「後悔はない」現役引退会見の岩渕真奈、「W杯落選がフォーカスされるのが嫌だった」と引退決断の理由や日本の女子サッカーへの想いを語る「心にグッとくるものが必要」

2023.09.08 20:02 Fri
©超ワールドサッカー
なでしこジャパンとしても活躍し、1日に現役引退を発表していた岩渕真奈が、東京都内で現役引退会見を行った。岩渕は14歳の2007年に日テレ・東京ヴェルディベレーザに2種登録され、翌年に正式昇格。2012年のホッフェンハイム移籍から、バイエルンでのプレーも経験し、リーグ2連覇に貢献した。
2017年にINAC神戸レオネッサで日本復帰を果たすが、2020年のアストン・ビラWFC入りで再び欧州へ。その後、アーセナル・ウィメンFC、トッテナム・ホットスパーFCウィメンでプレー。今年6月にアーセナルとの契約が満了。2010年にデビューの代表キャリアにおいても初優勝の2011年大会から3大会連続でワールドカップ(W杯)に出場中だったが、先のオーストラリア&ニュージーランド共催大会では落選。そして現役引退を決断した。

多くの惜しむ言葉に加え、共に戦った仲間や周りで見ていた人々からも多くのメッセージが寄せられた岩渕。改めて、今の心境を口にした。

「引退した今の気持ちは…今日も本当にこうやってたくさんのメディアの方々に来ていただいたり、引退するとSNSで出した時から、本当に色々な人にありがとうと言ってもらえることが多くて、(SNSに)書いた通り、サッカー人生幸せだったなと思いますし、自分のサッカー人生大好きだったなと思っていたのが、こうやって1週間ぐらい経って、もっともっと好きになったし、本当に色々な人に応援されていたんだなと。ただただ、『ありがとうございます』という気持ちです」
「寂しいという声も結構あって、自分自身も引退するとどんな気持ちなのかな、サッカーから離れるとどんな気持ちなのかなとちょっと考えた時に、寂しいだろうなとは思っていたんですけど、本当にたくさんの人に応援されてて、自分のベスト、これからサッカーをやっていってたら自分がやりたいプレーができないと感じていた時なので、そう考えた時に自分のベストなタイミングだったし、寂しくないわけではないですが、寂しい思いをさせてしまって申し訳ないなと思うものの、自分は後悔はないです」

引退決断に後悔はないと語った岩渕。突然の発表には驚きの声が多く、W杯を戦えなかったことが理由ではないかという憶測もあったが、引退を決断するには時間をかけていたと明かした。

「W杯の落選がフォーカスされがちで、それがあったからと捉えられるのが嫌で、自分で伝えたいと言ったんですが、昨シーズンは足首の手術で始まった中でアーセナルでスタートして、なかなか自分のベストでサッカーをすることができなくなっていて、出場機会が得られなくなって中で、W杯を目指してトッテナムへと移籍しました」

「それでもやっぱり今まで通り自分がやってきたサッカーができなくなっている感覚もあったし、楽しいと感じることより、色々なプレッシャー、苦しいと思うことの方が、昨シーズンを通してあった中で、少しずつ考えるようになって、最後は残念な形になってしまいましたけど、正直W杯に行けたとしても、W杯で最後かなって思っていたので、本当に昨シーズン通して考えた結果だと思います」

シーズンを通して満足いくパフォーマンスが出せないと感じていた岩渕。多くの惜しむ声は聞いたとしたが、上を目指せないことはどうしてもスパイクを脱ぐことに繋がったという。

「相談は何人かにしかしてないですが、もったいないと言われたり、昨日まで声をかけ続けてくれるチームがあったり、その中で自分の正解がなんなのかわからない時もあったんですが、自分が考えるサッカー選手のあり方として、そこは反したくないというか、色々な考えがある中で、自分はやっている最中は上を目指してやりたいってやってきていたので、そこが見えなくなってきていました」

前述の通り、日本だけでなく、ドイツ、イングランドでもプレー。クラブでもタイトルも獲得し、代表としても女子サッカー最高峰の舞台であるW杯も優勝を経験しているキャリアを振り返った。

「大好きなサッカーを好きなだけやっていただけでたくさんの人に応援してもらえて、本当に素晴らしいスタッフだったり、選手だったり、サポーターだったりと素晴らしい人たちに出会えましたし、そういう人たちと一緒に目標に向かって努力するというのは、サッカーなしでは感じられなかったです。そこは幸せだったなと思います」

また、日本女子サッカーへの思いについても語った岩渕。2011年のW杯優勝後に大きな盛り上がりを見せた中、その後は人気が一気に下降線を辿ってしまった苦い経験もある。

「女子サッカーの人気の波というのを物凄く感じていました。優勝してフォーカスされた後、本当に寂しくなったタイミングで自分は色々な責任を負えるようになってきて、プレッシャーがゼロだったわけでもないです」

「ただ、色々な人からの応援だったり、プレッシャーというものを自分自身は力に変えてこられたと思うので、それを含めて自分のサッカー人生ですし、女子サッカーは今後もっともっと発展していきたいと考えている中で、少しでも『岩渕真奈が女子サッカーをちょっと盛り上げてくれたよね』という感じになれたら嬉しいなと思います」

多くの場面で貢献してきた岩渕は、メディア、そしてサポーターに対しても感謝の気持ちを述べた。

「2011年は取材を受けたくないと言って受けなかったり、プレーを含めてワガママなサッカー人生だったなと思います。ただ、こうやって継続して応援してくれて、支えてくれて、時にはなんか嫌だなと思う記事も見かけながら、それも怒りというか、それも含めてパワーになったので、本当に感謝したいです」

「どんな時もその人たちにも色々な思いがある中で、自分が全力でやっている中で上手くいかない時期もあったんですけど、継続して応援してくれて、自分がうまくいかない時も支えてくれて、大きな存在でした。『ありがとうございました』と伝えたいです」

多くの支えを受けてキャリアを過ごしてきた岩渕。引退後は指導者ではないものの、サッカーの魅力を伝え、女子サッカーの発展に寄与したい意向を示した。

「指導者をという話をよく言われるんですが、サッカーを口で伝えるのは苦手なタイプなので、指導者というものに今自分自身がなれる自信は正直ありません」

「それでも女子サッカーの発展、成長のために何か貢献はしたいと思っているので、今度10月にスペインへ行くプロジェクトがあるんですが、アディダスさん、VISAさんと一緒に子供たちに向けて何かできる機会をもっともっと増やしていければと思います」

また、adidas「HER TEAM」プロジェクトとして、女子中学生のサッカー機会が少ないことを改善するプロジェクトにも賛同。小学生年代の全国大会がない事にも言及し、子供たちの活躍の場を増やしたいともした。

「「HER TEAM」プロジェクトに関しては、サッカーは首都圏、大きな街に強いチームがあってという中で、女子サッカーが成長してくことを考えたら、色々なところに女子サッカーチームがあるのがベストですし、色々始めるにも何を始めたら良いかわからないということをよく聞くので、adidas「HER TEAM」プロジェクトに関しては、ものすごく共感して、何か一緒にやれればと思っています」

「子供たちのサッカーで言うと、女子のU-12の全国大会が開かれていない状況なので、そこは自分が声を上げて、自分は目標があることで頑張れてきたので、小さい女の子たちにも何か1つでも目標の選択肢を与えられる活動ができたらと思っています」

また、サッカー以外の活動にも言及。一般社団法人の設立を考えているとし、「スポーツを通して人生を豊かにしてもらいたい」をテーマに取り組んでいきたいとした。

「サッカー以外に関しては、一般社団法人を設立しようと思っています。登坂絵莉(元女子レスリング)と現役テニスプレーヤーの穂積絵莉という2人の“エリ”と一緒に、「スポーツを通して人生を豊かにしてもらいたい」ということをテーマに活動しようと思っています」

「自分自身、武蔵野東小学校という私立の小学校を卒業したんですが、自閉症の子供たちのクラスがあって、小学生からそういう人たちと関わる機会があった中で、何かスポーツで豊かにしてもらいたいと考えたときに、勝ち負け以外でも色々なことで豊かにできると思っています。仲間を増やすだったり、できないことができるだったり、そういう楽しさを色々な人に知ってもらいたいので、1つ力を入れてやっていきたい活動です」

「サッカーでも、健常者のサッカー以外にも7種類のサッカーがあると知った時に、触れていない、知られていないと思ったので、何か1つでも、どんな人たちでも色々な人たちに何かしら楽しさを知ってもらえたら良いなと思って、そういう活動を今後2人でやっていきたいです」

そんな岩渕だが、小学生の時の夢はパン屋とお笑い芸人であり女優でもあるイモトアヤコさんになる事だったという。その点については「本気だった」と語り、今でも思うことはあるとした。

「結構本気の夢でした。パン屋さんは今でもパンが好きで、やれることならやりたいなと思っていますが、小麦が高いとか、毎朝大変だとかという話を聞いた今、パン屋というものは少し遠くなりました」

「自分はものすごく、イッテQ(日テレ「世界の果てまでイッテQ!」)が好きなので、イモトさんみたいに面白くて凄いと言われる人になりたいという夢は今でも持っています」

「(テレビでの活躍は)女子サッカーというものを知ってもらえる機会の1つにもなると思いますし、自分自身良い意味でやりたいことがないので、色々なチャレンジをしながら、自分自身に合うものを見つけて、やっていきたいです。人前に出るのは、皆さんのおかげでちょっと好きなので、これからも皆さんのお目にかかれれば思います」

改めて日本の女子サッカー界を選手として離れる岩渕。数々の栄光と挫折を味わった中、思いを語った。

「まずは自分というものを作ってくれたのはサッカーだと思うので、今まで関わってくれた女子サッカーを応援してくれている方に感謝したいです」

「今回残念ながらW杯を外で観る事になりましたけど、物心ついてから、初めて外から自分が出たくて、女子サッカーの大きな大会を見たときに、バスケじゃないですが、何かやっぱり心にグッとくるものがあるっていうのが、今後女子サッカーを応援してもらうのに重要かなと思います」

「2011年の優勝が物凄くフォーカスされますし、永遠に語り継がれる事だと思うので、本当に自分が選手時代、良い意味でも悪い意味でもプレッシャーが結果になっていたので、今後日本を背負う女子サッカーの選手たちには、とにかく全力で仲間とサッカーを楽しみながら、心にグッとくるってなんなのかと言われたら分からないし、もちろん結果が全ての世界ですけど、結果以上の何かを感じ取ってもらえるスポーツになることが、今後女子サッカーが発展するためには必要になると思います」

「外からしか何かを言うことはできないですけど、これから女子サッカーというものをもっともっとポピュラーなスポーツにしてもらうために、自分自身は全力で応援したいなと思っています」

その中で少女たちへの想いも口にした。

「自分がここまでサッカーをやれたのはなんでと言われたら、サッカーが大好きで、ただ楽しくボールを蹴っていたらここまで辿り着きました」

「とにかく何事も楽しんで、それがサッカー以外だったとしても継続して得られるものもあります」

「サッカーで言えば、色々な仲間と上を目指す楽しさは、これからそこまで感情的になれることはあるのかなと自分で思うので、仲間を大事にして、サッカーを楽しんで、目標を持って頑張ってもらいたいなと思います」

第二の人生を歩み出す岩渕真奈。その名前はこの先も色々なところで聞く事になるだろう。




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谷川萌々子が開幕2試合連続ゴール!ローゼンゴード加入後公式戦6戦5発と圧巻の活躍

FCローゼンゴードのなでしこジャパンMF谷川萌々子が止まらない。 ローゼンゴードは21日、ダーム・アルスヴェンスカン(スウェーデン女子1部)第2節で、クリスティアンスタッドとのアウェイ戦に臨み、3-1で勝利を収めた。 谷川は[3-4-2-1]のボランチで、門脇真依はワントップでそれぞれ先発フル出場し、谷川が2試合連続となるゴールを決めた。 ペナルティアークのオリビア・ホールトから、足裏を使ったおしゃれなパスを引き取ってボックス内へ切れ込みと、冷静に一対一を制し、右足でネットを揺らした。 谷川は開幕戦に続き、2試合連続ゴール。リーグ戦開幕前のスウェーデン・カップを含めると、加入後は6試合で5得点と、FW顔負けの得点力を誇っている。 もちろんJFAアカデミー福島の先発である門脇や、スウェーデン女子代表キャップ「240」を数えるキャロライン・セゲルが隣にいることも大きいだろう。 ただ、それを差し引いても、異色の成績。海外クラブで背番号「10」を託された実力を見せ付けている。 谷川のゴールで先制したローゼンゴードは、3-1で敵地戦をものにし、開幕2連勝。王座奪還へ向け、好スタートを切っている。 <span class="paragraph-title">【動画】ボックスまで侵入した谷川萌々子が2試合連続のゴール!</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="instagram-media" data-instgrm-captioned data-instgrm-permalink="https://www.instagram.com/reel/C6B6t_WKe6r/?utm_source=ig_embed&amp;utm_campaign=loading" data-instgrm-version="14" style=" background:#FFF; border:0; border-radius:3px; box-shadow:0 0 1px 0 rgba(0,0,0,0.5),0 1px 10px 0 rgba(0,0,0,0.15); margin: 1px; max-width:540px; min-width:326px; padding:0; width:99.375%; width:-webkit-calc(100% - 2px); width:calc(100% - 2px);"><div style="padding:16px;"> <a href="https://www.instagram.com/reel/C6B6t_WKe6r/?utm_source=ig_embed&amp;utm_campaign=loading" style=" background:#FFFFFF; line-height:0; padding:0 0; text-align:center; text-decoration:none; width:100%;" target="_blank"> <div style=" display: flex; flex-direction: row; align-items: center;"> <div style="background-color: #F4F4F4; border-radius: 50%; flex-grow: 0; height: 40px; margin-right: 14px; width: 40px;"></div> <div style="display: flex; flex-direction: column; flex-grow: 1; justify-content: center;"> <div style=" background-color: #F4F4F4; border-radius: 4px; flex-grow: 0; height: 14px; margin-bottom: 6px; width: 100px;"></div> <div style=" background-color: #F4F4F4; border-radius: 4px; flex-grow: 0; height: 14px; width: 60px;"></div></div></div><div style="padding: 19% 0;"></div> <div style="display:block; height:50px; margin:0 auto 12px; width:50px;"><svg width="50px" height="50px" viewBox="0 0 60 60" version="1.1" xmlns="https://www.w3.org/2000/svg" xmlns:xlink="https://www.w3.org/1999/xlink"><g stroke="none" stroke-width="1" fill="none" fill-rule="evenodd"><g transform="translate(-511.000000, -20.000000)" fill="#000000"><g><path d="M556.869,30.41 C554.814,30.41 553.148,32.076 553.148,34.131 C553.148,36.186 554.814,37.852 556.869,37.852 C558.924,37.852 560.59,36.186 560.59,34.131 C560.59,32.076 558.924,30.41 556.869,30.41 M541,60.657 C535.114,60.657 530.342,55.887 530.342,50 C530.342,44.114 535.114,39.342 541,39.342 C546.887,39.342 551.658,44.114 551.658,50 C551.658,55.887 546.887,60.657 541,60.657 M541,33.886 C532.1,33.886 524.886,41.1 524.886,50 C524.886,58.899 532.1,66.113 541,66.113 C549.9,66.113 557.115,58.899 557.115,50 C557.115,41.1 549.9,33.886 541,33.886 M565.378,62.101 C565.244,65.022 564.756,66.606 564.346,67.663 C563.803,69.06 563.154,70.057 562.106,71.106 C561.058,72.155 560.06,72.803 558.662,73.347 C557.607,73.757 556.021,74.244 553.102,74.378 C549.944,74.521 548.997,74.552 541,74.552 C533.003,74.552 532.056,74.521 528.898,74.378 C525.979,74.244 524.393,73.757 523.338,73.347 C521.94,72.803 520.942,72.155 519.894,71.106 C518.846,70.057 518.197,69.06 517.654,67.663 C517.244,66.606 516.755,65.022 516.623,62.101 C516.479,58.943 516.448,57.996 516.448,50 C516.448,42.003 516.479,41.056 516.623,37.899 C516.755,34.978 517.244,33.391 517.654,32.338 C518.197,30.938 518.846,29.942 519.894,28.894 C520.942,27.846 521.94,27.196 523.338,26.654 C524.393,26.244 525.979,25.756 528.898,25.623 C532.057,25.479 533.004,25.448 541,25.448 C548.997,25.448 549.943,25.479 553.102,25.623 C556.021,25.756 557.607,26.244 558.662,26.654 C560.06,27.196 561.058,27.846 562.106,28.894 C563.154,29.942 563.803,30.938 564.346,32.338 C564.756,33.391 565.244,34.978 565.378,37.899 C565.522,41.056 565.552,42.003 565.552,50 C565.552,57.996 565.522,58.943 565.378,62.101 M570.82,37.631 C570.674,34.438 570.167,32.258 569.425,30.349 C568.659,28.377 567.633,26.702 565.965,25.035 C564.297,23.368 562.623,22.342 560.652,21.575 C558.743,20.834 556.562,20.326 553.369,20.18 C550.169,20.033 549.148,20 541,20 C532.853,20 531.831,20.033 528.631,20.18 C525.438,20.326 523.257,20.834 521.349,21.575 C519.376,22.342 517.703,23.368 516.035,25.035 C514.368,26.702 513.342,28.377 512.574,30.349 C511.834,32.258 511.326,34.438 511.181,37.631 C511.035,40.831 511,41.851 511,50 C511,58.147 511.035,59.17 511.181,62.369 C511.326,65.562 511.834,67.743 512.574,69.651 C513.342,71.625 514.368,73.296 516.035,74.965 C517.703,76.634 519.376,77.658 521.349,78.425 C523.257,79.167 525.438,79.673 528.631,79.82 C531.831,79.965 532.853,80.001 541,80.001 C549.148,80.001 550.169,79.965 553.369,79.82 C556.562,79.673 558.743,79.167 560.652,78.425 C562.623,77.658 564.297,76.634 565.965,74.965 C567.633,73.296 568.659,71.625 569.425,69.651 C570.167,67.743 570.674,65.562 570.82,62.369 C570.966,59.17 571,58.147 571,50 C571,41.851 570.966,40.831 570.82,37.631"></path></g></g></g></svg></div><div style="padding-top: 8px;"> <div style=" color:#3897f0; 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