【欧州4大リーグ日本人選手総括&評価】冨安と久保が最高評価! ブンデス勢が及第点

2020.08.09 18:00 Sun
Getty Images
欧州4大リーグの2019-20シーズンが8月2日のセリエAをもって無事終了しました。そこで本稿では4大リーグに所属する日本人9選手のパフォーマンスを5段階で独自に評価してみました。総括とともにご覧ください。
★★★★★が最高、☆が最低

★冨安健洋[ボローニャ]
Getty Images

セリエA出場試合数::29(先発:29)ゴール数:1
コッパ・イタリア出場試合数::1(先発:1)ゴール数:0
評価:★★★★
◆セリエA初挑戦で評価急上昇
ベルギーのシント=トロイデンで1年半プレーし、4大リーグの一角であるセリエAへとステップアップした冨安。中堅クラブのボローニャに約10億円で完全移籍した中、本職ではない右サイドバックで十分な存在感を示した。持ち前の守備力は当然ながら水準以上の足下の技術の高さを武器に、開幕から先発の座を勝ち取り、何の問題もなく右サイドバックを務め上げた。2度ほど負傷により戦列を離れたが、レギュラーの座を奪われることなくシーズンを戦い抜き、評価は急上昇。更なるステップアップも近いか。

★吉田麻也[サウサンプトン/サンプドリア]
Getty Images

プレミアリーグ出場試合数::8(先発:6)ゴール数:0
FAカップ出場試合数:1(先発:1)ゴール数:0
EFLカップ出場試合数:2(先発:1)ゴール数:0
セリエA出場試合数:14(先発:13)ゴール数:0
評価:★★☆☆☆

◆セインツ離れ、サンプの残留に貢献
8シーズンを過ごしたサウサンプトンでは例年のようにベンチを温める状況に陥った吉田だったが、守備の国イタリアに活躍の場を求めたことが正解だった。1月に英語の通じるラニエリ監督率いるサンプドリアに加入した吉田は、リーグ再開後に完全にスタメンに定着。4バックのセンターバックの一角としてチームに安定感をもたらし、残留争いに巻き込まれていたチームを一気に浮上させる役割を担った。
★久保建英[マジョルカ]
Getty Images

ラ・リーガ出場試合数:35(先発:23)ゴール数:4
コパ・デル・レイ出場試合数:1(先発:1)ゴール数:0
評価: ★★★★

◆マジョルカ降格も示した存在感
ラ・リーガ初挑戦のシーズンとしては上々の出来だったと言えるだろう。チームは1年で2部落ちとなったが、久保個人としてはトップリーグで十分に通用することを証明するシーズンとなった。シーズンが進むにつれチーム内での信頼を上げていった久保は、4ゴール5アシストを記録。アタッキングサードでアクセントを付ける役割を十分に果たし、マジョルカの大半のゴールシーンに絡んで見せた。

★乾貴士[エイバル]
Getty Images

ラ・リーガ出場試合数:29(先発:23)ゴール数:2
コパ・デル・レイ出場試合数:0
評価: ★★☆☆☆

◆チーム戦術に埋没
勝手知るエイバルでの復帰シーズンとなった乾だったが、チームの不調に引きずられるように凡庸なパフォーマンスが続いた。気心知れたメンディリバル監督の下でのプレーだったが、指揮官の求める守備のタスクに気を取られ過ぎ、持ち味の攻撃面でインパクトをなかなか残せず苦戦した。結局、シーズンをフル稼働しながらも2ゴール4アシストと得点に関与することが少なく、チームも残留争いを制すのがやっとの状態だった。

★鎌田大地[フランクフルト]
Getty Images

ブンデスリーガ出場試合数:28(先発:22)ゴール数:2
ヨーロッパリーグ出場試合数:10(先発:8)ゴール数:6
DFBポカール出場試合数:4(先発:3)ゴール数:2
評価: ★★★☆☆

◆待望のブンデス初ゴール含む公式戦2桁ゴールをマーク
シント=トロイデンでゴールへの意識を高めた鎌田は大きく成長してドイツの地に戻ってきた。2年前には何も残せなかったフランクフルトで開幕からヒュッター監督の信頼を勝ち取り、主力としてプレー。そして積み重ねたゴール数は10。ブンデスリーガ初ゴールこそ5月と時間を要したが、ヨーロッパリーグのアーセナル戦で決めた2ゴールは鮮烈な印象を残した。ブンデスリーガでのゴール数が更に増えれば、評価はより高まるはずだ。

★長谷部誠[フランクフルト]
Getty Images

ブンデスリーガ出場試合数:23(先発:21)ゴール数:0
ヨーロッパリーグ出場試合数:8(先発:7)ゴール数:0
DFBポカール出場試合数:3(先発:3)ゴール数:0
評価: ★★★☆☆

◆アジア人ブンデス最多出場記録更新
フランクフルトでの6シーズン目となった長谷部。今季も本職の中盤ではなくリベロでのプレーがメインとなったが、シーズン中盤はヒュッター監督がチームの不調を受けて4バックを採用したこともあり、長谷部の出番が減っていた。それでも、シーズンが再開した終盤は3バックに戻し、その中で長谷部もスタメンとしてプレーし続け、余裕をもったチームの残留に貢献した。6月にはブンデスリーガ通算309試合出場を果たし、アジア人における最多出場記録を更新。1月に36歳を迎えた長谷部だが、来季もフランクフルトとの契約を更新し、偉大な記録をさらに伸ばすことになりそうだ。

★大迫勇也[ブレーメン]
Getty Images

ブンデスリーガ出場試合数:28(先発:22)ゴール数:8
ブンデスリーガ残留プレーオフ試合数:2(先発:2)ゴール数:0
DFBポカール出場試合数:4(先発:2)ゴール数:1
評価: ★★★☆☆

◆シーズン終盤に覚醒で残留に導く
ブレーメンでの2シーズン目を迎えた大迫。昨季12ゴール14アシストをマークしたFWクルーゼがクラブを離れた中、エースとしての働きが期待されたが、その重責を担いきることはできなかった。第12節から第30節まで実に18試合もゴールから見放される時期があり、その間チームも非常に苦しんだ。それでも残り4試合で4ゴールを挙げ、何とか残留プレーオフにチームを導いた。とりわけ、最終節の古巣ケルン戦では鬼気迫るプレーで2ゴールを挙げ、自身2度目の降格を回避することに成功している。

★南野拓実[リバプール]
Getty Images

プレミアリーグ出場試合数:10(先発:2)ゴール数: 0
FAカップ出場試合数:3(先発:3)ゴール数:0
評価: ☆☆☆☆

◆ザルツブルクから欧州王者へのステップアップも…
ザルツブルクではチャンピオンズリーグで十分な存在感を示した南野だったが、その活躍を受けて移籍した昨季の欧州王者であるリバプールでは結果を残せなかったため、この低評価に。1月に大きなステップアップを果たした南野は少ないながらも出場機会を得たが、一番欲しかったゴールという結果は手にできず。チームに馴染むであろう来季以降の活躍に期待したい。

★武藤嘉紀[ニューカッスル]
Getty Images

プレミアリーグ出場試合数: 8(先発2)ゴール数:0
FAカップ出場試合数: 1(先発:1)ゴール数: 0
EFLカップ出場試合数: 1(先発:1)ゴール数: 1
評価:☆☆☆☆☆

◆プレミアの高い壁
昨季に続き、プレミアリーグの高い壁に武藤はもがき苦しんだ。ブルース新監督が就任した中、シーズン序盤は途中出場ながらプレーする機会が与えられたが、第8節以降はベンチにすら入れない状態が続いた。結局、今季はプレミアリーグでゴールを挙げることはできず、リーグカップでの1ゴールに留まってしまった。
関連ニュース

「本当に堅実」「とても信頼できる」3試合連続先発の冨安健洋、堅実なプレーぶりが現地で高評価「シーズン終了までポジションを守るだろう」

アーセナルの日本代表DF冨安健洋が現地で高く評価されている。 4日、プレミアリーグ第36節でアーセナルはボーンマスをホームに迎えた。 暫定ではあるものの首位を走り続けているアーセナル。昨シーズンは終盤に失速して優勝を逃したが、今シーズンはここまで堅実な戦いを見せており、チェルシー、トッテナムとのダービーにも勝利していた。 チャンピオンズリーグ(CL)ではバイエルンの前に敗退となったが、その後のリーグ戦で3連勝。冨安は3試合連続で先発出場すると、積極的に攻撃に絡んでいくなど高いパフォーマンス。守備でも堅実さを見せ、3-0で勝利したチームに貢献した。 フル出場でチームを支えた冨安に対し、イギリス『フットボール・ロンドン』は7点(10点満点)をつけた。 「冨安の左サイドバックも本当に堅実なプレーを見せた。このポジションに相応しいのは、シーズンの残りの間も彼になりそうだ」 また、イギリス『イブニング・スタンダード』も7点(10点満点)をつけている。 「3試合連続で先発出場しており、シーズン終了までそのポジションを守るはずだ。とても信頼できる堅実なパフォーマー」 イギリス『90min』も7点(10点満点)をつけ、「日本代表選手は常に左サイドを上下に動き、精力的にプレーを見せていた」と評価している。 マンチェスター・シティが2位で追いかけており、未消化試合で勝利されると逆転されるアーセナル。残り2戦、マンチェスター・ユナイテッド、エバートンに連勝し、果報は寝て待ちたい。 <span class="paragraph-title">【動画】3試合連続先発の冨安健洋は精力的にプレー</span> <span data-other-div="movie"></span> <script>var video_id ="D374g2lqBXM";var video_start = 0;</script><div style="text-align:center;"><div id="player"></div></div><script src="https://web.ultra-soccer.jp/js/youtube_autoplay.js"></script> 2024.05.05 09:05 Sun

中山雄太のハダースフィールド、三好康児のバーミンガムが揃ってイングランド3部降格【チャンピオンシップ】

4日、チャンピオンシップ(イングランド2部)の最終節が行われた。 すでにレスター・シティの昇格と優勝が決まっていた中、2位にはイプスウィッチ・タウンが入り2年連続での昇格を果たすことに。2001-02シーズン以来のプレミアリーグでの戦いとなる。そんな中、下位に目を向けると残念な結果が待っていた。 最下位はロザラム・ユナイテッド。シーズン5勝と厳しい戦いを強いられていたが、23位にはハダースフィールド・タウン、22位にはバーミンガム・シティが入り、両クラブもEFLリーグ1(イングランド3部)へと降格が決まった。 この両クラブには日本人選手が所属。ハダースフィールドには日本代表DF中山雄太が、バーミンガムには今シーズンから日本代表MF三好康児が加入していた。 ハダースフィールドは最終節を前にすでに降格が決定。その最終節では、昇格を決めたイプスウィッチ相手に2-0で敗れてシーズンを終えていた。 一方のバーミンガムは最終節まで残留のチャンスが残っており、三好も出場した試合では昇格プレーオフに臨むノリッジ・シティ相手に1-0で勝利。首の皮1枚繋がったが、残留を争うプリマス・アーガイルが昇格プレーオフ行きを争うハル・シティに1-0で勝利。勝ち点差「1」のまま降格が決定した。 中山は、加入1年目の昨シーズンはアキレス腱の負傷などもありシーズン後半を棒に振ることに。今シーズンはシーズン序盤を欠場するも、その後にポジションを掴んだが、3月にヒザの内側側副じん帯を損傷。残留に向けて大事なラスト11試合でメンバー外となり、悔しいシーズンとなった。 なお、チャンピオンシップで23試合に出場し2アシスト。センターバックをメインに、ボランチや左サイドバックでもプレーした。 三好はロイヤル・アントワープから今シーズン加入。右サイドハーフやトップ下などでプレーし、リーグ戦で43試合に出場し、6ゴール6アシストの活躍を見せた。 チームはシーズン途中に元イングランド代表FWウェイン・ルーニー氏を監督に迎えるなどしたがすぐに解任。難しい戦いが続き、3部降格となった。 日本代表でもプレーする両選手は来季まさかの3部落ち。今夏の移籍にも注目が集まりそうだ。 2024.05.05 08:50 Sun

「これぞモナ王」「神コース」南野拓実が技ありミドルで今季9ゴール目&アシスト!ファンも驚き 「時間止まったみたい」「これはゴラッソ」

モナコの日本代表MF南野拓実がスーパーゴールを記録した。 4日、リーグ・アン第32節でモナコはホームにクレルモンを迎えた。 リーグ2位につけていたモナコだが、パリ・サンジェルマン(PSG)の優勝がすでに決定。来シーズンのチャンピオンズリーグ(CL)出場権確保にも、残り3試合でしっかりと結果を残す必要がある状況となる。 南野はこの試合に先発出場すると、16分にいきなり見せる。チームはパスを繋いで崩していくと、縦パスをクリアされたボールがボックス手前にいた南野のもとへと溢れてきた。 すると、南野は落ち着いてトラップし、すぐさま右足一閃。コースを狙ったミドルシュートが右隅に吸い込まれ、GKは一歩も動けず。モナコが先制した。 南野は3試合ぶりとなる今シーズン9点目。コンスタントにゴールを決めており、調子の良さを窺わせるゴールとなった。 ファンは「狙い澄ましたゴール」、「まさに絶好調」、「これぞモナ王でありミナミーノ」、「神コース」、「うますぎるなぁ」、「時間止まったみたい」、「これはゴラッソ」と称賛のコメントが相次いでいる。 なお、モナコは得点を重ねると、87分には南野のパスからウィサム・ベン・イェデルがこの試合2点目を決めアシストも記録。4-1で快勝を収めた。 <span class="paragraph-title">【動画】芸術点も高い!狙い澄ました南野拓実のスーパーミドル!</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="twitter-tweet" data-media-max-width="560"><p lang="ja" dir="ltr">/<br><a href="https://t.co/G8CcvuhMo6">pic.twitter.com/G8CcvuhMo6</a></p>&mdash; DAZN Japan (@DAZN_JPN) <a href="https://twitter.com/DAZN_JPN/status/1786779014406824131?ref_src=twsrc%5Etfw">May 4, 2024</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> 2024.05.05 08:30 Sun

堂安フル出場のフライブルク、残留争い渦中の17位ケルンにゴールレスドロー【ブンデスリーガ】

フライブルクは4日、ブンデスリーガ第32節でケルンとのアウェイ戦に臨み、0-0で引き分けた。フライブルクのMF堂安律はフル出場している。 前節ヴォルフスブルクに逆転負けを喫した7位フライブルク(勝ち点40)は、堂安が[3-4-2-1]の右MFでスタメンとなった。 17位ケルン(勝ち点23)に対し、圧力を受ける入りとなったフライブルクは18分にCKの流れからティールマンのミドルでゴールを脅かされるもGKアトゥボルがセーブ。 前半半ば以降は互角の攻防が続いて膠着した展開となった中、0-0で前半を終えた。 迎えた後半も守勢の入りとなった中、67分にフライブルクはこの試合最初の好機。グリフォがボックス左まで侵入してクロス。ファーサイドでフリーのホーラーがボレーで合わせたが、シュートは枠に飛ばなかった。 すると71分にピンチ。ティゲスのポストプレーを受けたアリドゥにゴール至近距離からシュートを打たれたが、GKアトゥボルが防いだ。 終盤にかけては互いに譲らずゴールは生まれず。勝ち点1を分け合っている。 2024.05.05 03:23 Sun

鎌田が先制点に関与、ジュリッチのドッピエッタ許したラツィオがモンツァにドロー【セリエA】

ラツィオは4日、セリエA第35節でにモンツァとのアウェイ戦に臨み、2-2で引き分けた。ラツィオのMF鎌田大地は64分までプレーしている。 前節ヴェローナにウノゼロ勝利とした7位ラツィオ(勝ち点55)は、CL出場圏内の5位ローマを4ポイント差で追う中、鎌田が[3-4-2-1]のボランチで引き続きスタメンとなった。 11位モンツァ(勝ち点44)に対し、立ち上がりから押し込む展開としたラツィオは11分に先制する。ルーズボールに反応したボックス手前の鎌田がミドルシュート。GKが弾いてバーに直撃したこぼれ球をインモービレが押し込んだ。 鎌田が絡んで試合を動かしたラツィオは23分に大ピンチを迎えるも、ゴール前でフリーとなったカルボーニのヘディングシュートは枠を外れて助かった。 すると28分に好機。鎌田がボックス右ポケットを突いてゴールライン際ぎりぎりからクロスを送ると、インモービレがヒールで合わせたが、GKディ・グレゴリオのセーブに阻まれた。 前半半ば以降、守勢に回ったラツィオは35分にペッシーナのミドルシュートでGKマンダスを強襲されると、38分にも大ピンチ。ゴール前のボンドに決定的なヘディングシュートを許したものの、ここも枠を外れて助かったラツィオは1点のリードを保って前半を終えた。 迎えた後半、守勢の展開で立ち上がったラツィオは前半にイエローカードを受けていた鎌田が64分に交代に。 そして73分、モンツァに押し切られる。右クロスにダイビングヘッドで合わせたペッシーナのシュートはGKマンダスが防ぐも、ルーズボールをジュリッチに押し込まれた。 それでも83分、ラツィオはモンツァのミスを突いて勝ち越す。GKへのバックパスをカットしたベシーノが値千金のゴールを挙げた。 しかし追加タイム2分、ジュリッチにドッピエッタを許してドロー止まり。2度のリードを生かせず痛い引き分けに終わった。 2024.05.05 03:03 Sun
NEWS RANKING
Daily
Weekly
Monthly