【質疑応答】高倉監督、オリンピック前最後の公式戦に「結果にこだわる」《E-1選手権》

2019.11.29 17:00 Fri
©超ワールドサッカー
日本サッカー協会(JFA)は29日、EAFF E-1選手権に臨むなでしこメンバーを発表した。

今年最後の活動となるなでしこジャパン。12月11日から韓国で開催されるE-1選手権では、チャイニーズ・タイペイ(11日)、中国(14日)、韓国(17日)の順で対戦する。
会見には、なでしこジャパンを率いる高倉麻子監督が出席。高倉監督はメンバー発表後、メディア陣からの質疑に応対し、オリンピックを見据えて結果にこだわっていくことを強調した。さらに、新たなリーダーシップを執る選手が出てくることに期待した。

◆高倉麻子監督(なでしこジャパン)
「今年最後の試合になります。それと同時に私たちはオリンピック予選がないということで、オリンピックまでの最後の公式戦ということになります。ワールドカップ(W杯)以降、カナダ戦、南アフリカ戦というところで、今までやってきたことを積み上げながら、チームがやってきたことを確認したいと思います。ある程度、良い形になってきているのかなというふうには思いますけれども、今回の大会ではアジアではなく、東アジアという大会になります。しっかりと結果を出し切って、私たちがアジアのNo.1であるということを証明したいと思います。そのことは選手にとっても自信に繋がっていくと思うので、結果にこだわって、内容にこだわって、戦っていきたいと思います」

──メンバーではW杯に絡んでなかった選手で、最近呼ばれてる選手ですが、監督がチェックして生き残ったということか
「そうてす。何人か選手を新しく選手を呼んだり、ケガ人もいたので、ワールドカップ前からも含めて、気になっている選手を呼びました。引き続き、チームにとって力になる選手ということで呼んでいます」
──主将であるDF熊谷紗希(リヨン)を招集できないが、リーダーシップをとってもらいたい選手は
「今回、熊谷は呼べないということなので、名前を入れてませんけども、本当にこのチームは世界で勝っていくためには新しい強いリーダーは絶対必要だと思っています。この中で、どの選手が代表に対して強い思いを持って、そういったものを発信してくるか。私自身、大会が始まるまで時間はありませんけども、ちょっと見ながらキャプテンマークということだけでなくて、選手自身の全ての選手に自分がリーダーシップを取っていくんだという姿勢を見せて欲しいと思います。戻りますけど、本当に強いチームの軸となるようなプレーだけではなくて、ONとOFFを含めて何かを発信する選手が出てきて欲しいと思います」

──大会3連覇中の北朝鮮が辞退したが、各対戦国の印象は
「オリンピック予選を控えているので、どこのチームも万全で来るとは思います。けれども、選手招集の強制力がないので、韓国なんかは海外でやっている選手がいないという風に聞いています。台北は今、日本人の越後(和男)さんという方が監督をされてますけども、長く強化をされていると思います。初戦なので、難しいところはあると思いますけれども、とにかく結果も内容も伴って試合をしたいと思います」

「中国に関しても、W杯で結果は出ませんでしたけども、非常に大柄で、元々持っているポテンシャルは高いです。W杯の積み上げもありますし、オリンピックの予選も控えているということで、やはりフィジカル的な要素で、私たちは苦しめられるのではないかと思います。そこにはずっとテーマとして、大きさや、スピード、パワーに対して、対抗できるようにトレーニングは積んでいるので、そこはしっかり対応していきたいです。韓国に関しても、いつもの日韓戦というふうに考えれば、また違った重さが出てくる試合だと思います。相手どうこうというのは対応していきますけれども、自分たちがやってきたことが、少しずつ積み上がっていることを証明するためにも3つしっかり勝っていきたいと思います」

──今回開催地でプレーするFW池尻茉由(水原WFC/韓国)が入っているが、招集理由は
「先日、チャレンジキャンプというのを行ったんですけど、これは2年ほど前からなでしこに呼びきれない選手たちを呼んで、キャンプをする中で、こないだも池尻をそこに呼んで、見ました。非常に韓国でプレーをしながら自分のプレーに関して課題をもって取り組んでいる姿勢も見れました。左利きで独特の得点を獲る感覚や、タイミングを外す感覚というのは、ちょっとないタイプだったので、引き続き大会で見て見てみたいというのもあって今回も招集しました」

──新国立競技場が完成して明日引き渡しだが、オリンピック決勝が新国立でそれに対する想いは
「情報が取れていなかったです。前の国立競技場が少しずつ壊されていくのを見ていましたし、少しずつできてくるところも楽しみに見ていました。先日も前を通ったんですけど、いよいよできるんだなということを感じました。女子サッカーの決勝が新国立でやらせていただけるということは、私にとっても選手にとっても大きなモチベーションです。ぜひあそこの舞台に立って、最後に勝って終わりたいというのは全員の想いだと思います」

「今年、この大会が最後になりますけど、チームが良い内容であっても負ける。良い内容であっても勝つ。悪い内容であっても勝つ。といろんなサッカーのゲームがあると思いますけど、とにかく私たちのチームは勝ち切るチームにならないといけないと思います。この大会は前回、悔しい思いもしていますし、必ず勝って帰ってきたいと思います」

──日テレ・ベレーザ組は、AFC女子クラブ選手権2019などを戦っていて日程が過密になるが
「先日韓国に行って見てきましたけども、非常にタイトなスケジュールになるので、選手のケガは絶対に避けなければいけないです。その辺は、考慮しながらチーム全体の力が上がっていけるような進め方は考えてやっていこうと思います」

──男子と日程が被っているが、その相乗効果は
「代表の森保(一)監督とは私自身同い年でもあります。時々この中でもお会いしますけど、『お互いに頑張ろう』という話はしています。なかなか男子と同じような期間に真剣勝負ということはないので、どういった接点があるかはわからないですけど、お互い近いところで戦っているということは励みになると思います。ぜひアベックで金メダルを取って帰ってこれたらと思います」
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