苦汁を飲まされてきたリオ五輪世代の挑戦《AFC U-23選手権》
2016.01.13 13:30 Wed
▽今年8月にブラジルで開催されるリオデジャネイロ・オリンピック(リオ五輪)の出場権を懸けた“闘い”が、カタールのドーハで始まろうとしている。6大会連続の五輪出場を目指す日本は今夜(22:30~)、難敵・北朝鮮との初戦に挑む。
◆3/16という狭き門
▽今回のAFC U-23選手権はリオ五輪のアジア最終予選を兼ねているが、本大会の出場権を得られるのは、参加16チーム中、たったの「3チーム」だ。そのためには、4チームで争われるグループステージで2位以内に入って決勝トーナメントへと進み、さらに2勝(決勝に進出するか、3位決定戦での勝利)しなければいけない。
▽また、基本的に試合は中2日の日程で組まれているため、チームとしての総合力も問われることになるだろう。日本はまず、北朝鮮、タイ、サウジアラビアと同居したグループBの突破を目指す。ここで2位以内に入ることができれば、準々決勝でグループA(カタール、イラン、シリア、中国)を勝ち上がってきたチームと対戦することになる。
◆得点力不足
▽リオ五輪出場を目指すチームとして、2年前に立ち上げられたチームには、様々な選手が名を連ね、昨年末の石垣島合宿を経て最終的な登録メンバー23名が決定。主力は2年前に行われた『AFC U-22アジアカップ(後にAFC U-23選手権に改称)』に臨んだ立ち上げ時のチームをベースとしており、チームとしての成熟度にも期待がかかる。
▽しかし、主力がそれほど入れ替わらなかった最終ラインや中盤とは対照的に、FW陣の軸はなかなか定まらず、昨年末の中東遠征でも2試合無得点という状況が続いた。直前のテストマッチではゴールを挙げているものの、“得点力不足”は、このチーム最大の課題に挙げられるだろう。
▽その課題克服に向けて注目したいのが次の3つ。1つ目は、FW久保裕也(ヤングボーイズ/スイス)とMF南野拓実(ザルツブルク/オーストリア)の海外組がチームにもたらす「プラスα」。これまで様々な選手を起用してきた指揮官だったが、前述した2選手は所属クラブの都合でほとんど招集できなかった。しかし、昨年A代表でもデビューした南野は直前に行われたシリアとのテストマッチで2得点を挙げるなど、結果を残している。彼のゴールを狙う姿勢はチームにポジティブな影響をもたらすはずだ。
▽2つ目は、FW浅野拓磨(広島)やMF豊川雄太(岡山)といった“ジョーカー”の存在だ。ご存知のとおり、浅野は昨季のJ1で途中出場から8得点を記録するなど、途中出場から試合の流れを変える働きができる選手であり、FIFAクラブ・ワールドカップでも大陸王者のクラブ相手にその力を発揮した。また、ボールを持って仕掛けるタイプが多い中で、2列目からの飛び出しや素早い動き出しといった異なる特徴を持っている豊川の存在にも注目したい。実力が拮抗した相手との試合では特に、彼らのような存在が重要になる。
▽そして最後は、冒頭のみの公開となった前日練習でも取り組んだというセットプレー。MF野津田岳人(広島)の負傷離脱は痛かったが、同じ左利きのDF山中亮輔(柏)や、MF矢島慎也(岡山)といった精度の高いキッカーが揃っているだけに、手倉森監督がどんな味付けを施したのか。ボックス近辺でFKを獲得した際には注目したい。
◆“鬼門”の準々決勝
▽今大会に臨むU-23日本代表は、AFC U-19選手権2012の準々決勝でイラクに1-2で敗れた世代と、AFC U-19選手権2014の準々決勝で北朝鮮と引き分け、PK戦の末に敗退を余儀なくされた世代によって構成されている。
▽いずれも、あと1勝というところでU-20W杯の出場を逃しており、準々決勝が1つの“鬼門”となっている。まずは、その鬼門までたどり着けるのか。世界大会を目前に苦汁を飲まされてきたリオ五輪世代の逆襲に期待したい。
◆3/16という狭き門
▽今回のAFC U-23選手権はリオ五輪のアジア最終予選を兼ねているが、本大会の出場権を得られるのは、参加16チーム中、たったの「3チーム」だ。そのためには、4チームで争われるグループステージで2位以内に入って決勝トーナメントへと進み、さらに2勝(決勝に進出するか、3位決定戦での勝利)しなければいけない。
◆得点力不足
▽リオ五輪出場を目指すチームとして、2年前に立ち上げられたチームには、様々な選手が名を連ね、昨年末の石垣島合宿を経て最終的な登録メンバー23名が決定。主力は2年前に行われた『AFC U-22アジアカップ(後にAFC U-23選手権に改称)』に臨んだ立ち上げ時のチームをベースとしており、チームとしての成熟度にも期待がかかる。
▽しかし、主力がそれほど入れ替わらなかった最終ラインや中盤とは対照的に、FW陣の軸はなかなか定まらず、昨年末の中東遠征でも2試合無得点という状況が続いた。直前のテストマッチではゴールを挙げているものの、“得点力不足”は、このチーム最大の課題に挙げられるだろう。
◆3つの注目ポイント
▽その課題克服に向けて注目したいのが次の3つ。1つ目は、FW久保裕也(ヤングボーイズ/スイス)とMF南野拓実(ザルツブルク/オーストリア)の海外組がチームにもたらす「プラスα」。これまで様々な選手を起用してきた指揮官だったが、前述した2選手は所属クラブの都合でほとんど招集できなかった。しかし、昨年A代表でもデビューした南野は直前に行われたシリアとのテストマッチで2得点を挙げるなど、結果を残している。彼のゴールを狙う姿勢はチームにポジティブな影響をもたらすはずだ。
▽2つ目は、FW浅野拓磨(広島)やMF豊川雄太(岡山)といった“ジョーカー”の存在だ。ご存知のとおり、浅野は昨季のJ1で途中出場から8得点を記録するなど、途中出場から試合の流れを変える働きができる選手であり、FIFAクラブ・ワールドカップでも大陸王者のクラブ相手にその力を発揮した。また、ボールを持って仕掛けるタイプが多い中で、2列目からの飛び出しや素早い動き出しといった異なる特徴を持っている豊川の存在にも注目したい。実力が拮抗した相手との試合では特に、彼らのような存在が重要になる。
▽そして最後は、冒頭のみの公開となった前日練習でも取り組んだというセットプレー。MF野津田岳人(広島)の負傷離脱は痛かったが、同じ左利きのDF山中亮輔(柏)や、MF矢島慎也(岡山)といった精度の高いキッカーが揃っているだけに、手倉森監督がどんな味付けを施したのか。ボックス近辺でFKを獲得した際には注目したい。
◆“鬼門”の準々決勝
▽今大会に臨むU-23日本代表は、AFC U-19選手権2012の準々決勝でイラクに1-2で敗れた世代と、AFC U-19選手権2014の準々決勝で北朝鮮と引き分け、PK戦の末に敗退を余儀なくされた世代によって構成されている。
▽いずれも、あと1勝というところでU-20W杯の出場を逃しており、準々決勝が1つの“鬼門”となっている。まずは、その鬼門までたどり着けるのか。世界大会を目前に苦汁を飲まされてきたリオ五輪世代の逆襲に期待したい。
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