ジョアン・シミッチ、風間サッカーのラストピース足り得るリンクマン/編集部コラム
2019.03.09 11:30 Sat
絶対的なエースに君臨し、2018シーズンの明治安田生命J1リーグで得点王に輝いた元ブラジル代表FWジョー、高いテクニックとボールスキルで攻撃を彩るMFガブリエル・シャビエル。2人のブラジル人選手に牽引された名古屋グランパスだったが、2018シーズンは最終節でJ1残留を決め、ファン・サポーターは薄氷を履む思いだっただろう。
攻撃的なスタイルを貫く風間八宏監督の下、その攻撃陣は奮闘したものの、守備陣が崩壊。中断期間に一新したことで後半戦は安定感を取り戻したが、別の問題は解決しないままにシーズンを終えた。そして、その穴を埋める救世主となったのが、今シーズンから加入したMFジョアン・シミッチだった。
◆待望のリンクマン登場
2018シーズンの名古屋に足りなかったもの、それは中盤で攻撃を司るリンクマンの存在だった。シーズン当初は長谷川アーリアジャスールがこのポジションに入り、上々のパフォーマンスを見せていたものの、守備時の穴にもなることが散見。さらに、パスを出せるタイプではなかったため、チームとして流動的に攻撃を構築するまでには至らなかった。
長谷川の後、2018年夏にエドゥアルド・ネットを獲得し、小林裕紀とともにボランチを構成したが、パスをつなぎ支配するサッカーでは攻撃面で物足りない印象。そこで、FC東京からMF米本拓司、そしてシミッチを迎え入れた。
◆開幕戦で見せたパスセンス
元U-21ブラジル代表という肩書きもありながら、未知数だったシミッチの能力だが、開幕節のサガン鳥栖戦で一発回答を見せる。開始5分、自陣に降りてパスを受けると、左足から前線へ縦パス。相手守備陣の間をすり抜けたボールがガブリエル・シャビエルへ渡ると、そのパスを受けた赤﨑秀平がシュート。コースを狙ったシュートは外れ、得点には繋がらなかったものの、一刺しで局面を変える片鱗を見せる。
結果を残したのは77分。左サイドでボールをキープすると、タイミング良くスペースへ抜け出す吉田豊へ浮き球のパス。そのまま吉田はボックス内左からダイレクトでクロスを上げ、ジョーがヘディングで合わせて追加点につながった。
さらに、79分には、右サイドでボールを受けた相馬からのパスを受けると、ミドルシュートを窺わせながらスルーパス。間をとった相馬が豪快にシュートを沈め、鳥栖の息の根を止める。
◆適応次第ではベストプレーヤーにも
第2節のセレッソ大阪戦でもその能力の高さを見せた。44分、ガブリエル・シャビエルとのパス交換からジョーを狙ったクロス。味方との呼吸を合わせることに加え、相手の守備陣形を見ての判断力の高さが伺えたシーンだ。
79分には、右サイドでボールを持つと、プレスをかけてきたソウザを交わしてシャビエルへ。シャビエルが流したボールから赤﨑が先制ゴールを決めた。アシストではないものの、起点となったプレーは鳥栖戦と同様だ。この場面では相手のプレスを待ちながら、ギリギリのところでのパス選択がゴールに繋がった。
ジョー、ガブリエル・シャビエルとJ1ですでに結果を残してきたブラジル人コンビに加え、シミッチも既にフィットしつつある状況。風間監督が目指す攻撃スタイルの完成形も見えてきた。ブラジル人トリオだけでなく、他に控える攻撃の駒とも相性の良さを見せており、名古屋躍進のキーマンになる可能性は高い。
《超ワールドサッカー編集部・菅野剛史》
攻撃的なスタイルを貫く風間八宏監督の下、その攻撃陣は奮闘したものの、守備陣が崩壊。中断期間に一新したことで後半戦は安定感を取り戻したが、別の問題は解決しないままにシーズンを終えた。そして、その穴を埋める救世主となったのが、今シーズンから加入したMFジョアン・シミッチだった。
2018シーズンの名古屋に足りなかったもの、それは中盤で攻撃を司るリンクマンの存在だった。シーズン当初は長谷川アーリアジャスールがこのポジションに入り、上々のパフォーマンスを見せていたものの、守備時の穴にもなることが散見。さらに、パスを出せるタイプではなかったため、チームとして流動的に攻撃を構築するまでには至らなかった。
長谷川の後、2018年夏にエドゥアルド・ネットを獲得し、小林裕紀とともにボランチを構成したが、パスをつなぎ支配するサッカーでは攻撃面で物足りない印象。そこで、FC東京からMF米本拓司、そしてシミッチを迎え入れた。
◆開幕戦で見せたパスセンス
元U-21ブラジル代表という肩書きもありながら、未知数だったシミッチの能力だが、開幕節のサガン鳥栖戦で一発回答を見せる。開始5分、自陣に降りてパスを受けると、左足から前線へ縦パス。相手守備陣の間をすり抜けたボールがガブリエル・シャビエルへ渡ると、そのパスを受けた赤﨑秀平がシュート。コースを狙ったシュートは外れ、得点には繋がらなかったものの、一刺しで局面を変える片鱗を見せる。
結果を残したのは77分。左サイドでボールをキープすると、タイミング良くスペースへ抜け出す吉田豊へ浮き球のパス。そのまま吉田はボックス内左からダイレクトでクロスを上げ、ジョーがヘディングで合わせて追加点につながった。
(C)J.LEAGUE PHOTOS
[シミッチが起点となりゴールを決めたジョー]
さらに、79分には、右サイドでボールを受けた相馬からのパスを受けると、ミドルシュートを窺わせながらスルーパス。間をとった相馬が豪快にシュートを沈め、鳥栖の息の根を止める。
試合中には効果的なパスを何度も見せていたものの、決定機、そして得点に繋がったパスだけでも3本。ボールを受け、一発で局面を打開できるパス能力の高さは、衝撃的でもあった。
◆適応次第ではベストプレーヤーにも
第2節のセレッソ大阪戦でもその能力の高さを見せた。44分、ガブリエル・シャビエルとのパス交換からジョーを狙ったクロス。味方との呼吸を合わせることに加え、相手の守備陣形を見ての判断力の高さが伺えたシーンだ。
79分には、右サイドでボールを持つと、プレスをかけてきたソウザを交わしてシャビエルへ。シャビエルが流したボールから赤﨑が先制ゴールを決めた。アシストではないものの、起点となったプレーは鳥栖戦と同様だ。この場面では相手のプレスを待ちながら、ギリギリのところでのパス選択がゴールに繋がった。
(C)J.LEAGUE PHOTOS
[第2節でも赤﨑のゴールをお膳立て]
ジョー、ガブリエル・シャビエルとJ1ですでに結果を残してきたブラジル人コンビに加え、シミッチも既にフィットしつつある状況。風間監督が目指す攻撃スタイルの完成形も見えてきた。ブラジル人トリオだけでなく、他に控える攻撃の駒とも相性の良さを見せており、名古屋躍進のキーマンになる可能性は高い。
《超ワールドサッカー編集部・菅野剛史》
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