サプライズはある? いよいよ日本代表W杯メンバーが発表、ベスト8に行くための26名を予想

2022.10.31 23:00 Mon
◆MFは意外な落選者が出る可能性

中盤も[4-3-3(4-1-4-1)]ではなく、[4-2-3-1]をベースに考えて10名を選考する。

ボランチは遠藤航(シュツットガルト)、守田英正(スポルティングCP)、田中碧(デュッセルドルフ)、柴崎岳(レガネス)となるだろう。そして2列目の右は伊東純也(スタッド・ランス)と堂安律(フライブルク)で間違いない。好調の2人は外せないはずだ。

ただ、この中でいえば、柴崎に疑問符はつく。プレスやデュエルを考えれば遠藤、守田が外せない。また、バランサー、攻撃参加という点では田中も入るだろう。しかし、柴崎は最近の起用法を見ても、そして起用された試合でのパフォーマンスを見ても、物足りなさは残る。

これまで経験してきたものの差はあれど、代表でのパフォーマンス不足は懸念材料。3試合をシミュレーションしても、より戦えるメンバーはいるといえる。

ボランチに入るのであれば、旗手怜央(セルティック)を推したいところ。ユーティリティ性はもちろんのこと、今季セルティックで見せる高いパフォーマンスは、非常に可能性を感じさせる。チャンピオンズリーグ(CL)でもチームは敗退という結果に終わっているが、旗手は高いパフォーマンスを披露。欧州トップレベルを体感し、さらに成長している印象だ。

そしてトップ下は、圧巻のパフォーマンスを続ける鎌田大地(フランクフルト)と南野拓実(モナコ)。鎌田のパフォーマンスは文句なし。その一方で、南野の状態は心配なもの。数字が残っていないこともそうだが、特にボールロストや中盤で潰される回数が目立つのが気になるところだ。ただ、トップ下での起用であれば、可能性はあると言える。

そして左は久保建英(レアル・ソシエダ)と三笘薫(ブライトン&ホーヴ・アルビオン)となるだろう。久保の肩の具合は心配だが、重傷ではないと願うばかり。今季2トップの一角でプレーしている中でのパフォーマンス向上は日本にとっては大きな武器となる。

そして気になるのは原口元気(ウニオン・ベルリン)だ。ブンデスリーガで首位に立つチーム。今季はレギュラーとは言えないが、コンスタントに試合には出ており、パフォーマンスが悪いというわけではない。W杯経験者であり、ハードワーク、屈強な相手にも負けないプレー、そしてサイド、トップ下、ボランチ、インサイドハーフと中盤のあらゆるポジションで高いパフォーマンスを出せるのは武器。ドイツを知っているという点でも招集したいところだ。

また、スーパーサブとして期待したいのは相馬勇紀(名古屋グランパス)。独特のドリブルのリズムは、三笘とも違い、相手の手こずるはず。東京オリンピックでもその違いは見せ、国際舞台でも通用することは示しているだけに、サプライズがあるとすれば相馬と言える。

◆FWは復活したエースと?

そしてFWだ。懸念されていた大迫勇也(ヴィッセル神戸)だが、どうやら間に合うと見て良い。リーグ戦でもゴールを決めるなどし、神戸の猛反撃に一役買っていた。

そして控えとしては、古橋亨梧(セルティック)、上田綺世(セルクル・ブルージュ)、浅野拓磨(ボーフム)と言ったところだろう。これまでの招集もそうだが、特に古橋と浅野は前線からのプレッシングという点で大きな役割を果たすはず。消耗戦となる中で、起用する意図を見出しやすい。ただ、浅野は負傷中。ケガが癒えたとして、W杯で戦うまでにコンディションが上がるのかが懸念材料だ。

上田に関しては、ベルギーでのパフォーマンスも安定してきており、結果としてゴールもついてきている。あの動き出しとポジショニングは生まれ持った才能。W杯の舞台でこそ輝きそうな予感を与えてくれ、ゴールの匂いを感じさせてくれることは大きい。

気になるのは前田大然(セルティック)だろう。なかなかゴールを決められずに苦しんでいる今シーズン。前線からのプレスという点では、最も入れておきたい選手だ。ただ、ゴールを決めるという力を失いかけており、代表の活動では自らボールを引き出すという動きが少ない印象だ。

ここも誰を選ぶのか。戦い方を予選から大きく変えていくのであれば、大迫の落選も十分にあり得る話。森保監督がどういうプランで3試合を考えているかによると言える。

いずれにしてもサプライズは起こらなそうだが、3試合の戦いを想定して選んだメンバーは以下の通り。果たして、実際にはどの26名が選ばれるだろうか。

◆日本代表W杯メンバー予想

GK:シュミット・ダニエル川島永嗣谷晃生
右SB:冨安健洋酒井宏樹
CB:吉田麻也板倉滉谷口彰悟伊藤洋輝
左SB:長友佑都中山雄太
ボランチ:遠藤航、守田英正、田中碧、旗手怜央
右MF:伊東純也、堂安律
左MF:久保建英、三笘薫、相馬勇紀
トップ下:鎌田大地、南野拓実
CF:大迫勇也、古橋亨梧、上田綺世、前田大然
《超ワールドサッカー編集部・菅野剛史》

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今季オランダ1部で斉藤光毅・三戸を上回るゴールを記録。20歳・佐野航大の大いなる可能性/佐野航大(NECナイメヘン)【新しい景色へ導く期待の選手/vol.42】

2024年パリ五輪前最後の強化の場となる6月のアメリカ遠征。U-23日本代表の大岩剛監督が招集した25人の中で、ひと際、注目度が高まっているのが、20歳の佐野航大(NECナイメンヘン)だ。 2023年U-20W杯(アルゼンチン)で異彩を放った若武者がオランダに赴いたのは昨年夏。新天地合流当初はなかなか出番を得られなかったが、徐々に存在感を高め、1月以降は18試合連続先発。最終盤のフェイエノールト、アルメレ・シティ、ゴー・アヘッド・イーグルスの3連戦では立て続けにゴールをゲット。ルーキーイヤーにシーズン通算5得点というインパクトを残したのである。 この数字は同じリーグでプレーするパリ世代の斉藤光毅(スパルタ・ロッテルダム)の3点、三戸舜介(同)の2点を上回っている。しかも、NECの6位という順位は、8位フィニッシュのスパルタより上。大岩監督がここまで一度も呼んでいなかった彼に目をつけるのも当然と言えば当然なのだ。 「(斉藤選手と三戸選手)は注目して見ていましたけど、同じリーグでやっているからこそ、凄さが分かります。2人は『個として絶対的な自信があるもの』を持っている。自分はまだまだ追いつけてないなと思います」と本人は謙虚な口ぶりを見せていた。が、オランダ1部で残した数字に加え、ボランチ・インサイドハーフ(IH)・両ウイングやサイドハーフでもプレーできるのだから、万能性は登録枠の少ない五輪では重宝されるはずだ。 「それ(ユーティリティ性)は武器ですけど、かといってドリブルができないかというとそうでもない。仕掛けのところもどんどんチャレンジしたいですし、彼らとは違うタイプというところでも勝負したい」と佐野は目を輝かせた。 短期間で彼が急成長した要因を考えてみると、1つはチームメイト・小川航基の存在が大きいだろう。20歳そこそこの若手が初の海外移籍に踏み切るとなれば、言語や文化、意思疎通、サッカー観の違いなど数々の困難が付きまとう。そういう環境に一足先に新チームに加入した日本人FWがいてくれたのは、佐野にとって心強かったに違いない。 「いろんなサポートをしてもらいましたけど、言語のところは一緒に身に着けていった感じです。プレーについてもJ2にいた時から航基君の凄さを分かっていたし、一緒に試合に出ても彼がいるかいないかで全然、気持ち的なところが違いました」 「試合の映像を見返しても、本当にストライカーっていう動きをしていた。今季は航基君にアシストをつけられなかったですけど、前にいてくれることでストレスなく楽しくやれたのは確かです」と本人も心から有難く感じていた様子だ。 小川とともにピッチに立ち、オランダ独特のフィジカルの強さと激しさに適応していったことで、佐野はより異彩を放つようになった。筋力アップに勤しんだ結果体重も3〜4キロは増え、より考えながらサッカーをするようにもなったという。 「オランダは激しい分、考えてやらないとケガをするし、置いていかれるようなスピード感なので、ホントに考えるところは意識してやりました。メンタル面やサッカーに対する向き合い方も変わった。そこは大きかったと思います」と自分でも大きな変化を実感しているという。もともとポジショニングや駆け引きなどを含めて賢いタイプの選手だったが、そのストロングに磨きがかかったのは朗報だ。見る側も大きな期待を抱かざるを得ない。 もう1つは実兄・佐野海舟(鹿島アントラーズ)の存在だろう。佐野がオランダへ渡って3カ月後の昨年11月、佐野海舟は森保一監督率いる日本代表に初招集され、今年1月のアジアカップ(カタール)にも参戦した。出番は少なかったものの、遠藤航(リバプール)や守田英正(スポルティングCP)ら最高峰レベルの選手たちと共闘。ボール奪取能力のみならず、攻撃チャンスを作り出すタテパスへの意識がガラリと変わった。 「いつか兄と一緒にA代表でボランチを組みたい」という夢を描く佐野にしてみれば、身近なお手本から刺激を受けないはずがない。 「自分が今回、U-23日本代表に選ばれたことも伝えましたし、兄がA代表に選ばれたことも嬉しかった。切磋琢磨できるいい関係だと思います」と嬉しそうに語っていた。 残念ながら兄・海舟は6月の2026年北中米W杯アジア2次予選2連戦からは落選してしまったが、ラージグループに入っているのは間違いない。佐野海舟がここからのJリーグで飛躍し、弟・航大もパリ五輪を経由してA代表に入ってくれば、“兄弟日の丸”も夢ではないだろう。 同じ2003年組の松木玖生(FC東京)、高井幸大(川崎フロンターレ)以上にポテンシャルが大とも言われる佐野航大。場合によってはこの夏、欧州5大リーグへのステップアップもあり得るかもしれない。そういった近未来の飛躍を楽しみに待ちつつ、まずは大岩ジャパンでの地位確立、パリ五輪滑り込みに期待したいものである。 <hr>【文・元川悦子】<br/><div id="cws_ad">長野県松本市生まれ。千葉大学卒業後、夕刊紙記者などを経て、94年からフリーのサッカーライターとなる。Jリーグ、日本代表、海外まで幅広くフォローし、日本代表は特に精力的な取材を行い、アウェイでもほぼ毎試合足を運んでいる。積極的な選手とのコミュニケーションを活かして、選手の生の声を伝える。 2024.06.02 19:00 Sun

日本代表MF堂安律が結婚 「これからも夢に向かい全力で挑んでいきます」

フライブルクの日本代表MF堂安律(25)が結婚を報告した。 ユース時代から過ごしたガンバ大阪でのプロスタートから、オランダを経て、現在はドイツを舞台とする堂安。今や代表でも10番を託される存在となり、フライブルク2年目の今季は公式戦42試合で9得点7アシストをマークした。 今月の代表活動にも呼ばれるなか、2日に自身のSNSに「いつも応援をしてくださってる皆様へ」と題し、直筆のサインとともに入籍を発表した。 「私事で恐縮ではありますが、この度かねてよりお付き合いをさせて頂いている方と結婚致しましたことをご報告させて頂きます」 「まだまだ未熟ではありますが、これからの人生を共に歩んでいけたらと思います。皆様への感謝の気持ちを忘れずにこれからも夢に向かい全力で挑んでいきます」 「今後とも宜しくお願い致します」 <span class="paragraph-title">【SNS】堂安律が直筆サイン付きで結婚報告</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="twitter-tweet"><p lang="en" dir="ltr">【Announcement】<br>Today, I’m happy to share the news of our marriage.<br>I am excited to start a new chapter with the special one.<br>Thank you so much for your support.<br><br>Ritsu Doan <a href="https://t.co/yKfoavBk21">pic.twitter.com/yKfoavBk21</a></p>&mdash; Ritsu Doan/堂安 律 (@doan_ritsu) <a href="https://twitter.com/doan_ritsu/status/1797101158546469333?ref_src=twsrc%5Etfw">June 2, 2024</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> 2024.06.02 12:40 Sun