【J1クラブ通信簿】ポドルスキ加入に沸くもネルシーニョ体制終焉…積極補強実らず厳しい1年に…《ヴィッセル神戸》
2017.12.09 18:00 Sat
▽歴史が動き、シーズンが閉幕した2017明治安田生命J1リーグ。最終節まで優勝争い、残留争いが繰り広げられ、最後まで目が離せない白熱したシーズンとなった。
▽「DAZN」マネーにより、シーズンの成績で今後のクラブ強化に大きな影響を及ぼすこととなった2017シーズン。超ワールドサッカー編集部は、J1全18クラブを総括。トピックやチームMVP、補強成功度、総合評価で振り返る。第10弾はビッグネーム獲得を実現したヴィッセル神戸を総括する。
◆シーズン振り返り
【主なトピック】
●昨季得点王のFWレアンドロが長期離脱
●元ドイツ代表FWルーカス・ポドルスキが加入
●今季3度目の3連敗でネルシーニョ監督解任
●東北楽天ゴールデンイーグルス球団社長の立花陽三氏が新社長就任
●吉田孝行監督の続投発表
▽世界的なスタープレーヤー、FWルーカス・ポドルスキの加入で日本国内だけではなく、世界的な注目を集める1年となったが、ネルシーニョ体制3年目で更なるステップアップが期待された今シーズンは期待外れの9位という結果に終わった。
▽ストーブリーグの時期からポドルスキ獲得報道で沸いた中、指揮官の教え子であるFW田中順也やDF渡部博文、MF大森晃太郎、MF高橋秀人など、各ポジションに実力者を迎え入れ、開幕4連勝と最高の滑り出しを見せた。だが、シーズンが進むにつれて開幕戦で重傷を負った昨季得点王のFWレアンドロの不在が響き攻撃陣が得点力不足に陥った。
▽今シーズンの低迷の要因に関しては、2度の離脱を強いられたエースFWレアンドロを筆頭に度重なる負傷者、3年目を迎えたネルシーニョ監督の求心力の低下なども一因に挙げられるが、ポドルスキやFWハーフナー・マイクをはじめ、期待外れに終わった攻撃陣の不調が一番の要因だ。とりわけ、守備面や組み立て、動き出しの部分で貢献が少ないアタッカー陣が要の決定力を欠き、チーム全体にマイナスの影響を与えていた印象だ。
明治安田生命J1リーグ33試合出場(先発33試合)/3得点
▽新加入ながらシーズンを通して安定したパフォーマンスを継続し、最終ラインを支えてきた渡部が文句なしのMVPだ。今シーズン、ポドルスキやハーフナー・マイク、大森ら攻撃陣の補強が目立った神戸だったが、蓋を開けてみれば最も効果的な補強となったのが渡部だった。柏時代の恩師ネルシーニョ監督の解任を防ぐことはできなかったものの、持ち味の空中戦の強さ、堅実な守備を武器に得点力不足のチームを粘り強い守備で支えた。
◆補強成功度「D」(評価:S~E)
◆総合評価 「D」(評価:S~E)
▽それでも、渡部、岩波、GKキム・スンギュを中心とした守備陣が粘り強い守備をみせるなど、吉田孝行監督代行の下でやや復調傾向を見せたチームは、最終盤に3連敗を喫したものの、まずまずの形でシーズンを終えた。
▽吉田監督続投となる来シーズンに向けては、より自由を与えられて調子を取り戻してきたポドルスキを中心とした攻撃陣の整備に加え、やや選手層に不安を抱える最終ラインや中盤に効果的な補強を行い、捲土重来のシーズンとしたい。
▽「DAZN」マネーにより、シーズンの成績で今後のクラブ強化に大きな影響を及ぼすこととなった2017シーズン。超ワールドサッカー編集部は、J1全18クラブを総括。トピックやチームMVP、補強成功度、総合評価で振り返る。第10弾はビッグネーム獲得を実現したヴィッセル神戸を総括する。
(C)CWS Brains,LTD.
【主なトピック】
●昨季得点王のFWレアンドロが長期離脱
●元ドイツ代表FWルーカス・ポドルスキが加入
●今季3度目の3連敗でネルシーニョ監督解任
●東北楽天ゴールデンイーグルス球団社長の立花陽三氏が新社長就任
●吉田孝行監督の続投発表
▽世界的なスタープレーヤー、FWルーカス・ポドルスキの加入で日本国内だけではなく、世界的な注目を集める1年となったが、ネルシーニョ体制3年目で更なるステップアップが期待された今シーズンは期待外れの9位という結果に終わった。
▽ストーブリーグの時期からポドルスキ獲得報道で沸いた中、指揮官の教え子であるFW田中順也やDF渡部博文、MF大森晃太郎、MF高橋秀人など、各ポジションに実力者を迎え入れ、開幕4連勝と最高の滑り出しを見せた。だが、シーズンが進むにつれて開幕戦で重傷を負った昨季得点王のFWレアンドロの不在が響き攻撃陣が得点力不足に陥った。
Getty Images
▽その後も度重なる負傷者の影響で守備を含めた全体の歯車が狂い始め、8月中旬には今季3度目の3連敗を受けて、ネルシーニョ監督の解任および吉田孝行ヘッドコーチの暫定指揮官就任が発表。吉田暫定政権では徐々に復調をみせ、ネルシーニョ監督解任時の11位から2つ上の9位でフィニッシュしたものの、開幕前の期待と費用対効果を考えれば、失望の1年だったと言わざるを得ない。▽今シーズンの低迷の要因に関しては、2度の離脱を強いられたエースFWレアンドロを筆頭に度重なる負傷者、3年目を迎えたネルシーニョ監督の求心力の低下なども一因に挙げられるが、ポドルスキやFWハーフナー・マイクをはじめ、期待外れに終わった攻撃陣の不調が一番の要因だ。とりわけ、守備面や組み立て、動き出しの部分で貢献が少ないアタッカー陣が要の決定力を欠き、チーム全体にマイナスの影響を与えていた印象だ。
◆チームMVP
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DF渡部博文(30)明治安田生命J1リーグ33試合出場(先発33試合)/3得点
▽新加入ながらシーズンを通して安定したパフォーマンスを継続し、最終ラインを支えてきた渡部が文句なしのMVPだ。今シーズン、ポドルスキやハーフナー・マイク、大森ら攻撃陣の補強が目立った神戸だったが、蓋を開けてみれば最も効果的な補強となったのが渡部だった。柏時代の恩師ネルシーニョ監督の解任を防ぐことはできなかったものの、持ち味の空中戦の強さ、堅実な守備を武器に得点力不足のチームを粘り強い守備で支えた。
◆補強成功度「D」(評価:S~E)
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▽Jリーグ屈指の潤沢な資金を惜しげもなく使い、年俸6億円と言われるスーパースター、ポドルスキを始め、ハーフナー・マイク、MF大森晃太郎、FW田中順也、MFウェスクレイら攻撃陣に多くの実力者を獲得した。Getty Images
▽しかし、補強の目玉となったポドルスキは7月加入というエクスキューズがあったものの、わずか5ゴールと期待外れの結果に終わり、攻撃陣の新戦力は一様に苦戦を強いられた。その一方で、DF岩波拓也の相棒として獲得した渡部は期待以上の活躍を見せた。◆総合評価 「D」(評価:S~E)
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▽ネルシーニョ体制3年目で昨シーズンの7位を上回るクラブ最高順位更新と初タイトルを目指して大型補強を敢行したことを考えれば、9位という順位は大いに不満が残る。とりわけ、ストロングポイントになると思われた攻撃陣は、昨季得点王のFWレアンドロの長期離脱があったものの、昨季から16得点も少ない40得点と見かけ倒しの低調ぶりだった。▽それでも、渡部、岩波、GKキム・スンギュを中心とした守備陣が粘り強い守備をみせるなど、吉田孝行監督代行の下でやや復調傾向を見せたチームは、最終盤に3連敗を喫したものの、まずまずの形でシーズンを終えた。
▽吉田監督続投となる来シーズンに向けては、より自由を与えられて調子を取り戻してきたポドルスキを中心とした攻撃陣の整備に加え、やや選手層に不安を抱える最終ラインや中盤に効果的な補強を行い、捲土重来のシーズンとしたい。
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