【質疑応答】攻撃的サッカー掲げるなでしこジャパン監督、招集見送りのFW永里優季に代わる“次代の点取り屋発掘”にも意欲《アルガルベカップ2017》
2017.02.09 18:58 Thu
▽日本サッカー協会(JFA)は9日、FPFアルガルベカップ2017に臨むなでしこジャパンのメンバーを発表した。
▽会見に出席した高倉麻子監督は大会に向けて、若手の成長に期待を寄せつつ、チームの方針とする「フィジカルを言い訳にしない攻撃的なサッカー」の実践を強調、その中で、招集を見送られたFW永里優季(フランクフルト)に代わる“新たな点取り屋の発掘”に意欲を示した。
◆高倉麻子監督(なでしこジャパン)
「今日は雪が降って、お足元の悪い中、メンバー発表に来ていただきありがとうございます。メンバー選考に関しては、私が就任して以降、今まで選んできた選手たちがベース。U-20W杯も終了したのもあり、その大会で活躍した選手を含めて、国際大会に初めての出場になりますが、本格的にチームを作っていくうえで、各ポジションのバランスを考えながらメンバーを決めた」
「1月のフィジカルキャンプでは、新しい試みでメンタルトレーニングでは田中ウルヴェ京さん、走りのフォームのところでは朝原宣治さんをお呼びして、今まで日本のウィークポイントとされていたフィジカル面を高めていくという強い想いのもとにキャンプをした」
「今までの日本の技術に優れたところや、状況判断に優れていてチームのために戦えるという部分にプラスして、日本はフィジカルが弱いという言い訳をしないチーム作りを考えている。今回は初めての国際大会になるので、誰がどんな力を発揮するのか、組み合わせやポジションの適正も含めて、未知数なところはあるが、積極的にチャレンジをして、選手が力を発揮できるようなチーム作りをしていきたい」
「チームが新しくなってからアメリカ代表と2試合、スウェーデン代表と1試合、クラブチームと1試合の計4試合をやった。以前からなでしこジャパンや育成に関わる中で、世界と戦って勝ち切るためには、PA内で攻守ともに仕事ができるということが大事になってくる。やはりセットプレーやクロスからの失点が非常に多いため、ディフェンス面では個人の強さを追求したい。その中に入りこませない守備というのが大事になってくると思うので、選手と話をしながらトレーニングをしていきたい」
「攻撃のところでは、ソロで突破できたり、点が取れるというのがベース。FW陣や周りの選手も自分自身が点を決めるという気持ちと、技術面の向上を見直しながら、相手に読まれないコンビネーション作りや多彩な攻撃ができる組み合わせ、アイデアを出せる攻撃をトレーニングで積み上げていきたい」
――新キャプテンのDF熊谷紗希(リヨン)に望むことは
「この前の合宿の最後に、熊谷にキャプテンをやってもらうということを話して、以前から気持ちの中では何人かいた。ただ、彼女は若いうちから代表に入って、ずっと試合に出続けている。リヨンの方でも非常に信頼されて出続けているので、そういったグラウンド上での力というのは持っていると思う。それにプラスして年齢的にも上と下をつなぐという部分でも非常にバランスが良いと考えた。普段の生活を見ていても、上下関係なく、スタッフにも物怖じしないで話もできる。全体を見ながら私たちのつなぎ役になってほしい」
――U-20の選手たちに期待することは
「まず、ゴールキーパーの平尾(知佳)は、昨年のスウェーデン戦でも1度代表に呼んでいる。全体的にキーパーが持つテクニックを含めて、レベルは良いレベルにあると思う。メンタル的には若いので足りないところはあるが、物怖じしないで上を脅かす存在になりうると感じている。積極的にトライしてほしい」
「ディフェンスの北川(ひかる)に関しては左利きで、ずっと下のカテゴリーで左のサイドバック、もしくはその前のポジションでやっている。基本的に身体能力が高い。経験していく中でサッカーに対する理解というものを、自分の中で積み上げていきながら、一対一が強いし、攻撃的なところでも思い切ったプレーで良いクロスやシュートまで持っていく力がある。未知数だけど、非常にポテンシャルは高いので期待している」
「中盤の長谷川(唯)は、非常にテクニックや状況判断に優れている。小柄だが持久力があり、日本人らしい。前線でテクニックを使いながら、相手をかき回してほしい。しかし、得点力というところでまだまだ課題があると思うので、決定力というのを身に着ければ、面白い存在になる」
「FWの籾木(結花)も小柄だが、タイミングが良い選手。状況を見て、相手に捕まらないタイミングでボールを引き出したり、間を外してシュートまで持ち込む力がある。やはり小柄というところで、大きな選手に対してどこまでできるかは未知数なので、その部分も思い切って観てみたいと思って招集した」
――MF猶本光選手(浦和レッズレディース)とFW永里優季選手(フランクフルト)の招集しなかった判断について
「猶本選手は、非常に意識高く取り組んでいて、候補であることは全く変わらない。少しケガが多い中で、コンディションがまだ十分に上がっていないという判断もある。シンプルに競争だと思うので、これからもパフォーマンスが良ければ、上に引き上げるということは十分にある。まだ様子を見てみようかなという判断をした」
「永里に関しては前回、クラブに専念したいという話があり、招集を見送っているという形」
――今回対戦する3カ国について
「ドイツやフランス、アメリカがいない大会ではあるが、顔ぶれを見ると、世界の中でも上位のチームがほとんど。簡単な大会ではないと感じている」
「対戦国のスペインに関しては、新鋭だと思う。下のカテゴリーでは何回か対戦しているが、やはりサッカー大国なので、環境が整って力を入れ出すと女子の場合、1年2年で急激に力をつけてくるということがある。育成ですごく良いパフォーマンスを見せているチームで勢いもあり、私自身も何回か対戦をしているので、似たようなタイプと言えば似たようなタイプ。やはり負けたくない気持ちがあるので初戦を戦っていきたい」
「アイスランドは、あまり耳にしていない。新しいチームだと思う。昨年、アイスランドに育成を含めて行く機会があったが、国中で素晴らしい強化をしているチームなので、最近伸びてきているチームであることは間違いない。簡単な試合ではないと思っている」
「ノルウェーは、今までこの大会でも優勝していることもあり、ずっと女子サッカーの世界大会ができてからずっと上位にいるチーム。3カ国とも簡単な試合はない。いろいろなタイプの国と対戦できるので、私たちもどの選手が新しい力を見せてくれるかは未知数。選手には簡単にポジションをあげるつもりはない。選手たちはいろいろな可能性を出してほしい。のびのびとプレーして、新しく魅力ある力を発揮していけるようにしたい」
――30代の選手が1人もいないが、ベテランについての考え方は
「あまり年齢で選手を見るつもりはないが、やはり2019年、2020年に向かってチーム作りをしていく中で、新しい選手がどれほどできるのかを見たいというのがあった。少し若い選手を思い切って入れた。(今回のメンバーに)30代というふうに区切るといないが、28歳や29歳と経験を積んでいる選手はいる。その選手たちは今まで中堅で頑張っていたが、そうではなく上に立ってチームを引っ張っていくことを期待している。若い選手から経験のある選手までいろいろな選手がいる中でチームはバランスを保って進んでいくものだと思っているので、こういう編成にした」
――選手の起用についてと経験の浅い選手たちに期待することは
「新しいチームなのでチャレンジにはなると思う。いろいろな組み合わせを見てみたいというものあり、対戦国によってチームとしての約束事など微調整しながらやっていく。もちろん負けるわけにもいかないので、大会の中で自分はせめぎ合いながらやっていくと思う。あまり勝ちにこだわりすぎてもチャレンジができない。かといってチャレンジと言って負けると言い訳になる。その部分はうまくバランスとりながらやって、負けるつもりはない」
「若い選手は比較的、若い世代からカテゴリー別の代表に入っている選手たちだが、やはり大人のサッカーは全く違う。フィジカル面の部分は選手自身が駆け引きをしてくると思う。そういうところは肌で感じて盗んで、一日一日を大事にして成長してほしい」
――これまでよりFWの選手が多いが、攻撃面でチームに期待することやどのようなサッカーをしたいか
「チームを作るうえで、守備の約束事や選手がハードワークすることを求めるのはベース。私自身は攻撃的にサッカーを進めていきたい。やはり点を獲れる選手を探していることは確かなので、国内リーグや海外リーグ含めて攻撃のところで良い色を出している選手はなるべく呼んで、チームにどういう力を与えてくれるかというのを見たいと思い、少し多くなった。ポジションに囚われず、いろいろなポジションができてほしいというのもあるので、チャレンジをしていく中で、どこからでも誰でも点が取れるというチーム作りをしていきたい」
▽会見に出席した高倉麻子監督は大会に向けて、若手の成長に期待を寄せつつ、チームの方針とする「フィジカルを言い訳にしない攻撃的なサッカー」の実践を強調、その中で、招集を見送られたFW永里優季(フランクフルト)に代わる“新たな点取り屋の発掘”に意欲を示した。
「今日は雪が降って、お足元の悪い中、メンバー発表に来ていただきありがとうございます。メンバー選考に関しては、私が就任して以降、今まで選んできた選手たちがベース。U-20W杯も終了したのもあり、その大会で活躍した選手を含めて、国際大会に初めての出場になりますが、本格的にチームを作っていくうえで、各ポジションのバランスを考えながらメンバーを決めた」
「1月のフィジカルキャンプでは、新しい試みでメンタルトレーニングでは田中ウルヴェ京さん、走りのフォームのところでは朝原宣治さんをお呼びして、今まで日本のウィークポイントとされていたフィジカル面を高めていくという強い想いのもとにキャンプをした」
「今までの日本の技術に優れたところや、状況判断に優れていてチームのために戦えるという部分にプラスして、日本はフィジカルが弱いという言い訳をしないチーム作りを考えている。今回は初めての国際大会になるので、誰がどんな力を発揮するのか、組み合わせやポジションの適正も含めて、未知数なところはあるが、積極的にチャレンジをして、選手が力を発揮できるようなチーム作りをしていきたい」
――練習でとのような取り組みを考えているか
「チームが新しくなってからアメリカ代表と2試合、スウェーデン代表と1試合、クラブチームと1試合の計4試合をやった。以前からなでしこジャパンや育成に関わる中で、世界と戦って勝ち切るためには、PA内で攻守ともに仕事ができるということが大事になってくる。やはりセットプレーやクロスからの失点が非常に多いため、ディフェンス面では個人の強さを追求したい。その中に入りこませない守備というのが大事になってくると思うので、選手と話をしながらトレーニングをしていきたい」
「攻撃のところでは、ソロで突破できたり、点が取れるというのがベース。FW陣や周りの選手も自分自身が点を決めるという気持ちと、技術面の向上を見直しながら、相手に読まれないコンビネーション作りや多彩な攻撃ができる組み合わせ、アイデアを出せる攻撃をトレーニングで積み上げていきたい」
――新キャプテンのDF熊谷紗希(リヨン)に望むことは
「この前の合宿の最後に、熊谷にキャプテンをやってもらうということを話して、以前から気持ちの中では何人かいた。ただ、彼女は若いうちから代表に入って、ずっと試合に出続けている。リヨンの方でも非常に信頼されて出続けているので、そういったグラウンド上での力というのは持っていると思う。それにプラスして年齢的にも上と下をつなぐという部分でも非常にバランスが良いと考えた。普段の生活を見ていても、上下関係なく、スタッフにも物怖じしないで話もできる。全体を見ながら私たちのつなぎ役になってほしい」
――U-20の選手たちに期待することは
「まず、ゴールキーパーの平尾(知佳)は、昨年のスウェーデン戦でも1度代表に呼んでいる。全体的にキーパーが持つテクニックを含めて、レベルは良いレベルにあると思う。メンタル的には若いので足りないところはあるが、物怖じしないで上を脅かす存在になりうると感じている。積極的にトライしてほしい」
「ディフェンスの北川(ひかる)に関しては左利きで、ずっと下のカテゴリーで左のサイドバック、もしくはその前のポジションでやっている。基本的に身体能力が高い。経験していく中でサッカーに対する理解というものを、自分の中で積み上げていきながら、一対一が強いし、攻撃的なところでも思い切ったプレーで良いクロスやシュートまで持っていく力がある。未知数だけど、非常にポテンシャルは高いので期待している」
「中盤の長谷川(唯)は、非常にテクニックや状況判断に優れている。小柄だが持久力があり、日本人らしい。前線でテクニックを使いながら、相手をかき回してほしい。しかし、得点力というところでまだまだ課題があると思うので、決定力というのを身に着ければ、面白い存在になる」
「FWの籾木(結花)も小柄だが、タイミングが良い選手。状況を見て、相手に捕まらないタイミングでボールを引き出したり、間を外してシュートまで持ち込む力がある。やはり小柄というところで、大きな選手に対してどこまでできるかは未知数なので、その部分も思い切って観てみたいと思って招集した」
――MF猶本光選手(浦和レッズレディース)とFW永里優季選手(フランクフルト)の招集しなかった判断について
「猶本選手は、非常に意識高く取り組んでいて、候補であることは全く変わらない。少しケガが多い中で、コンディションがまだ十分に上がっていないという判断もある。シンプルに競争だと思うので、これからもパフォーマンスが良ければ、上に引き上げるということは十分にある。まだ様子を見てみようかなという判断をした」
「永里に関しては前回、クラブに専念したいという話があり、招集を見送っているという形」
――今回対戦する3カ国について
「ドイツやフランス、アメリカがいない大会ではあるが、顔ぶれを見ると、世界の中でも上位のチームがほとんど。簡単な大会ではないと感じている」
「対戦国のスペインに関しては、新鋭だと思う。下のカテゴリーでは何回か対戦しているが、やはりサッカー大国なので、環境が整って力を入れ出すと女子の場合、1年2年で急激に力をつけてくるということがある。育成ですごく良いパフォーマンスを見せているチームで勢いもあり、私自身も何回か対戦をしているので、似たようなタイプと言えば似たようなタイプ。やはり負けたくない気持ちがあるので初戦を戦っていきたい」
「アイスランドは、あまり耳にしていない。新しいチームだと思う。昨年、アイスランドに育成を含めて行く機会があったが、国中で素晴らしい強化をしているチームなので、最近伸びてきているチームであることは間違いない。簡単な試合ではないと思っている」
「ノルウェーは、今までこの大会でも優勝していることもあり、ずっと女子サッカーの世界大会ができてからずっと上位にいるチーム。3カ国とも簡単な試合はない。いろいろなタイプの国と対戦できるので、私たちもどの選手が新しい力を見せてくれるかは未知数。選手には簡単にポジションをあげるつもりはない。選手たちはいろいろな可能性を出してほしい。のびのびとプレーして、新しく魅力ある力を発揮していけるようにしたい」
――30代の選手が1人もいないが、ベテランについての考え方は
「あまり年齢で選手を見るつもりはないが、やはり2019年、2020年に向かってチーム作りをしていく中で、新しい選手がどれほどできるのかを見たいというのがあった。少し若い選手を思い切って入れた。(今回のメンバーに)30代というふうに区切るといないが、28歳や29歳と経験を積んでいる選手はいる。その選手たちは今まで中堅で頑張っていたが、そうではなく上に立ってチームを引っ張っていくことを期待している。若い選手から経験のある選手までいろいろな選手がいる中でチームはバランスを保って進んでいくものだと思っているので、こういう編成にした」
――選手の起用についてと経験の浅い選手たちに期待することは
「新しいチームなのでチャレンジにはなると思う。いろいろな組み合わせを見てみたいというものあり、対戦国によってチームとしての約束事など微調整しながらやっていく。もちろん負けるわけにもいかないので、大会の中で自分はせめぎ合いながらやっていくと思う。あまり勝ちにこだわりすぎてもチャレンジができない。かといってチャレンジと言って負けると言い訳になる。その部分はうまくバランスとりながらやって、負けるつもりはない」
「若い選手は比較的、若い世代からカテゴリー別の代表に入っている選手たちだが、やはり大人のサッカーは全く違う。フィジカル面の部分は選手自身が駆け引きをしてくると思う。そういうところは肌で感じて盗んで、一日一日を大事にして成長してほしい」
――これまでよりFWの選手が多いが、攻撃面でチームに期待することやどのようなサッカーをしたいか
「チームを作るうえで、守備の約束事や選手がハードワークすることを求めるのはベース。私自身は攻撃的にサッカーを進めていきたい。やはり点を獲れる選手を探していることは確かなので、国内リーグや海外リーグ含めて攻撃のところで良い色を出している選手はなるべく呼んで、チームにどういう力を与えてくれるかというのを見たいと思い、少し多くなった。ポジションに囚われず、いろいろなポジションができてほしいというのもあるので、チャレンジをしていく中で、どこからでも誰でも点が取れるというチーム作りをしていきたい」
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