【プレビュー】26年ぶりか5年連続か《ベンフィカvsバイエルン》

2016.04.13 07:00 Wed
Getty Images
▽チャンピオンズリーグ(CL)準々決勝2ndレグ、ベンフィカvsバイエルンが13日27:45、エスタディオ・ダ・ルスでキックオフされる。20年ぶりの対戦となった1stレグではベンフィカが思わぬ健闘を見せ、バイエルンの辛勝(1-0)に終わった。
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▽1stレグではアウェイゴールこそ奪えなかったベンフィカだが、統制の取れた守備でバイエルンの強力攻撃陣を抑え込んで見せた。4日前に行われたアカデミカ・コインブラ戦では主力を起用して2-1の逆転勝利を収めた中、決勝に進出した1989-90以来となる26年ぶりのベスト4進出を目指す。
▽一方、開始早々にビダル弾が生まれながらも追加点を奪えなかったバイエルンだが、アウェイゴールを与えておらず、2ndレグに向けてアドバンテージを得ている。そのバイエルンは4日前に行われたシュツットガルト戦をドグラス・コスタやチアゴ、ラームをベンチスタートとしながら3-1で快勝し、5シーズン連続のベスト4進出へ良好なチーム状態を維持している。

◆ベンフィカ◆
【4-3-2-1】
▽ベンフィカ予想スタメン
GK:エデルソン
DF:アンドレ・アウメイダ、ジャルデウ、リンデロフ、エリセウ
MF:ピッツィ、サマリス、フェイサ、レナト・サンチェス、ガイタン
FW:ミトログル
負傷者:GKジュリオ・セーザル(太もも)、DFルイゾン(腕)
出場停止者:FWジョナス

▽出場停止でジョナスを欠く。また、守護神のジュリオ・セーザルとキャプテンで守備の要であるルイゾンを引き続きケガで欠く。ジョナスの代役には守備的に行くならサマリスかタリスカ、攻撃的に行くならヒメネスの起用が考えられる。
◆バイエルン◆
【4-1-4-1】
▽バイエルン予想スタメン
GK:ノイアー
DF:ラーム、キミッヒ、アラバ、ベルナト
MF:ドグラス・コスタ、ミュラー、シャビ・アロンソ、チアゴ、リベリ
FW:レヴァンドフスキ
負傷者:DFボアテング(内転筋)、DFバトシュトゥバー(足首)、MFロッベン(内転筋)
出場停止者:なし

▽出場停止者はいない。1stレグに続きロッベン、J・ボアテング、バトシュトゥバーの3選手をケガで欠く。

★タクティカル・プレビュー
◆1stレグ以上のオープンな展開へ
▽ベンフィカのホームとはいえ、1stレグ同様にバイエルンが主導権を握る展開が大半となるはずだ。とはいえ、ゴールを奪わなければそのまま敗退となるベンフィカがリスクを冒す必要があるため、1stレグ以上にオープンな時間帯が増えるだろう。

◆ジョナスの代役は?~ベンフィカ~
▽ゴールを奪う必要のあるベンフィカではあるが、ポルトガルリーグで29ゴールを挙げているジョナスを出場停止で欠く中、ヴィトーリア監督が代役にどの選手を起用するかで試合のプランが明らかになる。センターフォワードのヒメネスを起用した場合が最も攻撃的なプランとなり、次いで攻撃的MFとボランチをこなせるタリスカ、そして、守備的に行くならボランチ本職のサマリスということになる。

▽ベンフィカとしてはアウェイゴールを与えると、その時点で3ゴールが必要となるため、やや守備的な入りを見せるかもしれない。まずはサマリスでスタートし、ゴールレスで迎えた終盤にヒメネス投入で勝負をかけるプランが現実的だろうか。バイエルンの攻め疲れを誘い、後半終盤にラッシュをかけることで波乱を起こしたい。

▽1stレグではルイゾンを欠く中、守備陣の健闘によって2ndレグに望みをつないだ。守備に関しては1stレグと同じようにバックラインを下げてレヴァンドフスキとミュラーが使うスペースを消すアプローチで臨めば、抑え込める計算が立つ。問題はゴールを奪いに前がかった際だ。スペースを空けた際にスピードに優れているとは言えないジャルデウとリンデロフが世界トップレベルの得点感覚を持つレヴァンドフスキとミュラーに対応できるか。彼らの読みがどこまで通用するかに懸かっている。

◆ドグラス・コスタのカットインで幅を~バイエルン~
▽一方のバイエルンは1stレグでは思惑通り、開始早々に先制したものの波に乗り切れず、追加点を奪うことができなかった。左サイドのリベリが躍動した一方、右サイドに入ったドグラス・コスタが効果的なプレーを見せられなかった。ドグラス・コスタとしては、直近のシュツットガルト戦でゴールを決めた際のカットインからのシュートを使うことで、サイド攻撃を活性化させたい。

▽また、2ndレグではベンフィカがゴールを奪うために前がかる必要があるため、バイエルンとしてはその隙を見逃さずに突きたいところ。とりわけミュラーはスペースを突く才に長けており、プレッシャーのかかりにくいシャビ・アロンソやチアゴからボールを引き出すことでアウェイゴールを狙いたい。

▽守備面に関してはミトログルとヒメネスの高さのあるアタッカーに対する注意が必要だ。センターバックが本職でないキミッヒとアラバはとりわけ、高さに難を抱える。周囲がセカンドボールを拾う意識を高めるなり、ヒメネスが投入された際にはフィジカルで応戦できるハビ・マルティネスやベナティアを投入するなどして対抗したい。

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