物議醸した横浜FMvs福岡の判定「直接FK+退場」が妥当、JFA審判委員会が解説…問題はVARとのコミュニケーション
2022.10.07 20:45 Fri
日本サッカー協会(JFA)は7日、レフェリーブリーフィングを開催した。
かつてJリーグで主審を務めていた、扇谷健司審判委員長と東城穣Jリーグ審判デベロプメントシニアマネジャーが出席。明治安田生命J1リーグ第31節までの主な事象について、実際のプレー映像や主審とVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)の交信を交えて、判定に関する解説がなされた。
最近は判定を巡って、様々な注目が集まるようになり、VARの運用方法や、判定基準などが話題となることが多い。
今回もいくつか目立った事象が説明された中、取り上げられたものの1つが、9月10日に日産スタジアムで行われた明治安田J1第29節の横浜F・マリノスとアビスパ福岡のシーンだ。
この試合では開始5分に横浜FMの日本代表FW西村拓真が福岡のDF奈良竜樹から激しいタックルを受けて転倒。その後、プレーを続けて先制ゴールをアシストしたが、その後再び接触し、20分で交代を要求し、担架で運び出されていた。
試合後には奈良や家族への誹謗中傷、侮辱、個人攻撃という投稿が相次いでおり、大きな注目を集めていた。
ブリーフィングでは実際にこのシーンを改めてチェックし東城氏が解説。「著しく不正なプレー」であるとの見解を示し、直接FKと奈良の一発退場が正しい判定だったとした。
東城氏は今回の件に関して「レフェリーとしては非常に見極めが難しい事象だった。1つはボールがプレーされた後のタイミングで、どうしてもレフェリーは先のプレーを追うので、印象が薄くなってしまうこと。もう1つは、アプローチが勢いがある、スイッチが入りにくく、見極めがなかなか難しかった」とコメント。主審はわかりにくいものだったとした。
ただ、「アドバンテージにしているので、ファウルという認識はあった。ただ、映像で見たように、足裏が乗るような形を見極められていなかった」と、ファウルでありながらも、ここまでのものでは無かったと感じたのではないかとした。
以前までのサッカーであれば、それで終了だが、現在はVARが導入されている。映像を見れば、誰が見ても足首にスパイクが入っていることは明白。VARが判定を正すことは可能だった。
その点については「課題の1つはコミュニケーション。チェックは当然していますが、どう伝えるか。レフェリーは見えていないということを伝えていますが、VARはどう見ましたか?とは言っていましたが、その後に足裏が入っていないと言っていた場合に、それは違うよと踏み込んでいかなければいけない、次のステップに行くべきでした」と、VARから主審の見解が違うことを指摘すべきだとし、「短い時間の中でチェックをする、プレッシャーがあることも理解していますが、レッドカードの可能性があるということで、OFRを勧める事象だったと思います」と、VARから映像をチェックさせるべきだったとした。
しっかりと意思疎通が取れていなければ、VARでいくらチェックしていてもこのような事態は起こるもの。「コミュニケーションが課題」としたが、そうなる理由は運用方法にも原因がありそうだ。
東城氏は「一番最初に教えられた時は、レフェリーが何をどう見たかを聞きなさいという教えがあった。その中でじゃあ次のステップをどうするかということがあった」とVARの初期段階では主審の意見を聞くことが尊重されていたという。ただ、「明らかに違った場合は、こういう事実がありますよと伝えることも必要だと考えています。状況に寄って変えなければいけません」と、今回の様に目に見えて間違った判定を下しそうな場合は、事実を伝えることが大事だとした。
また、「サポートすることがダメだということではないが、今回のように現場で見えているものと映っている事実が違うというのは伝えるべきで、OFRを勧めなければいけないものだったと考えています」とした。
結果として、このプレーで交代した西村は左足関節外側じん帯損傷と診断され離脱。全治4〜6週間とされていたが、驚異的な回復を見せ、1日の名古屋グランパス戦ですでに復帰している。
かつてJリーグで主審を務めていた、扇谷健司審判委員長と東城穣Jリーグ審判デベロプメントシニアマネジャーが出席。明治安田生命J1リーグ第31節までの主な事象について、実際のプレー映像や主審とVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)の交信を交えて、判定に関する解説がなされた。
今回もいくつか目立った事象が説明された中、取り上げられたものの1つが、9月10日に日産スタジアムで行われた明治安田J1第29節の横浜F・マリノスとアビスパ福岡のシーンだ。
この試合では開始5分に横浜FMの日本代表FW西村拓真が福岡のDF奈良竜樹から激しいタックルを受けて転倒。その後、プレーを続けて先制ゴールをアシストしたが、その後再び接触し、20分で交代を要求し、担架で運び出されていた。
このシーンでは奈良のスパイクが完全に西村の左足首を捉えており、危険なプレーであることは明白。しかし、VARはスルーし、主審のOFR(オン・フィールド・レビュー)もなく続行。カードすら出ていない状況だった。
試合後には奈良や家族への誹謗中傷、侮辱、個人攻撃という投稿が相次いでおり、大きな注目を集めていた。
ブリーフィングでは実際にこのシーンを改めてチェックし東城氏が解説。「著しく不正なプレー」であるとの見解を示し、直接FKと奈良の一発退場が正しい判定だったとした。
東城氏は今回の件に関して「レフェリーとしては非常に見極めが難しい事象だった。1つはボールがプレーされた後のタイミングで、どうしてもレフェリーは先のプレーを追うので、印象が薄くなってしまうこと。もう1つは、アプローチが勢いがある、スイッチが入りにくく、見極めがなかなか難しかった」とコメント。主審はわかりにくいものだったとした。
ただ、「アドバンテージにしているので、ファウルという認識はあった。ただ、映像で見たように、足裏が乗るような形を見極められていなかった」と、ファウルでありながらも、ここまでのものでは無かったと感じたのではないかとした。
以前までのサッカーであれば、それで終了だが、現在はVARが導入されている。映像を見れば、誰が見ても足首にスパイクが入っていることは明白。VARが判定を正すことは可能だった。
その点については「課題の1つはコミュニケーション。チェックは当然していますが、どう伝えるか。レフェリーは見えていないということを伝えていますが、VARはどう見ましたか?とは言っていましたが、その後に足裏が入っていないと言っていた場合に、それは違うよと踏み込んでいかなければいけない、次のステップに行くべきでした」と、VARから主審の見解が違うことを指摘すべきだとし、「短い時間の中でチェックをする、プレッシャーがあることも理解していますが、レッドカードの可能性があるということで、OFRを勧める事象だったと思います」と、VARから映像をチェックさせるべきだったとした。
しっかりと意思疎通が取れていなければ、VARでいくらチェックしていてもこのような事態は起こるもの。「コミュニケーションが課題」としたが、そうなる理由は運用方法にも原因がありそうだ。
東城氏は「一番最初に教えられた時は、レフェリーが何をどう見たかを聞きなさいという教えがあった。その中でじゃあ次のステップをどうするかということがあった」とVARの初期段階では主審の意見を聞くことが尊重されていたという。ただ、「明らかに違った場合は、こういう事実がありますよと伝えることも必要だと考えています。状況に寄って変えなければいけません」と、今回の様に目に見えて間違った判定を下しそうな場合は、事実を伝えることが大事だとした。
また、「サポートすることがダメだということではないが、今回のように現場で見えているものと映っている事実が違うというのは伝えるべきで、OFRを勧めなければいけないものだったと考えています」とした。
結果として、このプレーで交代した西村は左足関節外側じん帯損傷と診断され離脱。全治4〜6週間とされていたが、驚異的な回復を見せ、1日の名古屋グランパス戦ですでに復帰している。
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