、18名という狭き門の本大会メンバーに残ることだ。オーバーエイジ枠も3名まで使用可能というルールの中、仮に3名とも呼ぶのであれば、枠は15名に。通常GKを2名招集するため、13名の枠を争うこととなる。 今大会に臨んだメンバーで考えても10名が落選。今大会招集されていない選手も候補になる状況を考えれば、さらに減る可能性がある中で、ポジションを掴まなければいけない。 その点で平河が考える課題は「数字」。「やっぱりゴール前の質、落ち着くところなど個人戦術になりますけど、自分の良さを出しつつ、そこで数字を残せればより怖い選手になると思いますし、より一個上のレベルに立てると思います」とコメント。「他の選手や前線の選手は数字がついてきている選手もいますし、自分もそこには負けない武器を持たないといけないなと思います」と、数字を求めつつも、より自分の武器を身につけていきたいと考えているようだ。 その武器の1つは「仕掛け」。局面を打開するプレーは、先発でもベンチからでも貴重な存在となり、今大会も6試合で起用された理由はそこにあるはずだ。 「ドリブルは1つの武器だと思いますし、今大会で言えば、ドリブルで優位性を持つ選手が少ない分、自分が違いを作れたなと考えています」 「逆に、そういう選手が絡んでくるのであれば、違う武器を違う形で出せば良いと思うので、やることは変わらないと思います」 自分の武器を1つに絞らず、複数持つことでより価値を高めていきたい平河。成り上がりの選手がどこまで上り詰めていくのか、まずは町田でさらに磨きのかかった仕掛けでJリーグでの活躍を見せてもらいたい。 《超ワールドサッカー編集部・菅野剛史》 2024.05.05 22:25 Sun
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