明治安田生命J1リーグ第22節が11日にヤマハスタジアムで行われ、湘南ベルマーレがジュビロ磐田に3-2で勝利した。
シーズン4度目の2連敗中で最下位に沈む磐田は何としても勝ちたい今節に向け、前節の先発から2名を入れ替えて、大南を13試合ぶりに起用。新戦力のエベシリオはベンチから出番をうかがった。一方、前節の鹿島戦を劇的展開で勝利した13位の湘南は、ここ4試合で3勝1敗。鹿島から1名のみの変更にとどめ、鈴木の代わりに古林を起用した。
試合は立ち上がりから互いに直線的な戦いを転じる展開に。そのなかで、湘南が速攻に転じた14分、ボックス中央に抜け出した野田のループシュートがGKカミンスキーの片手一本に阻まれると、こぼれ球に反応した松田が続けざまに押し込みにかかったが、クロスバーに嫌われてしまう。
試合が進むにつれて、ルキアンを起点にした磐田の攻めに対応し始めた湘南。徐々に試合の流れをコントロール下に置いたなかで、ボールの主導権も握り始めていく。だが、低い比重で中央の守りを固める磐田守備陣をこじ開ける一手を欠いて、なかなかシュートシーンを作りだせない。
すると、凌ぎ続ける磐田がワンチャンスを生かす。右CKのチャンスを獲得した前半アディショナルタイム1分、森谷のクロスに反応したファーサイドの今野がヘディング。大きくバウンドしたボールをゴール前の山田大記が金子のマークに遭いながら身体で押し込み、磐田が先制に成功する。
今野のデビュー即ゴールを記録した前節に続く得点演出により、先行した磐田。だが、後半開始早々にそのリードを失う。46分、左サイド敵陣深くの金子から低いクロスを受けた山崎がワントラップでボックス左に持ち込み、そのまま左足を一閃。これがゴールに決まり、湘南が追いつく。
嫌なムードが漂う磐田は、57分に大南が高い位置でボールを奪い、これがカウンターに発展。そのままオーバーラップしてボックス右でスルーパスを受けた大南が折り返す。中央を抜けたボールにファーサイドの森谷が右足ワンタッチで合わせるが、GK秋元の好ブロックに遭ってしまう。
追いついたものの、前半と打って変わり、ボールのイニシアチブを握れなくなった湘南は、最初の交代枠で浦和から今夏復帰の前田直輝を投入。傾きかける試合の主導権を握り返しにかかるが、70分に森谷と荒木の交代に動いてきた磐田の攻勢を受ける展開からなかなか抜け出せない。
その後もルキアンを下げてアダイウトンを起用してきた磐田の攻勢が続いたが、79分に“湘南に帰ってきた男”がその流れを一蹴する。山根の浮き球パスにボックス右で反応した山田直輝が右足を一閃。これが磐田のゴールマウスに突き刺さり、湘南が逆転してみせる。
その湘南はバイタルエリア右の位置でFKのチャンスを獲得した82分、キッカーの杉岡が相手の壁に直撃した自身のシュートの跳ね返りに素早く反応して左足でインパクト。これがゴール右上のクロスバーの内側を叩いてゴールマウスに吸い込まれ、一気に磐田を突き放した。
崩れた磐田は最後の交代枠でデビュー戦となるエベシリオをピッチに送り出したが、後半アディショナルタイム1分にアダイウトンが放ったヘディングシュートは無情にもクロスバー。最終盤に大井のヘディングシュートで1点差に詰め寄られた湘南だったが、これ以上の追い上げを許さず、シーズン3度目の2連勝を成し遂げた。
