マドリーが敵地でセビージャに圧巻レモンターダ! アンチェロッティ采配的中で2点差追いつき最後は大エースの劇的AT弾《ラ・リーガ》
2022.04.18 06:11 Mon
ラ・リーガ第32節、セビージャvsレアル・マドリーが17日にサンチェス・ピスフアンで行われ、アウェイのマドリーが2-3で逆転勝利した。
セビージャは前節、後半アディショナルタイムにラファ・ミル、パプ・ゴメスが決めた2ゴールによってグラナダに競り勝ち、リーグ5戦ぶりの白星を奪取。わずかながら残る逆転優勝、トップ4フィニッシュへ向けて連勝を目指すホームゲームでは負傷離脱中のフェルナンドを除く主力を揃え、マルシャルを最前線に置き2列目にラメラ、パプ・ゴメス、ヘスス・コロナを並べた[4-2-3-1]を採用した。
対するマドリーは一部主力を温存して戦ったヘタフェ戦をカゼミロ、ルーカス・バスケスのゴールによって2-0の快勝。さらに、チャンピオンズリーグ(CL)のチェルシー戦では初戦のアドバンテージを生かし切れずに一時逆転を許したが、ロドリゴのゴールで延長戦に持ち込むと、最後はヴィニシウスとベンゼマの両エース共演のゴールで勝ち切り、見事に準決勝進出を決めた。
その激闘から中4日で戦うセビージャとのアウェイゲームでは出場停止のカゼミロに加え、メンディとマルセロの左サイドバック2選手が負傷で不在に。これを受け、アンチェロッティ監督は左サイドバックにカルバハルを据えて右サイドバックにルーカス・バスケスを起用。また、ピボーテにクロース、カマヴィンガをモドリッチと共にインテリオールで起用した。
以降は120分を戦ったチェルシー戦の影響をやや感じさせるマドリーに対して、よりフレッシュなセビージャが球際のバトルで優位性を保ちながら右サイドを起点に攻め手を窺う。すると、21分にはモドリッチとのイーブンボールの競り合いでうまく身体を入れてファウルを誘ったパプ・ゴメスがペナルティアーク付近の好位置でFKを獲得。ここでキッカーのラキティッチが右足で直接狙うと、4枚の壁の中央に入っていたミリトンとバルベルデの間を抜けたシュートがゴール左隅に突き刺さった。
相手の壁の作り方の問題もあって以外な形から先制に成功したセビージャは動揺が見えるアウェイチームの隙を突いて畳みかける。
25分、後方でのビルドアップからクンデが左サイドへ対角のロングフィードを供給。高い位置を取っていたアクーニャがヘディングのパスを背後のスペースに落とすと、快足を飛ばしたコロナが遅れての対応となったDFミリトンを振り切ってボックス内に侵入。飛び出したGKクルトワの寸前で右へ折り返すと、ゴール前にフリーで走り込んできたラメラが無人のゴールへ左足のシュートを流し込んだ。
集中力を欠く連続失点で厳しくなったマドリーは、カマヴィンガとクロースの立ち位置を入れ替えるなど、細かい修正を施して立て直しを図る。また、ベンゼマやモドリッチといったベテランを中心に攻守のギアを一段階上げて反撃姿勢を見せる。34分にはボックス手前からベンゼマが強烈なシュートを枠に飛ばすが、これはGKブヌに正面で対応された。
37分には試合の行方に大きな影響を与えかねないシーンが。ハーフウェイライン付近でDFミリトンを背負ったマルシャルが完璧に入れ替わると、慌ててカバーに入ったカマヴィンガがスライディングタックル。ボールに触れずに同胞FWの足を刈る格好に。すでに1枚カードをもらっていたカマヴィンガの退場不可避かに思われたが、主審はノーファウルの判定。さらに、このプレーで痛めたマルシャルがプレー続行不可能となり、ラファ・ミルがスクランブル投入された。
判定に救われて数的同数を維持したマドリーは開き直って残り時間に攻勢を仕掛けたが、リーグ最高の堅守を誇るセビージャにうまく守られて前半を2点ビハインドで終えた。
迎えた後半、逆転に向けて大きな変化が求められるマドリーは退場のリスクがあるカマヴィンガを下げてロドリゴを右ウイングで投入。この交代でクロースが再びピボーテ、バルベルデがインテリオールにポジションを変えた。対するセビージャはコンディションの問題か、パプ・ゴメスを下げてオリベル・トーレスを投入した。
すると、不甲斐ない前半のパフォーマンスを払しょくしようと相手を上回る強度で入ったマドリーが猛攻を見せる。開始直後のモドリッチのスルーパスに抜け出したベンゼマの決定機は相手GKブヌの好守に阻まれるが、前半ほとんど機能していなかった左サイドの崩しから反撃の狼煙を上げるゴールが生まれる。
50分、相手陣内左サイドでボールを受けたカルバハルがヴィニシウスにボールを預けてインナーラップを仕掛ける。そして、ボックス内でカットインしたヴィニシウスのヒールパスを外側で受け直して絶妙なグラウンダークロスを入れると、DFジエゴ・カルロスの死角からニアに飛び出したロドリゴが右足ワンタッチで合わせ、公式戦連発となる今季のラ・リーガ初ゴールとした。
早い時間帯のゴールで完全に勢いづくアウェイチームは直後にもミリトンの強烈なミドルシュートで相手ゴールを脅かすと、左に移ったモドリッチとヴィニシウスが違いを生み相手守備を翻弄。さらに、ボールを失っても強度の高いプレスを敢行し、相手に攻撃の機会を与えない。
一方、前半とは打って変わって防戦一方の展開を強いられるセビージャは62分に2枚替えを敢行。アクーニャとコロナの左サイドのユニットを下げてグデリ、アウグスティンソンを投入。アウグスティンソンはそのまま左サイドバックに入り、グデリはドブレピボーテの一角、ラキティッチはトップ下、オリベルが左ウイングに立ち位置を変えた。
この交代によってセビージャが少しずつ試合を落ち着かせることに成功。試合は始めて拮抗した状況となる。そういった中、72分にはセビージャに後半最初の決定機。オリベルの鮮やかな個人技から左サイドで高い位置に飛び出したアウグスティンソンに繋ぐと、完璧なクロスがゴール前に供給される。だが、ゴール前にフリーで入ったラファ・ミルはヘディングシュートを大きくふかしてしまう。
すると、この直後にはマドリーにビッグチャンス。74分、右サイドでのコンビネーションからルーカス・バスケスが上げたクロスを中央で競ったモドリッチが頭で流すと、ファーサイドでフリーのヴィニシウスが肩口でトラップして右足のシュートを流し込む。当初、主審はハンドの判定を下したが、右肩と腕の微妙な位置でのトラップということでオンフィールドレビューに。カマヴィンガの退場見逃しの精神的な影響もあったか、最終的に当初の判定を支持することになった。
微妙な判定で絶好の同点機を逸したマドリーは、直前から準備していたアセンシオとナチョをモドリッチ、ルーカス・バスケスに代えて投入。すると、この交代策がまたしても嵌る。82分、右CKの二次攻撃からボックス右角でルーズボールを回収したカルバハルがそのままボックス右に持ち込んでグラウンダーのクロスを供給。これをゴール前のナチョが見事な右足インサイドのダイレクトシュートで流し込んだ。
アンチェロッティ采配的中でついに試合を振り出しに戻したマドリーは、気落ちするホームチームを相手にあくまで勝ち点3を奪いに行く首位チームの気概を見せる。そして、完全に流れを掴んだ中でやはり絶対的なエースが勝敗を決する重要な仕事を果たした。
7分が加えられた後半アディショナルタイムの92分にボックス付近でヴィニシウスがボールをキープ。ボックス右で背後を狙うロドリゴへ絶妙なパスを通すと、ゴールライン際で仕掛けたロドリゴからのプルバックを足元に収めたベンゼマが相手守備陣のブロックを冷静に外す右足のシュートをニアサイドに突き刺した。
ホームで2点差を引っくり返されて逆転を許したセビージャは、ここから形振り構わぬ猛攻に打って出たが、GKブヌも攻撃参加した最終盤のパワープレーも実らず。試合はこのままタイムアップ。
前後半で大きく主導権が入れ替わり、一部判定も大きな影響を与えた見どころ満載の上位対決は、前回対戦に続きマドリーが劇的なレモンターダを飾ることになった。
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3位のセビージャ(勝ち点60)と、首位のレアル・マドリー(勝ち点72)によるシーズン終盤の重要な上位対決。対するマドリーは一部主力を温存して戦ったヘタフェ戦をカゼミロ、ルーカス・バスケスのゴールによって2-0の快勝。さらに、チャンピオンズリーグ(CL)のチェルシー戦では初戦のアドバンテージを生かし切れずに一時逆転を許したが、ロドリゴのゴールで延長戦に持ち込むと、最後はヴィニシウスとベンゼマの両エース共演のゴールで勝ち切り、見事に準決勝進出を決めた。
その激闘から中4日で戦うセビージャとのアウェイゲームでは出場停止のカゼミロに加え、メンディとマルセロの左サイドバック2選手が負傷で不在に。これを受け、アンチェロッティ監督は左サイドバックにカルバハルを据えて右サイドバックにルーカス・バスケスを起用。また、ピボーテにクロース、カマヴィンガをモドリッチと共にインテリオールで起用した。
システムの嚙み合わせによってマッチアップが明確となり、立ち上がりから主導権争いが続く。開始9分にはペナルティアーク付近でジョルダンのパスを足元で収めたマルシャルが鋭い反転シュートを狙うが、これはわずかに枠の左に外れる。
以降は120分を戦ったチェルシー戦の影響をやや感じさせるマドリーに対して、よりフレッシュなセビージャが球際のバトルで優位性を保ちながら右サイドを起点に攻め手を窺う。すると、21分にはモドリッチとのイーブンボールの競り合いでうまく身体を入れてファウルを誘ったパプ・ゴメスがペナルティアーク付近の好位置でFKを獲得。ここでキッカーのラキティッチが右足で直接狙うと、4枚の壁の中央に入っていたミリトンとバルベルデの間を抜けたシュートがゴール左隅に突き刺さった。
相手の壁の作り方の問題もあって以外な形から先制に成功したセビージャは動揺が見えるアウェイチームの隙を突いて畳みかける。
25分、後方でのビルドアップからクンデが左サイドへ対角のロングフィードを供給。高い位置を取っていたアクーニャがヘディングのパスを背後のスペースに落とすと、快足を飛ばしたコロナが遅れての対応となったDFミリトンを振り切ってボックス内に侵入。飛び出したGKクルトワの寸前で右へ折り返すと、ゴール前にフリーで走り込んできたラメラが無人のゴールへ左足のシュートを流し込んだ。
集中力を欠く連続失点で厳しくなったマドリーは、カマヴィンガとクロースの立ち位置を入れ替えるなど、細かい修正を施して立て直しを図る。また、ベンゼマやモドリッチといったベテランを中心に攻守のギアを一段階上げて反撃姿勢を見せる。34分にはボックス手前からベンゼマが強烈なシュートを枠に飛ばすが、これはGKブヌに正面で対応された。
37分には試合の行方に大きな影響を与えかねないシーンが。ハーフウェイライン付近でDFミリトンを背負ったマルシャルが完璧に入れ替わると、慌ててカバーに入ったカマヴィンガがスライディングタックル。ボールに触れずに同胞FWの足を刈る格好に。すでに1枚カードをもらっていたカマヴィンガの退場不可避かに思われたが、主審はノーファウルの判定。さらに、このプレーで痛めたマルシャルがプレー続行不可能となり、ラファ・ミルがスクランブル投入された。
判定に救われて数的同数を維持したマドリーは開き直って残り時間に攻勢を仕掛けたが、リーグ最高の堅守を誇るセビージャにうまく守られて前半を2点ビハインドで終えた。
迎えた後半、逆転に向けて大きな変化が求められるマドリーは退場のリスクがあるカマヴィンガを下げてロドリゴを右ウイングで投入。この交代でクロースが再びピボーテ、バルベルデがインテリオールにポジションを変えた。対するセビージャはコンディションの問題か、パプ・ゴメスを下げてオリベル・トーレスを投入した。
すると、不甲斐ない前半のパフォーマンスを払しょくしようと相手を上回る強度で入ったマドリーが猛攻を見せる。開始直後のモドリッチのスルーパスに抜け出したベンゼマの決定機は相手GKブヌの好守に阻まれるが、前半ほとんど機能していなかった左サイドの崩しから反撃の狼煙を上げるゴールが生まれる。
50分、相手陣内左サイドでボールを受けたカルバハルがヴィニシウスにボールを預けてインナーラップを仕掛ける。そして、ボックス内でカットインしたヴィニシウスのヒールパスを外側で受け直して絶妙なグラウンダークロスを入れると、DFジエゴ・カルロスの死角からニアに飛び出したロドリゴが右足ワンタッチで合わせ、公式戦連発となる今季のラ・リーガ初ゴールとした。
早い時間帯のゴールで完全に勢いづくアウェイチームは直後にもミリトンの強烈なミドルシュートで相手ゴールを脅かすと、左に移ったモドリッチとヴィニシウスが違いを生み相手守備を翻弄。さらに、ボールを失っても強度の高いプレスを敢行し、相手に攻撃の機会を与えない。
一方、前半とは打って変わって防戦一方の展開を強いられるセビージャは62分に2枚替えを敢行。アクーニャとコロナの左サイドのユニットを下げてグデリ、アウグスティンソンを投入。アウグスティンソンはそのまま左サイドバックに入り、グデリはドブレピボーテの一角、ラキティッチはトップ下、オリベルが左ウイングに立ち位置を変えた。
この交代によってセビージャが少しずつ試合を落ち着かせることに成功。試合は始めて拮抗した状況となる。そういった中、72分にはセビージャに後半最初の決定機。オリベルの鮮やかな個人技から左サイドで高い位置に飛び出したアウグスティンソンに繋ぐと、完璧なクロスがゴール前に供給される。だが、ゴール前にフリーで入ったラファ・ミルはヘディングシュートを大きくふかしてしまう。
すると、この直後にはマドリーにビッグチャンス。74分、右サイドでのコンビネーションからルーカス・バスケスが上げたクロスを中央で競ったモドリッチが頭で流すと、ファーサイドでフリーのヴィニシウスが肩口でトラップして右足のシュートを流し込む。当初、主審はハンドの判定を下したが、右肩と腕の微妙な位置でのトラップということでオンフィールドレビューに。カマヴィンガの退場見逃しの精神的な影響もあったか、最終的に当初の判定を支持することになった。
微妙な判定で絶好の同点機を逸したマドリーは、直前から準備していたアセンシオとナチョをモドリッチ、ルーカス・バスケスに代えて投入。すると、この交代策がまたしても嵌る。82分、右CKの二次攻撃からボックス右角でルーズボールを回収したカルバハルがそのままボックス右に持ち込んでグラウンダーのクロスを供給。これをゴール前のナチョが見事な右足インサイドのダイレクトシュートで流し込んだ。
アンチェロッティ采配的中でついに試合を振り出しに戻したマドリーは、気落ちするホームチームを相手にあくまで勝ち点3を奪いに行く首位チームの気概を見せる。そして、完全に流れを掴んだ中でやはり絶対的なエースが勝敗を決する重要な仕事を果たした。
7分が加えられた後半アディショナルタイムの92分にボックス付近でヴィニシウスがボールをキープ。ボックス右で背後を狙うロドリゴへ絶妙なパスを通すと、ゴールライン際で仕掛けたロドリゴからのプルバックを足元に収めたベンゼマが相手守備陣のブロックを冷静に外す右足のシュートをニアサイドに突き刺した。
ホームで2点差を引っくり返されて逆転を許したセビージャは、ここから形振り構わぬ猛攻に打って出たが、GKブヌも攻撃参加した最終盤のパワープレーも実らず。試合はこのままタイムアップ。
前後半で大きく主導権が入れ替わり、一部判定も大きな影響を与えた見どころ満載の上位対決は、前回対戦に続きマドリーが劇的なレモンターダを飾ることになった。
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