【ブンデス・シーズンプレビュー】充実補強のドルトムント、バイエルンの8連覇阻止なるか

2019.08.16 18:00 Fri
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2019-20シーズンのブンデスリーガが16日に開幕する。昨季はニコ・コバチ監督の就任した絶対王者バイエルンが後半戦に本調子を取り戻し、ドルトムントとの熾烈な優勝争いを制して7連覇を達成した。一強状態が長らく続いた中、新シーズンは充実補強を敢行したドルトムントがバイエルンの8連覇を阻止できるかに注目が集まる。
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◆“ロベリ”退団で世代交代進む中8連覇へ~バイエルン~
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昨季は前半戦こそニコ・コバチ監督の手腕が疑問視されるなどやや躓いたが、後半戦で怒涛の巻き返しを見せてドルトムントを抜き去り、7連覇を達成した。黄金時代を支えたFWロッベンとFWリベリの両重鎮が昨季をもって退団となった中、マンチェスター・シティのFWザネの獲得は負傷により流れたが、インテルからブンデス経験豊富なFWペリシッチを獲得した上、FWコマンやFWニャブリらもしっかり育っており、8連覇を目指せるだけの戦力を十分に擁している。また、DFフンメルスが古巣ドルトムントに電撃復帰したものの、新戦力としてフランス代表コンビのDFリュカとDFパヴァールを獲得しており、守備面に関しても大きな不安はない。2年連続得点王の絶対的エースであるレヴァンドフスキを筆頭に、各ポジションにトッププレーヤーを揃える王者が今季も優勝の本命であることに疑いの余地はない。
◆充実補強で一強時代に終止符を~ドルトムント~
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知将ファブレ監督を迎え、昨季は堂々の優勝争いを演じて見せた。結果的にバイエルンの7連覇を許すことになったが、シーズン開幕前に予想された独走はさせなかった。そして迎える新シーズン、ドルトムントが8季ぶりの王座奪還へ本気の動きを見せた。前述のようにフンメルスが3季ぶりにバイエルンから復帰。昨季の懸念となっていた左サイドバックにはホッフェンハイムからDFシュルツを獲得し、守備力の大幅な向上に成功した。また、攻撃面ではレバークーゼンからMFブラント、ボルシアMGからMFトルガン・アザールと、昨季の上位チームから主軸を引き抜いて見せた。かつてのバイエルンを思わせる大胆な補強策で充実のスカッドを構築したドルトムントが、バイエルンの一強時代に終止符を打つ。

◆ナーゲルスマン監督就任で2季連続CL権獲得へ~ライプツィヒ~
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バイエルン、ドルトムントには戦力的に及ばないものの、2強に続くと予想されるのがライプツィヒだ。主力に放出者が出なかったことに加え、ホッフェンハイムでの4シーズンで好成績を収めた32歳のナーゲルスマン監督を迎えたことから、2季連続でのチャンピオンズリーグ(CL)出場権獲得は濃厚と言えそうだ。補強としては24歳以下の選手を獲得するクラブの方針に沿い、パリ・サンジェルマンからMFエンクンク、ザルツブルクからMFヴォルフ、2シーズン前にレンタルで加入していたエバートンFWルックマンをそれぞれ完全移籍で獲得し、戦力に厚みをもたらしている。

◆ホッフェンハイムからの引き抜きでチーム力維持~レバークーゼン~
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ライプツィヒ同様、レバークーゼンも新シーズンの目標は、2季連続でのCL権奪取となる。攻撃の要を担っていたブラントがドルトムントに引き抜かれたのは痛恨だが、代わってホッフェンハイムから攻撃センスに優れたMFデミルバイとMFアミリを獲得し、戦力ダウンを最小限に抑えた印象だ。昨季、チームを立て直したボス監督の下、ブレイクを遂げたMFハフェルツを軸に上位争いを展開したい。
◆長谷部&鎌田の活躍で3季連続カップ戦出場へ~フランクフルト~
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昨季はヨーロッパリーグでベスト4に進出し、ブンデスリーガでもCL出場権争いを展開するなど充実のシーズンを過ごした。その中でリベロに定着したMF長谷部がチームを牽引し、ベテラン健在をアピール。ブンデスでの12シーズン目を迎える35歳が、FWヨビッチとFWアラーの2大得点源を失ったチームを後方から支える。また、注目したいのがシント=トロイデンで16ゴール9アシストと好結果を残したMF鎌田だ。2年前の移籍初年度には何もできなかった鎌田だが、ベルギーで成長した姿をドイツの地で見せ、チームを3季連続の欧州カップ戦出場に導けるか。

◆主将FW流出で大迫に懸かる期待~ブレーメン~
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フランクフルト同様に欧州カップ戦出場を争った昨季だったが8位に終わり、新シーズンは国内のみの戦いとなる。チームは昨季12ゴール14アシストをマークしたエースで主将のFWクルーゼが契約満了に伴い、クラブを退団してしまった。昨季は日本代表の活動でコンディションを崩し、リーグ戦3ゴールに終わったFW大迫としては、クルーゼの穴を埋める活躍が求められる。

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