元イングランド代表GKグリーンが“第3GK”を語る! チェルシーでの悲喜こもごも

2019.03.29 15:43 Fri
Getty Images
チェルシーに所属する元イングランド代表GKロバート・グリーン(39)がイギリス『BBC』のインタビューで“第3GK”の悲喜こもごもについて語った。
PR
ノリッジでプロキャリアをスタートしたグリーンは、ウェストハム、QPR、リーズ・ユナイテッド、ハダースフィールドを渡り歩き、2018年7月からチェルシーに完全移籍で加入した。
キャリアを通じてほとんどのクラブで正GKを勝ち取り、公式戦600試合以上プレーし、イングランド代表でも2010年の南アフリカ・ワールドカップ本大会でプレーするなど、通算12キャップを誇るイングランド屈指のベテランGKは、その輝かしいキャリアと一線を画す、ブルーズでの“第3GK”としての地味な日々について語っている。

現在、スペイン代表GKケパ・アリサバラガ、アルゼンチン代表GKウィリー・カバジェロに次ぐ3番手の立場であるグリーンは、加入以降一度も公式戦でプレーしていない。だが、“第3GK”としての役割を誇りを持って務めているようだ。

「キャリアをスタートさせたとき、『第3GKをやってみたい』とは少しも思っていなかった。だけど、キャリアが進むにつれて状況は変わっていくものなんだ」
「もちろん、自分が思っているほど、試合に絡めているわけではない。でも、それは加入する前から明らかにされていたことだった。もし、みんな(他のGK)がフィットしていれば、自分の役割がこういうものになることはわかっていたよ」

「(クラブにとって)物事がうまく進んでいる時に不平不満は言えないよ」

また、グリーンは正GKとしてのオファーもあった中で、チェルシーでの“第3GK”としてのオファーを受けた理由について、金銭面が影響したことはないと断言している。

「チェルシーからシーズン初めにチェルシーと契約を結ぶ気持ちはあるかと連絡を受けたとき、僕は『サラリーはいくらもらえる?』とは尋ねなかったよ」

「もちろん、自分の仕事をこなしてサラリーを受け取るのは多くの人にとって普通のことで、それは家族を養う助けとなる。だけど、それだけがモチベーションとなるわけではないよ」

「プレミアリーグのトップレベルでの経験をしたかったんだ。僕は今シーズン、とても多くのことを学んでいる。これまでのシーズンで(勝ち点)40ポイント以上獲得する経験はほとんどなかったんだ。ありがたいことに今季それを経験できた。同時に多くのトッププレーヤーの動きを近くで観察することもできた」

さらに、39歳のベテランGKは週末の試合に向けた“第3GK”としての特殊な役割についても言及している。そこでは練習のサポートと共にスカウティング部隊の一員としての役割もあるという。

「(試合前の)木曜日と金曜日はより戦術的な仕事が多くなるんだ。だから、僕はチェルシーのGKとしてよりも対戦相手のGKとしてトレーニングに臨む機会が多い」

「それは大きな違いだよ。土曜日の試合に向けたモチベーションはそこにはないよ。究極的にはゲームのような外的要因よりも、自分自身のモチベーション」

また、試合当日には“チームの一員”としての多くの仕事があると語っている。

「僕はチームのすべてのミーティングに出席し、プレマッチの段階でやるべきことやウォーミングアップにも参加する。そこではボールを集めたり、シュート練習、クロスボールを練習する仲間をサポートしている」

「そこから試合に出るプレーヤーはピッチ入場に向けて準備をするけど、僕のやることは違うんだ。ホームとアウェイに関わらず、お茶を見つけてきてスタンドの自分の席に向かうんだ」

「(スタンドからは)ベンチやピッチ上の人たちが見ることができないものが見えるんだ。僕自身、長いキャリアを通じて多くの知識や経験を持っている。そういう自分の意見を持っていて、それを口に出さないのはもったいないことだと思うし、僕はここにいる限りそういった意見を伝えるようにしているんだ」

最後にグリーンは1人の父親として6、7歳の息子がチェルシーのようなビッグクラブを日常の一部として感じられることが大きな経験になるはずだと考えているようだ。

「ここまでを振り返ってみると、僕自身にとっても息子にとってもここで素晴らしい経験をすることができている」

「6、7歳の息子がフットボールを理解し始めてきて、そのときに父親がチェルシーのようなクラブの一員であることは素晴らしいことだと思う」

「個人的な観点では、チェルシーのようなクラブのプレーを見せるために息子をウェンブリーやスタンフォード・ブリッジに連れていけたことを特別な瞬間だと振り返ることになると思う」

「もちろん、キャリアの一部と考えたときにフラストレーションと共に振り返る可能性もあるが、僕はそうならないと思っている。それは将来に向けたチャンスを僕自身に与え、ほかの人たちにも喜びを与えたと思っている」

華やかなフットボール界においてあまりスポットライトが当たらない“第3GK”に関してありのままの想いを語ってくれたグリーンによる興味深いインタビューだった。

PR
関連ニュース

来季プレミア挑戦のイプスウィッチ、チェルシーからレンタルの20歳FWハッチンソン確保目指す

イプスウィッチ・タウンはジャマイカ代表FWオマリ・ハッチンソン(20)をチェルシーから完全移籍で獲得したいようだ。イギリス『フットボール・ロンドン』が報じた。 今シーズンのチャンピオンシップ(イングランド2部)の戦いを2位で終え、クラブ22年ぶりのプレミアリーグ挑戦を叶えたイプスウィッチ。リーグ1(イングランド3部)からの2年連続昇格の立役者キーラン・マッケンナ監督は、ビッグクラブからの関心が報じられていたが、2028年6月までの契約延長を果たした。 イプスウィッチでの続投が決まったマッケンナ監督は、チェルシーからレンタル加入のハッチンソンと来シーズンも共に戦うことを望んでいるとのこと。クラブは移籍金2000万ポンド(約40億円)での完全移籍を目指すという。 マッケンナ監督の下、徐々にチーム内での地位を高めた左利きアタッカーのハッチンソンは、最終的に公式戦50試合で11試合6ゴールを記録。リーグ最終節でもネットを揺らすなどイプスウィッチのプレミアリーグ昇格に貢献し、シュツットガルトやアヤックス、フェイエノールトなどから関心を寄せられている。 今夏、多数の選手の放出に動くと予想されるチェルシーは、ハッチンソンの売却にも前向きと見られているが、つい先日、オプション行使によって契約期間を2026年6月まで延長。引き留めに傾いたというよりは、この20歳の価値を守るための動きと考えられている。 2024.05.31 18:43 Fri

価格は49億円…ユナイテッドが守備陣強化でチャロバー獲得検討

マンチェスター・ユナイテッドが守備陣立て直しの一手として、チェルシーからイングランド人DFトレヴォ・チャロバー(24)の獲得構想があるようだ。イギリス『インデペンデント』が報じた。 FAカップのタイトルで締めたが、プレミアリーグにチャンピオンズリーグ(CL)と不本意な戦いに終始した今季のユナイテッド。その要因の1つにケガ人続きのチーム状況が挙がり、守備陣も主力の不揃いが続いた。 なかでも、センターバック陣はケガ人続出の1年に。壊滅状態のなか、アカデミーからウィリー・カンブラワという若き力が出てきたのは良い話だが、今夏に優先すべきポジションの1つがセンターバックといわれる。 すでにラファエル・ヴァランの退団が決まり、補強の必要性が高まるなか、エバートンのイングランド代表DFジャラッド・ブランスウェイトに関心を抱くユナイテッドだが、新たにチャロバーの名も浮上している。 ジム・ラトクリフ共同オーナーのもと、リクルート法も抜本的に見直した上で選手売買に動くユナイテッドは高業績を残す他クラブのやり方に倣い、25選手以下の選手を標的に。今年7月に25歳となるチャロバーはその点でも合致する。 一方のチェルシーはプレミアリーグの収益と持続可能性に関する規則(PSR)を6月30日までに解消すべく、そのチャロバーか、コナー・ギャラガーのどちらかの売却を視野。価格はいずれも2500万ポンド(約49億8000万円)だという。 ユナイテッドにとって、チェルシーから補強となれば、昨オフのメイソン・マウントに続くものとなるが、いかに。 2024.05.31 16:05 Fri

財政問題抱えるチェルシーはやはりギャラガー売却考慮か…6月末までにPL2クラブ中心に争奪戦へ

チェルシーのイングランド代表MFコナー・ギャラガー(24)は、やはり今夏売却される可能性が高いようだ。イギリス『インデペンデント』が報じている。 トッド・ベーリー新体制移行後の常軌を逸した補強策によって、プレミアリーグの利益と持続可能性に関する規則(PSR)の違反の可能性が盛んに取り沙汰されるチェルシー。 その違反によっては来シーズンの勝ち点剥奪も見込まれる中、クラブは6月30日までに主力数選手の売却によって収支を均衡させる必要がある。その中で獲得コストがゼロで、売却益をすべて収入に計上できるホームグロウン選手の売却は必須事項とみられる。 そして、予てより約5000万ポンド(約99億6000万円)程度の金額での売却が可能なギャラガーは、有力な売却候補となっている。 前指揮官のマウリシオ・ポチェッティーノ監督は中盤の絶対的な主力、ゲームキャプテンを務めたダイナモの残留をクラブに強く求めていたが、クラブ首脳陣はファン・サポーターの反発を押し切ってでもギャラガーの売却を強硬に主張。その意見の相違がアルゼンチン人指揮官の退任の大きな要因のひとつとも言われる。 ギャラガーは依然としてブルーズ残留を希望しているものの、現状では泣く泣くクラブを去る以外に選択肢はないようだ。 そういった中、現在同選手に対してはアストン・ビラ、トッテナムの国内2クラブに加え、バイエルンやサウジアラビアからも関心が寄せられている。 とりわけ、ウナイ・エメリ監督がその能力を高く評価するアストン・ビラは、チャンピオンズリーグ(CL)出場権を交渉材料にギャラガー本人を口説き落としたい考えだ。 対して1年前から獲得に動いているトッテナムは、アンジェ・ポステコグルー監督の下でのエキサイティングなプロジェクトと、才能豊かなスカッドという環境面によって、より選手の能力を引き上げられるという部分やクラブとしての競争力という部分で争奪戦を制したいと考えているようだ。 2024.05.30 17:10 Thu

指揮官引き抜きに備える昇格組レスター、現在フリーのファン・ニステルローイ氏をリストアップか

レスター・シティは退任が濃厚なエンツォ・マレスカ監督(44)の後任探しを進めているようだ。 昨シーズン、プレミアリーグから降格となったレスター。新たにマレスカ監督を迎えてシーズンに臨むと、チャンピオンシップ(イングランド2部)で安定したパフォーマンスを続け、1年でのプレミアリーグ復帰とチャンピオンシップ優勝を成し遂げた。 しかし、マレスカ監督にはマウリシオ・ポチェッティーノ監督と袂を分かったチェルシーが接触。指揮官もロンドン行きを望んでいることから、正式決定はまだもレスターはすでに後任探しに着手している。 イギリス『デイリー・メール』によると、クラブは有力な候補として元オランダ代表FWで現在フリーのルート・ファン・ニステルローイ氏(47)をリストアップしているとのことだ。 マンチェスター・ユナイテッドのレジェンドとして知られるファン・ニステルローイ氏は、2011年に現役引退をしてからは指導者の道を歩み始め、2022年7月にPSVの指揮官に就任。初年度からエールディビジで2位をキープしつつKNVBベーカーでは優勝するなど結果を残していたが、クラブのサポート不足を理由に突如としてシーズン中の退任を表明した。 その後はフリーの状態が続いているファン・ニステルローイ氏。レスター行きとなれば久々にプレミアリーグで姿を見られることになるが、果たして。 2024.05.30 15:40 Thu

浜野まいか在籍のチェルシー、来季新指揮官はリヨンのボンパストル氏に決定

チェルシー女子チームの新指揮官がソニア・ボンパストル氏(43)に決定した。 チェルシーは29日、エマ・ヘイズ監督(47)の後任としてリヨン女子チームを率いるフランス人指揮官の招へいを発表した。契約期間は4年となる。 チェルシーでは2012年からチームを率い、直近のWSL5連覇に導くなど在任期間で通算16個のチームタイトルをもたらしたヘイズ監督がアメリカ女子代表監督就任に伴い、今季限りでの退任が決定していた。 そして、その後任として招へいされたのが、ボンパストル氏だ。 現役時代にモンペリエやリヨン、パリ・サンジェルマンで活躍した元フランス女子代表MFは、引退後に長らく古巣リヨンのアカデミーを指導。2021年に女子ファーストチームの新指揮官に指名されると、国内リーグ3連覇に2021-22シーズンのUEFA女子チャンピオンズリーグ制覇など通算7個のタイトル獲得に導いた。 名将の後釜として重圧かかるイングランドでの新たな挑戦に臨むボンパストル氏は、その意気込みを語っている。 「女子チームの監督としてチェルシーに加入できることをとても嬉しく思っています。チェルシーはイングランドフットボール界の名門クラブです。クラブ、スタッフ、プレーヤーの野望に応えるため、この新しいプロジェクトに全力を尽くします」 「エマの意志を継ぎ、ここ数年続けてきた仕事を続けていきたいと思います。冒険が始まります」 なお、チェルシーにはなでしこジャパンFW浜野まいかが在籍しており、新シーズンはボンパストル新監督の下でさらなる飛躍を目指すことになる。 2024.05.30 15:35 Thu
NEWS RANKING
Daily
Weekly
Monthly