【CLプレビュー】崖っぷちのマドリー、パリ優位を覆せるか《レアル・マドリーvsPSG》

2022.03.09 17:00 Wed
Getty Images
チャンピオンズリーグ(CL)ラウンド16の2ndレグ、レアル・マドリーvsパリ・サンジェルマン(PSG)が、日本時間9日29:00にサンティアゴ・ベルナベウでキックオフされる。崖っぷちのマドリーがホームで逆転狙う優勝候補対決の第2ラウンドだ。
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先月15日にパルク・デ・プランスで行われた1stレグでは、戦前に予想された拮抗した展開とは裏腹に、ホームのPSGが90分を通して圧倒。FWメッシのPKがGKクルトワにストップされたものの、FWムバッペが試合終了間際に決めた劇的ゴールによってホームチームが先勝に成功した。
0-1の結果以上に枠内シュート0という振るわない試合内容が衝撃的だったマドリーだが、以降のリーグ戦3試合では3戦全勝ときっちりバウンスバックに成功。エースFWベンゼマの3試合連続ゴールに加え、FWアセンシオやMFモドリッチ、MFカマヴィンガらのゴラッソと、なかなか自分たちの形で崩し切れない中でもゴールを奪えている点は大きい。また、守備では直近のレアル・ソシエダ戦でPKによる失点はあったものの、ここ数試合流れの中ではほとんど決定機を作らせておらず、チーム状態は良好だ。

一方、ほぼ完ぺきな内容で先勝に成功したPSGだが、首位を独走するリーグ戦ではマドリー戦後の3試合で1勝2敗と負け越し。サンテチェンヌ戦こそ逆転勝利したものの、いずれも敗れたナント戦、直近のニース戦を含め全試合で先制点を奪われており、集中力の欠如は懸念材料だ。ニース戦に関してはターンオーバーの影響が少なからずあったが、「すでに気持ちがマドリードに向かっていた」と揶揄されるなど、精神面の未熟さが大一番における勝負の際で露呈する可能性は十分にある。その2試合での敗戦を教訓にできるか…。

◆レアル・マドリー◆
【4-3-3】
▽レアル・マドリー予想スタメン
(C)CWS Brains,LTD.

GK:クルトワ
DF:カルバハル、ミリトン、ナチョ、アラバ
MF:モドリッチ、カマヴィンガ、クロース
FW:アセンシオ、ベンゼマ、ヴィニシウス
負傷者:MFクロース
コロナ陽性者:なし
出場停止者:DFメンディ(1/1)、MFカゼミロ(1/1)

1stレグでイエローカードを受けたメンディとカゼミロが累積警告により出場停止となる。負傷者に関しては直近のソシエダ戦をハムストリングのケガで欠場したクロースがメンバー入りを果たしたが、状態が気がかりだ。

スタメンに関してはメンディとカゼミロが不在の左サイドバック、アンカーの人選に大きな注目が集まる。左サイドバックはナチョ、マルセロが有力な代役候補になるが、メッシかディ・マリアとのマッチアップが想定される中、守備面で大きな穴となるマルセロの起用はリスキーだ。したがって、ナチョの起用が濃厚となるが、そのまま左に配置するのか、センターバックに置いてアラバを左に回すのか、イタリア人指揮官の選択に注目したい。

また、カゼミロの代役に関してはクロースのスタメン起用を前提にすると、カマヴィンガ、バルベルデの二択となる。アンカーへの適性、スタッド・レンヌ時代の対戦経験を考慮し、前者の起用を予想するが、[4-2-3-1]への布陣変更も含め、こちらも大きな注目ポイントだ。

◆パリ・サンジェルマン◆
【4-3-3】
▽パリ・サンジェルマン予想スタメン
(C)CWS Brains,LTD.

GK:ドンナルンマ
DF:ハキミ、マルキーニョス、キンペンベ、ヌーノ・メンデス
MF:グイエ、ダニーロ、ヴェッラッティ
FW:メッシ、ネイマール、ムバッペ

負傷者:DFセルヒオ・ラモス、MFエレーラ、FWムバッペ
コロナ陽性者:なし
出場停止者:なし

出場停止者はいない。負傷者に関してはセルヒオ・ラモス、エレーラの欠場が確定。また、直前のトレーニング中に同僚MFグイエに左足甲を踏まれて負傷したムバッペに関しては遠征メンバー入りを果たしたが、懸念材料となっている。

スタメンに関してはムバッペの起用の可否が最大の焦点。仮に、スタートからの起用が難しい場合、ネイマールを左、メッシを中央、ディ・マリアを右に配置する形となる。また、中盤に関してはパレデスが筋肉系のケガから復帰したばかりということもあり、グイエを右のインサイドハーフ、ダニーロをアンカーに置く形が想定される。

★注目選手
◆レアル・マドリー:FWカリム・ベンゼマ
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求められる逆転突破に導くエースの仕事。戦術的な観点から見れば、メンディ、カゼミロの代役を担う選手たち、1stレグでムバッペに蹂躙されたカルバハルのパフォーマンスに注目が集まるところだ。しかし、逆転突破に少なくとも2点が必要なことを考えれば、やはりエースストライカーのパフォーマンスに注目したい。

前回対戦では負傷明けでのぶっつけ本番での起用ということもあり、チーム全体で苦戦を強いられた中、個人でそれを撥ね返すほどの存在感を放つことができなかった。それでも、以降のリーグ戦ではPKが2つあったものの、3試合連続ゴールを記録。今季のリーグ戦得点数を早くも20の大台に乗せ、今回の大一番に向けて状態を上げてきている。

PSGが前回対戦同様のインテンシティを保って試合に臨んだ場合、メンディ、カゼミロ不在によって守勢に加え、ビルドアップの局面での苦戦は必至。前回対戦では相手2センターバックの徹底監視を受け、なかなか前線でボールを収める仕事ができなかったが、まずはその局面での改善が求められる。そして、相棒ヴィニシウスと共に少ないチャンスを確実にモノにする決定力が求められるところだ。

◆パリ・サンジェルマン:FWリオネル・メッシ
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慣れ親しんだベルナベウで躍動なるか。敵地での一戦に向けてPSGの優位は揺らがないが、CL最多優勝を誇るマドリーの勝負強さに加え、前回対戦で最も脅威を与えたムバッペのコンディションが懸念される状況においては、過去にベルナベウをまるで自分の庭のようにしてきた元バルセロナのエースの活躍が求められる。

前回対戦ではビルドアップの局面、チャンスメークの部分で存在感を示したが、絶好の先制機でのPK失敗や貢献度が低い守備面と悪い部分ばかりに焦点が当てられる、個人としては悔しい一戦となった。また、17試合でわずか2ゴールと苦戦するリーグ・アンでは0-1で敗れた直近のニース戦でのパフォーマンスも批判の対象となっている。

そういった中で迎える今回の一戦では、これまで通算15ゴールを記録してきた得意のベルナベウで名誉挽回を期す。過去のインタビューで、「ベルナベウでプレーするとき、多くのスペースが生まれる。彼らはホームチームとしての責任やサポーターの声援を受けて攻め立ててくる」と語った通り、今回のマドリーはより攻撃的に振る舞うため、メッシにとってプレーしやすい状況となるはずだ。

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