シティvsスパーズの壮絶な打ち合いはVARによる残酷な幕引きに! 同国対決制したスパーズが初のベスト4進出《CL》
2019.04.18 06:19 Thu
チャンピオンズリーグ(CL)準々決勝2ndレグ、マンチェスター・シティvsトッテナムが17日にシティ・オブ・マンチェスターで行われ、ホームのシティが4-3で勝利した。しかし、2戦合計4-4で並ぶもアウェイゴール数で上回ったトッテナムの準決勝進出が決定した。
アグエロのPK失敗が響きアウェイゴールを奪えずに初戦を落としたシティだったが、先週末のクリスタル・パレス戦ではスターリングの2ゴールと、ガブリエウ・ジェズスのゴールによって前回対戦で敗れた相手にきっちりリベンジ。今回の2ndレグに弾みを付けることに成功した。なお、1stレグからのメンバー変更は4点。オタメンディ、デルフ、マフレズ、フェルナンジーニョに代わってコンパニ、メンディ、ベルナルド・シウバ、デ・ブライネを起用した。
一方、新スタジアムで先勝に成功したトッテナムだが、同試合でエースFWケインが負傷離脱を強いられる大きな代償を払うことに。それでも、週末に行われたハダースフィールド戦では主力を温存した中、ルーカス・モウラのハットトリックの活躍などで4-0の大勝。敵地でのシティ戦に大きな弾みを付けた。ポチェッティーノ監督は逃げ切りを図るこの一戦に向けてケガのケイン、ウィンクスに代えてルーカス、ワニャマを起用。システムを[4-2-3-1]からワニャマのアンカー、エリクセンをトップ下に配した[4-3-1-2]に変更した。
今週末にもプレミアリーグでの対戦を控える注目の同国対決第2ラウンドは、拮抗した展開の中で1点を争った前回対戦と打って変わって壮絶な打ち合いの展開に。開始4分、右サイドでアグエロとのパス交換からドリブルで中に切り込んだデ・ブライネが左サイドに張って待つスターリングに繋ぐ。ここで得意のカットインで切り込んだスターリングがシルバのニアへのクロスの動きをオトリに右足のコントロールシュートを放つと、これがファーポストの絶妙なコースに決まった。
さらに10分にはハーフウェイライン付近でDFラポルテのトラップミスを奪ったルーカスがボックス付近まで運ぶと、エリクセンを経由したボールがボックス左のソン・フンミンに繋がり、そこから見事な右足のコントロールシュートがゴール右上隅を射抜き、韓国代表の見事な連続ゴールでトッテナムが一気にベスト4進出に近づいた。
この失点で逆転突破には3ゴールが必要となったシティだったが、世界屈指の破壊力を誇る攻撃陣が相手に襲い掛かる。失点からわずか1分後には中央での細かい繋ぎからアグエロが右サイドで浮いていたベルナルド・シウバにラストパス。ボックス右からポルトガル代表MFが放ったシュートがブロックに入ったDFローズにディフレクトすると、GKロリスの逆を突く形でニアポストに吸い込まれる。
続く21分には相手陣内右サイドで得たFKの場面でリスタートからベルナルド・シウバとの連係で右サイドの深い位置まで持ち込んだデ・ブライネがGKと最終ラインの間をグラウンダーで抜く高速クロスを通すと、ファーで待ち受けていたスターリングがワンタッチで流し込んだ。
2戦合計3-3もアウェイゴール数でトッテナムが優位に立つ状況の中、試合はようやく落ち着いていく。立ち上がりからプレスが全く機能していなかったトッテナムはルーカスを最前線に配した[4-2-3-1]に変更。これによってボールを保持するシティ、ブロックを作って構えるトッテナムという構図がより明確に。前半終盤にはそ径部を痛めたムサ・シソコがプレー続行不可能となり、ジョレンテが緊急投入されるアクシデントがアウェイチーム側に起きるも前半は3-2のスコアで終了した。
互いにハーフタイムの短い時間帯に修正を施した中、仕切り直しとなった後半もホームチームが主導権を掴む。54分にはボックス内でボールを持ったデ・ブライネが強烈な右足のシュートを枠に飛ばすが、これはGKロリスの見事なワンハンドセーブに阻まれる。
後半から[4-4-2]の布陣を採用した中、守備では穴が空きにくくなったトッテナムは少しずつ反撃を試みる。58分にはカウンターの流れからデレ・アリの浮き球クロスに反応したジョレンテがピッチに叩きつけるヘディングシュートを放つが、これはGKエデルソンのセーブに遭う。直後にもエリクセンが強烈なシュートを飛ばすがGK正面を突く。
冷や汗をかいたシティだったが、このピンチを凌ぎ切った直後の59分にエースの右足が火を噴く。ギュンドアンの縦パスを相手陣内右のハーフスペースで引き出したデ・ブライネが相手の寄せをモノともしないドリブルでボックス付近まで運んでボックス右でフリーのアグエロにラストパス。ここで折り返しを匂わせた狡猾なストライカーは意表を突いてニアサイドに強烈な一撃を突き刺した。
この4点目でシティが2戦合計スコアを4-3として2試合を通じて初めて優位な立場に。ここからの相手の反撃を見越したグアルディオラ監督は63分、シルバを下げてフェルナンジーニョを投入。より攻守のバランスを整えて試合をクローズに行く。
一方、再逆転にはゴールが必要となったトッテナムだったが、攻撃に出ようにもベンチに残された攻撃的なカードは負傷明けのラメラ1人という厳しい状況。それでも、諦めずに反撃を試みるアウェイチームは73分に劇的なゴールを奪う。左CKの場面でキッカーのトリッピアーがニアサイドへボールを入れると、ここに飛び込んだジョレンテが腰付近にボールを当ててゴールへ流し込んだ。ハンドの可能性があるとしてビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)による検証が行われるも、チャクル主審はゴールを認めた。
相手のワンチャンスに沈んで再び追う立場になったシティはここからリスクを冒して攻撃に出る。84分にはメンディを下げて切り札のザネをピッチに送り出して猛攻に打って出る。しかし、ベン・デイビス、ダビンソン・サンチェスと守備的なカードで逃げ切りを図る相手をなかなか攻めきれない。
そして、刻一刻とタイムアップの笛が近付いた後半アディショナルタイムに最後のドラマが起きる。93分、自陣深くでボールを奪ってワニャマが繋いだボールをエリクセンがDFに囲まれてバックパス、ベルナルド・シウバの出した足に当たってボックス右でフリーのアグエロにボールが渡り、アグエロが冷静に中央のスターリングに折り返す。ここでスターリングが冷静に切り返してシュートを放つと、GKロリスが懸命に伸ばした足を弾いてボールがゴールネットを揺らす。
この劇的逆転ゴールにスタジアムにこの試合最大の歓喜が訪れるが、この直後にその歓喜は悲痛な悲鳴へと変わる。VARによる検証の結果、ベルナルド・シウバの引っかけたボールがアグエロに渡った時点でオフサイドと判断され、この土壇場でノーゴールの判定に覆った。
そして、死の淵から鮮やかに蘇ったアウェイチームが今度こそ逃げ切りに成功し、壮絶な打ち合いを制したトッテナムがクラブ史上初のCLベスト4進出を決めた。一方、天国から地獄を味わったシティの今季4冠の夢は脆くも崩れ去ることになった。
なお、この結果、トッテナムは初の準決勝でユベントス撃破のアヤックスと対戦する。
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9日にトッテナムの新本拠地で行われた1stレグではソン・フンミンが挙げた決勝点を守り切り、ホームチームが下馬評を覆す会心の勝利で新スタジアムでのデビュー戦を1-0で先勝した。一方、新スタジアムで先勝に成功したトッテナムだが、同試合でエースFWケインが負傷離脱を強いられる大きな代償を払うことに。それでも、週末に行われたハダースフィールド戦では主力を温存した中、ルーカス・モウラのハットトリックの活躍などで4-0の大勝。敵地でのシティ戦に大きな弾みを付けた。ポチェッティーノ監督は逃げ切りを図るこの一戦に向けてケガのケイン、ウィンクスに代えてルーカス、ワニャマを起用。システムを[4-2-3-1]からワニャマのアンカー、エリクセンをトップ下に配した[4-3-1-2]に変更した。
今週末にもプレミアリーグでの対戦を控える注目の同国対決第2ラウンドは、拮抗した展開の中で1点を争った前回対戦と打って変わって壮絶な打ち合いの展開に。開始4分、右サイドでアグエロとのパス交換からドリブルで中に切り込んだデ・ブライネが左サイドに張って待つスターリングに繋ぐ。ここで得意のカットインで切り込んだスターリングがシルバのニアへのクロスの動きをオトリに右足のコントロールシュートを放つと、これがファーポストの絶妙なコースに決まった。
試合開始5分を待たずして2戦合計1-1と完全に振り出しに戻った試合だったが、アウェイのトッテナムが畳みかける攻めで一気に前に出る。7分、ルーカスの中央での仕掛けからボールを受けたデレ・アリがゴール前に縦パス。DFラポルテがカットしたボールがソン・フンミンの足元に転がると、これを韓国代表がすかさずゴールネットへ流し込む。
さらに10分にはハーフウェイライン付近でDFラポルテのトラップミスを奪ったルーカスがボックス付近まで運ぶと、エリクセンを経由したボールがボックス左のソン・フンミンに繋がり、そこから見事な右足のコントロールシュートがゴール右上隅を射抜き、韓国代表の見事な連続ゴールでトッテナムが一気にベスト4進出に近づいた。
この失点で逆転突破には3ゴールが必要となったシティだったが、世界屈指の破壊力を誇る攻撃陣が相手に襲い掛かる。失点からわずか1分後には中央での細かい繋ぎからアグエロが右サイドで浮いていたベルナルド・シウバにラストパス。ボックス右からポルトガル代表MFが放ったシュートがブロックに入ったDFローズにディフレクトすると、GKロリスの逆を突く形でニアポストに吸い込まれる。
続く21分には相手陣内右サイドで得たFKの場面でリスタートからベルナルド・シウバとの連係で右サイドの深い位置まで持ち込んだデ・ブライネがGKと最終ラインの間をグラウンダーで抜く高速クロスを通すと、ファーで待ち受けていたスターリングがワンタッチで流し込んだ。
2戦合計3-3もアウェイゴール数でトッテナムが優位に立つ状況の中、試合はようやく落ち着いていく。立ち上がりからプレスが全く機能していなかったトッテナムはルーカスを最前線に配した[4-2-3-1]に変更。これによってボールを保持するシティ、ブロックを作って構えるトッテナムという構図がより明確に。前半終盤にはそ径部を痛めたムサ・シソコがプレー続行不可能となり、ジョレンテが緊急投入されるアクシデントがアウェイチーム側に起きるも前半は3-2のスコアで終了した。
互いにハーフタイムの短い時間帯に修正を施した中、仕切り直しとなった後半もホームチームが主導権を掴む。54分にはボックス内でボールを持ったデ・ブライネが強烈な右足のシュートを枠に飛ばすが、これはGKロリスの見事なワンハンドセーブに阻まれる。
後半から[4-4-2]の布陣を採用した中、守備では穴が空きにくくなったトッテナムは少しずつ反撃を試みる。58分にはカウンターの流れからデレ・アリの浮き球クロスに反応したジョレンテがピッチに叩きつけるヘディングシュートを放つが、これはGKエデルソンのセーブに遭う。直後にもエリクセンが強烈なシュートを飛ばすがGK正面を突く。
冷や汗をかいたシティだったが、このピンチを凌ぎ切った直後の59分にエースの右足が火を噴く。ギュンドアンの縦パスを相手陣内右のハーフスペースで引き出したデ・ブライネが相手の寄せをモノともしないドリブルでボックス付近まで運んでボックス右でフリーのアグエロにラストパス。ここで折り返しを匂わせた狡猾なストライカーは意表を突いてニアサイドに強烈な一撃を突き刺した。
この4点目でシティが2戦合計スコアを4-3として2試合を通じて初めて優位な立場に。ここからの相手の反撃を見越したグアルディオラ監督は63分、シルバを下げてフェルナンジーニョを投入。より攻守のバランスを整えて試合をクローズに行く。
一方、再逆転にはゴールが必要となったトッテナムだったが、攻撃に出ようにもベンチに残された攻撃的なカードは負傷明けのラメラ1人という厳しい状況。それでも、諦めずに反撃を試みるアウェイチームは73分に劇的なゴールを奪う。左CKの場面でキッカーのトリッピアーがニアサイドへボールを入れると、ここに飛び込んだジョレンテが腰付近にボールを当ててゴールへ流し込んだ。ハンドの可能性があるとしてビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)による検証が行われるも、チャクル主審はゴールを認めた。
相手のワンチャンスに沈んで再び追う立場になったシティはここからリスクを冒して攻撃に出る。84分にはメンディを下げて切り札のザネをピッチに送り出して猛攻に打って出る。しかし、ベン・デイビス、ダビンソン・サンチェスと守備的なカードで逃げ切りを図る相手をなかなか攻めきれない。
そして、刻一刻とタイムアップの笛が近付いた後半アディショナルタイムに最後のドラマが起きる。93分、自陣深くでボールを奪ってワニャマが繋いだボールをエリクセンがDFに囲まれてバックパス、ベルナルド・シウバの出した足に当たってボックス右でフリーのアグエロにボールが渡り、アグエロが冷静に中央のスターリングに折り返す。ここでスターリングが冷静に切り返してシュートを放つと、GKロリスが懸命に伸ばした足を弾いてボールがゴールネットを揺らす。
この劇的逆転ゴールにスタジアムにこの試合最大の歓喜が訪れるが、この直後にその歓喜は悲痛な悲鳴へと変わる。VARによる検証の結果、ベルナルド・シウバの引っかけたボールがアグエロに渡った時点でオフサイドと判断され、この土壇場でノーゴールの判定に覆った。
そして、死の淵から鮮やかに蘇ったアウェイチームが今度こそ逃げ切りに成功し、壮絶な打ち合いを制したトッテナムがクラブ史上初のCLベスト4進出を決めた。一方、天国から地獄を味わったシティの今季4冠の夢は脆くも崩れ去ることになった。
なお、この結果、トッテナムは初の準決勝でユベントス撃破のアヤックスと対戦する。
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