「良い状態で課題を見つめられる」勝利も次を見据える中山雄太、理想のSB像は「今まで日本にいないタイプ」

2021.11.17 11:33 Wed
©︎JFA
日本代表DF中山雄太(ズヴォレ)が、オマーン代表戦を振り返った。

日本は16日、カタール・ワールドカップ(W杯)アジア最終予選の第6節でオマーンと対戦した。
最終予選の初戦でホームで敗れている相手。勝利して五分に戻したいなか、ベトナム代表戦から1名だけを変更して臨んだ。

序盤からサイドを使った攻撃を仕掛けるものの、決定機はほとんど作れず。攻撃がうまくハマらないままゴールレスで終える。

後半に入るとハーフタイムに投入され、日本代表デビューを飾ったMF三笘薫(ロイヤル・ユニオン・サン=ジロワーズ)が躍動。左サイドを何度となく仕掛けて攻撃を活性化させると、81分には中山雄太(ズヴォレ)のパスを受けた三笘がボックス内左からクロス。これを伊東純也(ヘンク)が決めて日本が先制。そのまま逃げ切り、予選3連勝を収め、2位に浮上した。
試合後オンラインの取材に応対した中山は、勝利を振り返り「チームとして大事な一戦だったので、勝利できたことは嬉しかったです」とコメント。「僕は嬉しい気持ちよりもまだ先があるので、先が繋がって良い状態で課題をより見つめられる結果で終わったと思います」とすでに先を見据えているとし、「次どうするか、今日得た、ベトナム戦で得た課題をクリアにするマインドでいます」と、課題解決に向けて動く気持ちでいるとした。

この試合では62分から途中出場。ベトナム戦に続き、長めの時間を与えられた。森保一監督からの指示については「まずはベトナム戦もそうですが、ビルドアップの部分で落ち着かせて、起点になって欲しいと言われました」と語った一方で、「ただ、一緒に同じサイドでプレーするのが(三笘)薫だったので、(浅野)拓磨くんとは違う特徴のある選手だったので、しっかり薫とコミュニケーションを取ってやってくれと言われて、しっかりできたと思います」と、ベトナム戦で縦関係となった浅野拓磨(ボーフム)とは違うポイントを気をつけたとした。

その中山は、決勝ゴールに繋がる三笘のクロスをアシストした。ボールロストから奪い返してのパスを出したが「パス自体は僕の中では少し弱くて、薫のお陰で良いパスに見えたというのはあります」と、自身のパスには納得いっていないと明かした。

ただ「良い点では、トランジションの部分で試合を通して薫の特徴は一対一の部分で、その時にできるだけ近い位置にサポートすることで、仮に失っても二次攻撃に繋げられるポジショニングをとっておこうという意識が、ボールを奪えてパスに繋がった」と語り、三笘とのコンビを組む上でのポイントがハマったとコメント。「自分としては凄く評価したい部分と同時に、パスの質は薫に助けられたので、しっかりこだわっていきたいと思います」と、良い点と悪い点が出たパスだったとした。

とはいえ、ベトナム戦同様に途中で入れ替わる左サイドが続けて活性化されている状況が続いている。中山は「特徴で言えば、(長友)佑都くんは大外のレーンでアップダウンする選手なので、その代わりに(田中)碧がトミ(冨安健洋)と佑都くんの間に入ってプレーすることが多くて、そこは僕が入ったからインサイドの選手が中でプレーして欲しいと思っていた」と語り、中盤の選手がサイドに出過ぎないような立ち位置を意識したとコメント。「前半から観ていてイメージしていた部分と、練習からもおそらく薫と同じサイドをやると思っていたので、薫がどういうプレーをしたいのかをベンチで話しながら、それだけだと相手も対応しやすいので、薫の特徴を出しながらも、俺がこうしたいから薫にこうしてという話をしていました」と、後半を予測して、三笘とコミュニケーションをしっかりと取れていたと明かした。

その点では、相手の守備に対して中山が牽制する部分もハマり「一対一は突破してくれると思っていたので、サイドハーフが薫への守備にヘルプに入れない状況を作れればなと思っていました」とコメント。「そこは時間を通して作れたシーンもあれば、頑張ってサイドハーフが戻った時に僕がフリーだったので、うまくアイデアを出しながら、相手が的を絞れない状況を作れていたかなとは思います」と、相手の守備をバタつかせることもできたと語った。

コンビネーションについても「まずは薫みたいな個で剥がして相手の脅威になる選手はあまり日本にはいないので、そこを最大限活かせるプレーをしていくこともそうですが、タイプの違う(南野)拓実くんなんかも僕としては一緒にやってまた違うプレーを見せたいと思っている」と、色々なタイプのサイドアタッカーとコンビを組みたいとし、「誰と出ても、組む選手によって僕の特徴が試合によって変わるのが理想なので、日々頑張って試合で見せられればと思います」と、自分の成長も怠らないと意気込んだ。

東京五輪前はサイドバックに不慣れな側面も見せていた中山。しかし、数カ月で大きく成長し、クラブでもサイドバックを任されるようになっている。

成長の手応えについては「僕の中では、結構サイドバックが上手くいっている要因は、1つのポジションをある程度の期間、一定してやれてきたことが手応えを掴みつつできているのかなと思います」と、継続してプレーできていることが1つ大きいと語った。

ただ、まだまだだと語る中山。「まだまだ僕の理想のサイドバックでもないですし、今サイドバックとしてプレーする時間は長いので、1つのポジションを研ぎ澄ませるという部分では、チームや代表は繋がっていると思います」と、チームと代表を通じて理想を追い求めるとした。

日本の左サイドバックと言えば長友佑都(FC東京)が長らく君臨。誰もその壁を越えられないまま11年が経っている。ポジション争いについては「僕の中で試合に出るというのはサッカー選手として強い気持ちがあるので、そこは日々(ポジションを)取るために、成長するためにやっている意識はあります」と、真っ向勝負で争っていくとコメント。「まだまだスタートで使われていなかったりというのはあるので、自分に矢印を向けて、何が足りないのか、どうやったらスタメンで使われるのかを日々自分に矢印を向けてやれています」と、日々ポジションを奪うために成長を促せているとした。

また「僕の中では少ない時間でもパフォーマンスを発揮しなければいけないと思っているので、いずれスタメンを奪取できるように、チームに帰っても頑張っていけるようにしたいと思います」と語り、ズヴォレでも磨いていきたいと語った。

その中で考えている理想のサイドバックについても語った中山。「僕の理想のサイドバックは、原点としてはオリンピックの酒井(宏樹)くんの基準が大きいですけど、難しいですね」と語り、「僕の中での理想のサイドバックになったとしたら、今まで日本にいないタイプの選手になると思っています」と、日本にいないタイプだと明かした。

「守れて、ゲームが作れて、なおかつサイドバックのイメージとしてある上下動もできるっていうのが理想です。ただ守れる、ただ攻撃ができるではなく、守れて攻撃ができる。尚且つゲームメイクもできるという抽象的ですが、日本にはいないと思いますし、世界でも本当に少ない希少なタイプのサイドバックだと思うので、それができれば誰と組んでもバリエーションが出せると思うので、そこが理想のサイドバックです」

更なる高みを目指している中山。いつの日か日本を代表する、世界に誇れるサイドバックになることを期待したい。
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