【リーガ前半戦総括&ベスト11】最優秀選手はメッシ!
2017.01.07 23:45 Sat
【前半戦総括】
★3強共に低調もレアル・マドリーが驚異的な勝負強さ発揮
▽昨シーズン終了後に開催されたユーロやコパ・アメリカの影響もあって、昨季覇権を争ったレアル・マドリー、バルセロナ、アトレティコ・マドリーの3強がいずれも苦しむ前半戦となった。それでも、昨季から継続するクラブ公式戦無敗記録を37試合に更新するなど、圧倒的な勝負強さを発揮し、2016年を終えたレアル・マドリーが、11勝4分けの37ポイントで首位を快走している。
▽そのバルセロナに輪をかけて苦戦しているのが、6位に低迷するアトレティコ。シメオネ続投に加え、今夏に大きな主力流出がなく、さらにMFガイタンやFWガメイロなど、一線級のタレントを補強したことで、前評判は高かった。だが、ボールポゼッション、得点力が向上した反面、持ち味の勝負強い守備が鳴りを潜め、失点数こそリーグ2位の14失点も、要所で守れないチームとなった印象だ。現在、リーグ戦8試合ゴールがないエースのFWグリーズマンの状態も気がかりだ。
▽不調の3強を尻目に前半戦でインパクトを残したのが、3位セビージャと4位ビジャレアル、5位ソシエダの3チーム。智将サンパオリを新指揮官に迎え、今夏に積極補強を行ったセビージャは、鬼才ビエルサの薫陶を受けた指揮官のアグレッシブな攻撃スタイルがハマリ、結果内容共に上々。一方、開幕直前にマルセリーノ前監督を解任し、急きょエスクリバ監督を招へいしたビジャレアルは、チャンピオンズリーグ(CL)・プレーオフ敗退に加え、主力に多くの離脱者を出した中、リーグ最少(11失点)の堅守と、FWサンソーネ、MFソリアーノら新戦力の台頭もあり、望外の4位をキープ。エウセビオ監督の下で継続路線のソシエダは、カンテラ出身の若手に加え、昨季期待を裏切った主力の奮起によって、攻守両面で完成度の高いフットボールを展開している。
▽MF清武弘嗣とMF乾貴士の2人の日本人選手では、今夏ハノーファーからセビージャに加入した清武が、エスパニョールとの開幕戦で鮮烈なデビューを飾ったものの、その後はライバルの活躍や言語の問題に苦しみ出場機会を減らし、今冬の退団の可能性も浮上している。対してエイバル2年目の乾は、序盤戦こそベンチを温める日々が続いたものの、その後8試合連続スタメンを飾るなど、尻上がりに調子を上げている。
【最優秀選手&監督】
★最優秀選手
◆FWリオネル・メッシ(バルセロナ)
★最優秀監督
◆ジネディーヌ・ジダン(レアル・マドリー)
【期待以上】
★チーム
◆レアル・ソシエダ
★選手
◆MFマテオ・コバチッチ(レアル・マドリー)
【期待外れ】
★チーム
◆アトレティコ・マドリー
★選手
◆FWパコ・アルカセル(バルセロナ)
【前半戦ベストイレブン】
ヤン・オブラク(アトレティコ・マドリー)
DF
マリアーノ(セビージャ)
ジェラール・ピケ(バルセロナ)
イニゴ・マルティネス(ソシエダ)
マルセロ(レアル・マドリー)
MF
ブルーノ・ソリアーノ(ビジャレアル)
スティーブン・エンゾンジ(セビージャ)
ルカ・モドリッチ(レアル・マドリー)
ロケ・メサ(ラス・パルマス)
FW
リオネル・メッシ(バルセロナ)
イアゴ・アスパス(セルタ)
【後半戦展望】
★レアル・マドリーの無敗はいつまで続くか
▽後半戦のポイントは独走態勢を築きつつあるレアル・マドリーの無敗記録がいつまで続いていくかだ。驚異的な勝負強さを見せている一方で、攻守に穴は少なくないだけに1度歯車が狂えば、ここまで長期に渡って無敗を継続してきた反動で、大きく調子を崩す可能性も十分にある。
▽その一方で、首位チームを追うバルセロナやセビージャ、アトレティコといった優勝争いのライバルは、前半戦を見る限りで大型連勝をするような爆発力はなく、首位奪還に向けてはレアル・マドリーの大きな取りこぼしを期待するほかない。逆を言えば、前述の3チームのいずれかが爆発力のある戦いを見せられれば、首位チームのリズムを乱せる可能性もあるはずだ。
▽ヨーロッパ出場権争いに関しては、前述の4チームに加えて、ビジャレアル、ソシエダ、ビルバオ、エイバル、エスパニョールあたりの争いになる。ここに記したクラブは、いずれも確固たるフィロソフィーを持った指揮官が率いるチームだけに負傷による主力の離脱がなければ、最後までハイレベルの争いを見せてくれるはずだ。
▽残留争いに関しては、最終勝ち点40を残留ラインと考えると、第16節終了時点で18ポイントの14位ベティスあたりまでの7チームによる争いとなる可能性が高い。ただ、今冬の移籍市場での選手の動きや監督交代などで、良い意味でも悪い意味でも後半戦に大きく変貌を遂げるクラブも少なくないだけに、例年通り最後まで目が離せない戦いとなるはずだ。
★3強共に低調もレアル・マドリーが驚異的な勝負強さ発揮
▽昨シーズン終了後に開催されたユーロやコパ・アメリカの影響もあって、昨季覇権を争ったレアル・マドリー、バルセロナ、アトレティコ・マドリーの3強がいずれも苦しむ前半戦となった。それでも、昨季から継続するクラブ公式戦無敗記録を37試合に更新するなど、圧倒的な勝負強さを発揮し、2016年を終えたレアル・マドリーが、11勝4分けの37ポイントで首位を快走している。
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▽3連覇を目指すバルセロナは、10勝2敗4分けで首位と暫定3ポイント差の2位に付けている。だが、今季は第3節で昇格組のアラベスにまさかの敗戦を喫するなど、要塞カンプ・ノウで近年最低のパフォーマンス。また、エースのFWメッシ、司令塔のMFイニエスタへの依存傾向が顕著で、今夏獲得したFWパコ・アルカセルやMFアンドレ・ゴメスらの適応の遅れなど、3連覇に向けて難しいシーズンを過ごしている。▽不調の3強を尻目に前半戦でインパクトを残したのが、3位セビージャと4位ビジャレアル、5位ソシエダの3チーム。智将サンパオリを新指揮官に迎え、今夏に積極補強を行ったセビージャは、鬼才ビエルサの薫陶を受けた指揮官のアグレッシブな攻撃スタイルがハマリ、結果内容共に上々。一方、開幕直前にマルセリーノ前監督を解任し、急きょエスクリバ監督を招へいしたビジャレアルは、チャンピオンズリーグ(CL)・プレーオフ敗退に加え、主力に多くの離脱者を出した中、リーグ最少(11失点)の堅守と、FWサンソーネ、MFソリアーノら新戦力の台頭もあり、望外の4位をキープ。エウセビオ監督の下で継続路線のソシエダは、カンテラ出身の若手に加え、昨季期待を裏切った主力の奮起によって、攻守両面で完成度の高いフットボールを展開している。
▽MF清武弘嗣とMF乾貴士の2人の日本人選手では、今夏ハノーファーからセビージャに加入した清武が、エスパニョールとの開幕戦で鮮烈なデビューを飾ったものの、その後はライバルの活躍や言語の問題に苦しみ出場機会を減らし、今冬の退団の可能性も浮上している。対してエイバル2年目の乾は、序盤戦こそベンチを温める日々が続いたものの、その後8試合連続スタメンを飾るなど、尻上がりに調子を上げている。
▽残留争いに関しては、昇格プレーオフを勝ち抜き20番目のチームとして参戦のオサスナが予想通り苦戦を強いられ、最下位に低迷。また、昨季からスカッドが大幅に入れ替わったグラナダと、スポルティング・ヒホンも苦しいシーズンが続く。さらに、主力の流出や2度の監督交代と期待外れのシーズンを過ごすバレンシアも降格圏と同勝ち点の17位と、近年稀に見る酷いシーズンを送っている。
【最優秀選手&監督】
★最優秀選手
◆FWリオネル・メッシ(バルセロナ)
Getty Images
▽ケガや体調不良の影響で3試合を欠場したものの、出場13試合で12ゴール4アシストを記録。相棒のFWスアレスと共に、得点ランキングのトップに立っている。イニエスタの長期離脱や守備面の問題によって、中盤の構成力が低下した中、積極的に中盤まで下りてゲームメークに関与。また、決定機に繋がるキーパスの本数も突出しており、前述した数字以上のインパクトを残している。直近のエスパニョールとのダービーでは圧巻の4人抜きのドリブル突破を披露するなど、改めて異次元のレベルにあることを証明した。★最優秀監督
◆ジネディーヌ・ジダン(レアル・マドリー)
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▽開幕直前の就任で見事チームを軌道に乗せたエスクリバ監督、就任2年目で完成度の高いフットボールを展開するソシエダのエウセビオ監督の手腕も見事だった。しかし、内容度外視も圧倒的な勝負強さで首位を快走するカリスマ指揮官を最優秀監督に選出した。オリジナリティや説得力のある采配とは言い難いものの、歴代最高のフットボーラーの1人と評される天才は、MFモドリッチのアンカー起用や、MFコバチッチの抜擢、要所で見せるシステム変更など、事あるごとに機能させた。また、完璧とは言えないが、不可避と見られた“BBC”への介入にも着手し始めた点も評価したい。【期待以上】
★チーム
◆レアル・ソシエダ
Getty Images
▽昨年11月にモイーズ前監督の後任として途中就任したエウセビオ監督の下、順調な歩みを進めるバスクの名門は、CL出場圏内の4位ビジャレアルと同勝ち点の5位に位置している。また、アトレティコに2-0の完勝、バルセロナ相手に得意のホームゲームで勝ちに等しい内容でのドローと、この順位に相応しいフットボールを披露している。若き守護神ルジ、FWオヤルザバルら昨季に台頭した若手に加え、今季はDFイニゴ・マルティネス、MFイジャラメンディ、FWベラら中堅の躍動ぶりが目を見張る。さらに、ロシアへ旅立った主砲FWジョナタスの後釜として、ラス・パルマスから獲得したFWウィリアン・ジョゼが、ここまでチームトップの9ゴールを記録。バスク伝統の球際の強さを生かしたトランジションスタイルと、バルセロナ出身の指揮官がもたらす繋ぐスタイルの融合が高次元で機能している。★選手
◆MFマテオ・コバチッチ(レアル・マドリー)
Getty Images
▽負けない首位チームの中盤を攻守両面で支えたコバチッチは、開幕時点で放出候補の1人だった。昨季、ベニテス前監督の要望でインテルから加入も、球離れの悪さや淡泊なプレーなど、悪いところばかりが目立っていたクロアチア代表MF。そのため、今夏にはミランやローマ、リバプールなどへのレンタル移籍が濃厚と見られていたが、前半戦終了時点でチーム上位の11試合でスタメン出場。MFカゼミロやMFクロース、MFモドリッチら中盤の選手の離脱で巡ってきたチャンスの中で、昨季には見られなかった闘争心溢れるプレーや粘り強い守備で中盤の守備を締めれば、攻撃では持ち味の前線への持ち上がりに加え、シンプルに味方を使うプレーを覚え、同胞モドリッチを彷彿とさせる気の利いたプレーを随所に見せた。【期待外れ】
★チーム
◆アトレティコ・マドリー
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▽ここまで8勝4敗4分けとシメオネ就任後の前半戦で最も低調な戦績となったアトレティコ。29得点14失点と、ここまで残した数字は上々で、バイエルンと同居したCLグループステージでも堂々の首位通過を決めている。その一方で、気がかりなのは持ち味の堅守速攻が機能するはずの上位陣との対決において、バルセロナ相手に引き分けた試合を除いて、ビジャレアル、ソシエダ、セビージャに敗戦。また、ビセンテ・カルデロンでの最後のダービーも宿敵レアル・マドリーに屈辱的な大敗を喫している。指揮官の去就問題に加え、エースのグリーズマンの不振、期待の新戦力ガイタンの適応の遅れなど、問題山積みの中で前半戦を終えることになった。★選手
◆FWパコ・アルカセル(バルセロナ)
Getty Images
▽今夏、“MSN”をバックアップする“第4の男”として総額3200万ユーロでバレンシアから加入したアルカセルだが、リーグ戦8試合出場でノーゴールと期待外れの結果となった。“MSN”のケガなどで、CLを含め十分にチャンスは与えられていたものの、バルセロナのスタイルへの適応に苦しんだことで、持ち味の決定力という武器も錆びついてしまった印象だ。幸い、年内最終戦となったコパ・デル・レイで格下相手に公式戦初ゴールを記録しており、後半戦の巻き返しに期待したいところだ。【前半戦ベストイレブン】
(C)CWS Brains,LTD.
GKヤン・オブラク(アトレティコ・マドリー)
DF
マリアーノ(セビージャ)
ジェラール・ピケ(バルセロナ)
イニゴ・マルティネス(ソシエダ)
マルセロ(レアル・マドリー)
MF
ブルーノ・ソリアーノ(ビジャレアル)
スティーブン・エンゾンジ(セビージャ)
ルカ・モドリッチ(レアル・マドリー)
ロケ・メサ(ラス・パルマス)
FW
リオネル・メッシ(バルセロナ)
イアゴ・アスパス(セルタ)
【後半戦展望】
★レアル・マドリーの無敗はいつまで続くか
▽後半戦のポイントは独走態勢を築きつつあるレアル・マドリーの無敗記録がいつまで続いていくかだ。驚異的な勝負強さを見せている一方で、攻守に穴は少なくないだけに1度歯車が狂えば、ここまで長期に渡って無敗を継続してきた反動で、大きく調子を崩す可能性も十分にある。
▽その一方で、首位チームを追うバルセロナやセビージャ、アトレティコといった優勝争いのライバルは、前半戦を見る限りで大型連勝をするような爆発力はなく、首位奪還に向けてはレアル・マドリーの大きな取りこぼしを期待するほかない。逆を言えば、前述の3チームのいずれかが爆発力のある戦いを見せられれば、首位チームのリズムを乱せる可能性もあるはずだ。
▽ヨーロッパ出場権争いに関しては、前述の4チームに加えて、ビジャレアル、ソシエダ、ビルバオ、エイバル、エスパニョールあたりの争いになる。ここに記したクラブは、いずれも確固たるフィロソフィーを持った指揮官が率いるチームだけに負傷による主力の離脱がなければ、最後までハイレベルの争いを見せてくれるはずだ。
▽残留争いに関しては、最終勝ち点40を残留ラインと考えると、第16節終了時点で18ポイントの14位ベティスあたりまでの7チームによる争いとなる可能性が高い。ただ、今冬の移籍市場での選手の動きや監督交代などで、良い意味でも悪い意味でも後半戦に大きく変貌を遂げるクラブも少なくないだけに、例年通り最後まで目が離せない戦いとなるはずだ。
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