ローマが開幕3連勝! ファラオーネが後半AT劇的弾でモウリーニョ通算1000試合に638勝目をプレゼント《セリエA》

2021.09.13 05:56 Mon
Getty Images
セリエA第3節、ローマvsサッスオーロが12日にスタディオ・オリンピコで行われ、ホームのローマが2-1で勝利した。
PR
ジョゼ・モウリーニョ新体制で公式戦4試合全勝と最高のスタートを切ったローマ。リーグ3連勝を目指すこの一戦では、昨季エンポリをセリエB優勝に導きデ・ゼルビの後任に抜擢されたディオニージ率いる新生サッスオーロと対戦した。
モウリーニョ監督は自身の監督キャリア通算1000試合目となるメモリアルマッチで、前節のサレルニターナ戦から先発1人を変更。カルレス・ペレスに替えて出場停止明けのザニオーロを右ウイングで起用した。

試合は立ち上がりから行ったり来たりの主導権争いが続く。互いに中盤からの長い持ち上がりで相手を背走させ、ボックス付近までボールを運ぶものの、攻撃を遅らされる場面が散見。そういった流れの中、13分にはボックス右で味方の落としを受けたベラルディが得意の左足のシュートを放って最初の決定機を作った。

以降はローマがボールを握って押し込む時間が続くも、要所でビルドアップのミスを奪ったり、セカンドボールの争いを制するサッスオーロがシンプルなカウンターからより相手ゴールに迫る。26分には最終ラインからの縦パスに抜け出したラスパドーリからボックス右でパスを受けたべラルディが利き足とは逆の右足のシュートでゴールネットを揺らしたが、これはラスパドーリの抜け出しのタイミングでオフサイドを取られた。
一方、全体的に重さと淡白なプレーが目立つローマは、守備時にボールホルダーへの寄せが甘く、再三背後を狙う相手のアタッカー陣へ簡単にスルーパスを通される悪循環に陥る。それでも、33分には右サイドで高い位置を取ったカルスドルプからのアーリークロスから決定機。エイブラハムがボックス内に抜け出してスライディングシュートを放つが、これはわずかに枠の左へ外れた。

この試合最初の決定機をモノにできなかったホームチームだが、直後に意表を突く形からしたたかにゴールを陥れる。37分、相手陣内左サイドで得たFKの場面でペナルティアーク付近に人を集めてゴール前へのクロスを意識させる。だが、キッカーのペッレグリーニは意表を突いてボックス左のスペースへのグラウンダーのスルーパスを選択。これに完璧なタイミングで飛び出したクリスタンテがGKとの一対一の局面で冷静に左足のシュートを流し込んだ。

その後はサッスオーロの反撃に晒されるも、守護神パトリシオを中心に粘り強く守り、前半を1点リードで終えた。

迎えた後半、先に動いたのはサッスオーロ。ラスパドーリを下げてローマの下部組織出身で、今年5月には父親のローマ練習場襲撃が大きな話題となった長身FWスカマッカをハーフタイム明けに投入した。

すると、前線に屈強なターゲットマンが入ったことで、カウンター以外に遅攻の形からもチャンスを作れるようになったアウェイチームがキックオフ直後から分厚い攻めで押し込んでいく。

そして、57分にはボックス手前左でボールを収めたスカマッカが右サイドのベラルディに展開。ボックス内に侵入したベラルディがDFビーニャを巧みなターンでかわして右足のクロスを入れると、ゴール前に飛び込んだジュリチッチが何とか脛に当てたボールが絶妙なループシュートの形でGKパトリシオの頭上を越えて決まった。

劣勢の状況で耐え切れずにスコアをタイに戻されたローマだが、この失点が“気付け薬”となったか、ここから一気に攻撃のギアを上げていく。

失点直後にはムヒタリアンのスルーパスに抜け出したペッレグリーニがボックス右に持ち込んで枠を捉えたシュートを放つ。さらに、GKコンシーリにはじき出されたボールに詰めたエイブラハムが押し込みにかかるが、これは右ポストを叩く。続く62分にはエイブラハムのスルーパスに反応したペッレグリーニがボックス内でDF2枚をフェイントで外して右足を振るが、ここはDFキリケシュの身体を張ったブロックに阻まれる。

一方、同点以降は再びボールを握られる展開となったサッスオーロも、ボガの推進力を生かしたカウンターが機能。68分にはそのボガからボックス内でショートパスを受けたベラルディがGKと一対一の絶好機を迎えるが、ここはGKパトリシオにうまくコースを消されて逆転ゴールとはならず。

勝ち切りたいローマは70分を過ぎてムヒタリアン、ヴェレトゥ、ザニオーロを下げてエル・シャーラウィ、ショムロドフ、カルレス・ペレスとフレッシュなアタッカーを投入。この交代でペッレグリーニをボランチ、ショムロドフをセカンドトップに配置して前がかる。

その後、試合は中盤の間延びが顕著となり、カウンターを打ち合う非常にオープンな展開に。ローマはペッレグリーニ、ショムロドフ、サッスオーロはボガ、ハメド・トラオレに2点目を奪うチャンスが訪れるが、コンシーリとパトリシオの両守護神の再三のビッグセーブやポストに阻まれる。

このまま1-1のドローで試合終了かに思われたが、稀代のエンターテイナーの通算1000試合目は最後の最後までドラマティックだった。91分、自陣からのロングボールのこぼれ球をボックス左でショムロドフが収めて短く落とすと、これをエル・シャーラウィが得意の左45度の角度から右足を一閃。このシュートが右ポストの内側を叩いてゴールネットに吸い込まれると、劇的ゴールに大興奮のモウリーニョ監督もゴール裏に集まる選手たちの元へ駆け寄った。

これでローマの劇的勝利と思われたが、直後の94分にはアイハンのロングボールをボックス右で収めたスカマッカに見事なボレーシュートを決められてしまう。だが、ここはオフサイドの判定に救われてオリンピコ全体が安堵のため息をついた。

そして、試合はこのままタイムアップを迎え、モウリーニョ監督のキャリア通算1000試合目を劇的な形で制したローマが、通算638個目(OptaPaoloのデータ)の白星をプレゼントすると共にセリエA開幕3連勝を飾った。

PR
関連ニュース

ローマが後半ラストプレー弾で異例の“20分ゲーム”制す! ウディネーゼはカンナバーロ初陣で厳しい敗戦に【セリエA】

セリエA第32節延期分、ウディネーゼvsローマが25日にスタディオ・フリウリで行われ、アウェイのローマが1-2で逆転勝利した。 当初、今回の一戦は今月14日に開催。23分にロベルト・ペレイラのゴールでウディネーゼが先制も、64分にルカクのゴールでローマが追いつき1-1のイーブンに。 だが、70分過ぎにローマのエンディカが胸の痛みを訴えてピッチに座り込み、応急処置を受けた後に緊急搬送。生命に関わる事象ということもあり、試合続行が困難とのローマ側の訴えが認められて試合途中での中止が決定。 幸いエンディカは大事に至らず、25日に1-1のスコアを引き継ぐ形で72分の時点から再開となった。 ホームのウディネーゼではこの間にチオフィ前監督が解任され、ファビオ・カンナバーロ新監督を招へい。このイレギュラーな一戦が新天地での初陣に。 対するローマは直近のボローニャ戦に1-3で敗れ、チャンピオンズリーグ出場権争いでより厳しい立場に。ヨーロッパリーグのレバークーゼン戦を含め、ナポリ、ユベントス、アタランタと痺れる上位対決を控える中、“20分ゲーム”での勝ち点3を狙った。なお、中断前の時点から6選手を入れ替えて臨んだ。 72分からの再開で勝ち点3を目指して20分間に全力を注ぐという、非常に難しいシチュエーションで迎えた試合。 より勝ち点3がほしいローマが押し込む形でスタートしたが、81分にはウディネーゼがセットプレー流れからボックス左に抜け出したルッカが左足の際どいシュートを放つが、これはGKスヴィラールの好守に遭う。 一方、ローマは直後の85分に決定機。アズムンがDFペレスに圧力をかけてボックス付近でボールを奪い切ってそのまま右足シュートを放つが、これはGKオコイェに阻まれた。 その後、4分が加えられた後半アディショナルタイムにローマが決死の猛攻を仕掛けると、後半ラストプレーで劇的なゴールが生まれる。 95分、連続で得た左CKの場面でキッカーのディバラが正確な左足アウトスウィングのクロスを入れると、ニアにタイミング良く走り込んだクリスタンテがゴール右隅にヘディングシュートを流し込んだ。 そして、試合はこのままタイムアップを迎え、ウディネーゼとの再開“20分ゲーム”を劇的に制したローマが、フリウリから勝ち点3を持ち帰ることに成功した。一方、カンナバーロ新体制のウディネーゼは厳しい黒星発進となった。 2024.04.26 03:39 Fri

エンディカが練習復帰! 来月2日レバークーゼンでの出場目指す

ローマのコートジボワール代表DFエヴァン・エンディカは、レバークーゼン戦での戦列復帰を目指すことになるようだ。 エンディカは、14日に行われたセリエA第32節のウディネーゼ戦に先発出場。しかし、72分に胸の痛みを訴えて突如倒れ込み試合は中断。担架で運び出され、試合は中止となった。 しかし、精密検査の結果、心臓の問題などは確認されず。外傷性の肺気胸と診断された。 以降、数々の有酸素運動やテストにポジティブな反応を示したことで、メディカルスタッフはトレーニングへの復帰を許可。同選手は今週に入ってトレーニングへの復帰を果たした。 そして、イタリア『ガゼッタ・デッロ・スポルト』によると、エンディカは今週末に行われるセリエA第34節のナポリ戦で招集メンバーに復帰する見込みだという。 しかし、ダニエレ・デ・ロッシ監督は、5月2日に行われるレバークーゼンとのヨーロッパリーグ準決勝1stレグでの先発起用を計画しているとのことだ。 2024.04.25 12:00 Thu

4位争いから一歩後退のローマ…デ・ロッシ監督「こうした試合もある」

ローマのダニエレ・デ・ロッシ監督が、セリエAでの敗北を振り返った。クラブ公式サイトが伝えている。 22日、4位ボローニャとのセリエA第33節に臨んだ5位ローマ。4日前にはミランを破ってヨーロッパリーグ(EL)準決勝進出を決めたチームだったが、この日は14分に先制を許すとハーフタイム直前にも失点を喫する苦しい展開に。後半に入ると、56分にFWサルダール・アズムンのゴールで1点を返すも9分後に再び失点してしまい、そのまま3-1で試合を終えた。 セリエAで久々の敗北となりボローニャとの差が広がることになってしまったデ・ロッシ監督は、内容に満足できる点はあると強調しつつ改善の必要性を口にしている。 「今日の我々はいつものような鋭さがなかったかもしれないが、相手は良いフットボールをするチームだった。プレスをかけた際も彼らは体を張ってくるから、審判に悪い印象を与えてしまったと思う。それに、機動力あるチームを相手にして試合をクローズするのは簡単ではない」 「だが、こうした試合もあるだろう。ほぼすべてのチャンスをモノにして勝った試合もあったし、相手のシュート数のほうが多かった試合もあった。ボローニャは自分たちの役割を果たしていたが、データを見る限りではかなりの互角だったのだ。我々のほうが、相手より先に危険なプレーをしていたと思う」 「レアンドロ・パレデスへのイエローカードはフェアではなかった。そのせいで負けたわけではないが、あの判定とその直後に喫した失点で我々は少し調子を崩したと思う。それでも、選手たちは最後までパフォーマンスを続けてくれた」 「我々は大人であり、経験も備えている。長い間この仕事をしてきて、ポジティブな感情もネガティブな感情も扱いには慣れているはずだ。これまでの我々はライバルとの試合で常に良い結果を残しており、かなり過酷な試合の連続でもメンタル面はうまく対処できていた」 「(ELの勝利もあり)気が高ぶっていたかもしれないが、それはプレーに影響していないだろう。数字やパフォーマンスを見れば、我々は常に試合の中にいたと思う。いつものようにはいかなかったが、若者たちは決して諦めなかった」 「もちろん、完璧な試合をしたいのであれば、そして3カ月前に始まったこの好調を維持したいのであれば、さまざまな局面をうまく切り抜ける必要がある。経験豊富なチームなら44分に失点すべきではなく、1-2とした後に同点へと追いつく時間はあったと理解すべきだ。3点目を許したことで、風向きは変わってしまった」 <span class="paragraph-title">【ハイライト動画】ローマvsボローニャ</span> <span data-other-div="movie"></span> <script>var video_id ="SI2nLCGDSuk";var video_start = 0;</script><div style="text-align:center;"><div id="player"></div></div><script src="https://web.ultra-soccer.jp/js/youtube_autoplay.js"></script> 2024.04.23 12:15 Tue

エル・アジズの華麗バイシクル弾にザークツィー1G1A、ボローニャがローマとの上位対決を制してCL出場権獲得に大きく前進【セリエA】

セリエA第33節、ローマvsボローニャが22日に行われ、1-3でボローニャが快勝した。 5位ローマ(勝ち点55/1試合未消化)と4位ボローニャ(勝ち点59)によるチャンピオンズリーグ(CL)出場権争い。 ローマは前節ウディネーゼ戦、エンディカがピッチで倒れて試合が中止に。1試合消化が少ない中、4ポイント差でボローニャを追うローマは4日前に行われたヨーロッパリーグではミランを下して2季連続準決勝進出とした。そのミラン戦で負傷交代となったルカクが欠場となった中、エイブラハムがディバラ、エル・シャーラウィと共に3トップを形成した。 一方、前節モンツァにゴールレスドローで2試合連続無得点のボローニャは、ザークツィー、エンドイエ、サーレーマケルスの3トップで臨んだ。 共に[4-3-3]でスタートした一戦。立ち上がりの主導権争いを経て14分、ボローニャが先制する。左サイドをオーバーラップしたカラフィオーリのクロスをエル・アジズが華麗なバイシクルシュートで蹴り込んだ。 失点したローマは20分、敵陣でボールを奪ったチェリクがボックス内へ侵入してシュートを放つ決定機を迎えるも、枠を捉えきれず。 ハーフタイムにかけては互角の攻防が続いていた中42分、ボローニャはサーレーマケルスの直接FKがバーに直撃すると、45分に追加点。サーレーマケルスの浮き球パスをエル・アジズが落とし、受けたザークツィーがボックス左で縦へ。左足で放ったシュートがGKスヴィラールの手を弾いてゴールラインを割った。 2点ビハインドで迎えた後半開始5分、ローマはエル・シャーラウィの強烈なミドルシュートが枠を捉えたが、ゴールライン前のポッシュに頭部でクリアされた。 それでも56分に1点差に強める。4分前に投入されていたアズムンがペッレグリーニの右クロスに頭で合わせるとGKスコルプスキを強襲。ルーズボールを押し込んだ。 しかし65分、ボローニャに決定的な3点目が生まれる。中盤でのボールカットからショートカウンターに転じ、ザークツィーのラストパスを受けたサーレーマケルスが独走。GKとの一対一をチップキックで制した。 終盤にかけてはボローニャがローマの攻撃をシャットアウト。3-1で快勝し、CL出場権獲得へ大きく前進している。 2024.04.23 03:29 Tue

カンナバーロが17位低迷ウディネーゼの新指揮官就任へ! 初陣はデ・ロッシとの代表元同僚対決か…

ファビオ・カンナバーロ氏(50)がウディネーゼの新指揮官に就任する見込みだ。 現役時代にナポリやパルマ、インテル、ユベントス、レアル・マドリーで活躍し、2006年のドイツ・ワールドカップ(W杯)制覇に導いた際にはバロンドールも受賞した稀代の名DFだったカンナバーロ氏。 現役引退後は中国の広州恒大(現:広州FC)や、天津権健(現:天津天海)、中国代表を指揮。ヨーロッパでは2022年9月にセリエBのベネヴェントの指揮官に就任したが、成績不振により4カ月で解任されている。 以降はアジア圏での代表監督や古巣ナポリの指揮官就任の噂も取り沙汰されたが、ここにきてウディネーゼの新指揮官就任の可能性が高まっている。 移籍市場に精通するジャーナリストのファブリツィオ・ロマーノ氏ら複数のイタリアメディアによると、20日に行われたセリエA第33節のエラス・ヴェローナ戦で0-1の敗戦を喫し、直近1分け3敗で自動降格圏とわずか1ポイント差の17位に低迷するウディネーゼはガブリエレ・チオフィ監督の解任を決断したという。 そして、その後任としてカンナバーロ氏の招へいに迫っており、週明けにも交渉が完了する見込みだという。 なお、ウディネーゼは、ローマDFエヴァン・エンディカの健康上の問題で後半半ばに中止となったセリエA第32節のローマ戦が25日に控えており、カンナバーロ氏の初陣は、アッズーリの後輩であるダニエレ・デ・ロッシとの元同僚対決となる可能性が高いようだ。 2024.04.22 07:00 Mon
NEWS RANKING
Daily
Weekly
Monthly